Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

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19話・桜救出編 ─ 剣道着・全身防御の鎧

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剣道着、“秘孔妄想のスパイラル”

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──衛宮邸・昼。ダイニング。

桜が〝肩の疲労回復秘孔〟で仮眠をとっている間、凛は心を込めた料理をしていた。

 

卓上には、湯気を立てる中華の数々。

麻婆豆腐、エビチリ、青椒肉絲、春巻き……プロ顔負けの香りが食欲を刺激していた。

 

「今日は桜のために腕をふるったのよ。私の中華は凄いでしょ?」(凛・笑顔で)

 

 

そのとき!

 

──ギィ……(ふすまの開く音)

 

「お、おまたせしました……」(桜)

 

全員の手が止まる。

そこに立っていたのは、剣道着フル装備の桜だった。

 

──面、胴、垂、籠手、足袋──すべて揃っている。

 

桜はテーブルに座る。

 

「……食事の準備は、完了しました」(桜)

 

──全員が硬直

──あるのはただ一つ

〝本気で心配する目線〟だけ。

 

「さ、桜……どうしたの、それ……」(凛・静かに)

 

「何が不安になったんだ……?」(士郎・そっと近づく)

 

「……サクラ、それ……暑くない……?」(イリヤ・小声で)

 

「暑さでは人は死にませんが……秘孔で人は死にます……」(桜)

 

桜は顔を隠すように面の下で、深く呼吸を整え──

 

そして、真顔で言った。

 

「大丈夫です……これで、どこを突かれても生き残れます……」(桜)

 

──その場の空気が、完全に静止していた。

 

「……先輩、姉さん、皆さん……。私は知ってしまったのです……」(桜)

 

「し、知ったって……何をだ?」(士郎)

 

「……“秘孔にはいろんな効果がある”という事実です……!」(桜)

 

「そ、それは……うん、まぁ……でも!」(凛)

 

「凛の“トン”は、間違ってませんよ」(セイバー)

 

「そうです。あの“トン”で私は羽が生えました。飛べそうでした。でも──」(桜)

 

──桜は、拳を小さく握りしめる。

 

「でも、〝別の誰かのトン〟で私は爆発しました……!心臓が、内側から破裂する感覚を、私は……!」(桜)

 

「姉さんの“トン”が間違ってるなんて……思ってません……!」(桜・真剣)

 

「私が怖いのは……〝別の誰かのトン〟です……」(桜・小声で)

 

「〝別の誰か〟って誰だよ?」(士郎)

 

「爆発してない! してないからっ!!」(凛)

 

「凛は、楽になる秘孔を選んでます!」(セイバー)

 

「サクラ、あれは安心のための秘孔で──」(イリヤ)

 

「わかっています。姉さんが私を想ってくれることを……!」(桜・声を震わせ)

 

「でも……もし〝別の誰か〟がズレた秘孔を突いたら、私は“内側からドカーン!”なんです……!」(桜)

 

「ドカーンてなに!?!?」(凛)

 

「桜、ちょっと落ち着いて。秘孔って、そんな爆弾じゃないから」(士郎)

 

「実は私、一度、爆裂しました……!(夢とは言えない)」(桜)

 

「夢よね!? そうとしか思えない内容よね!?」(凛)

 

「違います!現実です!肩でした!トン、でした!!」(桜)

 

 

──そのとき。

 

「安心しろ桜……仲間を信じろ!!

お前を傷つける者は、この家にはいない……」(脳内ケンシロウ)

 

「ケンシロウさん……っ」(桜・涙目)

 

「大丈夫よ、みんな鎧を着てないけど爆発してないでしょ」(凛)

 

「私は、秘孔がなかったら死んじゃってるんだよっ」(イリヤ)

 

「皆さんっ、ありがとうございます」(桜・うるうる)

 

 

──みんな本気で優しい。

 

──それなのに桜の妄想だけが、爆発寸前まで膨らんでいた。

 

「でも、私は安心して食事したいのです」(桜)

 

凛、士郎、イリヤ、セイバーの4人は、手を止めて桜を見つめた。

顔のほとんどが面に隠れ、垂の端がテーブルに乗っている。

 

「えっと……それ……食べられるのか?」(士郎)

 

「大丈夫です、先輩。食事時の秘孔にも対応できるように、口の開閉ができるよう細工してあります……」(桜)

 

「そこまで!?」(凛)

 

──スプーンを握った指が、手の甲に触れる。

 

「いっ……!」(桜・ぴくり)

 

「な、何!?どうしたの!?」(イリヤ)

 

「今、金属のスプーンの柄が……この手の甲のツボに当たって……秘孔に当たりそうな感覚が……」(桜・震え声)

 

──お茶を取ろうとした桜の袖が、湯呑みに触れる。

 

