Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
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遠坂邸の大団円 ①
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──夕方
──遠坂邸・リビングダイニング
「できたわよ! 私特製・超本気の中華フルコース!」(凛)
凛がエプロン姿で、ドヤ顔のまま大皿をテーブルに並べていく。
チャーハン、エビチリ、酢豚、餃子、八宝菜、そして……異常にツヤツヤした謎の点心。
「おお~っ……すごい!」(士郎)
「なんでしょう、この“凛師匠の本気”感……!」(セイバー)
「サクラ! あれが“姉の本気料理モード”よ! なにが起きても褒めるのよ!」(イリヤ)
「わ、わかりましたっ! でも、なんだか緊張します……!」(桜)
「我が拳は、空腹すら断つ。
だが、炒飯の香りには屈する」(脳内ケンシロウ)
「いきなり敗北してんじゃないのよケンシロウ!」(凛)
「姉さん……本当にすごいです。本格中華のお店に迷い込んだみたいな香りが……」(桜)
「迷い込むどころか、本日限定・“遠坂飯店”の開店だな!」(士郎)
「店の名前、ギリギリすぎるわね……!」(凛)
「さすがリン、北斗神拳もツッコミも中華もプロ級!」(イリヤ)
「なんで“ツッコミ”と“中華”が並ぶのよ!? 料理カテゴリじゃないわよ私のツッコミ!」(凛)
「それでは、いただきましょう」(セイバー)
「待ってセイバー! フライング禁止! 桜、あなたが“開戦の号令”をかけなさい!」(凛)
「え、わ、私が……!? ええと……」(桜)
「全員──突撃……いただきますっ!」(桜)
「“突撃”!? 食卓が戦場扱い!?」(凛)
「我が名はチャーハンを司る者、ケンシロウ。
その一粒が命を照らす。先代北斗神拳伝承者!」(脳内ケンシロウ)
「名乗るな! 米の神にならないで!!」(凛)
箸が一斉に動き、歓声が上がる。
食卓はまるで戦場──だが、平和と笑いに包まれた、幸せの乱戦だ。
「……外カリ中ジュワです! これは……ツボです、完全にツボに入ってます!」(桜)
「“ツボ”って何の!? 北斗のツボじゃないわよね!?」(凛)
「師匠、特製チャーハン、完食しました!」(セイバー)
「早っ!? 秒で消えたわよ!?」(凛)
「まるで“百裂拳”を腹にくらったあとのような満腹感ね……!」(イリヤ)
「それ満腹じゃなくて、打撃で満たされてるだけよ!」(凛)
「桜……このチャーハンには、お前の救済が刻まれている。
食べるたびに、仲間たちの傷は癒えていくのだ」(脳内ケンシロウ)
「米にそんな浄化作用ないから!!!」(凛)
その夜。
誰もが“笑って”“食べて”“ツッコんで”、桜の心に残っていた影は、確かに少しだけ薄らいだ。
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遠坂邸の大団円 ②
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──夜も更け始めた頃
──遠坂邸・リビングダイニング
皿の山ができあがり、空のグラスが並ぶ頃。
食卓には、満腹と笑いの余韻がゆったりと残っていた。
「ふぅ……幸せすぎて、なんかもう、魂が昇天しそうです……」(桜)
「昇天するにはまだ早いわよ。あとデザートが残ってるから」(凛)
「えっ、まだあるんですか!? この上が……?」(桜)
「真の本命はここからよ。お楽しみは、最後にとっておく主義なの」(凛)
「本命と書いて“ラストボス”って読むレベルなのよ……!」(凛)
「我が胃袋は限界を超える。
今宵、俺は、食の北斗羅漢撃を受ける」(脳内ケンシロウ)
「それはただの暴食宣言よ、ってあんたは食べてないじゃない!!」(凛)
「俺は、実体を持たないが、
皆の食事風景だけで腹は満たされるのだ」(脳内ケンシロウ)
「ケンシロウさん、言葉があったかいです」(桜)
そのとき、セイバーが静かに手を合わせる。
「この空間……本当に、温かいですね。まるで、家族のようです」(セイバー)
「そうか……そうだよな。家族、か……」(士郎)
「じゃあ、今のうちに言っておこうかな……」(凛)
皆が凛に注目する。
