このアカデミアでは俺だけに翼がない   作:のりしー

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雄英高校のクリスマス

「多分先輩の個性の成長が早いのは、タスケさんのおかげなんじゃないでしょうか?」

「というと?」

「個性 多段…肩もみとかに使ってたとの事ですが、人の体の快不快にダイレクトに関わるような精密な個性操作を長く続けて来たことが、個性の精密操作の習得に役立っているんじゃないでしょうか?」

「なるほど。それはあるかもな」

 

今日はクリスマスイブ。

一佳と約束し、街に出かけていた。

 

 

付き合ってからも良く俺の部屋にコーヒー飲みに来ていた一佳だが、毎度お気に入りのマグカップを持ってきていた。

 

流石にそれは面倒くさいし、じゃあせっかくだしおそろいのカップをクリスマスプレゼントでお互い贈ろう、という話になった。

 

クリスマスプレゼントがカップだけというのも味気無いし彼氏としてそれでいいのか?という感じもするのだが、ちょっと良いカップはまあまあな値段もするのでこれはこれでアリか?と思い直した。

 

タスケとジュートはバイトで稼いだお金を少し残してくれてはいたが、プレゼントを贈るのにあの2人の金に頼りたくないという気持ちもあった。

 

2人でお互いの気に入ったカップを買い、それを俺の部屋に置いておくことになった。

 

買い物が終わると少し其辺の店をぶらぶらしてから、ネットでコーヒーとケーキが美味しいと評判の喫茶店に入る。

 

注文したケーキとコーヒーのセットを楽しみながらの会話が、先の個性の習得に関するものであった。

 

どうも、普通の学生カップルのようで、結局は普通のではない話になってしまうのが雄英生徒らしいと言うべきか。

 

「実際、先輩の個性の習熟スピードはかなり早いです。弟さん達の個性は2人が使いこなしてたからともかく、空を飛ぶのは先輩オリジナル個性のはずなのに…」

「タスケのおかげ、ってことだな。そう言われると納得するよ。本当に、皆の潤滑油みたいヤツだった」

 

3つの人格を1つの体で動かしていると、やはり様々なトラブルは出てくる。 

今思うと、そう言ったトラブルを上手く解決していたのがタスケだった。

荒事がジュートの担当ならば、調整や渉外がタスケの担当だ。

 

「タスケさん…確かМt.レディの所でバイトしてたんですよね?大丈夫ですか?先輩1月の職場体験先が…」

 

「チーム・ラーカーズだな。インターン受け入れのついでに職場体験もさせてくれるらしい」

 

チーム・ラーカーズ。

エッジショット

シンリンカムイ

Мt.レディ

 

3人のヒーローで組んでいるチーム。

 

「ま、向こうにもタスケが事情を伝えているし、相手は大人だからそう変な事にならないと祈ってるよ」

「祈るなんですね…」

「一度、その辺の話もしたかったから、職場体験決まってから会えないか連絡したら忙しいって断られた…」

「あちゃあ…」

 

2人で天を仰ぐ。

今日がクリスマスイブで、それが終わると年末年始。

そしたらすぐに職場体験だ。

 

もうこの道を進むと決めた以上、進むしかないのだ。

 

「…あ、もうこんな時間か。準備出来たら学校に戻るか」

「…先輩ごめんなさい。私も本当はもう少し一緒にいたかったんですけど…」

「クラスメイトと寮でクリスマスパーティーするんだろ?友達は大切だ。楽しんでおいで」

「はい。終わったら連絡しますね!」

 

 

そして、準備をして喫茶店を出て学校に戻った。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

『すみません先輩…先ほどはお目汚しを…』

『いや、眼福だったよ。友達には俺がお礼を言ってたと伝えておいてくれ』

『嫌です。絶対皆調子にのるから』

『ははは…』

 

夜も更けた時間。

クラスメイトとのパーティーが終わった一佳から着信があった。

 

クリスマスパーティー中に、友達が一佳のミニスカサンタ姿の写メを一佳のスマホで送ってきており、まあそんな事を話す。

 

他愛もない雑談。  

 

「来年はもっと一緒にいましょうね」

「そうだな」

 

聖なる夜に性なる事を期待してしまう。 

いや、でもあれって付き合ってからどんぐらいでするもんなんだろうか…

 

「…先輩…もしかして何か変な事考えてます?」

「多少はな」

「もう!」

 

少し膨れた様子の一佳。 

まあ、本気で怒ってる感じもしないし大丈夫だろう。

 

『そう言えば先輩。ヒーロー名は決めたんですか?職場体験で必要ですよね?」

「ああ、一応な」

 

俺のヒーロー名は

 

「超重ヒーロー グランダート」

 

その名で行こうと思っている。 

 

「…グラン多ー人(ダート)ですか、先輩らしいですね」

「そう言ってもらえると嬉しいよ」

 

本当に俺の彼女が一佳で良かったと思う。

 

クリスマスイブの夜が更けていく。

 

俺達に取って大きな変化があった年が終わっていくのを感じる。

 

そして世界も同じように大きく変わっていくのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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