Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

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この話は筆者最大のお気に入りです。
衛宮切嗣が大好きだったものにご注目ください。



32話・桜救出編 “起源弾”と“ツボテンダー”、遺品は壺(ツボ)

──臓硯の本体は逃げた

 

刻印虫は摘出され、桜の命は救われた。

だが──臓硯の本体は、姿を消したままどこかに潜伏し、どんな手段でも見つけることはできなくなった。

 

臓硯は一方的に桜を襲撃できる状態のまま……

 

──“完全な手詰まり”

 

その事実が、衛宮邸の空気を重く沈めていた。

 

誰もが黙っていた。桜の無事を喜びながらも、心の奥では、この先の危険の予感を拭いきれずにいた。

 

 

そんな中──士郎だけが、静かに立ち上がった。

 

「少し、外してくる。親父(切嗣・父親のこと)のところに行ってくる」(士郎)

 

誰も止めなかった。

凛も、桜も、セイバーも、イリヤも、黙って頷いた。

 

 

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 墓参り・遺品はでかい壺(ツボ)

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士郎が向かったのは、養父、衛宮切嗣の墓だった。

 

──冬木の古びた墓地。雨上がりの午後。

士郎は、苔むした墓石の前に立っていた。

 

「爺さん、切嗣……」(士郎)

 

手を合わせて目を閉じる。

静けさの中、声だけが胸に沈んでいく。

 

「桜を救い出せた……でも、臓硯は逃亡した……」(士郎)

 

「奴はいつでも桜を襲撃できる……」(士郎)

 

「全部、手詰まりだ……」(士郎)

 

 

士郎が花束を置き、墓石に目を落としたとき──

──その瞬間、ひとりの人物が、ずっと待っていたかのように現れた。

 

「……やっと来たね、士郎」(藤ねえ)

 

「藤ねえ……!どうしてここに……?」(士郎)

 

 

声のする方を振り向くと、墓地の小道に藤ねえが立っていた。

その腕には、重そうな“木の壺(ツボ)”。

 

「切嗣さんが、私に頼んでたの」(藤ねえ)

 

「“士郎が墓参りに来たら、この“壺(ツボ)”を渡してほしい”って」(藤ねえ)

 

「切嗣さんの遺品よ。……今、あんたに託すわ」(藤ねえ)

 

「俺に、遺品を……なんで?……“でかいツボ”……?」(士郎)

 

「切嗣さん、“壺(ツボ)”、が大好きだったのよ」(藤ねえ)

 

 

その中には──切嗣が遺した、最期の遺品が収められている。

 

「ツボは、意味不明だけど……ありがとう、藤ねえ」(士郎)

 

「切嗣さん、きっとあなたの力になってくれるわ」(藤ねえ)

 

そう言い残すと、藤ねえは背を向け、静かに去っていった。

濡れた草を踏む足音だけが、士郎の耳に残った。

 

 

士郎はしばらく動けなかった。

そして、ツボを抱え直し、小さく呟いた。

 

「……わかった。最後の想い受け取ったよ、切嗣」(士郎)

 

「……“ツボが大好き”なんて、知らなかったけど……」(士郎)

 

士郎はずっしりと重い大きなツボを受け取る。

 

──士郎は、ツボを抱え、衛宮邸への帰路についた。

 

 

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 ツボの中、それは希望か?

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──衛宮邸・離れ。昼

 

士郎は、持ち帰った“木のツボ”を卓上に置いた。

このツボの中に、かつて自分が憧れ、追いかけてきた男の“最後の意志”がある。

 

凛、セイバー、イリヤ、そして桜も、“大きなツボ”に困惑しながら見守っている。

 

「……切嗣の“最後のツボ”だ。見せてもらう」(士郎)

 

「……なんで、遺品を“壺(ツボ)”に詰めてるのよ?」(凛)

 

「切嗣は、“ツボが大好き”だったらしいんだ……」(士郎)

 

カチリ、蓋の留め金を外す。

 

士郎はツボの蓋に指をかけ、ゆっくりと開けた──

 

 

──中には、見たことのない物が並んでいた。

 

まず目に入ったのは、

拳銃にしては大型の銃だった。

 

「……切嗣……なんで銃なんか?……」(士郎)

 

「……これ……本物の銃よね?」(凛)

 

「本物……みたいですね……」(桜)

 

壺(ツボ)の中身は、

切嗣が愛用していた銃、“トンプッコミ・ツボテンダー”だった。

 

その隣には、弾丸がひとつひとつ丁寧に収められた銃弾ケース。

 

そして──奥には、厚手の封筒が一通。

真っ白な用紙に切嗣の筆跡。封は開けられていない。

 

最後に、木のツボの底部に置かれていたのは、重厚な“鉄の壺(ツボ)”。

その鉄ツボの蓋には──二通目の、紐でくくりつけられた手紙があった。

 

「手紙が……二通?」(桜)

 

「これは、順番に読ませるためのものかも……」(凛)

 

「鉄のツボ……何が入ってるの?」(イリヤ)

 

「いや、まずは手紙を読んでみよう」(士郎)

