ベイラム・インダストリー所属パイロット『G7 レイヴン』   作:チームマッチUNRANKED

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封鎖兵器鹵獲妨害 ②

 オープンフェイスに挨拶代わりのブーストキック!

 次いでバックQB。スタンガンは嫌いだ。

 

 リスクはあるが、探りを入れてみるか。撃ち合いながらボイスチェンジャーを起動し、近距離通信チャンネルに接続。大きく息を吸って…

「俺は独立傭兵トーマス・カーク様だ!ガハハ!ヴェスパーの重鎮が何故ここにいる!」

「…。」

 

 答えない?白々しすぎたか?それはそれとして、やつなら木っ端独立傭兵に嫌味の一つや二つどころか弾道にしばらく嫌味が残る嫌味レーザーキャノンでも飛ばしてきそうなものだが…やつは黙ったまま垂直プラズマミサイルを撃って終わりだ。

 戦闘中に情報を引き出せそうにないならそれはそれとして好都合だ。遠慮なく機能停止まで殴れる。

 レーザーランスの予備動作が見えた。横QBで躱し、背中にチャージチェーンソーを無理矢理…さすがに間に合わないか。ジャベリンベータを放ちつつ、チャージをキャンセル。

 チェーンソーを肩にしまい、ガトリングを乱射しつつ上昇!垂直プラズマミサイルの地面炸裂を躱す。

 

『ドウン!』

 !

 主戦場の方から大きなパルス爆発の音がした。恐らくバルテウスのアサルトアーマーだ。バルテウス制御アルゴリズムの火炎放射解放まで追い込むか。腐ってもランク06/A、現在生存してる独立傭兵の中で最強なだけある。

 

 そしてこの音はちんたらやってられなくなったってことでもある。

 シャルトルーズが勝てばスネイルのカバーに来て再度多対一、それもどっちも上位ランカーになってしまう。

 バルテウスが勝てば三つ巴の乱戦をメチャクチャな量のミサイルで荒らされるハメになるだろう。

 

 とっとと木っ端役人には消えてもらおう。またまたガトリングをぶん回しつつABを起動!さらにAQBで加速しつつレーザーキャノンを右に躱す!さらにQBに繋げて加速!

「蜂の巣にしてやるよ!」

密着距離で両の手のガトリングを再度回転!スタッガー!

「消し飛べ!スネイル!!!!!」

 DOUBLETROUBLEを面で展開!コアにぶち当てる!

『ガガガガガガ!』

 激しく装甲を削ぎ落とし…!振り抜く!

 オープンフェイス撃破!

 

 詳細スキャン!脱出確認できず!よっしゃ千載一遇の大チャーンス!!!捕まえて情報吐かせてから殺す!スネイル殺すぞスネイル殺すぞスネイル殺すぞスネイル殺すぞスネイル殺すぞ!!!!!!!!!!

 マニュアルエイム起動!冷却が終わったDOUBLETROUBLEをチャージで構えたまま慎重にオープンフェイスの背部に擦り付ける!戦闘モード起動中だとACでの繊細な動作は難しいからな。コアブロックの背部を露出させ、ハッチを切り開ける。

 スネイルは…いない?代わりにVE-40A(アーキバスADD重量コア)の中には妙な機械がぎっしりと詰め込まれていて、機体ダメージ限界を超えたせいだろうか、ところどころでショートを起こしている。

 こんなところに人間は乗れ…無くはないがこのモニターで操縦はかなり面倒だぞ。この設計…どこかで…。

 …エフェメラ(技研無人ACフレーム)コアか。あれの内装にちょっと似てる。

 

 無人ACを使った偽のスネイルといったところか?ヴェスパーのデッドコピー…どこかで聞いた気が…。

 いや、今はそれよりバルテウスだ。あいつをまともに使えないほどぐちゃぐちゃにしてしまえば、鹵獲によるアーキバスバルテウス開発は大きく遅れるか、成立しなくなるだろう。

 主戦場の様子を伺える高台を探そう。いい感じにつぶし合ってもらって、そこを掻っ攫う。うん、完璧な作戦だ。今度から俺がベイラムの上層部やるっていうのはどうだろう。AB起動!

 

 

 

 さて。主戦場ではアンバーオックスとバルテウス以外にも、LCやHC、BAWS四脚MTが入り乱れる大混戦が起きている。あそこ行きたくねぇー。弾持ちも不安だ。

 だが、みすみす大チャンスを逃すわけには行かない。ブースト起動、飛び降りる!

