「せ、先輩!」
「タスケ!アンタ一体こんなところで何を!」
「…チッ!」
雄英高校から電車で1時間ほど離れた街。
とあるトラブルに巻き込まれ、やむなく個性を使っていたところ、背後から2人の女の声がかかる。
不味いな…兄貴とバカ兄貴の知り合いだなこりゃ。
「だりゃあああ!!!!」
「うるせぇ!今それどころじゃねーんだブッ殺すぞこのヤロウ!」
個性を強化する薬を使い、自分の個性を強化した男が、自分の体全体から多数の凶悪なトゲを伸ばしこちらを襲ってくる!
「先輩!危ない!」
「タスケ!早く下がりなさい!」
背後の声もうるせぇ!
2人がダッシュでこちらに駆け寄ってくる気配を感じる!
こちらを襲ってくる多数の凶悪なトゲを横に避けて躱す!
個性 重力拳!
「…シッ!」
躱したトゲのうち、狙いを定め一本のトゲの側面を思いっきりぶん殴る!
そのトゲは、男の頭部から伸びたトゲだ。
トゲを叩いた衝撃が伸びたトゲ自体を伝わり、男の頭部を揺らし、脳をシェイクする!
「ぐえ!」
男が、怯んだ!
「シャアオラァ!!」
一気に男と間合いを詰める。
ボクシングのフットワーク!
高速で移動し、ヤツを俺の間合いに捉え、トゲが生えてないヤツの側頭部に渾身のフックを叩き込む!
「ゲボ…」
さらなる頭部、脳へのダメージが入り、男が昏倒した。
「せ、先輩…?」
「タスケ?」
「…ヤレヤレだぜ」
近寄って来ていた女達に振り返る。
年下らしきサイドテールの女と、ヒーローらしき女。
「厄介なことになったぜ全く…」
何故こんなことになったのか…
このトラブルの発端。
話は、少し前に戻る。
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『ジュート君元気ー予定空いてたら久々に遊ぼーよー』
前に遊んだ事のある女から連絡が来た。
予定の空いていた俺はすぐ連絡を返し、会いに行くことにした。
以前目にした素晴らしいおっぱいを思い出し、心弾ませながら電車に飛び乗った訳だ。
電車の中で何時頃着くとか、何処で待ち合わせるとか他愛もないメッセージでやり取りしながら連絡を取っていたのだが、
…急に、向こうの様子がおかしくなった。
『めっちゃしつこいナンパされてて困っちゃう』
『男3人で1人ナンパとかマジないわー最悪』
『ちょっとコイツラまだ諦めないし強引過ぎんだけど。ジュート君まだー?ジュート君こっち着くまででもとかほんとにしつこい!』
…そして、メッセージが途切れた。
スマホには、そいつの居場所らしきGPSの位置情報が送られて来ている。
…確実にトラブルになってやがる!!
そのGPSの位置情報はゆっくりと移動していた。
元々待ち合わせしていた駅の近く。
待ち合わせの駅に着いた俺様はすぐに駅を飛び出し、GPSの指し示す場所へと向かったのだった。
辿り着くと3人の男が、嫌がる女を強引に車に引きずり込もうとしていた。運転席にもう1人。
治安の悪化は様々な犯罪を増やしていた。
当然、性犯罪も。
周囲の人は見て見ぬふりをしている。
懸命なヤツがヒーローや警察に通報したくらいか。
「おうこらテメエら!!俺様のツレに何してやがるブッ殺すぞこのヤロウ!!」
「ジュート君!!」
俺様の声を聞きこちらに振り向く集団。
「けっ!!いいトコ邪魔すんじゃーねーよ!!」
チンピラの1人がこちらに近づいてくる。
暴力で黙らせるつもりなんだろうが。
相手が悪いぜ!!
「イイコト邪魔してんのはそっちだクソが!!」
「グエ!!!」
個性は使わず、渾身のワンツーで叩きのめす!!
「やべぇ!あのガキ強えぞ!」
「足止めしろ!後で合流したらお楽しみだ!」
「貧乏くじ俺かよ!」
男達はそう言って、1人を足止めに残し、女を車内に連れ込むと車を急発進させた。
「ちっくしょー!!せっかくの上玉だったのによう!全部テメエの所為だ!」
足止めに残された男は個性増強の薬を使うと、俺に襲いかかって来た!!
そして冒頭のシーンに繋がるのである。
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「先輩?…先輩、ですよね?」
「………」
怪訝気な女と、こちらを睨む女。
「悪い!事情は後で説明するからまずは手を貸してくれ」
2人を、正面から見る。
兄貴、バカ兄貴。すまん。
2人の知り合いにバレてしまった。
だが…
「知り合いの女がコイツの仲間に車で拐われた。助けるのに力貸してくれ。事情は絶対にその後話す」
GPSはそこそこの距離を進んでいた。
今は、時間がない。