ベイラム・インダストリー所属パイロット『G7 レイヴン』 作:チームマッチUNRANKED
「強化人間C4-621 通常モード移行」
朝。管理人に休眠モードを解除される。旧型はこういう時は便利だ。
少し遅れて起床時間を告げる放送が
「役立たず共!!!!!おねんねの時間は終わりだ!!!!!!!!!!」
キーン。え?任務でもよそ者に対してでもないのにこのテンションなの?死闘より日常のほうが辛いかも…
ちょっとウォルターのところに帰りたくなった。
「全員揃ったな!?!?!?これよりブリーフィングを初める!!!!!」
今日は以前の周だとベイラムが壁越えで玉砕する日だ。ヴォルタが居るのにイグアスは居ない。間違いないだろう。
「貴様らは貧乏くじを引いた!!!それも大凶だ!!!!!」
MTパイロット達に緊張が走る。ワーム殺しの時もこんな感じのことを言っていたが、この反応を見るに毎度脅してる訳でも無いらしい。
…単にあまりの声量でビリビリ震えてるだけかも。
「ルビコン解放戦線の拠点!「壁」を奪う!!!G4G7!!!!!貴様等は北側から!!!MT部隊は南側から挟撃する!!!!!」
壁北側、今までのアーキバスの壁越えで、俺が担当した側…ヴォルタが撃破される街区側だ。
「北側担当!!!貴様等は特に地形による防備の厚い市街地を担当することになる!!!ACの機動力で堀や要塞壁を突破しろ!!!!!」
ヴォルタが苦い顔をしている。タンク、それも
何なら撃破されたキャノンヘッドが一枚目の壁の奥にあったのが不思議なぐらいだ。ただ、MTの機動力はそれ未満だ。MT部隊に任せるわけにもいかないという判断だろう。
そういう意味じゃ、引き撃ち向けに
いやでもあいつダム襲撃ん時バズーカに当たりまくってたな。
…とにかく!イグアスのオマ堕ちを阻止するためにもヴォルタには生き残ってもらったほうが都合がいい!
「ブリーフィングは以上だ!!!各自準備にかかれ!!!!!」
おっと、考え事をしている内に終わってしまった。取り敢えず機体を組まなくては。
完成した。ヴォルタを生かしつつ壁を越えるための機体、「ホークウィング」。なんかネーミングがツバサと被ってる気もするし、「テンダーフット」で良かった気もするが、まあいいだろう。
武装は両手に
ヴォルタが落とされる前にジャガーノート以外の壁上砲台と橋の前のガトリングを全て潰し、その後の街区の制圧をヴォルタに任せる算段だ。
丁度出撃時間になった。G7レイヴンの初陣だ。
「メインシステム 戦闘モード起動」
COMが戦闘開始を告げる。
「これよりベイラムグループ専属AC部隊、レッドガンによる作戦行動を開始する。攻撃開始だ!!!!!命知らずども!!!!!」
「レイヴン、まさかレッドガンに入るとはな。今回はよろしく頼むぜ」
G4ヴォルタからの通信だ。
「こちらこそよろしく頼む、ヴォルタ先輩。早速だが、俺は軽めの機体を組んできた。壁上からの砲撃を止める、しばらく遮蔽に隠れていてくれ」
「ハッ、"先輩"に対して指図たぁな。まあいい、お手並み拝見といこうじゃねぇか」
…軍は上下関係が厳しそうだし取り敢えず先輩って呼んでおいて機嫌を取る、という俺の天才的作戦は早くも看破されたようだ。
まずはジャガーノートからの砲撃を避ける。奴の遠距離砲撃は多少誘導する上に近接信管の範囲も
ABで全力で横に逸れ、爆発範囲から逃れる!
