「これが俺の念願の...マイホーム...!!」
カイジ感動...!
まさか生涯で持つとは思わなかった...マイホーム...!
「お、お邪魔します...!!」
「お、カイジさん!いらっしゃーい!」
「...何だお前...!何してやがる...!俺の家の中で...!」
「あ!私河城にとりと申します!この家の建築者です!以後お見知りおきを〜」
カイジ、驚愕っ...!!
「いや...おかしいだろ...!お前が建てられる訳がない...!しかも一週間で...!常識だっ...!」
がっしりとした...建築士のイメージとは裏腹に...
そこには年端もいかない...青い髪の少女が立っていた...!
「失礼だなあ。それよりどう?この家。外見もいいけど、内装もこだわったんだよねー」
確に家はまさに理想形...!
内外共にシンプル、しかしどこか小洒落ている...!
「だからこそおかしいんだ...!女の子が一週間で建てられる家ではない...!」
「あんまり河童の技術力をなめないでほしいなあ。」
「河童...!?お前河童なのか...!?」
「河童だよー、正真正銘の。」
聞いた事がある...!河童...相撲が得意で...人間を溺れさせる...!そして...
「つまり...その...あれか...?俺の...尻子玉を取るとか...?」
「え!?キミ本当に尻子玉があると思ってるの!?キャハハ!!」
「なっ...!無いのか...!?尻子玉...!」
カイジ猛省...!恥ずかしい間違い...!
「人間は古くからの盟友だからね、襲ったりしないよ!」
「そ、そうなのか...知らなかった...!」
安堵の表情...!人間の威厳ゼロ...!
「そう言えば、依頼主がこれをカイジにって。」
「俺に...霖之助が...?何だ...?」
それは紛れもなく...幻想郷について書かれた本...!
そしてその上に貼ってあるカイジへのメッセージ...!
『カイジ君へ。
君の幻想郷での生活のため、ささやかなプレゼントを用意した。
役に立つかは分からないが、頑張ってくれ。
霖之助より』
「あったけえ...!人の気持があったけえよ...!!」
感謝...!!圧倒的感謝...!!
〜その夜〜
「なるほど...幻想郷にはこんなものが...!」
「ねー、お腹空かなーい?キュウリの浅漬けとか食べたいなー」
「分からない...!何故だ...!」
「何が?」
「何故お前は帰らないっ...!!おかしいだろ...!!」
「おかしくないよー、だってここ、私が立てたんだもん!」
「いや...その理屈はおかしい...!だってここ俺ん家じゃん...!!」
「そうかたいこと言わないのー。ケチは長生きしないよ?」
「そういう問題じゃないだろっ...!!」
「今日だけでいいからさー泊めてよー!出来栄えとかも見たいんだって!」
「しょうがない...!今日だけっ...!特別サービス...!」
「やったー!」
「おい...にとり...これ見ろこれ...!!」
「何ー?・・・弾幕ごっこじゃん。これがどうかした?」
「ここに人間、妖怪対等にって書いてあるな...!」
「書いてあるねー。」
「これ...俺でもできるのか...!そこんとこ...!」
「うーん。外来人は基本できないけど。能力がないとなー...」
「能力...あるぞっ...俺でも...!」
「えっ嘘!?運がいいんだねえ君・・・」
「明日からでいい...!教えてくれよ...!この弾幕ってやつの出し方...!」
「えー・・・めんどくさいなあ・・・」
「頼むっ...この通り...!!」
「じゃあ・・・飽きるまで、ここに住ませてくれたらいいよ!」
「よっしゃっ...!ありがとう...!」
「この家結構気に入ってるんだよねー♪」
「自我自賛かよ...!」
そして翌日...!カイジ特訓開始...!
「まず、手のひらに意識を集中させます」
「こ、こうか...?」シュウウ...
「そうそう、上出来だよ。そしてそれを好きな方向に、飛ばすイメージを持って。」
「こ、こう...!」ヒュン!
「おめでとー!よくできましたー!」
「やった...!使えたぞ魔法...!俺にも...!これで魔法少年...!」
「あとは慣れでこんな感じで連射できまーす」ガガガガ
「えっ...?いやおかしいだろ...!」
「何が分からなかった?」
「いやそうじゃなくて...慣れってなんだよ...!」
「慣れは慣れだよー。」
「無理だろ...!俺には一個一秒が限界...!不可能...!」
「・・・まあそこは、気持ちでカバー!」
「できるかっ...!そんな事...!」
「そういえばキミの能力って?」
「『あらゆる賭けに勝つ事ができる程度の能力』だったか...」
「...それって何の役に立つの...?」
「知るかっ...俺に聞くな...!!」
がんばれカイジ...!負けるなカイジ...!
答えはもう見えてきているはず...!
「・・・これは面白そうなネタを見つけてしまいましたね♪」
「藍、あの外来人、家を建てたらしいわよ」
「」ブーッ
「なかなか見所あるわね・・・」
「一体何者ですか・・・その人間・・・」
「近いうちに遊びにいってみようかしら?」
「きっと歓迎されないでしょうね・・・」