Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

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40話・桜救出編 ナルシスト最終──慎二、退学。そして伝説へ ナルシスト②

──翌日・朝

──穂群原学園・正面ロビー

 

「なんでいるんだ?」

「停学って聞いてたけど」

「何あの“銀スーツ”?」

 

ざわめく生徒たちの群れ。その理由はただ一つ──

 

等身大パネル、20体以上。すべて斜め45度、咥えバラ、ウィンクポーズ。

 

しかも今度は銀スーツ、髪はホスト風に逆立ち、歌舞伎メイクばりの白塗りと赤アイシャドウ。

背景には3枚の横断幕がひるがえる。

 

『Shinji is Eternal』

『真実の美は、鏡に映らない』

『醜い民へ美の神から祝福』

 

「ふふ……この“新生慎二”を前に、まだ僕を止められると思ったのか?」(慎二)

 

 

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 元からだった「自己愛」

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凛、士郎、桜はその光景を目の当たりにし、言葉を失う。

 

「死環白(しかんはく)に、あそこまでの効果は無いはずだけど」(凛)

「兄さんは、“もともと”、“自己愛”が強かったですから」(桜)

「じゃあ、“素の自己愛”が“爆発”したってだけか」(士郎)

 

「これは自己愛ではない!僕は気づいただけなんだ!」(慎二)

 

その一言で、3人の中にあった“罪悪感”の種が、ふっと消えた。

 

 

「遠坂、衛宮~! 醜い君たち、僕への嫉妬は程々にしろよ!」(慎二)

 

そう言い残して、慎二は銀スーツを翻しながらロビーを去っていった。

パネルと横断幕に囲まれた空間に、彼の残り香だけが漂っていた──。

 

「兄さん、規模が大きくなっただけで変わってません」(桜)

「あいつ、ナルシストって元々だったのか」(士郎)

「そうみたいね、驚きだわ」(凛)

 

 

────────────

 放送室ジャック・再び

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──放送室

 

慎二が放送室に突入し、マイクの前に立つ。

 

「聞けぇぇぇぇい!! 醜き全校生徒よ、これが“真実の美声”だああああ!!!」(慎二)

 

慎二の声が全校に響き渡る。

 

「聞け、この歌声! この声色! この美しさ!!」(慎二)

 

「“ローズ・オブ・シンジ”こと、この僕が今ここに──最降臨したのだあああああッ!!!」(慎二)

 

校内放送を、教室で凛、士郎、桜が聞いている。

 

「ふふっ……私、今日も……ちゃんと笑えました……」(桜)

「それでいいのよ。桜が笑ってるなら、何も問題ないわ」(凛)

「それが一番だ。……慎二も、少しは役に立ったな」(士郎)

 

 

藤ねえが全力疾走で放送室に飛び込んでくる。

 

「間桐慎二ッ!!!!!」(藤ねえ)

 

「あんた停学のはずでしょ!? なんで今日来てるのよ!?」(藤ねえ)

 

「ふふふ……先生。“学園が、僕を必要としている”のですッ!!」(慎二)

 

「ポスターは? 放送室は? 等身大パネルは!? どれも懲罰対象よ!」(藤ねえ)

 

「それすらも、醜い学園に“彩り”を与えたという意味で、美徳です!!」(慎二)

 

「なんの個性もない制服と机と教室こそ、醜悪な均一化の象徴なんです!」(慎二)

 

「慎二!いい加減にしなさい!!!」(藤ねえ)

 

 

その時、放送室に校長と教頭が入ってくる。

 

「君が、間桐慎二くんかね?」(校長)

 

「はい、僕こそが、穂群原学園の“光”であり、“美の革命家”です」(慎二)

 

教頭が書類を片手に一歩前へ出る。

 

「慎二くん。君は昨日、校内放送の無断使用、ポスターの大量掲示、教室での妨害行為、ならびに教職員への侮辱的発言で“停学処分”を受けているはずだ。今日の行動は、正直、退学相当だ」(教頭)

 

しかし慎二は、鼻で笑った。

 

「はあ? 醜い、醜い。あなたたちのその“事務的な嫉妬”が、何よりもこの学園の景観を壊しているんですよ!!」(慎二)

 

「見てください、僕を! 見よ、銀スーツ! この輪郭! この光っ……!!」(慎二)

 

──教頭、言葉を失う。

 

 

──校長が一歩前へ。

 

「反省していないのかね」(校長)

 

「もちろんです。停学を強行した、藤村先生こそ、自らの醜さを悔いるべきでしょうね」(慎二)

 

──そこで校長が、短く、しかし本気の声で告げる。

 

「今からでも遅くない。君の言葉で“反省”を聞かせてほしい」(校長)

 

「まだ間に合うのよ。謝ったら許すから」(藤ねえ)

 

──だが慎二は一歩も引かず、あざ笑うように言い捨てた。

 

「反省? 校長先生は間違っているんです」(慎二)

 

「藤村先生こそ、反省すべきだと分からないのですか?」(慎二)

 

「彼女は、僕への嫉妬に狂ってるんです」(慎二)

 

 

──そして

 

「本当に、反省するつもりは無いのかね」(校長)

 

「最後の警告よ。どうか聞いて」(藤ねえ)

 

「反省はありません。藤村先生を懲戒免職にするなら許しましょう」(慎二)

 

「慎二、アンタ!」(藤ねえ・怒り)

 

 

──────────────

「慎二、退学。そして伝説へ」

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校長は、無言で慎二を見つめた。

5秒、10秒、15秒──

風の音だけが流れる、凍りついたような静寂。

 

「反省していないなら……仕方ない、退学処分とする」(校長)

 

「なにぃぃぃぃぃぃぃい!?!?」(慎二)

 

──銀スーツが音を立てて崩れるかのように、慎二は膝をついた。

咥えていたバラが、地面にぽとりと落ちる。

 

「退学……退学……ッ!?