「ッ……これは……この角度、当たる面積……もしかしてここも!?」(桜・低くうめく)

 

「ねえ……桜? 食事中に何と戦ってるの……?」(凛)

 

「秘孔です……!体中に仕掛けられた、見えない爆弾と……!!」(桜・食事中とは思えない宣言)

 

「食事だけじゃありません、私が寝返りを打った瞬間、どこかの秘孔に“偶然”触れてしまう可能性だって……!!」(桜)

 

「寝返りで自爆はしないって!!」(凛)

 

「私は、守らなきゃいけないんです。自分の命を……!」(桜・真剣)

 

「さくらー!戻ってきてー!」(凛)

 

「もう一着必要かもしれません……もっと……もっと強い全身鋼鉄のやつを……」(桜・震えながら)

 

「強化パーツじゃないからそれ!!装備を盛る方向に行かないで!!」(凛)

 

凛は思わず、頭を抱える。

 

「もう……やっぱりおかしいって……」(凛)

 

──桜の勘違いは、さらに混迷を極めていく──

 

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 トイレ、そして秘孔パニック

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──ゆっくりとしか食べられない中…

 

「……あの、トイレ、行ってきます」(桜)

 

「気をつけて。足元、見えづらいでしょ?」(凛)

 

「はい……安全には変えられません」(桜・ややぎこちなく立ち上がる)

 

──ゴトン(剣道着の垂れの音)

 

桜は、足袋を擦りながらゆっくりと廊下を進んでいく。

 

──トイレ。

 

桜は、扉を閉めると静かに溜息をついた。

 

「……大丈夫……大丈夫……“座るだけ”ですから……」(桜)

 

──剣道の袴を持ち上げながら、そろりと腰を落とそうとした──その時。

 

剣道着の胴が引っかかり、バランスを崩す。

 

──ドサッ!(尻もち)

 

──コロッ!(面が取れる)

 

──頭から“面”が、ずり落ちて床に転がった。

 

「──ひゃあああああああああああああっっ!!!!!」(桜・絶叫)

 

廊下にまで響き渡る、全力の叫び声。

 

──その瞬間、廊下から全員が一斉に走り込んでくる。

 

「桜!?大丈夫!?何があったの!?」(凛)

 

──トイレの扉が開かれる。

 

「面が!面が!取れましたあああああああ!」(桜・混乱)

 

桜は剣道着のまま、尻もちをつき、面を落とした姿で震えていた。

 

「防御が!防御が!……このままじゃ!爆発します……!」(桜・必死)

 

「“助けて”!“助けてください”!」(桜)

 

 

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── 精神安定秘孔 ──

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剣道着姿のまま、尻もちをついて震えている桜。

全員が駆けつけた中で、凛は一歩、桜の前に進み出る。

 

──凛は静かに近づき、その手をそっと桜の顔に置いた。

 

「桜──落ち着いて。大丈夫だから」(凛)

 

──トンッ!(精神安定秘孔)

 

「ひゃっ……!」(桜)

 

凛の指が、額の中心を正確に突いた。

まるで糸がほどけたように呼吸が安らかになる。

 

「落ち着いた? 今のは精神安定の秘孔よ」(凛)

 

桜のパニックがスーッと落ち着く。

しかし、まだ不安の色は消えなかった……

 

「……はい……びっくりするほど……冷静になりました……」(桜・静かに)

 

──そのときだった。

 

「……でも……姉さん……」(桜)

 

「なあに?」(凛)

 

「私……昨日……夢を見たんです……肩の秘孔が……ちがう指し方で……」(桜・ぼそり)

 

「ズボって……心臓が……鼓動が……早くなって……破裂して……」(桜)

 

「まさか……激振孔(げきしんこう)の夢を見たのね」(凛・小声)

 

「激振孔(げきしんこう)、心臓を血管すら破るほど活性化する秘孔、

泣いてもいい。怯えてもいい。だが、桜!お前は一人ではない」(脳内ケンシロウ)

 

「ありがとうございます。ケンシロウさん」(桜)

 

 

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── 最終手段・記憶消去 ──

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──全員、静まり返る。

 

「……もう、最終手段しかないわね」(凛)

 

凛は静かに構え、すっと右手を伸ばす。

 

「今度は、夢の記憶を消す秘孔よ。全部忘れちゃいなさい」(凛)

 

「えっ、それって……」(桜)

 

 

──ツボッ!(秘孔音)

 

 

「きゃ……っ」(桜)

 

桜のこめかみの秘孔が突かれる──

 

──桜の瞳に、かすかな混乱と──徐々に上気した羞恥の色が浮かび始めた。

 

「私、今……剣道着……でひっくり返ってます!?」(桜・高速絶叫)

 

「恥ずかしいいいいいいい!!」(桜・泣き叫び)

