Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

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※起源弾の効果
・相手が全力で魔術を使っている時
・最大魔術に起源弾を当てることで
・術者の魔術回路を暴走させ破壊する
・ただし、最大魔術で無いと効果がない
です



33話・桜救出編 衛宮邸の罠──“第二の蟲蔵”VS 間桐臓硯②

──衛宮邸・離れ。昼下がり

 

──起源弾の正体が明かされた直後

 

士郎は、切嗣の遺した“ツボテンダー”を構え呟いた。

 

「……この武器を、使えるようにならなきゃダメだ」(士郎)

 

「練習するつもりなのね?」(凛)

 

「……ああ。切嗣が残した“ツボ・ツッコミ”専用銃だ。

 俺がちゃんと撃てるようにならなきゃ意味がない」(士郎)

 

「シロウ、もし場所に困っているなら……アインツベルンの森を使って」(イリヤ)

 

「人は来ないし、結界もあるわ。射撃の練習でも音は漏れない、余計なツッコミも入らないわ」(イリヤ)

 

「……イリヤ、ありがとう、しっかり鍛えてくる」(士郎)

 

セイバーが士郎に気が進まない様子で申し出る。

 

「同行します、シロウ」(セイバー)

 

「切嗣が使っていたツボ銃、ツボテンダーではありませんが、私は何度も見ています」(セイバー)

 

「……切嗣は、私に“ツボ・ツッコミ”を耳元でささやき、枕元にはツボを並べてきました」(セイバー)

 

「最大の被害者として……あなたの修行に協力できるはずです……」(セイバー)

 

士郎はわずかに目を見開いたが、すぐに頷いた。

 

「俺にも……ツボ・ツッコミを頼むぞ、セイバー」(士郎)

 

「……切嗣のように、ツボ・ツッコミ……やってみます……不本意ですが……」(セイバー)

 

凛はその言葉に、静かに目を閉じて頷いた。

 

「……頼んだわ。士郎、セイバー、桜は私が守るから安心して」(凛)

 

「遠坂……臓硯なら、地上にも“罠”を仕込んでるかもしれない」(士郎)

 

「あいつの戦い方は、罠を張って待つタイプだ。気をつけてくれ」(士郎)

 

「気をつけるわ。桜は任せてあんたは訓練してきなさい」(凛)

 

──こうして士郎とセイバーは、

“ツボテンダー”と“起源弾”を扱えるようになるため、アインツベルンの森へと向かうことになった。

 

 

─────────────

 ツボテンダー・修行の森

─────────────

 

──アインツベルンの森・奥地。

 

士郎はセイバーとともに、木々に囲まれた静かな場所に立った。

手には、切嗣の残した“ツボテンダー”。

 

セイバーの記憶と、手紙の言葉を頼りに、

士郎は静かに弾を込め、通常弾での射撃練習を始めた。

 

「切嗣、起源弾の意味がわかったよ」(士郎)

 

「起源弾とは──

肉体の魔術回路に衝撃を与え、表面の破壊よりも、

むしろ“内部の破壊”を目的とした、一撃必殺の弾丸!」(士郎)

 

「魔術回路を経絡秘孔を突くように爆裂させる。

“モヒカン魔術師”は、“ボンあべし”のダメージになる」(士郎)

 

「まるで北斗神拳ですね」(セイバー)

 

「俺は南斗。でも撃つ時は“北斗百裂拳”の気持ちだ!」(士郎)

 

「魔術を使った瞬間──

それが、臓硯の“ボンあべし”の瞬間だ!」(士郎)

 

「臓硯!お前はもう死んでいる!」(士郎)

 

そう言い終えると、士郎はセイバーの指示の元、通常弾をツボテンダーにセットする。

 

「これがあなたの、『お前はもう死んでいる理論』です!」(セイバー)

 

──切嗣の遺志を継ぐために。臓硯を“ボンあべし”させるために。

士郎は、通常弾を込めたツボテンダーで、練習を始めた。

 

 

───────────

 手術後・ツボマニア

───────────

 

──衛宮邸・離れ

 

士郎とセイバーを送り出した後、凛とイリヤは桜を世話していた。

 

カーテン越しにやわらかな光が差し込み、空気は静かだった。

 

ベッドに腰かけた桜は、少しだけ背を伸ばし、凛とイリヤの会話に耳を傾けていた。

 

「……心配かけて、すみません。何から何までやっていただいて……」(桜)

 

「寝て休むのもリハビリの一部よ。だから、立って歩いたらダメよ」(凛)

 

「ふふ、シロウがいたらきっと“無理すんな”って何回も言ってるわ」(イリヤ)

 

桜がそっと笑う。短く、ほんの少しだけ。

穏やかで、壊れそうな団らんの時間。

 

