Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
次次回(32話)で、桜救出編最大のギャグが炸裂するのでお楽しみに。
──衛宮邸・庭
「……急いで、冬木教会へ向かいましょう」(セイバー)
セイバーが静かに告げた瞬間、凛と士郎はすぐに立ち上がった。
「桜は私が抱えていくわ。急ぐわよ!」(凛)
「イリヤ、頼む、後から追ってきて!」(士郎)
「う、うん、すぐに行く!!」(イリヤ)
──こうして、一行は夜の冬木を駆けた。
目指すは、冬木教会。
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冬木教会─手術準備
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──冬木教会・正面階段。
凛たちは、駆け足で教会の前に到着した。
「……カレン……お願い……居て!」(凛)
──扉を叩く音が夜に響く。
すぐに、中から静かな足音が近づいてきた。
──ギィィ……(扉の開く音)
「こんな夜更けに、何の用かしら?」(カレン)
法衣に身を包んだ少女──カレン・オルテンシアが、顔を出した。
その無表情の中に、わずかな鋭さが宿る。
「カレン、お願い!」(凛)
「手術用の医療器具と……できれば、手術室を貸してほしいの!」(凛)
カレンはピシャリと刺すような視線を落とす。
「いいわ。事情はだいたい分かった。手術室を使わせてあげる」(カレン)
「ありがとう、カレン!」(凛)
「感謝はいいけど──あとで“どんな無茶をしたか”はきっちり報告してもらうから」(カレン)
──カレンは何も深く問わなかった。
ただ、静かに背を向け、教会の奥へと歩き出す。
「ついてきなさい。……できるだけ、早く済ませることね」(カレン)
──その背中を追い、士郎たちは静かに教会の中へと入っていった。
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刻印虫へ─「桜救出編」
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──冬木教会・手術室。
手術室に残ったのは、凛、士郎、セイバー、イリヤ──そして、手術台に横たわる桜だけだった。
凛は深く息を吸い、士郎は静かに魔力を収束させる。
「投影、開始──アヴァロン!」(士郎)
──キィン!
金色の鞘《アヴァロン》が、淡く輝き現れる。
「アヴァロンを桜の体内に──士郎、投影維持お願い」(凛)
セイバーが桜の手をそっと握ると、アヴァロンが桜の胸に吸い込まれるように融合した。 桜の邪悪な気配が、かすかに後退する。
「セイバー!……アヴァロンは、まだ発動しないで」(凛)
今、アヴァロンの効果が発動すれば、すべての傷が即座に癒えてしまう。
それでは、手術が成立しない。
「セイバー。まだ桜の手を握らないで」(凛)
「了解しました」(セイバー)
セイバーは手を離し、士郎は投影維持に集中。
──これから、すべてが始まる。
「秘孔で深い眠りを」(凛)
凛は桜の胸に指をあて、静かに突いた。
──ツボッ!(秘孔音)
続けて代謝を極限まで落とす秘孔を突き、さらに医療用麻酔を投与する。
──桜の呼吸は静かに、穏やかに──完全な眠りに落ちた。
凛は「普通の」メスを取り、慎重に桜の胸元を切開する。
「……術式開始、切開するわ」(凛)
──シュッ。
皮膚を、浅く、そして丁寧に切開する。傷口から、すぐに薄い血の線が滲む。
「リトラクター」(凛)
──イリヤが器具を渡す。
リトラクター、金属製の小さな「開創器」 。
傷口を強制的に開いたまま保持する器具。
アヴァロンを発動した時、傷が閉じるのを防ぐために使う。
──カチリ、カチリ。
金属音が響き、桜の胸元に「切開された通路」が固定された。
「これで、傷が塞がらない……」(凛)
リトラクターで開いた部分がイリヤによって確実に押さえられ、桜の切開部が閉じるのを防ぐ。
ピンセットを手に、凛はさらに深く、筋肉層を越え、神経層へと進んだ。
──そこにあった。
「……見えた……」(凛)
黒く蠢く異形──神経に絡みつき、神経のふりをする異常生命。
──刻印虫本体、その頭部が見えた。
「セイバー、今よ。アヴァロンを発動して」(凛)
──スウウウウウウッ(治療音)
セイバーが桜の手を握り、アヴァロンの光が傷口を満たす。
切開した傷口も治癒していく。
リトラクターが固定している部分以外が全て治癒し、リトラクターを押す。
イリヤがリトラクターを抑え続ける。
士郎はアヴァロンの投影を維持し、全身の魔力を桜へ送り続ける。
「行くわよ──絶対に取り除く!」(凛)
凛はメスをそっと、刻印虫の尾に押し当てた。
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手術編─「刻印虫・摘出完了?」
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──冬木教会・手術室。
──細く、しかし確実に。
凛のメスが、神経に絡まる刻印虫の尾を一本ずつ剥がしていく。 細密な操作──わずかな狂いも許されない。
──カチン、カチン。(断片をトレイに置く音)
「焦るな……焦るな……」(凛)
「凛、お前にならできる!自分を信じろ!
