Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

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桜に訪れる救い……
ケンシロウの優しさが桜の心を溶かしていく話です……



9話・桜救出編 ─ ケンシロウは怖くなかった

縁側からの陽光がやわらかく差し込む昼下がり、

リビングには、まるで時間が止まったかのような穏やかな空気が流れていた。

 

(……優しい……なのに、怖い……なんで……こんなに……)(桜・心の声)

 

 

座卓を囲んで、士郎と凛、そして、その向かい側に座る桜。

膝の上で手を重ねる桜は、身を縮めるようにガタガタと震えていた。

 

──ガタガタガタガタ(桜の震え)

 

(あったかい……のに……寒気が……止まりません……どうして……?)(桜・心の声)

 

 

「桜、無理にとは言わないわ。けれど……あなたが今思っていること、何でも話してくれていいのよ」(凛・穏やかに)

 

「話したいことだけでいい。桜の気持ちが少しでも軽くなるなら、それだけでいいんだ」(士郎・やさしく)

 

(……この人たち……ほんとに、やさしい……あったかい……)(桜・心の声)

 

(……あたたかいのに……なんで……愛じゃなく“呪い”に見えるんですか……?)(桜・心の声)

 

 

桜はゆっくりと湯呑を置く。

指先は震えていたが、なんとか落ち着こうとした。

 

「……ありがとうございます。ほんの少しだけ……話してもいいですか……」(桜)

 

「ええ、もちろん」(凛)

 

「ゆっくりでいい。焦らなくて大丈夫だからな」(士郎)

 

(……こんなふうに、ちゃんと聞いてくれる人たちがいて……)(桜・心の声)

 

(それだけで、こんなに……胸が……いっぱいになる……)(桜・心の声)

 

(それなのに……どうして……背中が……凍るみたいに冷たいんですか……)(桜・心の声)

 

 

──スゥ……ッ(ケンシロウの優しい視線)

 

(……また……背中に……)(桜・ガクガク)

 

(また……“いる”……っ)(桜・ガクガク)

 

 

背中に“あたたかいまなざし”の気配がふわりと重なった。

まるで、見えない誰かがそっと手を添えてくれるような、ぬくもり。

 

 

(ひぃぃぃいいッ!? また来た! 来ました! 背中に誰かが立ってますぅぅぅ!!)(桜・心の声)

 

(いやあああああっ!? 感じます……この“優しさの悪霊”……!!)(桜・ガクガク)

 

(…今回、明らかに…… 近いです!! さっきより近づいてますぅぅぅ!!)(桜・ガクガク)

 

 

その時、誰かの低い声が

――今度は〝はっきり〟と、桜の頭に〝直接響いた〟。

 

『今は、ただ“聞いてやれ”。“聞いてやる”ことが、桜の力になる』(脳内ケンシロウ・桜に聞こえる)

 

「そうね、ケンシロウ。今はただ、“聞いてあげる”ことが大事よね」(凛)

 

「俺もだ、ケンシロウ、桜の言葉、ちゃんと受け止めたいんだ」(士郎)

 

 

(…今!…“はっきり”…聞こえました! “聞いてやれ”って言ってます…!?)(桜・聞き取れた)

 

(今、二人は…声と会話してます!! 何!?何なんですか……!?)(桜・聞き取れた)

 

(それに、今の声……!?!? 耳じゃない……頭に直接……響きましたああああ!!)(桜・絶叫)

 

 

桜は震える体をどうにか動かし、声を出した。

 

「……あ、あの……この声が……ケンシロウさん……ですか……?」(桜)

 

凛は少し笑って、桜の方に向き直る。

 

「そうよ。ケンシロウよ」(凛・微笑み)

 

「いつも俺たちを見守ってるんだ」(士郎・当然のように)

 

 

(私……見られてたんですか……いつから? どこから? どうやって……!?)(桜・絶叫)

 

(…知らない私の方が…非常識みたいです!!…怖い…常識が通じません!?)(桜・心の声・錯乱気味)

 

 

「……あ…あ…あの……“ケンシロウさん”って……いったい……?」(桜)

 

「んー……簡単に言えば……私の頭に住んでる“拳を照らす案内人”ってところかしら」(凛・さらっと)

 

「渋くて穏やかな声で、すごく的確な助言をくれるんだ」(士郎)

 

「……そ、そうですか……分かりました……」(桜)

 

 

(…全然“分からない”です!!“拳(こぶし)を照らす案内人”って何ですか!?)(桜・困惑)

 

(…そもそも“拳(こぶし)”ってなんなんですか!?職業!?拳の悪霊!?)(桜・錯乱)

 

(……みんな……普通に返事してます……私だけが…知らない…怖いです!……!)(桜・恐慌)

 

 

凛と士郎はごく自然に、そこに“誰かがいる”前提で会話している。

桜自身、異常なのは自分の方なのか?、と錯覚するほどに。

 

桜は震える体を抱き、

勇気を振り絞って、前を見つめた。

 

