Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
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剣道着、“秘孔妄想のスパイラル”
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──衛宮邸・昼。ダイニング。
桜が〝肩の疲労回復秘孔〟で仮眠をとっている間、凛は心を込めた料理をしていた。
卓上には、湯気を立てる中華の数々。
麻婆豆腐、エビチリ、青椒肉絲、春巻き……プロ顔負けの香りが食欲を刺激していた。
「今日は桜のために腕をふるったのよ。私の中華は凄いでしょ?」(凛・笑顔で)
そのとき!
──ギィ……(ふすまの開く音)
「お、おまたせしました……」(桜)
全員の手が止まる。
そこに立っていたのは、剣道着フル装備の桜だった。
──面、胴、垂、籠手、足袋──すべて揃っている。
桜はテーブルに座る。
「……食事の準備は、完了しました」(桜)
──全員が硬直
──あるのはただ一つ
〝本気で心配する目線〟だけ。
「さ、桜……どうしたの、それ……」(凛・静かに)
「何が不安になったんだ……?」(士郎・そっと近づく)
「……サクラ、それ……暑くない……?」(イリヤ・小声で)
「暑さでは人は死にませんが……秘孔で人は死にます……」(桜)
桜は顔を隠すように面の下で、深く呼吸を整え──
そして、真顔で言った。
「大丈夫です……これで、どこを突かれても生き残れます……」(桜)
──その場の空気が、完全に静止していた。
「……先輩、姉さん、皆さん……。私は知ってしまったのです……」(桜)
「し、知ったって……何をだ?」(士郎)
「……“秘孔にはいろんな効果がある”という事実です……!」(桜)
「そ、それは……うん、まぁ……でも!」(凛)
「凛の“トン”は、間違ってませんよ」(セイバー)
「そうです。あの“トン”で私は羽が生えました。飛べそうでした。でも──」(桜)
──桜は、拳を小さく握りしめる。
「でも、〝別の誰かのトン〟で私は爆発しました……!心臓が、内側から破裂する感覚を、私は……!」(桜)
「姉さんの“トン”が間違ってるなんて……思ってません……!」(桜・真剣)
「私が怖いのは……〝別の誰かのトン〟です……」(桜・小声で)
「〝別の誰か〟って誰だよ?」(士郎)
「爆発してない! してないからっ!!」(凛)
「凛は、楽になる秘孔を選んでます!」(セイバー)
「サクラ、あれは安心のための秘孔で──」(イリヤ)
「わかっています。姉さんが私を想ってくれることを……!」(桜・声を震わせ)
「でも……もし〝別の誰か〟がズレた秘孔を突いたら、私は“内側からドカーン!”なんです……!」(桜)
「ドカーンてなに!?!?」(凛)
「桜、ちょっと落ち着いて。秘孔って、そんな爆弾じゃないから」(士郎)
「実は私、一度、爆裂しました……!(夢とは言えない)」(桜)
「夢よね!? そうとしか思えない内容よね!?」(凛)
「違います!現実です!肩でした!トン、でした!!」(桜)
──そのとき。
「安心しろ桜……仲間を信じろ!!
お前を傷つける者は、この家にはいない……」(脳内ケンシロウ)
「ケンシロウさん……っ」(桜・涙目)
「大丈夫よ、みんな鎧を着てないけど爆発してないでしょ」(凛)
「私は、秘孔がなかったら死んじゃってるんだよっ」(イリヤ)
「皆さんっ、ありがとうございます」(桜・うるうる)
──みんな本気で優しい。
──それなのに桜の妄想だけが、爆発寸前まで膨らんでいた。
「でも、私は安心して食事したいのです」(桜)
凛、士郎、イリヤ、セイバーの4人は、手を止めて桜を見つめた。
顔のほとんどが面に隠れ、垂の端がテーブルに乗っている。
「えっと……それ……食べられるのか?」(士郎)
「大丈夫です、先輩。食事時の秘孔にも対応できるように、口の開閉ができるよう細工してあります……」(桜)
「そこまで!?」(凛)
──スプーンを握った指が、手の甲に触れる。
「いっ……!」(桜・ぴくり)
「な、何!?どうしたの!?」(イリヤ)
「今、金属のスプーンの柄が……この手の甲のツボに当たって……秘孔に当たりそうな感覚が……」(桜・震え声)
──お茶を取ろうとした桜の袖が、湯呑みに触れる。
「ッ……これは……この角度、当たる面積……もしかしてここも!?」(桜・低くうめく)
「ねえ……桜? 食事中に何と戦ってるの……?」(凛)
「秘孔です……!体中に仕掛けられた、見えない爆弾と……!!」(桜・食事中とは思えない宣言)
