Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
ぜひ1番最後の〝月下の誓い〟まで読んでください!
────衛宮邸・離れの夜────
────終わらなかった目覚め────
修行を終え、夕飯も済ませた離れの一室。
落ち着いた灯りの中、全員が座布団の上でひと息ついていた。
しかし──
「……結局、最後まで服着せられたままだったな……」(士郎)
「……ええ、私も……全裸で拳を交わせなかったのは、非常に残念です……」(セイバー)
「もう“手遅れ”ね。本気で“残念”がってるんだもの」(イリヤ)
「何が残念なのよ。全裸で修行するのはおかしいの」(凛)
「だって遠坂、修行といえば当然、裸一貫!」(士郎)
「武の道において、衣はただの“拘束”です」(セイバー)
「いや服は着ろおおおおお!!!」(凛)
「師匠、全裸は私たちにとって“自然”なんです」(セイバー)
「この体に纏うのは、闘気と信念だけでいいんだ」(士郎)
「あんたたちの信念、肌色100%なの!?!?」(凛)
「正直、全裸の時より技のキレが悪かったと思う」(士郎)
「わかります。肩の可動域が制限されて……特に、肩甲骨周りが……」(セイバー)
「真面目に筋肉語るなああああ!!!」(凛)
そんな中、イリヤが冷静に紅茶をすする。
「もうこの二人は完全に末期なの」(イリヤ)
「末期ってあんた……!」(凛)
「リン、目覚めってね、ある時点を超えると“戻れない”のよ」(イリヤ)
「怖っ!?なにその破滅型目覚め理論!?」(凛)
「二人の中ではもう“全裸でない修行=修行ではない”って公式が成立してるのよ。
“服を着る=敗北”なのよ」(イリヤ)
「その理論こそ敗北よおおおお!!!」(凛)
「でも私は諦めたの。だって、彼らもう裸でしか輝けないから……」(イリヤ)
「輝くな服着て!!!」(凛)
「俺たちが本当に鍛えられたのは……肉体だけじゃなかった」(士郎)
「服と羞恥心を捨てたことで、魂が研ぎ澄まされたのを感じました」(セイバー)
「もうやだこの人たち!!裸で魂磨くなあああ!!」(凛)
「私達に必要なのは“全裸修行の極地”です」(セイバー)
「違う!そんな論理ないわよ!!」(凛)
「闘気が直接風とぶつかり、全裸の時こそ、最大の共鳴が……」(士郎)
「共鳴すんなあああああ!!!」(凛)
「これが“目覚め”の重症末期よ」(イリヤ)
「医者連れてこい誰か!!」(凛)
「シロウ、あなたとなら、再び裸になれる気がします」(セイバー)
「セイバー、俺もお前となら…か…もう一度、何も纏わず修行ができる」(士郎)
「止まれえええええええええ!!!」(凛)
「手遅れよ。諦めましょう」(イリヤ)
「セイバーは服を着ていない限り次の伝承者としては認めないわ」(凛)
「そんなっ……それでは私は……(ガーン)」(セイバー)
セイバーが本気でガーンとショックを受けた顔をする。
しかし、しばらくして晴れ晴れとした表情で顔を上げた。
「問題ありません。私は北斗神拳で凛師匠を越え、師匠の秘孔を突いて認めてもらいます」(セイバー)
「諦めましょう。2人はもう戻ってこれないわ」(イリヤ)
「そうね……って諦めてたまるかー」(凛)
────衛宮邸・離れの夜────
────団らんと笑いのひととき────
───────────────────
静かな夜。
離れのテーブルにはフルーツたっぷりのプリンが並び、士郎が腕によりをかけたデザートをみんなで囲んでいた。
「シロウ、これはとても美味しいですね」(セイバー)
「プリンの柔らかさと果物の酸味が絶妙!」(イリヤ)
「遠坂、どう?味は?」(士郎)
「文句なしよ。フルーツの配置まで完璧って、何者よあんた」(凛)