「衛宮邸が直ってからも、こっちでみんなで住みましょ。桜も、士郎も、セイバーも、もちろんイリヤも」(凛)
「本当はもっと早く言おうと思ってたのよ」(凛)
「えっ……姉さん……」(桜)
「ここなら結界もあるし、食糧庫も爆裂寸前。いいこと尽くめよ」(凛)
「私、ここに住んでもいいんですか……?」(桜)
「当然でしょ。遠坂邸は“家族”のものなんだから」(凛)
「──はい……。ありがとうございます……姉さん……!」(桜)
「……っ、も、もぉ~……サクラぁ~! よかったねぇえ~っ!!」(イリヤ)
イリヤが感極まって桜に抱きつく。
セイバーも優しく微笑みながらうなずいた。
「私も、共に暮らせることを心から嬉しく思います。これからずっと、お願いします」(セイバー)
「俺もだ。なんか……こんな日が来るなんてな……」(士郎)
「我が魂は、この宿命に報いた。
平穏こそ、拳の真髄なり」(脳内ケンシロウ)
「……やっと、そのセリフに納得できる気がするわ」(凛)
桜はこらえきれず、再び目に涙をにじませる。
けれどそれは、悲しみではなく、確かな喜びのしずくだった。
「姉さん、セイバーさん、イリヤさん……そして、先輩。
本当に、ありがとうございます……私は、今日……“生まれ変われた気がします”」(桜)
「生まれ変わる必要なんてないわよ。
私たちは、最初から桜の味方だったんだから」(凛)
桜は、みんなのその言葉を静かに聞きながら──胸の内で、そっと何かをかみしめていた。
そして、お茶を一口すすってから、柔らかな声で言った。
「……私、今日一日を、ずっと夢みたいに感じていました」(桜)
全員が、静かに桜の言葉に耳を傾ける。
「この食卓に並んで……姉さんの料理を食べて……皆さんと笑って……」(桜)
「それだけのことなのに……本当に、それだけのことが……奇跡のようで……」(桜)
イリヤがゆっくりと手を伸ばし、桜の手を包むように握った。
「サクラ。夢じゃないよ。これは全部、本当だよ」(イリヤ)
「……ありがとう、イリヤさん」(桜)
セイバーも静かに言葉を添える。
「桜。あなたの微笑みが、この場に“安らぎ”を与えてくれています」(セイバー)
「本当だな。お前の“ありがとう”の一言だけで、なんか……心があったかくなるんだ」(士郎)
「桜、あなたはもう一人じゃないのよ。ここには、私たちがいるわ」(凛)
「……はいっ」(桜)
ほんの短い返事だった。
けれどその声音は、かつての桜のそれとは違っていた。
──まっすぐで、澄んでいて。
──そして、確かに今を“生きている”声だった。
「私……この時間が、こんなにも幸せだなんて……知りませんでした」(桜)
「知っていけばいいのよ。これから何年でも、何十年でもね」(凛)
桜は頷いた。
一瞬、涙が浮かびかけた。
でも──泣かなかった。
それはきっと、もう泣かなくても大丈夫だと、どこかで分かっていたから。
「……姉さん」(桜)
「なあに? なんでも言ってね」(凛)
「私……これからは、守られてばかりじゃなくて……ちゃんと、“ここにいていい”って思えるように、頑張ります」(桜)
凛は少し目を見開いたあと、ふっと笑った。
「欲張って……もっと幸せになっても、いいわよ」(凛)
「はい……なります。絶対に」(桜)
「うんうん! それでこそ、サクラだよーっ♪」(イリヤ)
「私も応援しています、桜」(セイバー)
「俺も……絶対、お前を悲しませたりしない」(士郎)
「……皆さん……」(桜)
そのとき、脳内にまたあの声が響いた。
「桜、お前は七つの傷を乗り越えた女。
これからは“七つの幸福”で、未来を塗り替えろ」(脳内ケンシロウ)
桜はそっと目を閉じて、心の中で微笑んだ。
(はい。ケンシロウさん……私は、ちゃんと幸せになります)(桜・心の声)
──そして。
静かに、暖かく、静謐な夜が、遠坂邸を包み込んでいく。
桜の心に根を張っていた恐怖は、少しずつ溶けていった。
それは──
“救出”の終わりであり、
“はじまり”の夜でもあった。
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姉妹の散歩と〝月下の誓い〟
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──夕食後
──遠坂邸・中庭
空には雲ひとつなく、凛と桜の背に月光がやさしく降り注いでいた。
縁側には二人分の湯呑が置かれ、温かい香りが微かに漂っている。
