Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
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凛の優しさ、だいたい秘孔
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桜はその前に立ち尽くし、ただ震えていた。
(…先輩!…『七つの傷』には…気づかないで…お願いです)(桜・心の声)
──慎二は、壁からずり落ち、顔を地面に伏せたまま、ピクリとも動かない。
「遠坂! “桜の傷”に“、秘孔”を!」(士郎)
士郎の声が響いた時──凛は既に動いていた!
凛は桜の“頭の一部”を指差す!
「“痛みを消す秘孔”を突くわ!」(凛)
──ピシィ(秘孔音)
(あれっ……?)(桜・心の声)
(……「ほほ」が……「痛くない」……?)(桜・心の声)
(兄さんにぶたれた場所……なんで痛くないんですか?……)(桜・心の声)
意味が分からない。
でも確かに──「痛み」は消えていた。
その時だった。
凛は桜をぎゅっと強く、やさしく抱きしめた。
「……大丈夫よ、大丈夫……もう怖くないわ。ね、大丈夫」(凛)
桜を抱きしめる凛の声は、優しく──あたたかく──
痛みも、疑問も、すべてが凛の包容で溶けていく。
「……桜……さくら……さくらぁ……」(凛)
抱かれながら優しく名前を呼ばれるたびに、
張り詰めていた心の糸が、ひとつずつ解けていく。
「……姉さ…(ん)……遠坂…せん…ぱ……」(桜・小声)
──ぽろっ
堪えていた涙が、音もなくこぼれ落ちる。
(あたたかい……優しい……涙が止まらない……)(桜・心の声)
士郎も、桜を抱きしめる凛に寄り添うようにうなずく。
「何があっても、俺たちは桜の味方だ」(士郎)
「ここにいていいのよ、桜。何も恐れることなんてないわ」(凛)
(…よかった!…『七つの傷』…誰も気づいてません…)(桜・心の声)
(……ね…えさん……遠い昔に、呼んだ気がします……)(桜・心の声)
桜の小さな震えが、凛の腕の中で少しずつおさまっていく。
(……ヒコウ?……なんだったんだろう……でも、今だけは……)(桜・心の声)
(……この優しさに甘えても……いいですか……?)(桜・心の声)
(……ねえさ……ねえさんっ……姉さん!…)(桜・感情の爆発)
──そのときだった。
「……う……ぅぐ……ぶぐっ……ぶふっ……」(慎二)
突然、床から異音が漏れた。
「──んぶぐあぁぁあああああああああああっ!!!」(慎二)
──ガバァァァッ!!!
慎二の体が大きく跳ね上がる。
背骨を折るかのように反り返り、白目を剥き、口から血の混じった真っ赤な泡を吹き出す。
「うわあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」(慎二)
──ガタガタガタガタガタガタ!!!
体中が震え始める。骨が音を立てる。
地面を掻きむしり、指の爪が剥がれる勢いで暴れる。
「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうッッッ!!!」(慎二)
「こわいこわいこわい!! と・お・さ・か!! 遠坂は人間じゃねえぇえ!!」(慎二)
──バシャァァァ……(しょんべん音)
しょんべんが再び漏れた。
それは恐怖という感情の、最も原始的な証明。
「遠坂がッ……遠坂がああああああああああッッ!!」(慎二)
四つん這い。顔面を擦り付けながら。
慎二は“何か”に怯えるように、全力で逃げ始めた。
「いィィィィィイヤアアアアアアアアアアアアアア!!」(慎二)
逃げる過程でガラス戸に顔をぶつける。
割れたガラスが顔に刺さり、地面を転がりまた起き上がる。
「死にたくないいいいいいいいいい!!!!!」(慎二・遠吠え)
突進した慎二は、本殿の瓦礫につまずきながら消えていった──
しょんべんと血を撒き散らしながら。
……だが──
凛は桜を抱きしめ続けていた。
士郎も静かに隣に立ち、まるで慎二の逃走などなかったかのように振る舞っている。
「兄さん今!!血だらけで逃げていきましたよ!!」(桜)
「あなたは、もう、守られてるわ、ずっと守られてるわ」(凛)
「大丈夫だ、何があっても絶対に守るから」(士郎)
(…会話が噛み合ってない……兄さんが血だらけで逃げてったのに……)(桜・心の声)
(…遠坂先輩の顔……全然崩れてない……“何もなかった顔”してる……)(桜・心の声)
(…“アレ”が今起きたことじゃなくて、“日常の延長”みたいな顔……)(桜・心の声)
(…誰も見てない。誰も反応してない。世界に私しか“あの現象”を認識してないの……!?)(桜・心の声)
凛はそのまま抱きしめ続け、士郎も静かに寄り添っている。
まるで慎二の存在がなかったかのように。
(見ましたよね!?聞こえましたよね!?)(桜・心の声)
(今すっごい音しましたよね!?血だらけで走ってましたよね!?)(桜・心の声)
凛は慎二を無視して桜を強く抱く。
「さくら…さくら…」とつぶやきながら…
桜は恐怖のあまり、
抱えていた疑問を口に出してしまう。
「“ヒコウ”って何なんですか!?今の治療、一体何されたんですか!?」(桜)
「あなたが“痛くない”って感じられたなら、それが“答え”よ」(凛)
(なんで“答え”って言葉で済まされるの!?怖い!!この人たち怖い!!)(桜・心の声)
(わかんない!わかんない!わかんない!!!)(桜)
(………なんでこの状況で、兄さんを無視するんですかあああ!!)(桜・心の声)
(ああ……もうダメ……私だけが“正常”ってだけで怖い……)(桜・心の声)
(私だけが気づいてるのが……怖い!!)(桜・心の声)
(ここだけ常識が……崩れてる……!)(桜・心の声)
(この人たちは“人間”のはずなのに……!)(桜・心の声)
(怖い怖い怖い怖い怖い!!!)(桜・心の声)
「なんで兄さんを“無視”するんですか? 見えてないんですか?」(桜)
「“今の衛宮邸”、日常に“恐怖”が混ざってるんですけどおおおおお!!」(桜)
「大丈夫よ。私たちが守るわ」(凛)
「みんな桜の味方だ。桜は大事な家族だ」(士郎)
“会話”が“繋がらない”。
二人はいたわりの言葉だけをかけ続ける。
日常が恐怖、狂気となって迫ってくる。
桜の心は、恐怖と愛情がぐちゃぐちゃに混ざり合う。
──みな優しいのに、感情が恐怖で埋め尽くされる理由を、桜自身、見つけられずにいた。
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次回──
「優しい視線の恐怖パニック」
あたたかなまなざしが、なぜか怖い。
“守られる優しさ”が、桜の精神を限界まで追い詰める。
──To Be Continued──
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