ベイラム・インダストリー所属パイロット『G7 レイヴン』   作:チームマッチUNRANKED

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プロローグ

 最初に異変が起きたのは、星を、可能性を、友人を焼いた後だった。

 

 ザイレムがプラントに衝突し、まばゆいばかりの光がルビコンを覆い尽くす。星系を後にし、少し目を瞑った。思えば"脱出"から戦いっぱなしで、ろくに眠る時間もなかった。

 

 ふとルビコン3に来てからのことを思い返す。ウォルターも、イグアスも、ラスティも、カーラも、チャティも、レッドも、アーシルも、そしてエアも死んだ。助けられなかった。殺した。本当に、本当にこれでよかったんだろうか。

 

『…解除条件をクリア』

 

 暗闇の中、唐突にCOMの機械音声が響く。ウォルターからの最期のメッセージらしい。

 

 『これからのお前の選択が…お前自身の可能性を広げることを祈る』

 

 そんな言葉が、未だに心に突き刺さっている。

 そして………

 

 

 

 目を開けると密航直後まで時間が戻っていた。

 酷く困惑する俺をよそに、傭兵支援システムが淡々と処理を続ける。

『レイヴン 貴方の帰還を… …失礼 レイヴン 貴方の帰還を歓迎し さらなる活躍を期待します』

 理屈は少しも理解できなかったが、全てをやり直す絶好の機会だと思った。今度は経験もパーツも金も最初からある。今度は強さに理由がある。今度こそは俺自身の、この世界の可能性を広げてみせる。

 

………

 

 ダメだった。企業や封鎖機構が壊滅した今、バスキュラープラントに集められたコーラルの手綱を握れる者はなく、瞬く間に世界へ二度と取り除けない汚染を広げた。

 仲間(何か)を捨ててまで選んだ仲間は、可能性そのものであるコーラルに侵され、倒れていった。

 コーラルに散逸し、薄れゆく意識に語りかけてくる声があった。

『今度は… あなたの選ぶ未来を見てみたい』

 

 …再びガレージで目が覚める。どうやらまだチャンスはあるようだ。

 奇妙なことに、巻き戻るたびに前回とは違う依頼が時々舞い込むようだ。新たな道を進み、ついに新たな可能性に辿り着いた。

 

 

 

 賽は投げられた。だが、出目は一だった。

 トリガーが引かれたおかげか、前回の無秩序なコーラルの広がりよりはよっぽどマシだった。しかし結果的に人間世界は滅びたという点では変わりない。

 戦い続ける歓び以外にも人間の存在意義はあった。新たな可能性は、他の可能性を切り捨てるものでもあったのだったのだ。

 

 …ガレージだ。

 それから幾度となく巻き戻りを繰り返しては、幾度となく失敗した。戦闘技術と口座残高ばかりが高まっていくが、打破の糸口は未だに見えない。金やパーツはルビコンに来る前に手に入れたことになっているらしい。こんな物、もはや何の役にも立たないが。

 何かに期待し、何度も何度も辿った道を再び通る。星を焼き、解放し、コーラルを放ち…

 

 十数回ほど繰り返しただろうか。少しでも糸口を掴もうと、一度、普段聞き流す(スキップ)言葉に耳を傾ける。

 そこで、見つけた。

『貴様は独立傭兵にしておくには惜しい 正式にレッドガンに入隊すればより上位のナンバーを狙えるだろう』

 G6レッドからのメッセージ。昔の俺はこんな話に乗る気はさらさらなかった。だが…

 

 ベイラムの力を借りればバスキュラープラント延伸を、引いては最悪の結末を阻止できるかもしれない。

 

 そう思い当たった時には俺は既にACを駆っていた。まずはこの時間軸を見届け、次の周では必ず…

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