Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
ここからラストバトルまで一気に駆け抜けます!
──衛宮邸離れ──
──回復するイリヤ────
──幸せな朝────────
鳥のさえずりが聞こえる穏やかな朝。
「おはよ〜!」(イリヤ)
元気いっぱいに布団から飛び起きるイリヤ。
「ちょっと! 全快しすぎでしょ!」(凛)
「うふふ、だってリンの秘孔のおかげだもん!」(イリヤ)
「それは否定できないけども!」(凛)
「イリヤが元気でよかったな」(士郎)
「士郎もセイバーも、昨夜あれだけ大暴れしてきたくせに」(凛)
「いや、遠坂とケンシロウのおかげで全力出せたんだよ」(士郎)
「全裸から秘孔で筋肉を戻し、ドレスを再形成するまでがセットでした」(セイバー)
「全裸って何!? セイバーまた裸になったの!?」(イリヤ)
「やめなさい!」(凛)
──南斗投影拳の創始者──
「南斗って何だか分からないけど……俺、強くなった気がする!」(士郎)
「南斗を知らずして、南斗投影拳を生み出すとは……!」(脳内ケンシロウ)
「えっ? 俺、そんなすごいことしてたのか!?」(士郎)
「北斗と南斗は表裏一体、陰と陽……両者は互角の拳法なのだ!」(脳内ケンシロウ)
「北斗と互角ってそんなにすごいのか!? じゃあ、俺は南斗聖拳で正義の味方を目指す!」(士郎)
「衛宮士郎! お前こそ、南斗投影拳を生み出した唯一の存在! その誇りを胸に刻め!」(脳内ケンシロウ)
──平和な朝のひととき──
士郎がほっとしたように笑う。
「でも本当によかったよ、イリヤが元気になって」(士郎)
「うん!リンのおかげ!リンってほんと最高だよね!」(イリヤ)
「そこはまあ、否定はしないけども!」(凛)
「凛、イリヤは幸せそうですね」(セイバー)
「こっちは寿命が縮む思いよ!」(凛)
「リンがいるから元気100倍だよ!」(イリヤ)
「何そのア◯パンマンな感じ!」(凛)
「凛、ありがとうございます。イリヤが元気で、私も嬉しいです」(セイバー)
「こっちはツッコミで体力削られてるけどね!」(凛)
そんな賑やかな笑いが続く朝のひととき。
突如、イリヤの笑顔がふっと小さくなる。
楽しそうに見えていたが、その瞳の奥には、どこか沈んだものが宿っていた。
「……ねぇ、リン、少し大事なこと話してもいい?」(イリヤ)
「……何?」(凛)
士郎とセイバーも、イリヤの豹変に自然と表情を引き締める。
「ずっと楽しくしていたいけど、私……やっぱり話しておかなきゃいけないことがあるの」(イリヤ)
「……聖杯のこと?」(凛)
「うん。リンが私を助けてくれて、本当に嬉しかった。でも……だからこそ、話しておきたいの」(イリヤ)
「ラオウと戦う前、この戦いが終わったら話すって言ってたの、覚えてる?」(イリヤ)
「私が倒れちゃったばっかりに、遅くなっちゃったけど……今なら話せるから」(イリヤ)
明るかった空気が、静かに変わっていく。
「……わかったわ。聞かせて」(凛)
静寂が訪れ、部屋の空気がぴんと張り詰める。
─聖杯戦争の真実────
──この世全ての悪────
──そして、話題は変わる。
説明役に定評のあるイリヤが、 "あの顔" になっていた。
──そう、 「説明モード」 である。
つまるところ、ここからしばらくは イリヤ劇場 が開幕するのだ。
「……みんな、揃ってるね……」(イリヤ)
イリヤは弱々しく微笑むと、ふと天井を見つめた。
「リン……シロウ……私ね、知ってるの……聖杯戦争の真実を」(イリヤ)
「え?」(士郎)
「これは本当に大事な話なの。聞いてくれる?」(イリヤ)
「すべての真実を受け入れなければならぬ時が来たのだ!!」(脳内ケンシロウ)
「あんたはいつも通りね!!!!」(凛)
こうして、イリヤは聖杯戦争の真実を語り始めるのだった──。
「みんな……聖杯って、本来どんなものか知ってる?」(イリヤ)
「えぇ、願いを叶える万能の器……でしょ?」(凛)
「元々はそう。願いを叶える願望器、でも今は"本来の聖杯"とは違うのよ」(イリヤ)
「え? どういうこと?」(凛)
「聖杯はね、元々は七騎のサーヴァントの魂を糧にして願いを叶えるものだったの」(イリヤ)
イリヤは静かに目を伏せ、声を落とした。
「すべての元凶は、第三次聖杯戦争でアインツベルンが召喚した"アヴェンジャー"というサーヴァント」(イリヤ)
「……それが、どうしたの?」(凛)
「"アヴェンジャー"は、英霊として召喚されたけど……本当にただの人間だったのよ」(イリヤ)
「どういうこと?」(凛)
「ある村ではね、"悪を特定すれば、それ以外の人間は善でいられる"って考えが広まったの。その村の人間は、一人の少年を生贄に選んで、『この世全ての悪』って決めつけたのよ」(イリヤ)
「……ちょっと待ってよ」(凛)
「村の全員が『この少年さえいれば、他の人間は善でいられる』と思い込んで、彼にすべての悪意を押し付けたの」(イリヤ)
