ベイラム・インダストリー所属パイロット『G7 レイヴン』 作:チームマッチUNRANKED
失踪しないように頑張ります。本当に。
脚部の駆動系を限界まで稼働させ、アスタークラウンを蹴っ飛ばす!!!そして着地!決まった!
「おーイグアス、機体が随分ボロボロじゃないか。」
「るせえ野良犬!…だけどよ、助かったぜ…。」
「ヴォルタ!キャノンヘッドはまだ行けるな!?」
「てめ…!無視してんじゃねえ!!!」
あのイグアスが俺に感謝を…!"恩を売りまくって嫉妬の対象からミシガン枠になろう作戦"は順調だな。
「五花海は?」
「今回は
「あいつ…やる気あんのか…?」
「お喋りはもういいか?」
「あー、もう一つ話させてくれ。レイヴンは俺が殺った。」
「な…!?」
「というわけで、あんたらブランチがここを襲撃する意味はない!退け!とっとと!」
暫しの無言。
レッドガン秘匿回線から怪訝そうな声の通信が入ってくる。
『あ?レイヴンはお前だろ?』
『全部後で説明する。』
「…。悪いが、新しいレイヴンがどんなもんか知りたいんでな。ここは食い下がらせてもらうぞ。」
心のなかで舌打ちをする。大人しく退けば良いものを…面倒な連中だ。
「このメンツは多重ダムぶりだな…!後がつっかえてる、早めに終わらせるぞ!イグアス、レイヴン!」
「おうよ!」
「了解!」
3対1、奇しくも
『イグアス!リペアはいくつある?』
『2だ。』
『よし、まだ行けるな。二人で撹乱して盾をぶち割って、ヴォルタのデカい一発に繋げるぞ!』
『ケッ、指図すんなよ野良犬が。遅れんなよ!』
パルススクトゥムは冷却が終わり、再展開されている。そこへ射撃しつつ、ABの慣性を乗せてチャージパイルバンカー!QBで躱される。だがそれでいい。
「凄まじい圧力だ。あいつを退けたというのも納得だな…!」
スクトゥムのアイドリングはQBにより中断された。アスタークラウンに向かってQBをふかし、交差でイグアスと挟み込むような位置取りに。ヴォルタはFCS近距離処理の限界距離ギリギリを保ちつつ、牽制の榴弾を撃ち込み続けている。
「流石に分が悪いか。」
アスタークラウンが包囲を抜けようとABを起動した!
「俺が回り込む!てめえらの機体じゃ追いつけねえだろ?」
「分かってきたな!任せたイグアス!」
包囲が崩れると全ての攻撃を前面のスクトゥムで受けられ、最悪3対1でも火力負けすることさえあり得る。それほどまでに四脚の衝撃軽減7割はシャレにならない。
そこまで極端なことにはならないにしても、このあと雑兵を蹴散らす仕事が控えている。とっとと終わらせるに越したことはない。
アスタークラウンはかなりの距離飛行している。かなり距離が開いたし、ここからだとまともに介入できない。イグアスはまだ喰らいついているが…。
…!
「イグアス!バックQB!」
「ッ…!」
二脚MTのバズーカだ!ヘッドブリンガーは…なんとか避けたようだ。
「誘い込まれたか…!」
多対一で機動力の高い機体を誘い出して先に片付ける。俺やフロイトも使った手法だ。
遠目から見た感じかなり数が多い。距離は俺達が向こうに着くまで30秒というところだろう。現代戦では囲まれたAC一機がスクラップになるのには十分な時間だ。だが今のイグアスなら!
「イグアス!行けるな!?」
「もうしくじらねえ!てめえらがこっち来る前に全員片付けてやるよ!」
…MT部隊だけならともかく、アスタークラウンも加えて30秒は無理じゃないか…?
かなり遠いが、どうやらまあまあ奮闘しているらしい。かなりのハイペースでMTのものらしき爆炎が上がる。
「もう少しこらえろ!俺の機体はパルスプロテクションがある!そっちで展開すれば楽になる!」
「るせぇ!んなもん使う間もなく終わる!」
向こうが見えてくる。ヘッドブリンガーはアスタークラウンとうまく距離を取って弾を躱しつつ、MTをスクラップにしている。
到着した頃にはMTは…壊滅!
「どうだ!」
「やるじゃねぇか!残りはACだけだ!」
「チッ…アーキバスと言えどもMT部隊はこの程度か。潮時だな。」
「だから最初っから退いてくれっていってるだろ!帰れブランチ!」
「…キング了解。」
お、わかってくれたか?
