Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
・相手が全力で魔術を使っている時
・最大魔術に起源弾を当てることで
・術者の魔術回路を暴走させ破壊する
です
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壊れた家、集う者達
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──場面転換
──衛宮邸・離れ・夜
ツボテンダーの訓練と、“ツボ・ツッコミ”習得を終えた士郎とセイバーが戻ってきたとき、
衛宮邸の中は荒れ果てていた。
あちこちに蟲の死骸が散乱し、天井には大穴が開いていた。
衛宮邸離れで、戦闘があったことは明らかだった。
「……臓硯が、来たんだな……」(士郎)
「……遠坂邸に向かいましょう。無事だと信じるしかありません」(セイバー)
「……行きましょう、シロウ」(セイバー)
──そして、夜の遠坂邸へと急いだ。
* * *
──場面転換
──遠坂邸・地下
凛は桜のベッドの傍で膝をつき、そっと肩に手を置いていた。
「遠坂邸の結界は強力よ。臓硯なんかじゃ破れないわ」(凛)
「桜、安心して、ここはもう絶対に襲われない場所だから」(凛)
桜は、返事をしなかった。
ガタガタと震える手は、止まる気配がなかった。
その目は、誰にも焦点を合わせていない。
──ガタガタガタ(桜の震え)
「どうして……もう終わったと思ったのに……!」(桜)
「いや……いや……! あんなに、いっぱい……! 何千、何万も……っ」(桜)
凛は言葉を挟まず、桜を強く抱きしめた。
「さくら、さくら、大丈夫よ。何があっても、私たちが守る」(凛)
「ここは安全よ。臓硯の蟲は、もう桜には届かないわ」(凛)
「……こわい、姉さん……!」(桜)
「怖いのはわかるわ。解放された直後だもの」(凛)
「大丈夫。大丈夫。絶対に私たちが支えるわ」(イリヤ)
──凛は、震える桜を強く抱きしめ続けていた。
──パニックは少しずつおさまっていったが恐怖は消えなかった。
そんなとき──
「ただいま、戻りました」(セイバー)
「ツボテンダー、準備完了だ」(士郎)
「みんな……!」(イリヤ)
扉が開き、士郎とセイバーが姿を現した。
「よかった……全員、無事か」(士郎)
凛が立ち上がり、短く言った。
「桜は無事よ。安心して」(凛)
目が合った士郎と凛は、言葉なく頷きあう。
この日、桜を守るための全員が、ようやく一箇所に集まった。
──襲撃のあと。
寄り添う者たちは、決して──折れない。
しかし、桜の心は震えている。
それは怯えだった。
終わったと信じていた悪夢が、終わっていなかったという事実に、心がついてこない。
手術で解放されたと思った直後の襲撃が、絶望の心を何十倍にも引き上げてしまっていた。
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作戦会議・ヒャッハー魔術
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──遠坂邸・地下・作戦室。
魔術式による完全防御結界が張られた地下の一室。
凛・士郎・セイバー・イリヤ、そしてベッドで震える桜の姿がある。
──テーブルには、1丁の銃が置かれていた。
切嗣の遺品、“トンプッコミ・ツボテンダー”。
「まず、私が先行して単騎で突撃する。蟲蔵の養殖槽を、片っ端から北斗剛掌波で破壊していく」(凛)
「臓硯の攻撃は、私には一切通らない、だから単独で先頭に立つの」(凛)
「士郎、あなたは“私を支援しているふり”をして、徹底的に防御に回って」(凛)
「了解。でも、どうして“ふり”なんだ?」(士郎)
