ベイラム・インダストリー所属パイロット『G7 レイヴン』   作:チームマッチUNRANKED

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壁防衛 ②

考えるより先にABを起動。レッドも一拍遅れて付いてくる。イグアスが落ちた!?

「どういうことです!?イグアスは生きてるんですか!?」

「脱出機能の起動は確認できているが、通信に返答しない!!!安否不明状態だ...!!!!!」

レッドガンメンバーを一人でも失えば、ベイラムがアーキバスに打ち克つのは断然難しくなる...!五花海も言っていたが、ルビコンでのベイラムは危ういバランスの上に成り立ついわば泥船なのだ...!

 

さらに言えば、イグアスはとてつもない潜在能力を秘めている。上手くお膳立てしてどすこいオールマインドちゃん号の時のポテンシャルを引き出せば、アーキバス撃滅は一気に楽になる。まだ生きてるとするなら、絶対に失うわけにはいかない!

「「壁」の通路を開けてある!!!G6G7、そこを通れ…!!!!!」

近距離通信の有効距離にヴォルタが入る。

「ヴォルタ!大丈夫か!?」

「俺と四脚MTはまだ戦えるが、イグアスがやられた…!二脚MTも半分以上落とされてやがる…!」

ラスティはかなり早く片付けられたはずなのだが、それでもこれだけの被害。凄まじい強さだ…!

しかしここで1つの違和感を覚える。ロックスミスでここまで手早く二脚MT達を片付けられるか…?敵にアーキバスMT部隊以上の援護戦力が居るのか?それとも…

 

「壁」から2機揃って飛び出す。そこにいたのは…なんだあのAC!?

見慣れぬ機体がこちらに気付く。

「お前がレイヴンか。」

フロイトの声…あれがロックスミスなのか!?

「ウォルターの猟犬とやるのは初めてだ。いや、今は違うのか?まあいい…退屈させてくれるなよ…!」

ABでまっすぐこちらに突っ込んでくる。機動力の低いキャノンヘッドを引き離してまずは俺とレッドを片付ける算段だろう。俺も逆の立場ならそうする(多重ダム襲撃ALT)

「待てやコラ!!!」

戦場が変わるのはこっちとしては好都合だ…!生身でどこかで生きてるかもしれないイグアスを巻き込まずに済む!

「こっちだ!フロイト!」

近づいてくるにつれてアセンが明らかになる。

目を引くのは...

「イヤーショット!?」

まずい!非常にまずい!イヤーショットの破壊力は身をもって知っている。もしイグアスの方に流れ弾が着弾すれば...!

かといって決着を急ぎすぎればインファイトを得意とするパワープレイに至近距離イヤーショットが突き刺さる...!

「安そうな方から片付け」

ガァン!反射的にブーストキックが出る!

「っ!そうこなくちゃな...!」

「嫌なもん思い出させやがって!!!」

チャティのお陰…お陰というのも変だがごちゃごちゃ考えてたのが吹っ切れた。今日はうんざりすることが多すぎる。

『G7...!援護感謝する!』

『さっきと作戦は同じだ、いけるか?』

『ああ、了解した』

回線をレッドガン全体の秘匿回線に切り替える。

『ヴォルタ、相手の攻撃範囲は広い。』

『そうだな、だがそれがどうしたってんだ?』

『キャノンヘッドを迎撃する弾がイグアスに命中するかもしれない。』

『分かった、そっちには少し回り込んで行く』

『話が早くて助かる。』

 

「動きが悪いぞ、お仲間と内緒話か?」

「ぐッ...!」

なんで動きでそこまでわかるんだよ、気色悪い…!レーザーダガーをもろに受ける!レーザーブレードだと思って回避が遅れた!

「せっかくの機会だ。本気でやれよ。」

「スカしやがって!」

言うと同時にノンチャージパイル!案の定避けられるが、レッドの追撃が...来ない?

! パワープレイを遮蔽にしてやがる!

「いいのか?そんなに距離を詰めて。」

イヤーショットの砲口がこちらを向く。

「いいんだよ…!」

アサルトアーマー!!!スタッガー!

ロックスミスがかすかにパルスを放ち始める。パイルは冷却中、PAを展開する前に重ショをぶち込む!…PA?そういえばロックスミスのアセンって変わっ

「遅い。」

ゼロ距離で重ショをぶち込むと同時にバックQB。だが一手遅かった!パワープレイはパルスの奔流に飲み込まれる…!アサルトアーマーだ!

スタッガー…!そして流れるようなダガーとドローンの追撃!さらにABでつめてくる。ブーストキックだろうが…

「このっ!」

レッドのバズーカに阻まれ、ロックスミスは接近を中断して回避。

「おっと。なかなかいい射撃だ…!」

俺は姿勢を立て直してすぐにリペアを切る!ロックスミスのイヤショが残ってたかレーザーブレードを持っていたなら死んでいた…!

重ショの弾痕が消えている。向こうもリペアを使ったようだ。

 

あっち(レッド)を先に潰すつもりだったが…お前ら2人を同時に相手にするのも面白そうだ。」

「フロイト、何を遊んでいるのです。第四隊長も落とされている。目的を」ブツッ

切るのが普段より早い!!!

「舐めやがって…!」

ミサイルを撒きつつABを起動!回避を読み切りAQBでキックを無理やり当てる!さらに硬直に重ショを合わせる!

