Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
──────────────
慎二の封印・桜の誤解
──────────────
──慎二の封印を終えた凛たちは、桜をそっと起こし、事情は語らぬまま、笑顔で食卓へ誘った。
何も語らない仲間たちの中で、桜はようやく安堵の表情を浮かべ、穏やかな夜の支度を整えていった──。
桜は、“慎二は謝罪のあと家に帰った”と信じ込んでしまったまま……
────────────
夜の静寂・就寝?
────────────
──夜
──衛宮邸・離れ
あたたかな団らんを終え、それぞれの部屋へ戻っていく時間。
「……それじゃ、私、そろそろ休みますね」(桜)
「おやすみ、サクラ。いい夢をねっ」(イリヤ)
「おやすみなさい、桜」(セイバー)
「おやすみ、桜。また明日な」(士郎)
「姉さん、よかったらまた“眼精疲労回復”の“いい秘孔”お願いできませんか?」
「いいわよ、ドーンと任せなさい」(凛)
桜はみんなに軽く頭を下げ、小さく笑った。
(……今日は、夢のような日で……)(桜・心の声)
(……兄さんも、謝罪してくれて、許されて……)(桜・心の声)
(……本当に楽しかったです……)(桜・心の声)
───────────
刻印虫暴走!!
───────────
──だが、そのときだった。
──その瞬間、腹部に走る異様な疼き。
──桜の体が、ひときわ強く痙攣する。
意識の底から、あの──“邪悪な気配”が、這い上がってきた。
「……っ、あ……!」(桜)
──凶悪な“気配”が、内側から膨れあがる。
──それは、明確に“目覚めた”。
──“邪悪な気配”が、七つの傷から溢れ出すようにして広がった。
「や……だ、いやぁ……っ!!!」(桜)
──桜は錯乱し、腹部を押さえてその場に崩れ落ちる。
──激しく、胸元と腹部をかきむしる。
その指が、服のボタンにひっかかる──
── 「──パチン!!」「パチパチパチ!!」
前開きの服のボタンが、糸ごと全て弾け飛んだ。
『胸の七つの傷』が、白い肌に、くっきりと露わになった。
「さくらっ!?」(凛・駆け寄る)
「あの気配が、邪悪な気配が!」(士郎)
「この気配……完全に覚醒している……!
凛、士郎! 見極めるときだ!
桜を救え!!今すぐに!」(脳内ケンシロウ)
──凛、士郎、セイバー、イリヤ──全員が、同時に飛び出す。
──傷の正体は、すでに全員が知っている。
──しかしその異様な気配の復活に、誰もが息を呑んだ。
「だめ……見ないで……!これ以上、見ないで……っ!!」(桜)
──桜はうずくまり、両手で傷を隠そうとするが──もう、遅い。
──七つの傷は、全員の目に、はっきりと焼きつけられていた。
(……なんで、今なんです……っ?)(桜・心の声)
──ゾクッグジュグジュ!(邪悪な気配)
腹の奥で、何かが暴れた。
突き上げるような痛み。圧迫。灼熱。
「ひ……あ……ああっ……!」(桜)
「“あべしっ”!“いってれぼ”!」(桜)
「“ひでぶっ”!“なにをぱら”!“あ~あごがごが”!」(桜)
「桜!?」(士郎)
(な、なに……なんで……今、また……!?)(桜・心の声)
「うああああっ……!ううっ、やだ……ああああああっ!!」(桜)
──桜は錯乱し、苦しみながら、自分の腹部を抱き締める。
そして──
「や、やめて……“もぽえ〜ぺいっ”……!」(桜)
桜の両手は、意識もなく腹部をかきむしる。
激しい動きで、上着の前が完全にはだけ──
──その下に隠されていた“七つの傷”が、白いインナー越しに──
いや、腹部には何もなく、くっきりと──露わになった。
──北斗七星と同じ並びの、“七つの傷”。
それを、全員が──確かに、見た。
「……あれが……」(セイバー)
「……そんな……はっきりと、こんなに……」(イリヤ)
「……私、だめです……見られたら、もう……」(桜)
桜は崩れ落ちた。
声も出せず、ただ肩で息をしながら──その場に膝をついた。
「桜っ!!」(士郎)
「大丈夫か!? 桜っ!!」(凛)
──誰よりも早く、凛が駆け寄り、膝をついて支える。
「ねえさん……わ、私……見られてしまいました……」(桜)
「いいの、いいのよ桜。そんなことで、何も変わらないわ」(凛)
「いいや……変わるんです……変わってしまうんです……っ!!」(桜)
──涙がこぼれる。
凛の腕の中で、桜は微かに首を振る。
「私の体は……もう“普通”じゃないんです……」(桜)
「わかってます……私にあるのは、汚れた傷……“呪い”……」(桜)
「でも……それでも私は、生きたくて……」(桜)
「生きたくて、ここに来たんです……!」(桜)
「だから……だから……お願いです……」(桜)
「……捨てないでください……見捨てないでください……!」(桜)
「さくらっ……!」(凛)
──だが
──脳内にもいつもの優しい声が響く。
「捨てるものはここにはいない!
“七つの傷”が、お前の価値を下げることはない」(脳内ケンシロウ)
「お前が何を背負ってたって関係ない。俺たちは、お前を──“守りたい”だけだ」(士郎)
「そうだよっ!サクラはサクラでしょっ!」(イリヤ)
「七つの傷があっても、私たちの大切な仲間であることに、変わりありません」(セイバー)
「桜、さくら、さくらぁ……」(凛)
──凛は、そっと桜の頭を抱き寄せる。
「もう、怖いものなんてないのよ。私たちが守ってあげるから」(凛)
桜の瞳が、大きく見開かれ──そして、涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。
───────────────
次回──
「“とめった”を止められなくても泊まる場所」
“断末魔”を受け入れる仲間たち
ツッコミ不在の夜は、静かに包まれていく
──泊まる。止めない。とめった、どっちなんだよ
──そんな、ツッコミは──入らなかった
──To Be Continued──
───────────────