 ターゲットアシストオフのABで素早く回り込み、アンバーオックスから見てバルテウスを射線切りにできる位置に陣取る。あ、高速離脱された。ズルい。

 

「封鎖兵器がまたミサイルを撃つぞ!」

「遮蔽が近くにない…!死ぬっ…!!!」

 

 おーおー。四脚MT乗りも大変だな。幾ら耐久性があろうとバルテウスのミサイルの物量じゃあ焼け石に水だ。誘導が甘いから上手くブーストを吹かせればあいつらでもギリギリ耐えるぐらいはできそうだが…。

 

「どうにか避けるしか…がッ!?」

 ブーストキックの衝撃で動きを止める。とにかく何度も蹴る。四脚MTの推力と図体じゃACの連続ブーストキックはどうにもならない。

「貴様っ!うおっ!さっきのっ!ぐあっ!」

 聞いてるだけで舌を噛みそうだ。自分はミサイルの嵐とLCからのレーザーを四脚MTの影に隠れて防ぐ。

「よくも…ぐああぁぁっ!」

 パーフェクト。この調子で上手くやれば全滅も狙えるな。

 

 次は狙撃型LCを潰すのがいいだろう。アーキバスのブレード型四脚MTならスナイパーキャノンで対処できるが、あいつらはHCとの近距離戦で手一杯な感じだ。

 このまま狙撃され続ければ、ここでアーキバスが一方的にやられ、まだまだ元気な封鎖機構を俺一人で相手取るハメになるかもしれない。バランスを取ってやろうじゃないか。

 バルテウスとアンバーオックスのターゲットにならないよう、大きくABで迂回。勝手に戦ってろ。封鎖機構のガトリング砲台は建物を使って防ぐ。

 狙撃ポイントの建物の下からスキャン起動。位置を確認し、背後に向けて一気に上昇!

「サプラーイズ!」

「コード5!貴様!報告にあった独立傭」

ブーストキック!

「うぉあああ!?」

 爆散!狙撃型LCは装甲が脆い。機動力を生かしてとっとと逃げればいいものを。次々に蹴りで鉄くずにしていく。

 

 お、広域公開通信が入ってきた。

「第7隊長も再教育した傭兵も落ちた!本部!増援を頼む!」

「ワーム殺しから離脱できたと思えば…またすぐに些事で煩わせる…。現存戦力で対処なさい。何のための四脚MT部隊配備だと思っているのです?」

『プツッ』

「…クソメガネがぁ…!」

 アーキバスの通信か、おいたわしや…。すぐに楽にしてやろう。

 シャルトルーズが落ちたってことは戦局が大きく動くな。混乱に乗じてバルテウスをぐちゃぐちゃにしてしまいたいところだ。

 そして、さっきのスネイルが偽物だったことがここで確定したな。十中八九そうだったとは思ったが。

 

『ズドゴォン!』

 オーバードレールキャノン狙撃地点から、一際大きい轟音が聞こえた。向こうも大詰めか。こっちも行くぞ!アサルトブースト!

 

 

 

 見えた。半壊状態のバルテウスだ。フレームがダメージ限界に向かっているように見えるが、その上には高出力パルスアーマーがほぼ無損傷で展開されている。

 JVLNベータを放ちつつ背部に取り付き、ガトリング!

 上空へ逃げていく。このパターンは…バズーカ。それと地面への火炎放射か。ABで追いすがりつつバズーカをAQBで回避、速度に乗った弾丸を叩き込む!

 呑気に雪を焼いている間にパルスアーマーを剥ぎ取ってやる。スタッガー!

 少し自由落下し、前QBを

「させるか!引き剥がせ!」

 突然HCからパルスキャノンを撃たれる!いつの間にこっちに!こいつと戦っていたはずのアーキバスの四脚MTがいたところに目を向けると…やられてやがる。

 

 ギリギリで回避!

 バルテウスはACSを復帰させ、火炎放射器を構えている。なぎ払いだ!

 バルテウスの懐に潜り込むようにQB!俯角が足りないはず!

「カバーする!」

 HCのレーザーブレードか!これは…こうだ!

 ハンガーからチェーンソーを抜刀してチャージしつつ、右手のガトリングを照射!