「流れはこっちに来ているようだな。続行だ。」
え?
直後、通信が入る。
『G4G5G7に伝達!第三勢力の不明機体部隊による奇襲を受けている!現在G3が対応中!増援求む!』
「…クソッ!やらかした!」
コアの中で叫ぶ。よくよく考えてみれば第一目標は防衛だ、キングの撃破じゃない。今まで目に付く物全部壊してればどうにかなったからな。思考から抜け落ちてた。
だが第三勢力?封鎖機構かオールマインドか。というか第三というより第四では?
キングと睨み合いつつ作戦会議。
「ヴォルタ!野良犬!どうする?」
「どうもこうも、こいつをフリーにするわけにもいかねぇし二手に分かれるしかねぇだろ!イグアス、行け!」
「ったく、どれだけ移動させりゃ気が済むんだよ…!」
口ではそうはいいつつも大人しくABで飛んでいく。ヴォルタが居ると助かるな。
「ヴォルタ、お前もイグアスについていけ。向こうには頭数が必要だ。」
「だがそれじゃあ…。いや、分かった。任せたぞ…!」
ヴォルタと今のイグアスが揃えばHCやゴースト程度じゃ万に1つも負けることはないだろう。おまけにMT部隊や五花海までいる。
アスタークラウンの3連レーザーキャノンが青い光を帯びだすと同時に俺はミサイルを発射。再び火蓋が切られる。
スクトゥムが完全に起動する前に全火力を叩き込む!バーストハンドガンは全部顔面で受ける。そのための重装甲だ。
「被弾してもお構いなしか…。ならば!」
再び3連レーザーキャノンが放たれる。だがギリギリ3発命中は免れた!
「まだだ!」
「がッ!」
コックピットが大きく揺れる。リニアのチャージショットか!?スクトゥムで見えなかったが、ギリギリでスタッガーを耐える。姿勢安定は世界を救う!
「パルススクトゥムを解いたな!」
温まっていないスクトゥムに重ショットガンをぶち込む!スタッガー!
ダメ元でパイルを振るうが、やはり上空でホバリングするアスタークラウンには届かない。
「やはりお前はレイヴンに似ているな。無謀なパイルバンカーを狙うところもだ!」
一帯がパルスに包まれる!アサルトアーマーだ!パルスプロテクションを展開し、無理やりスタッガーでダウンした機体制動を回復する。クソッ、全然味方のために使えないぞこれ。
プロテクションを見てアスタークラウンが少しずつ退いていく。…"頃合い"、だな。
アサルトブーストを起動し、一気に距離を詰める!丁度EN切れで地に落ちてきた!
「読まれた!?」
キングの憔悴した声!重ショと蹴りをぶち込む!
ついさっきスクトゥムをオーバーヒートさせたアスタークラウンにそれを防ぐすべはない!
スタッガーさせる前に再離陸していく。スクトゥムを再び展開したが、
「もう遅い!」
衝撃値が溜まりすぎている!再びアスタークラウンがスタッガーする!もう一発パイルを入れようとするが、俺のミサイルが当たっていたせいでスタッガー復帰までに間に合わなかった。ACSの緊急復旧システムだ。
「観念しろ!APもリペアももうないだろ!」
「悪いがここまで来たなら俺はレイヴンを…お前を見届けたい。最後まで付き合ってもらうぞ!」
再びチャージリニア!ギリギリで避け、蹴りで反撃。スクトゥムと装甲を貫いた重ショットガンの弾がジェネレーターに命中したらしい。
「強いな…名に恥じぬ…戦い…」
言い終わる前に機体が爆発する。思想、主義の為に死ぬ。俺も、ルビコンのためなら死ねるだろうか?