「食事だけじゃありません、私が寝返りを打った瞬間、どこかの秘孔に“偶然”触れてしまう可能性だって……!!」(桜)
「寝返りで自爆はしないって!!」(凛)
「私は、守らなきゃいけないんです。自分の命を……!」(桜・真剣)
「さくらー!戻ってきてー!」(凛)
「もう一着必要かもしれません……もっと……もっと強い全身鋼鉄のやつを……」(桜・震えながら)
「強化パーツじゃないからそれ!!装備を盛る方向に行かないで!!」(凛)
凛は思わず、頭を抱える。
「もう……やっぱりおかしいって……」(凛)
──桜の勘違いは、さらに混迷を極めていく──
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トイレ、そして秘孔パニック
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──ゆっくりとしか食べられない中…
「……あの、トイレ、行ってきます」(桜)
「気をつけて。足元、見えづらいでしょ?」(凛)
「はい……安全には変えられません」(桜・ややぎこちなく立ち上がる)
──ゴトン(剣道着の垂れの音)
桜は、足袋を擦りながらゆっくりと廊下を進んでいく。
──トイレ。
桜は、扉を閉めると静かに溜息をついた。
「……大丈夫……大丈夫……“座るだけ”ですから……」(桜)
──剣道の袴を持ち上げながら、そろりと腰を落とそうとした──その時。
剣道着の胴が引っかかり、バランスを崩す。
──ドサッ!(尻もち)
──コロッ!(面が取れる)
──頭から“面”が、ずり落ちて床に転がった。
「──ひゃあああああああああああああっっ!!!!!」(桜・絶叫)
廊下にまで響き渡る、全力の叫び声。
──その瞬間、廊下から全員が一斉に走り込んでくる。
「桜!?大丈夫!?何があったの!?」(凛)
──トイレの扉が開かれる。
「面が!面が!取れましたあああああああ!」(桜・混乱)
桜は剣道着のまま、尻もちをつき、面を落とした姿で震えていた。
「防御が!防御が!……このままじゃ!爆発します……!」(桜・必死)
「“助けて”!“助けてください”!」(桜)
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── 精神安定秘孔 ──
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剣道着姿のまま、尻もちをついて震えている桜。
全員が駆けつけた中で、凛は一歩、桜の前に進み出る。
──凛は静かに近づき、その手をそっと桜の顔に置いた。
「桜──落ち着いて。大丈夫だから」(凛)
──トンッ!(精神安定秘孔)
「ひゃっ……!」(桜)
凛の指が、額の中心を正確に突いた。
まるで糸がほどけたように呼吸が安らかになる。
「落ち着いた? 今のは精神安定の秘孔よ」(凛)
桜のパニックがスーッと落ち着く。
しかし、まだ不安の色は消えなかった……
「……はい……びっくりするほど……冷静になりました……」(桜・静かに)
──そのときだった。
「……でも……姉さん……」(桜)
「なあに?」(凛)
「私……昨日……夢を見たんです……肩の秘孔が……ちがう指し方で……」(桜・ぼそり)
「ズボって……心臓が……鼓動が……早くなって……破裂して……」(桜)
「まさか……激振孔(げきしんこう)の夢を見たのね」(凛・小声)
「激振孔(げきしんこう)、心臓を血管すら破るほど活性化する秘孔、
泣いてもいい。怯えてもいい。だが、桜!お前は一人ではない」(脳内ケンシロウ)
「ありがとうございます。ケンシロウさん」(桜)
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── 最終手段・記憶消去 ──
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──全員、静まり返る。
「……もう、最終手段しかないわね」(凛)
凛は静かに構え、すっと右手を伸ばす。
「今度は、夢の記憶を消す秘孔よ。全部忘れちゃいなさい」(凛)
「えっ、それって……」(桜)
──ツボッ!(秘孔音)
「きゃ……っ」(桜)
桜のこめかみの秘孔が突かれる──
──桜の瞳に、かすかな混乱と──徐々に上気した羞恥の色が浮かび始めた。
「私、今……剣道着……でひっくり返ってます!?」(桜・高速絶叫)
「恥ずかしいいいいいいい!!」(桜・泣き叫び)
「これは……完全に“恥ずかしさ”パニックね……」(凛)