「料理人衛宮士郎、拳を持たずとも胃袋を制す!」(脳内ケンシロウ)
「胃袋の話してる場合じゃないわよ!!」(凛)
「うふふ……でもこの味なら、シロウの拳より強いかもね♪」(イリヤ)
「何言ってんの!?拳より強い料理って何よ!?」(凛)
士郎は照れ笑いしながら手を振る。
「いや、そんな大げさな……ただ、みんなに食べてもらいたくて頑張っただけだよ」(士郎)
「それが一番大事なことです、シロウ」(セイバー)
「……というか、さっきからイリヤ、顔にクリームついてるわよ」(凛)
「え?どこ!?鼻!?頬!?どこよ!?」(イリヤ)
「いや、全部」(凛)
「クリームの闘気が私の顔面に…!?(もぐもぐ)」(イリヤ)
「何を言ってるのよこの子は!!」(凛)
セイバーは口元にそっと手を添えて、小さく笑う。
「こうして食卓を囲むのは、とても優しく……そして、幸せです」(セイバー)
「セイバー、前にも言ったけど、やっぱりあんた真面目よね」(凛)
「北斗神拳の修行中、真面目さは命を守るための基礎と心得ています」(セイバー)
「……いやそれ関係ある!?今食卓の話してたのよ!?」(凛)
「食卓もまた、戦場ですから」(セイバー)
「名言っぽく言うなあああああ!!」(凛)
「さすがセイバー。次元が違うわ」(イリヤ)
「セイバーの名言により、世界はまた一歩混乱へと導かれた」(脳内ケンシロウ)
「黙れケンシロウ!!それ混乱しかないから!!」(凛)
笑い声が、衛宮邸の離れに柔らかく広がる。
「でも、ホントに楽しいわね、こういう時間」(イリヤ)
「そうだな……こんな時間がずっと続けばいいのに」(士郎)
「続けるためには……闘気の調和が不可欠です」(セイバー)
「だから落ち着いて食べなさい!!」(凛)
「リン、ツッコミの拳も極まってきたね♪」(イリヤ)
「ええ、自分でも感じてる。もう“拳で語る”どころじゃないわ……魂がツッコんでるのよ」(凛)
「お前の拳は、もはや概念すら破壊する」(脳内ケンシロウ)
「ポエムはいいから黙って!!」(凛)
──そして、次第に笑い声が増していく。
誰もが腹を抱えて笑いながら、それでも確かに、温かい気持ちで満たされていた。
笑いが止んだとき、
――クライマックスが、静かに始まろうとしていた。
────衛宮邸・離れの夜────
────再び遊ばれる強制告白────
──────────────────
笑いが一段落し、空気に少しだけ静けさが戻る。
凛はふと椅子から立ち上がり、月明かりを背に静かに一歩、また一歩と歩き出す。
「……さて」(凛)
「え、な、なにその“さて”?」(士郎)
「なんとなく……凛が動き出すと、ろくなことにならない気が……」(セイバー)
「フフ……そうよね。じゃあ“ろくなこと”にしてあげるわ」(凛)
──ヒュッ!
次の瞬間、凛が士郎の背後へ高速移動。秘孔奥義、発動!!
「秘孔解放──強制告白・第二弾!!」(凛)
──ツボッ!!(秘孔音)
「うわっ!?またかよおおお!!」(士郎)
──ピキーン!!
「俺は……セイバーが大好きだ……」(士郎)
「いきなりきたー!」(凛)
「うぉぉおぉ!?何で言ってんだ俺!!」(士郎)
「うふふ、また始まった♪」(イリヤ)
「シロウ、嬉しいです。」(セイバー)
「口が勝手に動いて──!」
──ピキーン!!
「今でも、遠坂のことは尊敬してるし、綺麗だし、好きだと思うけど……セイバーが一番なんだ!!」(士郎)
「はい、浮気発言入りましたー!!」(凛)
「浮気じゃないからあああああ!!!」(士郎)
「なーるほど、そういう本音ね♪」(イリヤ)
「でもでも、やっぱりセイバーが一番ってことなんでしょ?つまり私は“二番”ってことよね?」(凛)
「やめてくれぇぇぇぇ!追い打ちやめろぉぉ!!」(士郎)
──ピキーン!!