この僕が!? この穂群原に咲いた、美の象徴が!?!?」(慎二)

 

「これは世界が! 世界そのものが!! 僕の美しさに嫉妬してるんだああああ!!」(慎二)

 

 

──涙が、マスカラごと流れ落ちる。

 

「教頭も校長も! 藤村先生も!!

君たちは“嫉妬に狂った”醜さの化身だああああ!!!」(慎二)

 

「僕を理解できない君たちこそ──退学だぁああああああああああああ!!!」(慎二)

 

 

──メイクが崩れ、涙が止まらない。

 

「なんでぇぇええ!? 僕は美しいのにぃぃぃい!!」(慎二)

 

──校内放送を聴く生徒たちの顔に、爆笑が広がっていく。

 

「君たちの心が醜いから! 僕の美が見えないんだよぉぉぉおお!!」(慎二)

 

「僕の! 美の! 自由をぉおおおお!!!」(慎二)

 

「醜き生徒達よ! 聞けえええぇぇえええぇぇい!! これが僕のラスト・ステージだああああ!!!」(慎二)

 

──慎二の声が全校に響き渡る。

 

 

──そして

──狂乱

 

 

──慎二、放送機材を破壊!

 

「止めなさぁあああああい!!!」(藤ねえ)

 

「いやです。先生、退学を取り消してください」(慎二)

 

──バシバシッ!! ガリガリィッ!!

 

「僕の! 美の! 自由をぉおおおお!!!」(慎二)

 

そのまま慎二は暴れ続け、放送機材を破壊し続けた。

藤ねえは必死になだめ続ける。

しかし、止めきれないと判断した校長は、藤ねえの静止を押し切って警察に連絡した。

 

 

──最終的に、警察到着

 

「おい、抵抗すんな!」(警官)

 

「それは無理です。僕の美を否定した先生方を逮捕してください!!!」(慎二)

 

──ドン引きする警官たちの前で、

──慎二はパトカーに乗せられ、

──銀スーツのまま、咥えバラで連行されていった。

 

「僕は美しいんだああああああああああ!!!」(慎二)

 

 

「……ある意味、伝説になったわね」(凛)

「……ああ。俺たちは……歴史を見た……」(士郎)

「ふふっ……私、今日も笑えました」(桜)

 

──かくして、慎二は“美の伝説”として名を残し、

──桜の心には、また一つ強烈な笑いが灯されたのだった。

 

 

────────────

 「さよなら、間桐邸」

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──その日の昼休み

──穂群原学園・中庭ベンチ

 

慎二の銀スーツ伝説が放送室で締めくくられ、笑いと混乱が去った昼──

凛、士郎、桜は並んでベンチに腰を下ろしていた。

 

 

桜はお弁当をつまみながら、ようやく落ち着いた声を出す。

 

「間桐邸、誰もいなくなっちゃいました」(桜)

 

「もう住む人いないのね? 慎二は逮捕、臓硯は死んだしね」(凛)

 

「……はい。正直、もう……あの家に近づくのも怖くて……」(桜)

 

「なら、処分しちゃいなさい」(凛・さらっと)

 

「えっ」(桜)

 

「臓硯は失踪扱い、魔術協会経由で手続き通せるわ」(凛)

 

「桜は見るのも怖いだろ、俺と遠坂でやる」(士郎)

 

「……はい。お願いできますか……?」(桜・深く頭を下げる)

 

「あの土地、魔術師には垂涎ものよ。地脈の流れも完璧だわ」(凛)

 

「蟲蔵の気持ち悪さも、魔術的には一等地か」(士郎)

 

 

蟲蔵はほとんど崩壊していたが、霊脈と地脈は完璧な土地。

凛の手配で、魔術協会経由の売却市場に物件情報が流され、

“魔術師向けの高価格不動産”として即日落札された。

 

 

─────────────

「櫻の夢」…また、春が来た

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──数日後、放課後の遠坂邸リビング

 

間桐邸売却額の郵便物を手にした桜が、目を見開いた。

 

「びっくりする程のお金が入ってきました」(桜)

 

「売却金、一桁多いわね」(凛)

 

「桜、“心の慰謝料”ってことで、ありがたく受け取っとけよ」(士郎)

 

「シロウ、私はフォワグラというものが食べてみたい」(セイバー・じゅるり)

 

「じゃあ、サクラの回復祝いにパーティでもしましょう」(イリヤ)

 

「はい……姉さんと先輩と……セイバーさんと、イリヤさんで、楽しいことに、使っていきましょう!」(桜・満面の笑み)

 

──かくして、間桐の家は正式に消滅し、

その代わりに“家族での幸せ”という、かけがえのない財産が生まれたのだった。




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次回──

「ツッコミーズ・ツインズ──桜救出編・完結」

“救われる”のは終わった“守れる”が始まる。
ツインズは、月に誓いを立てる。

──桜が見つけた“幸せ”のはじまり。
──桜救出編、ここに完結。

「月下の誓い」で幕を下ろす物語。

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