続く2射目!これもABで
「させるか!弾幕を張るんだ!」
「ぐっ!」
狙撃は避けたものの、東側要塞壁のバズーカ砲台の弾に命中。だが許容範囲内だ、ACSはまだ余裕がある。
狙撃は数発撃つと再装填が必要なのかしばらく射撃が止む。今のうちだ!バズーカ弾を素早くAQBで避け、東側要塞壁の壁上へ高速接近!勢いのままに軽リニアの弾を2発撃ち込んでバズーカ砲台を破壊!
ここまでくれば、ジャガーノートは俯角が足りず狙撃できなくなる。壁の上を悠々と砲台を破壊しつつ進む。
「やるじゃねえか…!」
見えているらしい。褒められてちょっと照れる。
「どうも、上のバズーカは潰した。下のMT部隊の制圧を頼む!」
「任せろ!」
下から爆音が響き、閃光があたりを照らす。キャノンヘッドの火力は尋常じゃない。場所も相まってヴェスパー7排除の時のスウィンバーンとベイラムの戦いを思い出した。
今思えば、あの時ベイラムが「壁」に攻撃したのも上層部のここへの拘りからだったのかもしれない。ベイラムの被害を増やさないために余計にここで取るしかなくなったな。
橋を守るガトリング砲台2基に向かってイヤーショットを…ぶち込む!!!随伴していた二脚MTごと砲台が木っ端微塵になる。相変わらず恐ろしい火力メリねぇ…こんなものを作って喜ぶ変態どもと一度話してみたい。
次は街区を守るリニア砲台を破壊し、ヴォルタが街区で大暴れできるようにする。
ビルと塀を遮蔽にし、「壁」へ距離を詰める。二脚MTの射撃を軽く躱し、そしてABで壁に取り付く!
精密に3発ずつ軽リニアライフルの弾を撃ち込み、淡々と破壊していく。遠くの砲台は…チャージショットで破壊!
西側の砲台を全部壊したところで通信が入った。
「手前側は制圧したぞ!」
「よくやったG4!!!G7が橋を守るガトリング砲台を破壊した!!!!!街区へ進め!!!!!」
「壁に狙撃砲台が配置されている!西側の狙撃砲台は全て破壊した!これから東側のを破壊する!西側から街区を制圧してくれ!」
「了解だレイヴン!」
軽リニアのチャージショットを撃って!撃って!!撃ちまくる!!!これで最後!
「「壁」の砲台は全て破壊した!そのまま西側から制圧してくれ!俺は東から行く!」
二脚MTの群れに飛び込み、軽リニアを連射!そしてビル上の砲撃タイプ二脚MTにABで距離を…あ、あいつ落ちた。双対ミサイルを撃ち込んで始末。
「敵襲!街区に侵入されているぞ!」
「単騎だと…!?ベイラムめ…舐めたマネを!」
「単騎じゃないぜ」
「!?」
次の瞬間、二脚MTは背後からの重ショットガンで爆発!
「これで全部だな。あとは「壁」正面の四脚MTだ」
待てよ、アーキバスの作戦で攻めた時より二脚MTの数が少なかった気がする…。
そうか!
「ヴォルタ!敵の増援が来るかもしれない!周囲を警戒しろ!」
突拍子もない俺の発言にミシガンが困惑した声を漏らす。
「G7、何を言っている!?司令部の広域レーダーに敵性反応は映って…」
スキャン起動!
「そこだ!」
「レーダーを偽装していた…だと!?!?!?G4!貴様も応戦しろ!」
2人揃って
凄まじい数の敵MTだ。厄介なことに四脚MTにゴーストさえ居る。今までのヴォルタはこれを残り数体まで減らせたのか、流石ガチタンだ。
「レイヴン!ザコは俺のキャノンヘッドの火力で蹴散らす!お前は四脚を狙え!」
「G7了解!」
ABで乱戦から離脱し、四脚を強襲!挨拶代わりにミサイルを撃ち込む!さらに砲撃準備に入っていた四脚を蹴り飛ばし、動きを止める!