「ほう…!」

スタッガー状態でのチャージパイルを嫌ってか、フロイトはマシンガンの引き撃ちに切り替えた。あと一押しだ…!

レッドがミサイルを発射したのを見て、俺も回り込んでミサイルを発射!ミサイルの、ましてや8分裂を含む十字砲火を回避するのはACではほぼ不可能だ!スタッガー!

「なるほど、そういう動きもあるのか…!」

 

そしてだ。俺が回り込んだのには、もう一つ理由がある。ACSがダウンした機体は強い衝撃を受けると大きく吹き飛ばされる。つまり!

「喰らえ!」

「ヴォルタ先輩!」

レッドが嬉しそうな声を上げる。

反対側から戦線復帰したキャノンヘッドのグレネードでロックスミスが吹き飛ぶ!そう、()()()()

「…面白い!」

機体の可動域の限界まで腕を引き…

「お前にレッドガンの流儀を教えてやるよ…!」

全身全霊のパイルバンカーがロックスミスを貫く!!!!!

「『泣きを入れたらもう一発』だ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イグアス!イグアス!?」

「イグアス先輩!聞こえたら返事を!」

アーキバスのMTをあらかた片付け、負傷者の救護に入る。

ロックスミスのコアはもぬけの殻だった。フロイトは脱出したらしい。ここで殺しきれなかったのは痛いな…。

「G4G6G7及び機体を失っていないMT部隊員に通達!!!まだ収容されていない要救護者が持つ捜索用発信機の起動信号を送信した!!!機体のスキャンで探せ!!!!!」

おお、便利なもんもあるな。俺のSEREキットにも付いてるのかな。

「レッド、あんなもんあるならなんで最初っから使わないんだ?」

「遠足のしおりを読んでないのか?」

「遠足のしおり?」

「マニュアルのことだ。」

…そんなところでまで総長ワードセンス炸裂させなくてもいいのに。

「スキャンにかかるようになるってことは敵にも位置がバレるようになるってことだろう?安全が確認できるまで起動するわけにはいかないんだ。」

「なるほど、確かに俺もラスティの場所がわかればとどめを刺しに行くな!」

「…なぜここでV.Ⅳの名前が出てくる?」

うっ。流石に白々しかったか。つくづく俺は嘘がつけないらしい。

「ほら!あいつ逃げただろ!殺せなかったのが気掛かりで!!そんなことよりイグアス探しに行くぞ!!」

「あっ、そうだな。行こう。」

バレる前にとっととアーキバスを潰さなくては。俺は固く決意した。

 

 

 

「「壁」は失わず済んだか。」

「ナイル。珍しいな、お前がオペレートルームまで足を運ぶとは。」

「話がある。夜に酒場に来てくれ、ミシガン。」

「…分かった。」

 

 

 

「G5を見つけました!」

「よくやったオオサワ!」

数学の得意なオオサワ!?どこだ!?顔を見てみたい!!!

ABを起動!マーカーに向けて高速で距離を詰め

「待てG7!戦闘中みたいな気迫を出しながら移動するのをやめろ!」

「はい…レッドさん…」

よくよく考えたら捜索側に回ってるってことはMTに乗ってるんだから顔見れねーや。

マーカーの地点に着くと丁度瓦礫からイグアスを掘り出すところだった。あいつ瓦礫に押しつぶされてなお生きてんのかよ…第四世代の成功例は頑丈で羨ましいなおい…!

 

機体から降りてイグアスに駆け寄る!

「イグアス!生きてて良かった…!本当に…」

「野良犬…!」

「戦力的な意味で。」

「野良犬ゥ!!!!!」

おっと、声に出てしまった。

「負傷した腰抜けはG5で最後だ!!!「壁」に臨時医療施設を開設する!!!まとめて運び込んでベッドに繋いでやれ!!!」

イグアスの拳をヒョイヒョイ躱しつつ通信を聞く。こいつこんな元気なら治療いらないんじゃないか?

「ほら行くぞイグアス。」

「待てヴォルタ…!俺はこ…舐め……郎を………」

ヴォルタに抱え上げられたイグアスの声が遠ざかっていく。べーだ。

 

イグアスを抱えたヴォルタがキャノンヘッドに乗り込んだところで通信が来る。

「レイヴン、今回もなかなか良い働きだったぜ。」

「そっちこそ。即興で俺の意図を汲んでくれて助かったよ。」

「あのぐらい訳ねぇさ。」

「おいヴォルタ!今野良犬と繋がってんのか!?俺にも話させ」

「切るぞ。」ブツッ。

回線からキャノンヘッドの無線が切断される。ヴォルタすげえよ。

俺も戻ろう。ラスティとの連絡手段が確立すれば今後解放戦線絡みでいろいろと楽になるかもしれない。帰って方法を模索するんだ。

 

 

 

ベイラム調査拠点、酒場。娯楽の少ないレッドガン部隊の数少ない楽しみの1つが培養酒だ。賑わう酒場の個室の1つに、ミシガンとナイルが居た。

「お前とこうして酒を酌み交わすのも久しぶりだな。」

「ああ、だが感慨に浸ってる場合ではない。」

「話をしにきたのだったな。その話というのはなんだ?」

「…単刀直入に言う。」

 

「G7はスパイだ。」

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