「臓硯の最大攻撃を引き出すため。実際は、セイバーがあなたを護衛する」(凛)
「……セイバー、頼めるか?」(士郎)
「騎士の名に、いや、拳士の名に書けてシロウは私が守ります」(セイバー)
凛が静かに続ける。
「起源弾は“モヒカン回路”、いや、“魔術回路に打ち込む”ことで効果を発揮する」(凛)
「ただし、回路が“最大ヒャッハー状態”でなければ意味がない」(凛)
「“最大ヒャッハー魔術”って、具体的に何だ?」(士郎)
「最低でも、数万匹を同時操作する“蟲の海(むしのうみ)”。空間ごと包囲してくるのが“ヒャッハー魔術”よ……」(凛)
「でも、これより上の可能性もあるの」(凛)
「最大の瞬間まで誘い込めなければ、起源弾は無意味か……」(士郎)
「はい。“最大ヒャッハー魔術”でないと、魔術回路は壊せません」(セイバー)
「だから、“蟲の海(むしのうみ)”を繰り出してきたら、ギリギリ持ち堪えるように見せかけて」(凛)
「ギリギリのふりを続けるのか」(士郎)
「心得ました。真の“最大ヒャッハー”見極めます」(セイバー)
凛は続いて、全員の役割の指示をする。
「私が破壊、士郎が“ふり”、セイバーが士郎の護衛、この陣形を基本にするわ」(凛)
「……わかった」(士郎)
「もし、臓硯が“数千匹”の“中規模攻撃”、“蟲の群れ(むしのむれ)”を放ってきたら、即座に私が破壊を中断する。全員で防御を固めて、士郎だけは絶対に守る」(凛)
「セイバー、士郎は、絶対に傷つけちゃダメよ」(凛)
「了解しました。“私の拳は、士郎の盾”です」(セイバー)
「特に、士郎の頭部に注意して。“脳を完全破壊”されたら、それで終わり」(凛)
「リンは最強だから大丈夫よ!」(イリヤ)
「衛宮士郎、その拳に信念が灯る時!
皆の力が、お前の頭部を守り抜くだろう」(脳内ケンシロウ)
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士郎の覚悟・作戦開始!
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──完璧な構成だった。士郎は攻撃のフリで防御。セイバーは士郎の護衛。凛は無敵の突撃。
だが──
「……ひとつだけ、考えがある」(士郎)
士郎がぽつりと呟いた。凛がぎょっとして振り向く。
「ちょっと待って。その声の出し方……嫌な予感しかしないんだけど」(凛)
士郎が、目を伏せて静かにツボテンダーを見つめる。
「起源弾でツボ・ツッコミできるのは、俺だけだ」(士郎)
「なら、俺が──最大の攻撃を受ける立場になるしかない」(士郎)
「俺が“狙われる役”になるってことで──」(士郎)
「待って!」(凛)
──ドガアァン(テーブル粉砕)
凛が立ち上がり、テーブルを叩いて叫ぶように言う。
凛の怪力でテーブルは粉砕された。
「それは、“自分が傷ついてもいい”って意味よね」(凛)
「士郎、それはダメ。絶対にダメ」(凛)
「攻撃をわざと受ける!? それ、死んでもいいってことじゃない!!」(凛)
「違う、違うんだ。死なないから言ってる」(士郎)
「アヴァロンがある。セイバーと接触すれば、どんな傷も一瞬で塞がる」(士郎)
「そういうことを言ってるんじゃないのよ!!」(凛)
「“死なないから傷ついていい”なんて考え方……そんなの、正気の沙汰じゃない!!」(凛)
セイバーが小さく目を閉じ、そして静かに言う。
「私の判断としても、賛同しかねます」(セイバー)
「シロウ、あなたは自分の命が最初から勘定に入っていないのです」(セイバー)
「でも、これが一番確実なんだ……」(士郎)
「油断させる最も適した手段は、俺の被弾なんだ」(士郎)
「でも、それでも……!」(凛)
──その時、全員の脳内に声が響き渡る。
「衛宮士郎!それは“覚悟”ではなく“愚かさ”だ!