「そんなの……地獄じゃないか……!」(士郎)
「本当にそうよ。彼は何も悪いことをしていないのに、名前も、過去も、未来も奪われて、拷問されて……人間の悪意を受け止めるために生かされたの」(イリヤ)
「…酷い…」(セイバー)
「彼は、人間のまま悪魔にされた。そして死んだあとも、人々の祈りによって"英霊"になった。……反英雄、呪いとして、"ただ悪であれ"という願いの込もった英霊が誕生したの」(イリヤ)
「そんな……!」(凛)
「それって、周りの人間が悪であることを望んだってことか?」(士郎)
「そう、それがアヴェンジャーの正体、真命"アンリマユ"、第三次聖杯戦争でアインツベルンは、その英霊を召喚した。でも……彼には戦う力なんてなかった。たった4日で敗れて、魂は聖杯に取り込まれたの」(イリヤ)
「4日……!?」(凛)
「短すぎだな!?」(士郎)
「最速記録ね」(凛)
「だが、最弱にして最悪……まさに悪の極致……」(脳内ケンシロウ)
「更新できない超速記録ね!」(凛)
──"願望器"が呪われた瞬間──
───聖杯汚染の真実────────
「アヴェンジャーは周囲から『ただ悪であれ』と願われて生まれた英霊だったの」(イリヤ)
「そのアヴェンジャーを聖杯が取り込んだ瞬間、聖杯は"万能の器"として、周囲から願われてきた一つの願いを叶えてしまった」(イリヤ)
「まさか…それって……」(凛)
「そう、聖杯は願いを叶えた。『ただ悪であれ』という願いが叶えられ、聖杯は汚染されたの」(イリヤ)
「え……ちょ、ちょっと待ってよ……」(凛)
「聖杯はね、本来なら『無色の願いを叶える力』だったはず。でも、アヴェンジャーが取り込まれたことで、"人を呪い、殺すことで願いを叶える"ものに変質したの」(イリヤ)
「つまり、汚染された聖杯は、もう"願いを叶える万能の器"じゃない。『人を殺すことで願いを叶える破滅の器』になってしまったのよ」(イリヤ)
「……嘘でしょ……?」(凛)
「第四次聖杯戦争で、キリツグが『世界平和』を願った時、聖杯が出した答えは『全人類を虐殺すれば争いはなくなる』だったの。それが、この呪われた聖杯の真の姿よ」(イリヤ)
凛は言葉を失った
「つまり、今の聖杯は……使えない?」(凛)
「いいえ、"願望器としては使える"わ。でも『人を殺すことで願いが叶えられる』の。そして聖杯を使えば、世界が呪いに飲み込まれるのよ」(イリヤ)
「……最悪だ……」(士郎)
イリヤは、最後にゆっくりと告げた。
「アヴェンジャーは聖杯の魔力を吸って、この世に生まれようとしているの。『60億の人間を呪う宝具を持ったサーヴァント』としてね」(イリヤ)
「……!?」(士郎)
ここで、イリヤは話を続ける。
「聖杯がどこにあるか、知ってる?」(イリヤ)
「……え? いや、どこって……教会じゃないの?」(凛)
「違うわよ、リン。"大聖杯"は、柳洞寺の地下大空洞にあるの」(イリヤ)
「……えええええええええ!?」(凛)
「そう。柳洞寺の地下にある大聖杯は、60年ごとに魔力を貯めて、聖杯戦争を管理する役割を持っているの。つまり、"今の聖杯戦争"が終わっても、大聖杯がある限り"次の聖杯戦争"はまた起こるのよ」(イリヤ)
「…………」(凛)
──凛の思考が止まった。
彼女の言葉がもたらしたのは衝撃と混乱だった。
そして、イリヤは 畳み掛けるように こう言った。
「ねぇ、リン?」(イリヤ)
「…………」(凛)
「"願いを叶えたい"と思う?」(イリヤ)
…私は………
深いため息をついた……………。
「…はぁ……………………」(凛)
「……叶えられるわけないじゃない……そんなの……」(凛)
「お前はどうする?」(脳内ケンシロウ)
「決まってるでしょ……このまま放っておくわけにはいかないわよ……」(凛)
「"この世全ての悪"が相手ならば、"この世全てのツッコミ"で対抗するしかない……」(脳内ケンシロウ)
「あんたはいつも通りね」(凛)
「私のツッコミの拳は最強なんだから!!この世全ての悪なんてぶっ飛ばしてやるわ!!」(凛)
「……アンリマユもサーヴァント!サーヴァントである以上秘孔を突くことはできる!聖杯の秘孔を突け!!」(脳内ケンシロウ)
「聖杯の秘孔って…ノッておくわ。私にならできるかもしれないし」(凛)
「遠坂……聖杯を壊そう……」(士郎)
「ええ……北斗神拳は私が自力で習得します!聖杯は破壊すべきです」(セイバー)
「はぁ…まさか聖杯戦争がこんな形になるなんてね……」(凛)
「これもまた……ツッコミの宿命だ……」(脳内ケンシロウ)
「分かってるわよ!!」(凛)
こうして、凛の地獄の一日が幕を開けようとしていた……。
聖杯戦争はまだ終わっていない。
"この世全ての悪"を止めるために……彼女は、再び立ち上がるのだった。
戦いの火蓋が切って落とされようとしていた─
次回、真の黒幕の計画が明らかにされます!!
お楽しみに!!