『こちらG7、識別名"キング"を撃破した。』
『遅えよ野良犬!待たせんな!』
強い言葉に反して声色はどこか嬉しそうにも聞こえる。
『無事で良かった、だってよ。』
『言ってねぇよ!!!』
…気のせいかも。
『ハァ…。漫才してる場合か!状況を!』
『傭兵をぶっ潰したミシガンの野郎がこっちに合流してから、知らねぇ機体はガンガン数を減らしてる。まだ数はいるが時間の問題だろうな。』
ミシガンに早さで負けたか。小言を言われるかもしれないな。小言と言うには大きすぎる声で。
プツッ。回線への接続を知らせる音が
『役立たず共!!!!!何を仲良くお喋りしている!?!?!?』
『うわっ、出やがった!切るぞレイヴン!』
『とっととこっち来て働けよ野良犬!』
二人との通信が切れる。
『G7!!!呑気にティータイムか!?!?!?』
『すぐ行きます!すぐ行きますから!!!』
『それでいい!!!切るぞ!!!!!』
思わず丁寧語になってしまった。怖すぎる…。
あ、機体の特徴を聞き損ねた。
数分後、臨時停泊地に到達すると、まだ戦闘が続いていた。レッドガンの主力4機を相手にここまで粘るとは、敵は相当な大軍らしい。
だが姿が見当たらない。
「野良犬!避けろ!」
イグアスの声、そして直後にアラート!間一髪で虚空からのレーザー狙撃を避ける!
「何ぼさっとしてやがる!感謝しろよ、野良犬!」
「別にこの機体ならレーザーぐらい耐えられるし…。」
「本当にかわいくねぇ後輩だなてめえは…。」
「G5、G7!痴話喧嘩は他所でやれ!!!!!解析チームによると敵機はモニター欺瞞型のジャミング機能を搭載している!!!!!スキャンで隠れて震えている根性無しどもを燻り出してやれ!!!!!!!!!!」
「了解!」
オールマインドか。ここで俺らの海越えを阻止すれば、集積コーラルに関してはアーキバスが一歩リードする形になる。「第一条件」のためにアーキバスを勝たせる必要がある、あいつらの遣いで間違いないだろう。
長引いてるのは数で苦戦しているというより位置が捕捉できない感じか?4人中2人が
「こいつらキリがねぇな!」
「どこのどいつかは知りませんが、随分鬱陶しい連中ですねぇ…。」
捕捉できたやつは集中砲火で順調に倒せてはいるが、随分ゴーストを投入しているらしく、この調子では終わりが見えない。MT部隊の周りでパルスプロテクションを張りつつ、突破方法を考える。
ふとMT部隊があまり攻撃していないことに気付く。
「MTにはスキャンは付いてないのか?」
「残念ながら、我々の機体はレーダーやスキャンと言った機能はオミットされています。ですので、AC搭乗者の皆さんが捕捉した敵への支援砲火に徹しております、G7。」
ロケット弾やバズーカ、位置が把握できればあまり動かないゴーストにはうってつけの武装だ。MT部隊さえ動かせれば頭数は一気に増える。
「敵の正確な位置さえまとめて把握できれば…。」
「でしたらこの私、五花海に妙案がありますよ。」
…こいつの言うことをどこまで信頼していいのか。なんならこいつもうベイラムを裏切ってたりするんじゃないか?俺が言えたことじゃないが。
「…教えてくれ。」
「我々の機体のレーダー情報から位置を割り出すのです!」
「何言ってやがる?それじゃ方角しかわからねぇだろ?」
イグアスが近接型ゴーストをぶった斬りながら割り込んでくる。俺と二人じゃないとゴーストにさえ対応できなかったあいつが、片手間でゴーストを…。レイヴンお兄ちゃんは嬉しいです。
「我々のACは複数機居ます。2機以上の方角情報を合わせれば、位置は自ずと割り出せるでしょう!」
「オペレーター共!!!聞こえたな!?!?!?我々のレーダー情報を送る!!!!!位置を割り出し、マーカーを送信しろ!!!!!!!!!!」
お、生の恫喝。
「流石はG3だな。」
ヴォルタの感心した声。ACの操縦が下手でも、他で活躍してるからこそのG3、って訳なのだろうか。
俺も、スパイ疑惑かかってるにしてもこれだけ頑張ってるんだから、そろそろG6.99ぐらいにはなってもいいんじゃないか?
しばらくして画面に一斉にマーカーが並ぶ!
「マーカーが敵の狙撃ポイントだ!!!MT部隊!!!視界から消えるのが得意な連中を実際に消し去ってやれ!!!」
一斉にMT達の射撃が叩き込まれる!次々とゴーストたちがあぶり出され、爆散していく。
「………。」
「させねぇよ!」
MT部隊に近付く近接装備機も、イグアスがアーマーを剥がして始末している。理想的な形だ。
暫くの後。
「敵が撤退するぞ!」
「追わなくて構わん!!!よくやった!!!!!役立たず共!!!!!」
「アーキバスと土着どもも全滅だ。離陸できるだろ。」
「総員乗り込め!!!エンジニア、離陸準備をしろ!!!!!」