このアカデミアでは俺だけに翼がない   作:のりしー

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増殖する魔王

「…こんなの…こんなの…一体どうすりゃいいんだよ…」

 

峰田君の何一つ自分の気持ちを隠さない率直な言葉は、その場の全ての人間の心を一欠片の差異もなく代弁していた。

 

 

タルタロス。

凶悪なヴィランを閉じ込める要塞。

 

そこから、魔王が、出てきた。

出てきて出てきて出てきて出てきて出てきて…止まらない。

神野の悪夢。

オールマイトを終わらせた魔王。

 

魔王が、増えている。

信じられない程の魔王の群れ。

 

タルタロスから本土へ続く橋。 

その橋が、魔王オールフォーワンで溢れていた。

 

対するは、雄英高校生徒を中心とするヒーロー部隊。

エンデヴァー率いるヒーロー達は荼毘の討伐に向かった。

 

他の地域の治安維持のため討伐に加わらなかったヒーローと、雄英高校生徒を中心とした学生ヒーロー達。

タルタロスの内部に敵の侵入を許したという連絡を受け、動けるメンバー全員で出撃していた。

 

 

「生徒達は下がれ!」

イレイザーヘッドが前に出る!

その瞳が捕らえたオールフォーワンが溶けて消えていく。

 

…だが…それ以上の勢いで、オールフォーワンが増えていた。

「キリがないわね…トゥワイスの個性 二倍だろうから、1人1人の耐久力は落ちているハズだけど…」

治療中ながらも、無理をして戦線に参加したМt.レディの言葉が耳に入る。

 

イレイザーヘッドが懸命に全てのオールフォーワンを視界に納めようとする。

だが、消えるそばから増えていくのだ。

 

今もきっと、タルタロスの内部。イレイザーヘッドの視界の届かないところで、魔王が増えている。

 

「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い」

 

 

イレイザーヘッドを、俺達を、オールフォーワンが見る。

全てのオールフォーワン達が、俺達を見ていた。

 

蹂躙が、始まる。 

蹂躙されるのは、俺達だった。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

「イレイザーヘッドを守りなさい!」

Мt.レディが最前線に立つ!個性 巨大化を使い、皆の前に立ち盾となろうとする!

 

オールフォーワンの群れから衝撃波が!宙を走る爪のような凶器が!様々な個性の攻撃がこちらを襲う!!

 

イレイザーヘッドがその攻撃を消す!

だが、全てを消すには間に合わない!!

 

「はあ!!!」

 

個性 超重装具!

 

黒い爪のような個性を拳で殴り破壊する!

「待てえ!デク!無理すんじゃねえ!」

「ワン・フォー・オール!フルカウル!!100%!!!」

 

雄英1年でエース級の戦力を持つ緑谷と、爆豪の2人が空を駆けオールフォーワンに攻撃を仕掛ける!!

 

緑谷の空を裂く拳圧!

爆豪の爆破!

 

見事!オールフォーワンの一角を撃破した!

「おおおお!!!!!!!」

「らあああ!!!!!!!」

 

2人はその後も強力な攻撃を繰り出す!

合わせて、後方のヒーローと生徒達も遠距離攻撃可能なメンバーは全員で遠距離攻撃を放つ!!!

 

見事!オールフォーワンの一角を撃破する!

 

「イレイザー!橋を落としますか!」

「…駄目だ、オールフォーワンなら空を飛べる。まだ何も考えずに橋を進んでいる今の方がマシだ。空を飛んで四方八方に飛んでかれたら、それこそ収拾がつかなくなる」

「そうですね…収拾、つけなくちゃいけませんからね…」

 

何も、考えていない魔王の群れ。

魔王は攻撃をこちらに放ちながら進み、ヒーロー達の攻撃を受けて消えていく。

何も考えていない。

それはそうだ。

何も考える必要がない。

かかる時間が早いか?遅いか?

その程度の差しかないのだから。

 

だから…

 

「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い…」

 

「トガヒミコ…」

 

トゥワイスはホークスの攻撃で瀕死。  

とすれば、これはトガヒミコに間違いない。

 

「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い」

 

いつかは、俺だけに向いていた殺意。

トガヒミコは、世界の全てを憎み、殺そうとしていた。

 

 

ヒーローは魔王の群れに対し健闘し、善戦するだろう。

 

今も緑谷中心の攻撃!

遠距離攻撃手段を持たない、もしくは低威力の攻撃しか出来ない俺のようなものはこちらに向かう攻撃を相殺などで防いでいる。

 

善戦だ。健闘している。

 

そして、やがて体力が尽き、力尽きていくのだろう。

 

「まだよ!まだ!ここで私達が下がれば!日本は終わる!」

Мt.レディの懸命の言葉!

 

その通りだった。

今、日本が、終わろうとしていた。

終わり始めていた。

今も、着々と…

 

『…流石に、これをそのまま見ているのは寝覚めが悪いかな』

「え?」

 

ふと、頭の中で、不思議な声がする。

いつか何処かで聞いたような声が…

 

『トガちゃん闇堕ちした辺りで心配になって、次の転生先でのキャラビルド考えがてら、まだ君たちの身体に残っててよかったよほんと』

 

「俺たちの、身体…あ!」

 

10月の、統合の時の!!!

 

『そうだよ!僕は本来その身体を使うはずだった転生者さ!』

 

あの時消滅したと思っていた!!!

 

『力を貸すよ。多重翼人』

 

彼は、

 

『本来この身体は、4人の魂と4人の個性が組み合わさって完成されるものだ』

 

その最後の個性。

『4つ目の個性を君に渡そう。何、大丈夫。僕はもう新しい世界への転生が決まってるからね』

 

個性 対消滅エンジン!

 

『その力を扱う為の全ての知識!必要なものを全て今君に渡そう!転生者がせっかくヒロアカ世界転生するのに、極悪ゴリゴリインファイター程度の特典で満足する理由なんてないだろ!』

 

僕は、ヒロアカ世界で無双したかったんだ!

 

『さあ!受け取れ!』

 

そして、俺の心と身体、頭の中の何処かに最後のピースがハマる。

圧倒的な力と、知識が流れ込んでくる!!!

 

『いけ!!いけいけ!グランゾン!!たかだか複製魔王如き!蹂躙してしまえ!!』

 

 

 

 

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