──こうして、激振孔(げきしんこう)の恐怖は消えた。
だが“恥ずかしさ”という新たなパニックが、今ここに誕生した──
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─ 剣道着・パニック終幕 ─
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凛はそっと桜の肩に手を添え、静かに声をかける。
「桜……起きようか」(凛)
「……起き上がれないので……“助けて”ください……」(桜)
──ゆっくりと体を起こされ、ふらつきながらもふるえる手で、剣道着にそっと触れ──
──桜は、籠手、胴、垂、足袋……順に、震える指先で解いていく。
「……助けてくださって……ありがとうございます……」(桜・消え入りそうな声)
「桜……?」(士郎)
「……み、みなさん……ごめんなさい……」(桜・消え入りそうな声)
「こんな格好で……うずくまって……トイレで転んで……っ」(桜・どんどん赤くなっていく)
──恥ずかしさが限界を超えている。
「でも、みなさんの優しさは……ちゃんと、届いてます……」(桜・涙目)
誰も、彼女を笑わない。
士郎は黙って手を握り、イリヤは心配そうに手を差し伸べ、セイバーは静かに横に寄り添っていた。
「……姉さん……」(桜)
「さくら……大丈夫よ」(凛)
「恥ずかしすぎて……もう、限界です……っ」(桜)
──次の瞬間。
彼女は、凛の胸に飛び込んだ。
「よしよし……恥ずかしがっていいのよ、桜」(凛・包み込むように)
凛が静かに抱きしめ返し、
桜はその中で、全身を小さく震わせながら、ぽろぽろと涙を流した。
──凛の胸の中。
桜は小さく震えながら、ずっと抱きしめられていた。
頬は真っ赤に染まり、涙がぽろぽろと零れていく。
「……もう……ほんとうに、恥ずかしくて……」(桜・かすれ声)
「それでいいの。思いきり恥ずかしがったら、すっきりするから」(凛・静かに撫でながら)
「でも……こんな姿、見られて……」(桜)
「サクラ、私たち、誰も笑ってないよ?」(イリヤ)
イリヤはそっと、桜の背中をやさしく撫でる。
「サクラが怖かったこと、ちゃんと伝わっからもう大丈夫」(イリヤ)
「……本当に、恥ずかしかったです……」(桜・涙声)
「それが“本音”であるなら、安心できている証です」(セイバー)
「桜が安心してるなら、それだけで……みんな、十分だよ」(士郎)
「……みなさん……」(桜・ぐすっ)
──凛は、そっと桜の肩を抱きながら、優しく言った。
「桜、今日一日で、すっごく頑張ったわよ」(凛)
「ちゃんと“助けて”って言えたもの。私はえらいと思うわ」(凛)
桜は、凛に抱きしめられたまま、凛の胸に顔を埋める。
「……ごめんなさい、変なことばかり言って……」(桜)
「私、もう大丈夫です……みなさんに、全部、受け止めてもらいました……」(桜・ゆっくり顔を上げて)
「……本当に、嬉しかったんです……」(桜・照れたように笑う)
──その笑顔は、確かに
あの“剣道着フル装備”の桜とは、別人のように柔らかかった。
「また……お昼、食べなおしてもいいですか……?」(桜・小声)
「うん、あたため直そうか」(士郎)
「行きましょう、平和な昼食に」(セイバー)
「ふふ、サクラの分は、私が取り分けてるんだよっ」(イリヤ)
「そこまでしたいただけるなんて」(桜・うるうる)
「“いい秘孔”の効果わかったかしら?」(凛)
「はい、よかったら“いい秘孔”、時々お願いできますか」(桜)
「いいわよ、いつでも頼みなさい、姉さんに」(凛)
「寝る時、“いい秘孔”、眼精疲労、またお願いします」(桜)
「いいわよ、毎日でも突いてあげるわ」(凛)
「ありがとうございます。こんな私のために……」(桜)
──仲間たちに囲まれて、桜はゆっくりと顔を上げた。
震えも涙も、もう消えていた。
剣道着は脱いでも、彼女の中に残った「温かさ」は、ずっと消えなかった。
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─ 全ての、被害妄想終了 ─
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次回──
「ほんとうの安心と、救われた心の居場所」
剣道着で震えていた少女は、
仲間たちのぬくもりで、恐怖を手放した。
──この笑顔は、
──すべての優しさがくれた奇跡。
──To Be Continued──
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