「なっ!寄せ集めの、それも解体用チェーンソーでHCのブレードを受け太刀したのか…!?」

 HCとかのブレードはノーチャージでもAC用ブレードのチャージ相当の出力が出るため、そのまま受ければ機体硬直を免れない。だがチェーンソーでガードすれば隙を消せる!

 シフトレバーを引きチャージをキャンセル、そしてABを起動!追撃をブーストキックで潰して

『パチパチパチ…』

 え?パルス音?機体背部から聞こえ

『ドゥン!』

「あ。」

「…?こいつ、何が狙いだ?」

 …パルスプロテクションが、暴発しました。

 

 …機構のパイロットが困惑している間にブーストキック!スタッガー!

「あっ!おい!」

 チェーンソー!

「うおあっ!?」

 撃破。作戦通り上手くいったな。これぞ奥義"唐突パルスプロテクションキック"。意味不明なタイミングでパルスプロテクションを展開し、AAやPAだと思っていた相手が困惑した隙に

『ガァン!』

「痛っ!」

 機体がふっとばされ、コアブロックの内部機構に腕をぶつけた。

 クイックターン!どうやらバルテウスのブレード状火炎放射を喰らったらしい。だが、これでこのあたりのAC級以上の戦力はバルテウスだけ。ほぼ一騎打ちだ。

 

 いつの間にか再展開されたパルスアーマーをガトリングWトリガーとJVLNベータの圧倒的衝撃力で消し飛ばす!一瞬でスタッガー!

 今度こそ少し自由落下し、前QBして股下をくぐり抜ける。前方からではチェーンソーはベルトシステムが邪魔で、うまく通らない。振り向くと同時にバルテウスの背部をチェーンソーで抉り取り…振り抜く!

 

 撃破!残骸が一際大きな爆発を起こしたあと、地面へガシャンと大きな音を立てて落ちる。

 だが、まだ原形はとどめている。ジャガーノートとかもそうだが、大型兵器はACのように撃破後は木っ端微塵とならないものが多い。さて、どう処分したものか…。

 

「見つけたぞ!封鎖機構の部隊と報告にあった独立傭兵だ!」

 この声は…振り向くと四脚MTが複数機。アーキバスの増援か。ほぼ全滅したことを受けてやっと増援を送る気になったか。

 そうだ。

「対象を狙撃する!バズーカ型も砲撃してくれ!」

 スナイパーキャノンをバルテウスの残骸を遮蔽にして防ぐ。図体がデカいと遮蔽としてちょうどいいな。

「クソ、遮蔽で当たらないぞ!」

「構うな!撃ち続けろ!あの遮蔽もいつかは壊れる!」

 目論見通り。ガトリングと爆導索じゃ機体をぐちゃぐちゃにするのに文字通りの爆発力が足りないし、チェーンソーはジャンク化には向いてるがこのサイズのものを、パーツを切り出すならまだしも滅茶苦茶にするには時間がかかりすぎる。

 イヤーショットやソングバード、BADCOOKを持ってくるのも考えたが…対機動兵器を考えたときピーキーになりすぎる。

 

 

 

 その後、バルテウスが原型を留めなくなるまで遮蔽戦をし、ある程度壊れたところで基幹部分をチェーンソーでぶちぬき、撤退した。

 エクドロモイも高機動型もいなかったので離脱は案外簡単だった。

 

 ヴェスパー隊長を1人、再教育された上位ランカーを1人、そしていずれ来るアーキバスバルテウスの開発を阻止。悪くない、むしろかなりいい戦績だ。

 無事使用し終わったACも修理してオールマインドに売れた。あとはワーム殺しと各地のベイラムの作戦がどうなったかだな。いやー…疲れたな…。

 とりあえず戻って休むとしよう。ガレージに足を向け、歩き出す…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アーキバスを間接支援すべく中央氷原の封鎖拠点に送り込んだ"クリティック"の信号がロストした。あのモデルの操縦技術の再現精度は78%。その辺りの傭兵に撃破されるようなユニットではない。」

「俺たちの他にも、各勢力の実力者が水面下で動いてる、といったところだろう。当然だが、アーキバス内部にその動きはなかったぞ。」

「これでまた()1()()()が遅れる…。アーキバス内の戦闘記録に探りを入れてください。あれを撃破した者についての情報が必要です。」

「ついこの前も別のデータベースを探らせたろう?人使いの荒い…。だが、まあいい。」

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