「きりつぐ……さんって、どんな方でしたか……?」(桜)

 

「……キリツグ、よく言ってたの。“ツボがあると落ち着く”って……」(イリヤ)

 

「……ツボでいっぱいの、私たちの城に目をつけたのがキリツグなの……」(イリヤ)

 

「なんで、そんなにツボにこだわるの?」(凛)

 

「それに、ツボだけ異様に達筆だったのもおかしいのよ」(凛)

 

「それが、家族としてのキリツグ……お母様と結婚したのは……ツボ好き仲間……が理由なの」(イリヤ)

 

「アインツベルンが聖杯の器を適当に作ったのは、ツボマニアが原因なの?」(凛)

 

「そう、ツボに熱中するあまり、他に目がいかなかったの」(イリヤ)

 

「そして、アインツベルンが聖杯を求めた理由、第三魔法で魂を持ったツボを作ること」(イリヤ)

 

「イリヤは、ツボのために聖杯戦争に参加してたの?」(凛)

 

「そうよ、仕方なかったのよ」(イリヤ)

 

「イリヤさん、ツボッて大事なんですね」(桜)

 

「私には分からない、でも、私はツボに囲まれて育ったの」(イリヤ)

 

切嗣の性癖と、一族の悲願がツボで繋がっていたことが、いつの間にか団らんの話題になっていた。

不思議と、あたたかい時間だった。

 

 

──────────────

 襲撃の刻!衛宮邸にも罠?

──────────────

 

──そのときだった。

 

凛が部屋の入口で立ち止まり、目を細めて言った。

 

「……来るわ。囲まれてる」(凛)

 

「ツボじゃなくて、蟲に」(凛)

 

桜の背筋が凍りついた。

それが“何”なのか、本能が先に反応した。

 

──ブブブ……ブン……ブブブブ……

 

外の静寂が、不気味な羽音にかき消されていく。

まるで“闇”そのものが音を立てて押し寄せるかのように。

 

次の瞬間、障子が一斉に破られた。

 

その羽音は聞こえるはずのない場所から、脳髄をなぞるように響いた。

 

──ギュギュギュギュギュギュギュギュッッ!!(羽音)

 

視界を埋め尽くす、ぬめりを帯びた“蟲”。

全方位から、南斗の斬撃をまとった飛行蟲が空間を切り裂いて突進してきた。

 

「……ここは蟲蔵じゃないのに!? なんでこんなに数がいるのよッ!?」(凛)

 

「“衛宮邸周辺”にワシ自ら、蟲の巣を築いておいたわい……いわば、“第二の蟲蔵”よ……!」(臓硯)

 

 

臓硯は、蟲蔵でなくても戦えるように、衛宮邸にも罠を張っていたと言う衝撃の事実が明らかになる。

 

 

「なっ……なんで……!?」(桜)

 

「そんな……私は……もう解放されたはずなのに……!」(桜)

 

「今より輝こうとする、桜の“あべし・ひでぶ”を奪い去ることは許さん」(臓硯・シュウの声)

 

「“桜の断末魔”がワシの心に光をもたらす」(シュウの声)

 

 

桜は絶望に染まりかけた。だが──

 

「心配しないで、桜」(凛)

 

「私がいるわ。あなたを奴には渡さない」(凛)

 

臓硯は構わずシンの声で桜の心の傷を抉りに来る。

 

「桜ぁ……“ワシを愛してる”と言ってみろ……?」(臓硯・シンの声)

 

「外道の“モヒカン魔術師”め!

桜に、二度とその言葉を使うな!!」(脳内ケンシロウ)

 

「“何~聞こえんな~!”“その程度でワシの心が動くと思ったか!?”」(臓硯・シンの声)

 

──次の瞬間。

 

凛の周囲に殺到した蟲が、彼女の肉体に到達した刹那、砕け散った。

 

──キンキンキンキンッ!!

 

触れた瞬間、南斗の斬撃をまとう蟲のほうが弾ける。

砕けた破片が紙クズのように飛び散る。

 

「さすがは北斗最強の女……肉体が鋼鉄を超えとるわい」(臓硯)

 

「だが、いくら“お主”が強くとも──」(臓硯)

 

「“仲間”すべてを守れるかな?」(臓硯)

 

臓硯の陰湿な笑い声が、闇から滴り落ちる。

 

 

凛は拳を構え、闘気を集中する。

 

「──行くわよ。桜の目の前で、負けるわけにはいかないんだから!」(凛)

 

「──北斗百裂拳!!」(凛)

 

──ドガガガガガガガッ!!