 

「これは……完全に“恥ずかしさ”パニックね……」(凛)

 

──こうして、激振孔(げきしんこう)の恐怖は消えた。

だが“恥ずかしさ”という新たなパニックが、今ここに誕生した──

 

 

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─ 剣道着・パニック終幕 ─

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凛はそっと桜の肩に手を添え、静かに声をかける。

 

「桜……起きようか」(凛)

 

「……起き上がれないので……“助けて”ください……」(桜)

 

──ゆっくりと体を起こされ、ふらつきながらもふるえる手で、剣道着にそっと触れ──

 

──桜は、籠手、胴、垂、足袋……順に、震える指先で解いていく。

 

「……助けてくださって……ありがとうございます……」(桜・消え入りそうな声)

 

「桜……?」(士郎)

 

「……み、みなさん……ごめんなさい……」(桜・消え入りそうな声)

 

「こんな格好で……うずくまって……トイレで転んで……っ」(桜・どんどん赤くなっていく)

 

──恥ずかしさが限界を超えている。

 

「でも、みなさんの優しさは……ちゃんと、届いてます……」(桜・涙目)

 

誰も、彼女を笑わない。

 

士郎は黙って手を握り、イリヤは心配そうに手を差し伸べ、セイバーは静かに横に寄り添っていた。

 

「……姉さん……」(桜)

 

「さくら……大丈夫よ」(凛)

 

「恥ずかしすぎて……もう、限界です……っ」(桜)

 

──次の瞬間。

彼女は、凛の胸に飛び込んだ。

 

「よしよし……恥ずかしがっていいのよ、桜」(凛・包み込むように)

 

凛が静かに抱きしめ返し、

桜はその中で、全身を小さく震わせながら、ぽろぽろと涙を流した。

 

──凛の胸の中。

 

桜は小さく震えながら、ずっと抱きしめられていた。

頬は真っ赤に染まり、涙がぽろぽろと零れていく。

 

「……もう……ほんとうに、恥ずかしくて……」(桜・かすれ声)

 

「それでいいの。思いきり恥ずかしがったら、すっきりするから」(凛・静かに撫でながら)

 

「でも……こんな姿、見られて……」(桜)

 

「サクラ、私たち、誰も笑ってないよ?」(イリヤ)

 

イリヤはそっと、桜の背中をやさしく撫でる。

 

「サクラが怖かったこと、ちゃんと伝わっからもう大丈夫」(イリヤ)

 

「……本当に、恥ずかしかったです……」(桜・涙声)

 

「それが“本音”であるなら、安心できている証です」(セイバー)

 

「桜が安心してるなら、それだけで……みんな、十分だよ」(士郎)

 

「……みなさん……」(桜・ぐすっ)

 

──凛は、そっと桜の肩を抱きながら、優しく言った。

 

「桜、今日一日で、すっごく頑張ったわよ」(凛)

 

「ちゃんと“助けて”って言えたもの。私はえらいと思うわ」(凛)

 

桜は、凛に抱きしめられたまま、凛の胸に顔を埋める。

 

「……ごめんなさい、変なことばかり言って……」(桜)

 

「私、もう大丈夫です……みなさんに、全部、受け止めてもらいました……」(桜・ゆっくり顔を上げて)

 

「……本当に、嬉しかったんです……」(桜・照れたように笑う)

 

──その笑顔は、確かに

あの“剣道着フル装備”の桜とは、別人のように柔らかかった。

 

「また……お昼、食べなおしてもいいですか……?」(桜・小声)

 

「うん、あたため直そうか」(士郎)

 

「行きましょう、平和な昼食に」(セイバー)

 

「ふふ、サクラの分は、私が取り分けてるんだよっ」(イリヤ)

 

「そこまでしたいただけるなんて」(桜・うるうる)

 

「“いい秘孔”の効果わかったかしら?」(凛)

 

「はい、よかったら“いい秘孔”、時々お願いできますか」(桜)

 

「いいわよ、いつでも頼みなさい、姉さんに」(凛)

 

「寝る時、“いい秘孔”、眼精疲労、またお願いします」(桜)

 

「いいわよ、毎日でも突いてあげるわ」(凛)

 

「ありがとうございます。こんな私のために……」(桜)

 

──仲間たちに囲まれて、桜はゆっくりと顔を上げた。

 

震えも涙も、もう消えていた。

剣道着は脱いでも、彼女の中に残った「温かさ」は、ずっと消えなかった。

 

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─ 全ての、被害妄想終了 ─

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次回──

「ほんとうの安心と、救われた心の居場所」

剣道着で震えていた少女は、
仲間たちのぬくもりで、恐怖を手放した。

──この笑顔は、
──すべての優しさがくれた奇跡。

──To Be Continued──
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