「そうなんだ。遠坂は二番目なんだ。セイバーが世界で一番好きだ。俺は、セイバーのそばにいたい。どんな未来でも……!」(士郎)
「はい、二股発言入りましたー!!」(凛)
「愛が溢れて止まらぬ……もはやこれは、愛という名の“拳”である」(脳内ケンシロウ)
「いやだから、ポエム挟んでる場合じゃないわよ!!」(凛)
「くっ……うぅぅぅ!!顔が……顔が熱いぃぃ!!」(士郎)
「その顔、最高だわ……フフフ」(凛)
「……リン、ちょっと怖いよぉ……」(イリヤ)
凛はにやりと笑うと、次の獲物へと視線を移す。
「じゃあ士郎の秘孔は解いてあげるわ。でもまだまだ楽しみは残ってるのよ」(凛)
──シュウウウウ!!
「はぁ、何をする気なんだよ」(士郎)
「さぁ、次はあなたよ。セイバー」(凛)
「えっ……!?」(セイバー)
──ツボッ!!(秘孔音)
──ピキーン!!
「……シロウ。私は、あなたが私を選んでくれるなら……他の誰かを好いていても……凛が近くにいても構いません」(セイバー)
「はい、浮気公認発言入りました♪」(凛)
「えええええええええ!?」(士郎)
──ピキーン!!
「私にとって大事なのは“誰よりも強く、あなたが私を愛してくれる”ということ。それさえあれば、私は満たされます」(セイバー)
「うわああああああああ!!やめてえええ!!恥ずかしすぎるううう!!」(士郎)
「セイバー……そ、それって……」(凛)
──ピキーン!!
「……私は、シロウが隣にいてくれるなら……受け入れる覚悟があります」(セイバー)
「いやいやいや!!俺が一番恥ずかしいんだからああ!!」(士郎)
「わはははは!!シロウ顔真っ赤ー!!」(イリヤ)
「見事なまでに、愛に溺れし者たちの祭典である」(脳内ケンシロウ)
「祭典て!!やめて、言葉が大げさすぎるんだ!!」(士郎)
セイバーは静かに士郎を見つめる。
──ピキーン!!
「シロウ……私を一番だと言ってくれて……嬉しかったです」(セイバー)
「セイバー……」(士郎)
──ピキーン!!
「凛を二番目と言ってくれて私は安心しました」(セイバー)
「えええええええ」(士郎)
「はい、浮気公認、二股公認、二度目です」(凛)
──ピキーン!!
「シロウ、私を一番と言ってくれてありがとうございます」(セイバー)
「ぐわああああああああああ!!」(士郎)
──ボフッ!!
士郎はその場にうずくまり、顔面を床に突っ伏す。
「フフ……そろそろ秘孔、解いてあげるわ」(凛)
──シュウウウウ……
凛が指先から小さく闘気を放ち、秘孔の縛りを解いた。
「俺……俺、何言ってたんだ……」(士郎)
「言ってたわよ、“一番はセイバー、二番は私”って。しっかりと、はっきりとね?」(凛)
「う、うう……穴があったら入りたい……」(士郎)
「でも私……本当に嬉しかったですよ、シロウ」(セイバー)
「ううう……」(士郎)
「……ちょっと泣きそう」(イリヤ)
「衛宮士郎、愛の告白を二度繰り返す者、これを“真のバカップル”と呼ぶ」(脳内ケンシロウ)
「それっぽく言ってもダメ!!」(凛)
──笑い声が、再び部屋を包み込む。
「……でも、みんなありがとう。こんなふうに笑って過ごせるなんて、夢みたいだよ」(士郎)
「夢なんかじゃないわ。これは、私たちが掴んだ日常よ」(凛)
「全ての戦いを終えたからこそ、今があるのですね」(セイバー)
「リンのツッコミがなければ、みんなもっと暴走してたかもね♪」(イリヤ)
「私は抑える側だからね!!」(凛)
────クライマックス────
────〝大団円〟───────
───〝月下の誓い〟──────
──静かな沈黙が流れる。
そのとき、凛がふと立ち上がり、窓際に向かう。
月明かりが差し込むふすまを、そっと開く。
──夜の風がそっと吹き込んだ。
凛の髪が揺れる。
その背に、柔らかな月光が重なっていた。
そして──
「……やっと、終わったんだな」(士郎)
「ええ……戦いも、秘孔も……全てが」(セイバー)
「秘孔はまだ終わってないわよ。今後もバシバシ突くから」(凛)