 

凛の拳が、目にも止まらぬ速度で打ち出される。

全方位へと放たれたその連打は、嵐となって無数の蟲を吹き飛ばした。

 

「桜……これが、遠坂凛の“本気”よ……!」(凛)

 

桜の目が見開かれる。

 

(……え……姉さん……これが……姉さん……!?)(桜)

 

(……姉さんの……戦い方……全然魔術師じゃない……!?)(桜)

 

「拳の極意は、“守るために放つ一撃”……

目の前の敵より──背後の友を守れ」(脳内ケンシロウ)

 

 

凛は360度から襲ってくる蟲を撃破し続ける。

 

──だが蟲は無数、攻撃は360度。

“約50匹”の翅刃蟲が凛の攻撃をすり抜けた!

そして、“桜”を目指して突入してくる。

 

── イリヤが一歩前に出る。

 

「サクラは、私が守るわっ!!」(イリヤ)

 

言い終えるより早く、イリヤは髪を結う。

金網の鳥と槍の使い魔が次々と具現化し、魔力の弾幕を形成する。

 

「いけっ! 守りなさいっ!」(イリヤ)

 

──キィィィン!(イリヤの使い魔)

 

鳥と槍の使い魔が、30匹、40匹と次々に撃墜していく。

 

だが、隙間を縫って、1匹がベッドへ突っ込んできた──

 

「ああああぁぁぁぁ!!」(桜)

 

「私は、負けないっ!」(イリヤ)

 

──キィィィン!(イリヤの使い魔)

 

イリヤは残り1匹も何とか処理し、対応を続ける。

 

 

桜は見た。

一瞬で全方位から空間を埋め尽くす“視界を覆う蟲の大群”と──その圧倒的な殺気を。

 

「……私は、開放されたのに……また……!」(桜)

 

(……また“あの部屋”に閉じ込められるの……?)(桜・心の声)

 

桜の体はガタガタと震え、手がシーツを握りつぶすほどに力を込めていた。

喉が絞られ、声にならない悲鳴だけが漏れる。

 

「阿修羅となって戦おう!!“桜のあべし”つきるまで!!」(シュウの声)

 

「南斗蟲拳奥義、“蟲の群れ(むしのむれ)”! 数千匹!」(臓硯)

 

「遠坂の娘よ、数千匹を味わってみよ」(臓硯)

 

 

──その言葉とともに、

 

床、天井からも次々と“数千匹”の“蟲の群れ(むしのむれ)”が現れ始めた。

爆音とともに、寝室の天井が砕け、蟲がなだれ込んでくる。

 

「前にも見たわ。耐えてみせる!」(凛)

 

「私もやられないっ!」(イリヤ)

 

2人の決意は緩がない!

 

 

「──“北斗千手壊拳”!!!」(凛)

 

凛の連撃が空間を震わせる。

 

“数千匹”の“蟲の群れ(むしのむれ)”にも凛は全力で対処する。

高速連撃を打ち続け、拳の連打で、桜を守り続ける。

 

凛をすり抜ける蟲が、50匹から80匹に増える。

しかし、イリヤは使い魔を増やし、切断され・失い・補充・対応、を繰り返し続ける。

 

 

───────────────

 南斗蟲拳 極大奥義・蟲の海

───────────────

 

──そのときだった。

 

「面白い、“蟲の群れ(むしのむれ)”に対処するとはな……」(臓硯)

 

「次は“極大奥義”を味わってもらおうか」(臓硯)

 

「南斗蟲拳 極大奥義! “蟲の海(むしのうみ)!”

空間を埋め尽くすワシの“極大奥義”を味わってみろ!」(臓硯)

 

臓硯の叫びと共に蟲の濃度が一気に増す!

 

「くっ!……視界が閉まる!」(凛)

「黒い……?……これっ!?」(イリヤ)

「………あああああッ……?」(桜)

 

凛も桜もイリヤも目を見開いた。

ベッドの周囲、部屋の隅、天井の裂け目、窓の外──

 

あらゆる隙間から、“黒”が流れ込んできていた。

 

──ズズズズズズズズズズズズ……!

 

「いや……いや……っ……」(桜)

 

羽音は、もはや音ではなかった。

“振動”として空間全体を揺らし、耳の奥に響く不快音が、桜の脳を締めつける。

 

──ギュギュギュギュギュギュ!!(羽音)

──ギュギュギュギュギュギュ!!(羽音)

──ギュギュギュギュギュギュ!!(羽音)

──ギュギュギュギュギュギュ!!(羽音)

 

天井が黒い。壁も黒い。床も黒い。

照明の明かりは奪われ、部屋の境界すら消え──

 

(見えない……壁も天井も……境界すらも……!)(桜・心の声)

 

「くっ……!これが全力なの!?」(凛)

 

──それが、“数万匹”の“蟲の海(むしのうみ)”だった。

 

数万匹の蟲が、上下左右の区別もなく、

ただ「桜という一点」を目指して突進してくる──

 

“空間そのものが敵意を持って迫ってくる”

 

──ギュギュギュギュギュギュ!!(羽音)

──ギュギュギュギュギュギュ!!(羽音)

──ギュギュギュギュギュギュ!!(羽音)

──ギュギュギュギュギュギュ!!(羽音)

 

 

イリヤの使い魔が、対応限界をついに超え!

