Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
救いの手? が差し伸べられるも?
慎二は“凛に対する恐怖”を、
本編 (10話) “ライダーVS遠坂凛” で植え付けられいます。
──衛宮邸・離れ 玄関前
桜は、玄関先で立ち尽くしていた。
〝恐怖の衛宮邸〟に残るべきか?
それとも──逃げ帰るべきか?
心がざわめいて仕方がなかった。
(……衛宮邸、“安心な場所”じゃなくなってます……)(桜・心の声)
離れは確かに無傷だった。
士郎も凛も異常なほど優しい。
だが、その奥に広がる“日常の異常さ”──
ツッコミが止まらない生活空間、常識の崩壊、見えない視線。
(……落ち着けって言われても無理ですよ、これ……)(桜・心の声)
玄関先で何度も振り返る桜。
逃げ帰るべきか? 残るべきか?
けれど一歩も踏み出せず、足元ばかり見ていた──
──その時!
──突如、玄関のドアが開いた!
「よう、桜。探したぜ」(慎二)
「っ……兄さん?」(桜)
思わず振り返った瞬間、慎二が歩み寄ってきた。
答える間もなく、ガッとその腕を掴まれる。
「何でここにいるんだ? お前、うちの家族だろ? 戻ってこいよ」(慎二)
「あの……私は……っ」(桜)
「汚らわしい『胸に七つの傷を持つ女』なんて、衛宮が相手にするわけないだろ!!」
(…兄さん!……『七つの傷』は、先輩には知られたくないんです…)
(…でも…兄さんに着いて行けば……“恐怖の衛宮邸”から逃げられます……先輩(士郎)の優しさを裏切って…)(桜・心の声)
しかし、桜が悩みながらうつむいただけで、慎二は「拒絶された」と勝手に決めつけた。
次の瞬間、怒りをぶつけるように手を振り上げる。
──バチィン!!(桜を殴る)
無遠慮に振り上げられた慎二の拳が、桜の「ほほ」を打ちぬいた。
「ああっ……!!」(桜)
「桜、僕を愛してるって──言ってみろ!!」(慎二・シンの声)
その瞬間、勢いよく障子が開く!
怒気をはらんだ士郎が飛び出してきて、桜を庇うように前に立つ。
「兄貴が、妹を殴る奴がいるか!!」(士郎)
「なんでお前が出てるんだ衛宮? 家族の問題だろうが!!」(慎二)
「関係あるに決まってんだろ!!お前、今……桜に手を上げたんだぞ……!!」(士郎)
「知るかよ! 『胸に七つの傷を持つ女』が、ここにいるのはおかしいんだよ!!」(慎二)
二人は言い合いを始める。
士郎にとって桜は“家族”、慎二にとって桜は“玩具”、どちらも怒りが止まらない。
──しかし!
──言い合いは圧倒的なプレッシャーに破られる!
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!(地震音)
足元が大きく揺れた。地面がうねり、空気が鳴る。
桜は咄嗟に柱に手をついて震えた。
「……なに……? 地震……!?」(桜)
「ま、まさか………と・お・さ・か……!?」(慎二・顔面蒼白)
(なんで…遠坂先輩の名前を……?)(桜・心の声)
──ズゥン……ズゥン……ズゥン……!!(足音)
振動に混じるように、規則的な足音が響いてくる。
遠くから、いや──すぐそこから近づいてくるような、地鳴り混じりの重い響き。
(…怖い…怖い……何かが来る……!)(桜・心の声)
ガタガタと震え始める桜、味わったことのない恐怖に震えが止まらない…
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!(地震音)
地面が、空気が、圧に揺れる。
その中を、鬼神のような気配を背に、遠坂凛が静かに歩いてくる。
「────よくも、桜に手を出したわね」(凛)
「と・と・とおさか……!? おま、お前、なんでここに……!?」(慎二)
一歩。さらに一歩。
凛が近づくたび、慎二の呼吸が浅くなっていく。
「ま、待てって……やめろ……! やめてくれ、遠坂ぁぁっ!!」(慎二)
──そして、至近距離
慎二は、ガクガクと震えながら一歩も動けない。
「ひぃぃぃぃぃぃっ!!」(慎二)
──ジョワァァ……(しょんべん音)
白目を剥いた慎二は、恐怖のあまり漏らしてしまう──
──次の瞬間!
──ドガァァァン!!(打撃音)
凛の拳が一直線に放たれた。
慎二に突き刺さった拳は、彼の全身を一撃で吹き飛ばす。
その身体はまっすぐ玄関の外壁へと叩きつけられ──
──グシャアァン!!!(慎二が壁にめり込む)
慎二の体は壁の中にめり込んだ。腕も、足も、背中も。まるで板に沈むように、深くめり込んでいた。
桜はその一部始終を、声もなく見つめていた。
(な……なに……今の……? 壁にめり込んでる……?)(桜・心の声)
──ゴゴ……パキ……(壁崩壊と落下)
慎二の体がゆっくりと、壁からずるりと滑り落ちていく。
崩れた木片と共に、地面に崩れ落ちた彼は、もう起き上がれなかった。
──ドサァ……(落下音)
「っ……が……は……っ……」(慎二)
喉から漏れるのは、言葉ですらなかった。
汚れた顔をゆがめ、目を見開いたまま、慎二はその場で痙攣するように動かない。
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!(地震音)
圧が、さらに倍。
「────ねぇ、桜に手を出したこと、反省した?」(凛)
「────……うわらば……」(慎二)
桜は、顔から血の気が引いていくのを感じていた。
拳一つで人が沈んだ。拳一つで壁が崩れた。
直後、凛は顔色一つ変えず、桜を振り返った。
「……スッキリしたわ。桜、大丈夫よ」(凛)
「……あ…あ…あ…ああああああっ……!!」(桜)
(私…恐怖でツッコミを入れられなくなってる……)(桜・心の声)
──崩れたのは、建物だけではなかった。
常識。現実。そして、“桜の心”もまた──
音を立てて砕け始めていた。
(…遠坂先輩……怖い!……これは現実なんですか……?)(桜・心の声)
───────────────
次回──
「凛の優しさは、だいたい秘孔」
繋がらない会話、日常の恐怖。
だが、桜の恐怖は始まったばかり──
──To Be Continued──
───────────────