 

士郎は、手紙へと指を伸ばそうとした時、セイバーが語り始める。

 

「衛宮切嗣は、“ツボ・ツッコミ”で魔術師を殺す──“魔術師ツボ師”と呼ばれた暗殺者でした」(セイバー)

 

「ツボの中に──間桐臓硯のツボを突ける武器があるかもしれません」(セイバー)

 

セイバーの声が、静かに空気を裂く中、手紙の解読が始まった。

 

 

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 1通目の手紙・魔術師ツボ師

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──衛宮邸・離れ。昼。

 

凛たちが固唾を呑んで見守る中、士郎はツボの中の封筒に手を伸ばした。

士郎はゆっくりと封を切り、

 

──読み始める

 

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「 このツボの手紙が、士郎に渡らないことを祈っている。

 

 もしツボを受け取ったのなら──

 士郎が“墓参りに来た”ということだろう。

 

 第5次聖杯戦争が始まったのかもしれない」

 

 

「 その時に備えて、僕の武器を遺す。

 

 木のツボの中にある銃は、“トンプッコミ・ツボテンダー”という僕の魔術礼装だ。

 

 一発しか弾は装填できないが、装甲車でもない限り、防げるものではない。

 士郎が“世紀末救世主”として、必要になったとき──使ってくれ。

 

 通常弾の他に、“魔術師としての僕の切札”も残してある。

 それが、鉄のツボの中身だ。

 

 ただし──鉄のツボを開けるときは、必ず二通目の手紙を読んでから開けること。

 

 中身は極めて危険だ。油断すれば、お前や誰かを巻き込むかもしれない。

 

 だから、絶対に順番を間違えるな。頼む」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

 

実際には聖杯戦争は終わっている。

だが、これは希望になるかもしれない。

 

部屋には、重い沈黙が流れていた。

 

「……これを、託したんだな……」(士郎)

 

「銃が、魔術礼装……?そんなの聞いたことがないわよ!」(凛)

 

 

誰もが銃を見つめ、そして鉄のツボへと視線を移した。

 

「二通目の手紙を読むまでは、鉄のツボは開けちゃダメってことね」(凛)

 

「すごく……怖い内容ですけど……」(桜)

 

「……希望もあるよ。“何か”が、きっとそこにある」(イリヤ)

 

「“ツボ!”……切嗣、あなたはまさか!?……」(セイバー)

 

 

士郎は改めて、まだ封がされている二通目の手紙をじっと見つめた。

 

──彼はまだ知らない。

鉄のツボの中に、臓硯の本体のツボすら貫く“起源弾”が眠っていることを。

 

 

──────────────

 2通目の手紙・ボンあべし

──────────────

 

──衛宮邸・離れ。昼。

 

士郎は、鉄のツボの上にくくりつけられていた手紙を手に取った。

封筒には“ツボを突け!”、としか書かれていない。

ただ、切嗣の筆跡で“ツボ”だけ、“異様に達筆”に記されていた。

 

士郎は“ツボを突け”と書かれた封筒を開け、声に出して読み始める。

 

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「 鉄のツボに入っているのは、“起源弾”。僕の魔術礼装だ。

 

 ただし──全部で28発しかない。

 

 数が限られているため、通常弾も一緒に入れておいた。

 まずは通常弾で、ツボテンダーの扱いに慣れてから、起源弾を使うこと。

 

 これは魔術師に対しては、必殺になりうる。」

 

 

「 士郎!この世には、無敵の暗殺弾があると知れ!

 起源弾は史上最強の弾丸だ!

 

 ──起源弾とは。

 肉体の魔術回路に衝撃を与え、表面の破壊よりも、むしろ“内部の破壊”を目的とした── 一撃必殺の弾丸。

 

 敵の魔術に起源弾を当てることで、魔術回路が強制的に切断され、“回路が出鱈目に繋ぎ直される”。

 

 結果として、体内で魔力が暴走し、術者は“あべし”の断末魔とともに“ボンあべし”と、爆裂する

 

 ただし、敵が最大魔術を使っていない場合、

 つまり、“最大ヒャッハー”状態でないと効果がない!」

 

 

「 使い方を具体的に説明しよう。

 

 この“起源弾”は、魔術回路を全開にしている敵に撃ち込んだときだけ、魔力を暴走させて“ボンあべし”に至る、魔術師ツボ師の一撃だ!

 

 “起源弾”を、“お前はもう死んでいる”と叫びながら魔術を瞬時に秘孔……ではなく、魔術を突くことで“モヒカン回路”を出鱈目に繋ぎ直す。

 

 “モヒカン回路”、いや、“魔術回路”のことだ!