“バターのように”次々と両断される。

補充速度も追いつかなくなる!

 

「いや……いやああああああああっ!!!」(桜)

 

「舐めるなあああああぁぁぉぁぁ!!!」(凛)

 

凛の拳が響くたび、蟲が数百匹単位で粉砕され、

空間が切り裂かれ、一瞬だけ視界が戻る。

 

 

──だが、そのたびに、

 

また“黒”が塗り直してくる。

 

「この、“蟲の海(むしのうみ)!”に、逃げ道はない

さあ、間桐桜よ、再びワシの檻に帰ってくるがよい……!!」(臓硯)

 

「“桜の断末魔”、“桜のあべし”はワシのためのいけにえとなるのだあ~~!!」(臓硯・ユダの声)

 

 

──────────────

 脱出!終わらなかった恐怖

──────────────

 

──守れない!減らすこともできない!

──凛は瞬時に判断する!

 

「……桜ごと、脱出するしかない……!」(凛)

 

──凛が桜とイリヤの乗るベッドの下へ飛び込む。

 

「北斗剛掌波ァァァ!!!」(凛)

 

──ドゴオオオンッ!!!

 

拳から真上に放たれた圧倒的な衝撃波が、天井を吹き飛ばす。

蟲数千匹以上が砕け、天井に穴が空き、包囲網に一点の突破口ができる。

 

「桜!イリヤ!私に捕まって」(凛)

 

「「えっ……!?」」(桜・イリヤ)

 

凛は一瞬で桜とイリヤを両腕に抱える。

2人を抱えたまま、足に力を込め──

 

「遠坂邸まで、ひとっ飛びよ!!」(凛)

 

 

──バシュウウンッ!!!(踏み込みの爆音)

 

跳躍と同時に、凛の足元にクレーターが刻まれた。

爆発した闘気が風となり、周囲の蟲を吹き飛ばす。天井の穴を突き抜け、空へと躍り出た。

 

──その光景を、臓硯が見上げていた。

 

臓硯は崩れた屋根の下で、凛の跳躍をただ呆然と見上げるしかなかった。

肉体や拳だけではない──あれは、災害そのものだった。

 

「なんじゃと……!? 空を……空を越えおったぁぁああああ!!!」(臓硯)

 

「空気圧で……蟲が……跳ね返される……闘気で吹き飛ばされるじゃと ……ッ!?」(臓硯)

 

──跳躍の軌道は一切ブレず

──わずか数秒で

 

 

──遠坂邸・庭

 

──ドスウウウウウウウン!!(着地音)

 

 

着地とともに、庭にクレーターが刻まれる!

凛は、遠坂邸に降り立った。

 

イリヤと桜を両腕に抱えた長距離ジャンプでも、凛の呼吸は乱れなかった。

 

「……いや、いや、いやあああああああ……!」(桜・パニック)

 

桜は完全にパニックになっている。

もはや、言葉すら届かない。

 

凛は素早く精神安定の秘孔を突く。

 

──トン(精神安定秘孔)

 

「カハッ……ね、ねえさん、ねえさん、怖い、怖い」(桜)

 

「ねえさん、私、でも……さっきのジャンプ……何なんですか……!? 空、飛んでました……!?」(桜)

 

「“街ひとつ”なら余裕で跳べるわよ。これが“北斗神拳”の力よ!」(凛)

 

──そのとき、桜の頭に静かな声が響いた。

 

「北斗神拳──

それは“経絡秘孔”を突くことで、

内側から肉体を破壊する暗殺拳だ」(脳内ケンシロウ)

 

「拳に闘気をまとわせ、触れただけで相手を砕く。

お前の姉は、“北斗最強伝承者”だ」(脳内ケンシロウ)

 

桜は目を見開き、しばらく沈黙したあと──

 

「……ケンシロウさん……“北斗……神拳”……?」(桜)

 

「……私の南斗……と何か関係が……?」(桜)

 

──襲撃からは逃げ切った。

だが、桜の心には、“絶望の恐怖”が刻まれた。




───────────────
次回──
「最終作戦──“ボンあべし”、作動!」

作戦会議は完了した。
臓硯を“あべし”にする。

──ツボテンダーよ、砕け!
──“起源弾”よ、炸裂せよ!

──To Be Continued──
───────────────
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