Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

80 / 95
29話・桜救出編 見つかった奇跡!作戦名──《桜救出》!

──爆ぜる翅刃蟲の波。迫る斬撃の雨。

だが凛は、迷いなく跳んだ。

 

「──衛宮邸まで、一直線ッ!!!」(凛)

 

──ズガァァァッ!!(ジャンプ音)

 

凛は、士郎を抱えたまま“ジャンプ”した。

跳躍──いや、もはや“飛翔”だった

 

──夜の冬木を、一蹴で横断する。

 

北斗神拳伝承からツッコミの連続により鍛えられた身体能力。

それが、いまこの一跳びに集束されていた。

 

「──見えてきた……っ!」(凛)

 

次の瞬間──

 

──ドガアアアンッ!!(着地音)

 

衛宮邸・庭の地面が、凛の着地と同時に抉れた。

円形のクレーターに着地する。

 

「士郎──ッ!!」(凛)

 

凛はそのまま、素早く膝を落とし──

士郎を丁寧に、だが迅速に地面へと横たえた。

 

「……はぁっ……やった…… 一瞬で着いた……っ」(凛)

 

──着地の衝撃がまだ地に響く中。

 

「な、なにごと!?」(イリヤ)

 

「い、今の音……!?」(桜)

 

衛宮邸の縁側が勢いよく開かれ──

イリヤが、爆音を聞きつけて全力で庭へと駆け出してきた。

 

「ちょっと、なにしてるの!?」(イリヤ)

 

イリヤの後ろからは、体を引きずるようにして桜が現れた。

さっきまで“ひょんげ〜ぶっ”と絶叫したばかりの身体を支えながら、

それでも──彼女は歩いてきた。

 

「せんぱい……? どうし……あっ……!」(桜)

 

──桜の視線が、血まみれの士郎に釘付けになる。

 

「う……うそ……いや、いや……!!」(桜)

 

彼女の表情が、一瞬で青ざめた。

だが凛は、すぐに叫ぶ。

 

「落ち着いて、桜! 死なせないわ、絶対に!!!」(凛)

 

──そして、凛は迷わず秘孔を突いた。

 

──ツボッ!!(秘孔音)

 

士郎の胸に光が灯り、傷口の回復スピードが上がっていく。

 

「回復が……でも、遅い……!」(凛)

 

──そのときだった。

 

「凛──ッ!!!」(セイバー)

 

風を切って駆け込んでくる金髪の影。

魔力放出を全開にしたセイバーが、庭の土を蹴り、凛と士郎の元へ跳び込むように駆け寄る。

 

「シロウ──っ!!!」(セイバー)

 

そして──

 

彼女の手が、そっと士郎の胸に触れた、その瞬間。

 

──スウウウウッ!!(回復音)

 

光が溢れるように士郎の体から広がり、空間すら震える。

傷が、まるで最初からなかったかのように、跡形もなく消えていった。

 

「な──っ!? 傷が……っ!」(凛)

 

「一瞬で……前みたいに……!?」(イリヤ)

 

「せ、せんぱい……!!」(桜)

 

──恐怖と安堵が交錯する桜の瞳が、微かに潤む。

 

「シロウの体に埋まる鞘に魔力を補充しました」(セイバー)

 

「鞘?ってこれが謎の治癒力の正体?」(凛)

 

セイバーは、静かにうなずく。

 

「はい。“アヴァロン”──私の宝具です。

これは、“エクスカリバー”の鞘です」(セイバー)

 

 

─────────────

 見つかった奇跡「桜救出」

─────────────

 

「士郎!?」(凛)

 

「シロウ!!」(セイバー)

 

「せんぱいっ!!」(桜)

 

士郎のまぶたが、かすかに震え──ゆっくりと開かれる。

意識が、戻った。

 

「……ここは……?」(士郎)

 

「衛宮邸よ。庭!! 今、全部終わったの!」(凛)

 

「あなたは、もう大丈夫です」(セイバー)

 

 

──セイバーは、静かに士郎に向き直った。

 

「シロウ。あなたの体には、“アヴァロン”──私の宝具、“全て遠き理想郷”が埋め込まれています」(セイバー)

 

「アヴァロン……?」(士郎)

 

「はい。“完全なる防護”と“奇跡の治癒力”を持つ鞘です」(セイバー)

 

「魔力を受けることで、致命傷さえも回復させる……それが、あなたを守っていた回復力の正体です」(セイバー)

 

 

──凛とイリヤと桜が、固唾を呑んで聞き入っていた。

 

「シロウ……この“アヴァロン”、投影できますか?」(セイバー)

 

「俺が……アヴァロンを……?」(士郎)

 

士郎は、震える手を見つめた。

その手は、かつて自らを、そして桜を救うために伸ばした手だった。

 

「──俺は、やる」(士郎)

 

士郎の瞳に、強い光が戻る。

 

「それだけではありません」(セイバー)

 

「投影したアヴァロンを、桜に埋め込むことで、彼女の体内にある“刻印虫”に対抗する力を作れます」(セイバー)

 

「え……!?」(桜)

 

「さらに凛が、“秘孔”を応用した外科的手技で摘出すれば──

桜を、完全に救い出すことができるのです」(セイバー)

 

 

──静寂が落ちた。

 

凛は、拳を握りしめ、桜は小さく震え、イリヤは震えていた。

 

だが、士郎はまっすぐに答えた。

 

「……やろう。絶対に、桜を救い出す」(士郎)

 

──その声に、誰も異を唱えなかった。

 

セイバーは頷き、続ける。

 

「しかし……この外科的手術には、精密な医療器具が必要です」(セイバー)

 

「ここでは無理だ……!」(士郎)

 

「大丈夫よ──“冬木教会”を使えるわ」(凛)

 

「冬木教会!?」(士郎)

 

「ええ。カレンに事情を説明すれば、医療器具くらいは貸りられるわ」(凛)

 

──すべては、ここからだった。

“桜を救うための本当の戦い”が、いま──始まろうとしていた。




───────────────
次回──
「手術開始!刻印虫摘出──《桜救出編》」

神経の奥深く、ついに見えた黒き中枢。
桜を蝕んだ元凶──刻印虫本体。

今こそすべてを終わらせる。
この手術が、“桜の未来”の第一歩となる。

──To Be Continued──
───────────────
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。