を全開にしてツボを突き…いや、魔力を全開にしている瞬間を狙うことで相手の秘孔を突くように爆裂させる。

 

 “悪党魔術師”や“モヒカン魔術師”が、魔術で防ごうとした瞬間に撃ち込まれた場合、術者の魔術回路は暴走し!“ボンッあべし”のダメージになる。」

 

 

 「 相手が、“最大ヒャッハー魔術”で、防御した瞬間、

 いや、最大魔術で守ろうとした瞬間が──“最も酷いボンあべしの瞬間”になる。」

 

 これは“世紀末救世主”の武器じゃない。

 だけど──士郎が、“お前はもう死んでいる”を必要とするなら、迷わず使え。」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

 

手紙の内容……

 

魔術回路を全開にしている相手に当てることで、魔術回路を暴走させ破壊する、という効果……

 

衛宮切嗣が“魔術師ツボ師”と言われた意味、悪辣な戦い方……

 

 

「なっ……」(凛)

 

凛はあまりの内容に絶句した。

こんなものは魔術師が使うものじゃない。

 

「ヒャッハー魔術でないと防御できない攻撃に、こんな悪辣な罠を仕掛けるなんて!?」(凛)

 

「それも……魔術回路を……“壊す”だけじゃない、“暴走”させる……!?」(凛)

 

 

桜の目が、手紙の文字を追うごとに揺れていく。

意味を理解しようとするたびに、脳が拒絶してしまう。

 

「……魔術回路を……壊すためになんて……」(桜)

 

「きりつぐ……さんは……ツボ・ツッコミで戦ってきたってことですか?」(桜)

 

 

イリヤの手が震えた。

“壺(ツボ)に囲まれ”た、かつての切嗣との生活を思い出し、戦いの意味まで理解してしまう。

 

「……城の中、ツボだらけだったの……それだけじゃなかった……」(イリヤ)

 

「……戦い方まで……魔術師にツボ・ツッコミだったのね……」(イリヤ)

 

 

セイバーはそっと目を伏せる。

その目は、幾夜にも渡る“ツボ被害”の記憶をたどっていた

切嗣が自分に延々と繰り返した、ツボ・ツッコミの日々と精神的被害を。

 

「……だから、毎日……」(セイバー)

 

「……毎晩のように……あなたは……私に、ツボ・ツッコミを……耳元で反復して……」(セイバー)

 

 

──脳内に声が響く。

ケンシロウは女の愛に生きる男達の思い出を思い出した。

 

「……衛宮切嗣、お前は……」(脳内ケンシロウ)

 

「……女の愛ではなく、“ツボへの愛”に生きた男だったのか……?」(脳内ケンシロウ)

 

 

──しん、と部屋が静まり返った。

 

目の前の鉄ツボ。

その中には、たった28発の、“魔術師を殺すための礼装”が眠っている。

 

士郎は、起源弾の入った鉄ツボを見つめる。

 

「……これが、切嗣の……戦い方……“魔術師ツボ師”の意味か……」(士郎)

 

士郎は、目を伏せたまま、短く息を吐く。

だが──次の瞬間、その目に宿る光が変わった。

 

「わかったよ、切嗣。この壺(ツボ)は、……お前の残した“最後のツボ・ツッコミ”だ」(士郎)

 

「俺が使う。俺が……“魔術師ツボ師”の遺志を継ぎ、臓硯のツボを突いて、桜を救う」(士郎)

 

 

──脳内にそっと希望を感じさせる声が響く。

 

「起源弾とは……魔術回路を破壊し、

術者を“ボンあべし”と爆裂させる、一撃必殺の秘孔弾!

これならば臓硯にも通用するかもしれん!」(脳内ケンシロウ)

 

「あんたはいつも通りね」(凛)

 

凛の目が澄みわたる。士郎の目は燃えていた。

希望を掴んだ決意を語っていた。

 

「あなたのお父さんの決意、ツボテンダーと起源弾、確かに伝わったわ」(凛)

 

「ああ、切嗣、ありがとう」(士郎)

 

士郎の声は、静かだった。

けれどその奥には、炎のように揺るがぬ決意があった。

 

「“ツボ”と“ツボテンダー”と“起源弾”と“ツッコミーズワン”!

この4つが揃えば負けるわけがない!

凛、士郎、セイバー!必ず桜を救い出すのだ!」(脳内ケンシロウ)

 

その言葉に、誰も異を唱えなかった。

誰も“ツボテンダー”という言葉にも、“魔術師ツボ師”という言葉にも、何故切嗣が箱でなく“ツボに詰めた”かにも、ツッコミを入れなかった。

 

それは、桜の虚数ツッコミの吸収能力が、すべてのツッコミを吸収し続けているからであった。

 

凛も、セイバーも、イリヤも。

そして桜も──困惑しながら、ツボを見つめていた。

 

その“壺(ツボ)”には、希望の光が灯っていた。




※起源弾の効果
・相手が全力で魔術を使っている時
・最大魔術に起源弾を当てることで
・術者の魔術回路を暴走させ破壊する
・ただし、最大魔術で無いと効果がない
です

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次回──
「衛宮邸の罠──“第二の蟲蔵” VS 間桐臓硯②」

平穏は一瞬だった。
“開放”は与えられなかった。
“終わり”は訪れなかった。

──イリヤ奮戦“私は負けない!”
──凛の本気“舐めるな臓硯!!”

2人を襲う蟲の海!!

──To Be Continued──
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