凛と桜は手を繋いで歩いていた。
桜は、静かに呟いた。
「……姉さん、私──ようやく、自分の中の“恐怖”と向き合えました」(桜)
「大丈夫? 今もまだ怖い?」(凛)
「正直、怖さは残っています……皆さんに助けられて、守られて、やっと“恐怖”と戦えるようになったんです」(桜)
凛は隣で湯呑を置くと、ふっと笑って言った。
「私は最強なんだから。“ツッコミーズワン”の名にかけて、桜は簡単に守っちゃうんだから」(凛)
すると、桜はまっすぐ凛の目を見て、しっかりと答えた。
「守ってくれて……ありがとうございました。でも、これからは、守られなくても幸せになれます。“ツッコミーズセカンド”として……」(桜)
虚数ツッコミの名を知らない桜は呟く。
凛の目が、少し潤んだ。
けれど、泣きそうな顔ではなく──
誇らしげな姉の顔で、にこりと笑う。
「さすが、私の妹ね。“ツッコミーズセカンド”の名に恥じない幸せ、これから絶対に手に入れてね」(凛)
桜も、そっと微笑み返す。
「……はい、もちろんです」(桜)
ふたりの間に、静かで、確かな絆が流れていた。
血よりも深い、心の繋がり。
そのとき──
ふと、風が吹き抜け、凛の髪が揺れた。
月明かりの下、凛は桜から少し離れ、縁側の端に立つ。
「……桜。実はね、私は、月に誓いを立てたのよ」(凛)
「えっ?」(桜)
「私は“根源の渦”にたどり着く。
北斗神拳を極めて、魔術師として根源の渦の前に立つ。
それが、私の“月下の誓い”よ」(凛)
「……姉さん……」(桜)
桜は、そっとその隣に立つ。
そして、静かに笑った。
「じゃあ……私も、ひとつ立てますね。
“ツッコミーズセカンド”として──
“最高の幸せ”を手に入れます。
これが、私の“月下の誓い”です」(桜)
「ふふっ……桜らしいわね」(凛)
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ツッコミーズ・ツインズ
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「誓いは風に刻まれ、星に昇り、魂を導く。
今夜は、戦いの終わりでない。
“ツッコミーズ・ツインズ”、幸せな誓いの始まりだ!」(脳内ケンシロウ)
「ツインズってアンタ? ポエム挟むなってば!!」(凛)
──そして、笑いがまた夜空に舞う。
遠坂邸に集った仲間たちは、ようやく手にした静かな日常の中で、
それぞれの“これから”を胸に、そっと手を重ねる。
月の光が、そのすべてを優しく照らしていた。
「これからは、この幸せが“当たり前”になるわ」(凛)
「“当たり前”ってすごく大事です」(桜)
けれどその“当たり前”が──
桜にとって、何よりも愛おしい言葉だった。
「守られるだけじゃない、私もこの毎日を“守る側”になります」(桜)
月明かりが、桜の横顔をやさしく照らしていた。
それは、幸せを照らすような、どこまでも静かで、まっすぐな光だった。
──桜救出編、完結。
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幸せに還る場所──桜救出編・完結
もう、泣かなくていい。
この手が、誰かとつながっているなら。
静かな風が、二人の誓いを包んだ。
月の光で交わした言葉は、優しい未来の証。
──“姉妹”の意味が、ようやく結ばれた夜。
──すべてが、そこにあった。
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ここまで読んでくださった皆さまへ。
物語は、ついに終着点にたどり着きました。
悲しみも、涙も、笑いも──
すべてはこの一瞬のためにありました。
“救う”でも“戦う”でもなく、
“生きてゆく”ことの尊さを描きたかった。
それを最後まで見届けてくださったことに、
心から、ありがとうを贈ります。
間桐桜
真命:遠坂桜
保有スキル
虚数ツッコミ (EX)
ツッコミが起こってもおかしくない時、
全てのツッコミを吸収してツッコミ不在の空気を作り出す。
桜本人は恐怖からツッコミをできなくなっても、
周囲の人間は誰も異常に気づかない。
会話が成立しない、と桜が感じることも起こり得る。
ツッコミーズワンである、凛のツッコミだけは吸収しきれないことも稀にある。
「ツッコミーズセカンド」は、真名を知らずにカレンが付けた通称である。