“死ななければいい”では、仲間は救えん!」(脳内ケンシロウ)
「ケンシロウさん……」(桜)
「そうよ、シロウ、命を捨てたら桜は喜ばないわ」(イリヤ)
「俺は、絶対に死なない。怯えてるだけじゃ、何も守れない」(士郎)
士郎は静かに目を閉じて、言い切った。
「だから──俺がやる」(士郎)
「俺が、臓硯の“最大ヒャッハー”を引き出す。その瞬間に、全部終わらせる」(士郎)
凛は奥歯を噛み、セイバーは黙って目を閉じ、イリヤは小さく息をのんだ。
「……わかったわ」(凛)
「けど、頭だけは──“最強”の私が守る。そこだけは、譲れないわ」(凛)
「脳を完全破壊されたら、いくらアヴァロンでも回復できない」(凛)
「セイバー、あなたもいいわね?」(凛)
「はい。最強の凛師匠なら必ず頭部を守りきれます」(セイバー)
「桜、俺の脳は遠坂が守ってくれる!」(士郎)
「遠坂は最強だから安心してくれ」(士郎)
「先輩、姉さん……!」(桜)
「シロウ、そんなことをするなんて……」(イリヤ)
その時、桜が、ふるふると震えながら立ち上がった。
「……先輩、これ……前に私が頭を守ったヘルメットです」(桜)
──桜が震える手で差し出したのは、秘孔妄想爆発時のフルフェイスヘルメット。
「ちょ、ちょっと待って。これ被せるの? 本気で?」(イリヤ)
「だめよ。これは使えないわ」(凛)
「……なぜ……ですか!?」(桜)
「“頭を破壊されたら死ぬ”ってバレちゃうじゃないの。戦術上、致命的すぎるわよ」(凛)
「ありがとう桜。……これは使えないんだ」(士郎)
「すみません。でも、どうしても怖いんです」(桜)
──そっと、フルフェイスヘルメットは押し戻された。
けれど、桜の手の震えは、まだ止まっていなかった。
「……で、では……だったら……全身の防御をしてください……!」(桜)
──そう言って、桜が震えながら取り出したのは──
どこかで見覚えのある、あの赤と白の……
「あの時の、剣道着ね……」(イリヤ)
「…………っ!!!」(桜・顔を真っ赤にして俯く)
──場が一瞬で柔らかな空気に変わった。
「先輩の“頭”がダメなら……この剣道着で頭も一緒に防げば、弱点がバレませんっ!」(桜)
「ありがとう、桜。でも……重くて、動けなくなるんだ」(士郎)
「敵の攻撃を受けきる前提じゃない。避けるために動く方が、大事だからさ」(士郎)
──それは、断る言葉ではあったけれど、
彼女の“優しさ”をちゃんと受け止めた、やわらかな口調だった。
「本当にすみません、変なことばかり言って」(桜・小さく頷く)
──士郎の命を、なによりも守りたい。
──彼女の“心”は、誰よりも本気だと仲間たちは分かっていた。
凛は指揮官として、作戦をもう一度確認する。
「いい? 臓硯が数万匹の“蟲の海”を出した時──その瞬間が、起源弾の“的”よ」(凛)
「ただし、数万匹が最大じゃないかもしれないから、すぐには撃っちゃだめよ」(凛)
「数万匹で油断させて、“真の地獄”を出してくるかもしれないの」(凛)
「真の最大ヒャッハー魔術が出た瞬間、俺が撃ち抜く」(士郎)
「先輩……どうか無事でいてください」(桜)
「……ぜったい、全員揃ってね」(イリヤ)
「ああ、奴の最期を“あべし”にしてみせる」(士郎)
「はい!臓硯をツボテンダーで、“ボンあべし”です!」(セイバー)
──そのとき、再び声が頭に響いた。
「作戦開始だ!桜の敵を倒すのだ!
“ボンあべし作戦”を開始する!」(脳内ケンシロウ)
「何よ、そのダサい作戦名?」(凛)
──桜を守るため
“ボンあべし作戦”が、動き出した
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次回──
「運命を撃ち抜け──桜を救え!ラストバトル」
ツボテンダーが構えられる。
空間を満たす、蟲の奔流。
──起源弾、仲間の力、全てが集う時!
──最終決戦の時は、今!
──To Be Continued──
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