四脚の耐弾防御は強固だ。跳弾させないため距離を一気に詰め、チャージショットを連射!スタッガーしたところにイヤーショットをドカン!
ここまでやって壊れないとは流石BASHOのBAWS製だな。思わず感心する。…だが。
「喰らえ!」
雑魚を始末し終えたキャノンヘッドの
スタッガーしたところに2機で挟み込むように同時ブーストキック!!!
あまりの質量攻撃にボロボロになっていた四脚MTの装甲は耐えきれず、前衛芸術のように歪み、爆発した。
「今ので全部だな」
「G4G7よくやった!!!G4が交戦した製造元不明兵器は情報チームに調査させる!!!!!本来の目的に戻れ!!!!!」
「チッ、あの妙な機体は逃しちまった。あと一息だったんだが…」
ゴーストの話か。
「仕方ない、あいつにはモニター欺瞞形式のジャミング機能がある。」
「…確かにあいつは突然目の前から消えたが…何でお前がそんなこと知ってるんだ?」
…あ。
「……………さあ、なんででしょうね」
「…まあいい、追及はしねぇ」
しまった、グリッド135でゴーストと戦り合ったことあるしそこで知ったことにすれば良かった…
とにもかくにもあとは「壁」正面の四脚を潰して内部に侵入するだけだ。
接敵。まずはチャージショットを2連射!だが装甲で弾かれる。
「「灰かぶりて 我らあり」!死ね!侵略者!」
背部9連バズーカがホークウィングに向けられるが、QBで回避。反撃の俺とヴォルタのミサイルが突き刺さる!
さらに追撃のヴォルタのブーストキックが命中!スタッガーしたところにチャージショットを連射!連射!連射!連射!
スタッガーから復帰した四脚MTが再びバズーカを構える。ヴォルタが避けきれずかする。だがキャノンヘッドの姿勢安定はホークウィングの比ではない。四脚は再びヴォルタの蹴りを受け、爆発した。
「侵略者…め…」
「よくやった!!!!!次は上でふんぞり返ってるガラクタを潰す!!!!!壁内部へ侵入しろ!!!!!」
入口がマークされる。
「こっちに垂直カタパルトがある!先に行くぞレイヴン!」
キャノンヘッドが下の隔壁を解錠し、侵入していくのが見えた。俺は上からだ。
キャノンヘッドがガードメカ2機を軽くあしらったのを上から確認し、奥へ向かう。
隔壁が開き、ガードメカに加えて二脚MTの小隊が現れる。それと同時にイヤーショット!!!辛うじて盾で耐えた最後の1機をチャージショットで
あっ。ヴォルタに取られた。俺の撃破報酬が…
奥に進む。まず面倒なバズーカ狙撃型二脚MTをチャージショットで撃ち抜く!残り3体はヴォルタが潰した。
「この先にリフトがある!早く来てくれ!」
ヴォルタも乗ったことを確認し、リフトを起動する。
「てめぇなかなかやるじゃねえか!」
どことなく嬉しそうな声でヴォルタが話しかけてくる。
「伊達にランク1やってないんでね。」
「は?」
ヴォルタが怪訝そうな声を上げて黙り込む。アリーナランクを確認してるのか?
「なっ…!?フロイトより上!?」
いつの間にかアリーナランク下位のライセンス「レイヴン」が、俺が密航してレイヴンに成り代わった瞬間にオールマインド権限で特例上位ランカーになるんだ、そりゃ不自然だ。
「フッ…まあ特例上位ランカー
「…」
自慢ついでに冗談を言ったつもりなのだが、向こうは驚愕していてそれどころじゃなさそうだ。
ガシャン。リフトが到着したようだ。
「その先が壁上だ!!!!!ガラクタを正真正銘のガラクタにしてやれ!!!!!」
ウォルターとのミッションでは補給が貰えた地点だが今回は手配されていないらしい。レッドガンの物資不足は思った以上に深刻なのかもしれない。
少しずつ巨大な隔壁が開いていく…。