士郎もセイバーも、桜も信じるのだ!」(脳内ケンシロウ)
ピンセットで掴み、神経を傷つけずに断ち切る。
士郎はアヴァロンの維持に集中し、セイバーは桜の手を握り続け、イリヤは器具を補助する。
(絶対に助ける……絶対に──!)(凛)
──そして。
「……ここ、本体!!」(凛)
神経網にがっちり食い込み、太く絡みついた核──刻印虫の中枢。
「セイバー、士郎、全力で支えて!!」(凛)
凛はピンセットで刻印虫の本体を挟み、神経と癒着した部位を慎重にメスで切り離していく。
──キィン、キィン(神経剥離の音)
少しずつ、ほんのわずかずつ──
「引き抜く!!」(凛)
──ズルッ!!
刻印虫の頭部が、ついに完全に桜の神経から剥がされた。
──カチン!(トレイに置かれる音)
だが、尻尾の断片がまだ神経内に残っている。
「ここからが本番よ……!」(凛)
刻印虫の微細な断片を、一本ずつ、ピンセットで摘み上げ、メスで丁寧に切り離していく。
──カチン、カチン(摘出音)
「残り三割!」(イリヤ)
「シロウ、あと少しです!」(セイバー)
「大丈夫だ!投影の維持は任せろ!」(士郎)
──慎重に、丁寧に。 凛は微細な断片を摘み上げていった。
──カチン、カチン。(摘出音)
「二割……っ!」(凛)
──カチン。
「残り、一割……!」(凛)
その瞬間だった。
最後に残った刻印虫の尾──
それが一気に、針のように──
──バシュッ!!(脳を貫く刻印虫の尾!)
──ズギャアンッ!!(心臓を貫く刻印虫の尾!)
──“脳”と“心臓”を、貫いた!!
「──なっ!!!」(凛)
──同時。
トレイの上に置かれていた刻印虫の本体が、にわかに蠢き──
本体が跳ね、疾走する。 医療用トレイから飛び出し、手術室の闇へと逃げ去った!!
「ワシの勝ちじゃああ──!!!」(臓硯)
「ワシは本体を破壊されない限り、死ぬことは無い」(臓硯)
「お前たちには──ワシを探し出すことはできんわァァ!!!」(臓硯)
──誰も止められない
「今は、桜の命に集中しろ!
やつはその隙も計算していたのだ!」(脳内ケンシロウ)
「くっ……!!」(セイバー)
「逃げた……っ!!」(士郎)
「うっ、リトラクターを……!」(イリヤ)
だが──誰一人、臓硯を追うことはできなかった。
なぜなら──
「急いで!! 桜の脳が──!!!」(凛)
アヴァロンは心臓なら瞬時に修復できる。
だが、脳を“完全破壊”されれば──桜は死ぬ。
臓硯はその事実を知らず、両方を貫いた。
心臓は既に再生した。
だが、脳はまだ──間に合うかどうかの瀬戸際だった。
「秘孔、脳治療──!!」(凛)
──ツボッ!!
凛は迷いなく、桜の頭部に指を突き立てた。
「アヴァロン魔力最大──!!!」(セイバー)
「……っ、投影、維持──っ!!!」(士郎)
士郎も、歯を食いしばり、投影を続ける。
「桜の脳、損傷──……まだ、完全破壊じゃない!」(凛)
凛は叫ぶと、再び桜の頭部へ秘孔を突き込んだ。
──ツボッ!!(秘孔音)
生命の奔流を引き戻す──秘孔治療!!
同時に。
──スウウウウ……(光の膨張音)
桜の頭部を、静かに、しかし確かに癒していくアヴァロンの力。
「──まだだ、絶対に──っ!!」(士郎)
凛は、さらに二度、三度と秘孔を連打する。
──ツボッ、ツボッ!!(秘孔音)
「桜──戻ってきなさい!!!」(凛)
──数秒にも満たない時間。
だが、すべてを賭けたその瞬間──
桜の胸が、微かに上下した。
「生きてる!!」(イリヤ)
「……助かった……っ!!」(セイバー)
「……っ、はぁ……!!」(士郎)
三人同時に、深く息を吐いた。
──桜の命は、繋ぎとめられた。
秘孔とアヴァロンの、奇跡の共鳴によって──!
「桜は救われた。それはお前の力だ。
凛、お前の愛が桜の命を取り留めた」(脳内ケンシロウ)
「だが、やつはこちらの隙を狙っている。
いつ襲撃してくるかもしれぬ」(脳内ケンシロウ)
「……………………」(凛)
「…………………さくら……」(凛)
全員が、桜の生命維持に必死だった。 誰も追えなかった。 誰も動けなかった。
セイバーは、全魔力をアヴァロンに注ぎ込んでいた。
士郎は、アヴァロン投影の維持に、全神経を張り詰めていた。
イリヤもリトラクターを必死に押さえ続けていた。
誰も追わなかった。 誰も追えなかった。
桜の命を、何よりも優先したから。
──冬木教会の手術室には、臓硯の笑い声だけが、不気味に残響していた。
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次回──
「“命を戻された私”と、残らなかった“頭部”」
摘出は成功した。命はつないだ。
──だが、“蟲一匹”の逃走で、勝利は成り立つ。
──凛たちの背後で、刻印虫は逃げ出した。
──手術の“ほんの一瞬のスキ”が、命取りだった。
──To Be Continued──
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