「なんでだよ!!平和になったんだからもう封印しようよ!?」(士郎)
「だって私、根源を目指す拳士 兼 魔術師だもの」(凛)
「最初に突く目標が俺の秘孔ってどういうことだよ!?」(士郎)
「シロウ……それはもう運命です」(セイバー)
「運命で納得させるのやめてくれよ!!」(士郎)
「私には“寿命延長パンチ”お願いね」(イリヤ)
「パンチじゃない、秘孔を突くわ、全力で」(凛)
「フフフ……まぁ、なんだかんだ言って、今が一番幸せかもね」(イリヤ)
「イリヤ……そうね。きっと私たち全員、ようやくここに辿り着けたのね」(凛)
「ここが、私たちの聖杯戦争の終わり。誰も血を流さない、静かな夜」(セイバー)
「そりゃ……セイバーの浮気公認は静かじゃなかったけど」(イリヤ)
「イリヤ、それは忘れましょう」(セイバー)
「いやいやいや!!あれ忘れられないからね!?何回でも思い出すからね!?」(イリヤ)
「静かな夜とは、静かに語られる愛と、突如暴発する笑いによって完成するもの……」(脳内ケンシロウ)
「ケンシロウ、ポエムをまとめに使わない!!」(凛)
四人の笑いが、また一つ空に昇る。
そして──
凛は縁の下に座り月を見上げた。
まるで士郎と切嗣のように…
その瞳には、静かな光と、揺るがぬ決意が宿っていた。
その横顔は、かつて見た誰よりも、強く、美しく、凛々しかった。
──そして、凛がふと手を止めて、真剣な顔になる。
「……みんな、本当にありがとう」(凛)
「え?」(士郎)
「私、改めて決めたの。北斗神拳を極める。そして魔術師として、根源へ到達してみせるわ」(凛)
「拳と魔術の融合……それが私の“道”よ」(凛)
「本当にいい月ね…」(凛)
──月を見上げたまま、凛は拳を握った。
──それは凛の"月下の誓い"…
(……この光景……)(士郎・心の声)
──"月下の誓い"。
士郎の脳裏に、幼い自分と、父・衛宮切嗣が並んで座った夜のことがよみがえる。
あの夜、月を見上げながら、士郎は“正義の味方”になると誓った。
(……これは……あの誓いと同じだ)(士郎・心の声)
(遠坂は知らない。けれど、俺にはわかる。
これは、俺と切嗣が交わした“月下の誓い”だ)(士郎・心の声)
空気が変わる。
セイバーが姿勢を正し、イリヤも真剣なまなざしを向ける。
「凛……それは、険しく、厳しい道です」(セイバー)
「でも、お前ならできるよ。どんな壁も拳でぶち壊して進むって、遠坂らしい」(士郎)
「リン、拳で根源殴ってもいいよ♪私は応援する!」(イリヤ)
「私、行くわ。拳と魔術を携えて……必ず、根源の渦の前に立つ。
拳を握って、突き進んで……それが、私の選んだ道だから」(凛)
誰もが立ち上がる。
そして──彼女を囲むように、静かに頷いた。
「遠坂。お前の背中は、俺が守る」(士郎)
「私も。あなたの道がどれほど険しくても……一緒に歩きます」(セイバー)
「リンが泣いたら、私がツッコむ係になるからね」(イリヤ)
「お前はすでに……未来を掴んでいる」(脳内ケンシロウ)
「……もう、泣かない。だから私を信じて。私は、私を信じる」(凛)
それは──
未来への始まりだった。
"月下の誓い"は、凛の言葉で全てが結ばれた。
かつて戦いに身を投じた者たち。
かつて愛に迷った者たち。
かつて泣いた者たち。
その全員が、今はただ一つ──
笑って、生きていた。
凛の拳が示したのは、破壊でも、戦いでもない。
愛と、絆と、希望を貫く拳だった。
──────────────────────
────Fin────
────“そして、また歩き出す”────
──────────────────────
ついに最終話を迎えることができました。
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございます。
次回!
長編である〝桜救出編〟をお楽しみに!
ギャグだけで構成された、桜救出編!
この作品はギャグのため、ヒロイン全員が救われるのです。