「……あの……ケンシロウさんと……お話、しても……いいですか……?」(桜)

 

 

──見えないのに、確かにそこにある。空気の密度が変わるほど、はっきりと“いる”。

 

 

『……話していい。お前の言葉は、すべて俺が聞いている』(脳内ケンシロウ)

 

(返事が……来ました……また……脳に直接……!!)(桜・動揺)

 

「……あの……先ほどの……“聞いてやれ”って……?」(桜)

 

「……どうして、そんな言葉を……私に……?」(桜)

 

『お前の声は、ここに届いている。それだけで、今は十分だ』(脳内ケンシロウ)

 

「……私のために?」(桜)

 

『今は、お前の思いを、そのまま大切にしていい。凛も士郎も、それを願っている』(脳内ケンシロウ)

 

「……そ、そんな風に……言っていただけるなんて……」(桜)

 

『そばに誰かがいると感じるだけで、一人きりではなくなる。今のお前には、その二人がいる』(脳内ケンシロウ)

 

(なぜ……この声は……こんなにも……優しくて、恐ろしいんですか……?)(桜・心の声)

 

 

「……でも……私、きっと、おかしいんです……」(桜)

 

「こんな……声が聞こえるなんて……」(桜)

 

『お前は何も間違っていない。感じたものは、すべてお前の中にある真実だ』(脳内ケンシロウ)

 

 

「……じゃあ……もし……私が……」(桜)

 

「……弱音を吐いたら……?」(桜)

 

『言葉にすればいい。お前の心が少しでも軽くなるなら、それは意味がある』(脳内ケンシロウ)

 

 

「……じゃあ、もし……涙が出てしまったら……」(桜)

 

『涙は心の声だ。責められるものではない』(脳内ケンシロウ)

 

 

「……誰かに頼っても……いいんですか……?」(桜)

 

『仲間を頼れ。二人に甘えていい。どんなことでも打ち明けていい』(脳内ケンシロウ)

 

 

(……なんで……なんでこんなに……私を思いやるんですか……?)(桜・安心)

 

(怖かったのに……それ以上に……あたたかくて……優しい……)(桜・感動)

 

 

凛がそっと桜の背を撫で、士郎も隣で微笑む。

 

「ね、ケンシロウの言葉、ちゃんと届いてるでしょ?」(凛)

 

「俺たちは、桜が話してくれるのが嬉しいんだ」(士郎)

 

桜は、困惑しながらも、かすかに笑った。

 

 

「……私……まだ、自分の気持ちもよくわからないのに……」(桜・微笑)

 

『それでいい。すぐにわからなくていい。ゆっくりでいい』(脳内ケンシロウ)

 

「……ケンシロウさん……あたたかいって……思えます……」(桜・喜び)

 

「その気持ち、大事にして」(凛)

 

「ケンシロウはいつでも桜の味方だ」(士郎)

 

 

『桜、ここにはお前を支える仲間がいる。仲間を頼れ、俺でもいい』(脳内ケンシロウ)

 

 

──ふわりと、再び背中を“優しい視線”が包み込んだ。

桜は軽く目を閉じて、そっと深く息をついた。

 

 

「……ありがとうございました……少しだけ……落ち着きました」(桜・感謝)

 

「それなら良かったわ。無理はしないでね」(凛)

 

「ケンシロウと話したくなったら、いつでも話しかけていいんだぞ」(士郎)

 

「……はい。……ありがとうございます」(桜・うるうる)

 

桜は席を立ち、二人に小さく頭を下げる。

凛と士郎は穏やかな笑みで見送った。

 

 

桜は背中に残る、誰にも見えない“優しい視線”に感情を吐き出す。

 

「“拳を照らす案内人”さん……いえ……ケンシロウさん……」(桜・感謝)

 

「あなたの“視線”……あたたかいです……(嬉し涙が)……」(桜・涙が)

 

『お前には支えが必要だ。お前は1人ではない』(脳内ケンシロウ)

 

「……支えがあるって……こんなに……“ぬくもり”を感じることだったんですね……」(桜・涙)

 

 

──気づけば、桜の頬には涙が流れていた。

悲しみでも、怯えでもない――安心の涙だった。

 

(……ケンシロウさん……こわくない、って……思えました)(桜・心の声)

 

 

──フワ……ッ(ケンシロウの温かな視線)

 

目に見えない“あたたかさ”が、確かに背中にあった。

誰かが、ずっと見守っていてくれる――その事実が、胸に染み込んでいく。

 

 

いつのまにか恐怖は完全になくなり、安心に変わっていた。

ケンシロウの声はいつでも自分を助けてくれる。

その事実が何より嬉しかった。

 

──ケンシロウの視線は、変わらず桜の背を包み込んでいた。

 




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次回──

「震度7は料理の副産物」

穏やかな昼下がり。あたたかい視線。
そして、包丁の“落下”によって生まれる超常の地震。

──誰もが微笑む団らんの中、桜だけが“震源”を知っていた。
──To Be Continued──
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