このアカデミアでは俺だけに翼がない   作:のりしー

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タスケ2

「あー疲れたーパトロール何事もなく終わりー!タスケーおしぼりとお茶ー!」

 

「アイアイマム!」

 

Мt.レディが日課のパトロールから事務所に戻ってきた。

定番のやりとりとなっているので、もうすでにおしぼりもお茶も準備万端である。

 

「うむよきにはからえー。あ、後肩いつものでもんでー」

「ようがすようがす。このタスケ承ったですよー」

 

お気に入りの椅子に座った彼女の背後に回り、その強力な個性に見合わぬ細い両肩に手を置く。

そして個性を発動する。

 

個性多段(ただん)

 

格ゲーでよくある多段ヒット?にイメージは近い。

少し違うのは、自分が生み出したエネルギーがその大きさそのままに2つ連続でヒットするというもの。

 

この個性を活用すると、なんと!本来の二分の一の力で肩もみが出来るのだドン!

 

「あー気持ちー…やっぱマッサージ神だわアンタ…」

 

蕩ける顔を見せるうら若きレディ。

ご満足頂けて恐悦至極!!!

 

「しっかしアンタもあれよねー、なまじ雄英高校なんか行かないでこういうマッサージとかそういう道に行けば天下取れそうなんだから、そっち目指したほーがいーんじゃないの?」

 

「天下取ってみたいですねーマッサージと?あと参考までにどういう道がいいんでしょ?」

 

「えー聞いちゃうのそれ?一応学生だし言葉選んだつもりなんだけど」

 

「気遣いありがとですが、参考までに拝聴いたしたく」

 

「女性向け風俗の売れっ子」

 

「言葉を選ぶ事の大切さ!!!」

 

そんな感じで今日も賑やかにバイトの時間が過ぎていく。

 

「あ、そう言えばシンリンカムイさんからまたメール来てたみたいですので、落ち着いてから確認お願いします」

「おっけー」

 

ここ最近、Мt.レディはシンリンカムイと一緒に活動する機会が増えてきた感じがする。

 

最近売り出し中の若手有望株コンビ。片方が見た目の美しいМt.レディということもあり、格好のゴシップネタにもなってたりする。

 

実際今のところ何も無い様なのだが、そういう噂が流れて嫌じゃないのか聞くと

 

「別に噂くらいいーんじゃない?勝手に注目してもらえるだけでも認知度上がるし、名前と人気が上がればヒーローチャートで上目指すのに好都合だもんね!」

 

そう言ってニヤァっと黒い笑みを浮かべる。

なかなかどうして。

大したモンであるこの方も。

 

「でもシンリンカムイ先輩もかなり真面目なタイプだから、も少し砕けて接して欲しいのよねー、アンタほどとは言わないけどさ」

「どーもぬるっとタスケです」

「ぬるっとなんてやーねー。手汗酷いと女の子に減点くらうから気をつけなさいよ」

「ここでまさかの風評被害!」

 

彼女はカラカラ笑いながら

 

「やっぱ人間関係基本は笑顔と笑いよねー。あ、タスケ、次シンリンカムイ先輩に会ったら一発芸して笑わせてよ。上手く笑ったら1回毎に100円あげるからさ」

 

「ハッハッハ!出来ぬとは言いませんがこのタスケ、日頃真面目に活動しているヒーロー様相手にそんな罰ゲームみたいなイタズラ仕掛けるほど、貴方様には魂を売っていませんことよ」

 

「じゃ、1回笑わせたら1000円」

 

「魂売らせて頂いてもよろしいか!!!」

 

そう言って今日もバイトの時間が過ぎていくいつもの日々。

 

プルルル…事務所の固定電話が鳴る

「あ、タスケ電話よろ」

「ういっす」

 

でもま、仕事はちゃんとしないとね。

「はい、こちらМt.レディヒーロー事務所です」

 

………

 

「…ん、タスケ?」

「Мt.レディ、雄英高校のヒーロー科1年A組がヴィラン達の襲撃を受け、オールマイト他多くのヒーローが負傷したそうです」

 

「電話代わって!」

「どうぞ」

 

やれやれ、ここは平和だけど、平和じゃない所も当然ある訳です。

 

世界が平和でありますように。

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