六塚家の次期当主は第一高校の生徒会長   作:主義

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成し遂げたいこと

服部くんには七草さんを全面に出す形で交渉したら承諾してくれた。自分はこういうのにはあんまり表立って動かない方が上手くいきやすいと自分でも分かっているつもりだ。

 

 

顔はそんなに怖い方ではないと自分でも思っていたりするんだけど、雰囲気というか、なんかよく怖がられるんだよね。特に新入生はこれからの学校生活に期待と不安を抱きながら入学してくる。そんな生徒に僕みたいな人が「生徒会に入ってくれないかい?」なんて誘ったらそれは強制と受け取られるかもしれない。

 

あくまで生徒会に関しては本人の自主性が全てだ。無理に生徒会に入れるなんてことはする必要がないし、するべきではないと僕は思っていたりする。

 

 

 

 

 

 

 

あと、少しだけ新入生の顔をみた感じだとやっぱり新しい学校生活への期待と不安が入り混じっているように感じる。生徒会としては生徒が自分らしく、そしてたまには協調しながら研鑽していく場所をしっかりと確保しなければならない。

 

その期待と不安を少しでも和らげるにはやっぱり次の世代からは…あれを導入してみるのもいいかもしれない。

 

 

 

あれとは…学校説明会と体験授業、在校生との交流だ。

 

今まで第一高校ではというか、他の第九までの高校でもそうだと思うけど、学校説明会とか体験授業が開かれたことはない。そうしなくても魔法師を目指す生徒はしっかりと入学してくるからこそだ。

 

でも、入学してくる子も自分のこれからの学校生活がどんなものになるのか不安を覚えていると思う。それを少しでも解消するためにもこれから入学してくる子たちには学校説明会、体験授業などを通して第一高校とはどういう場所かをしっかりと理解して欲しい。

 

 

 

そして在校生と交流することでもし、入学することになってもしっかりとサポートが出来る体制を整えることが大事だと考えている。

 

 

 

 

 

 

文化祭の方は個人的にやってみたいから。

 

九校戦などの忙しい時期は難しいので、その後にでも文化祭を開き合いと思ってる。この第一高校では文化祭などは開かれない。それはずっと続いてきたが、僕としては普通の高校に足を運んだ時にみた、あの文化祭の熱気や生徒主体で行い、生徒が楽しんでいる姿が忘れられない。

 

それに夏休みの間であればカリキュラムに影響が出ることはない。

 

でも、問題はある。

 

これは学校説明会にも言えることだけど、生徒、教職員などの協力が不可欠だ。学校説明会などでは先生たちは必須、在校生との交流の場を設けるところでは生徒は必須。文化祭においても行う生徒がいなければ意味もないし、先生方がいなければ監視という目においても問題だ。

 

 

もし、文化祭を開くことが出来れば一般の方や他校を招待するのもいいかもしれない。未だ魔法を使える者と使えない者との間には溝がある。その溝を少しでも無くすきっかけになるんだとすればこの文化祭にもまた大きな意味をもたらすことになる。

 

 

色々と大変だけど、この2つはやりたいと思っている。まずは学校説明会の方から少しずつ取り掛かっているが、簡単な道ではない。生徒側との交渉に、教師陣とも交渉して落としどころをうまく見つけて、入学生に向けての案内を作ったり、日程調整などやらなければいけないことはたくさんある。これも次の世代のためにやっておかないと。

 

 

――――――――――

 

 

「六塚くん!」

 

そんなことを考えていると僕の名前を呼ぶ声が聞こえて、視線をそちらへと向ける。

 

 

「十文字くんが六塚くんに用があるみたい」

 

入口の方には人一倍体が大きい生徒がこちらを向いていた。

 

 

「わかったよ」

 

それにしても十文字くんは僕よりも後輩には見えない。正直、容姿だけであれば僕の方が『先輩』と呼んでしまいそうになるぐらいだ。

 

 

十文字くんのところにまで行くとその大きさに改めて関心してしまう。

 

 

「それでどうしたの?十文字くん」

 

 

「少し前に言われていたことですが、部活連としては賛成したいと思ってます」

 

 

「それはありがたい。あとは風紀委員と教職員の方かな」

 

 

「学校説明会の方は驚きはしませんでしたが、まさか文化祭のようなものを提案されるとは思ってもいませんでした」

 

 

「ちょっと無理させてごめんね。僕も今年で生徒会長を降りるわけだし、最後ぐらい派手にやりたいなぁと思ってさ。学校説明会の方は来年や再来年に少しでも良い人材が第一高校の良さを知って入学を決めてもらえればこっちとしては嬉しいし」

 

 

「本当に六塚先輩には頭が上がりません」

 

 

「十文字くんからそんな風に言われるとさすがに照れるね」

 

十文字くんの性格とかを理解しているからこそだ。十文字克人という男はお世辞などを口にしない。第一印象では怖い人だと思うかもしれないが、中身は情に厚い男だ。

 

 

「そう言えば、今度の週末にでもどこか食事にでもいかない?」

 

 

「次の週末ですか?」

 

 

「うん。都合が悪いんなら都合が良い日で構わないよ。僕としては十文字くんに合わせるつもりだから」

 

 

「そういうことなら有難く承諾させていただく」

 

 

「では予定に関しては空いている日を教えてくれ」

 

 

「わかりました」

 

そして十文字くんが自分の教室へと戻っていくのを見送りながらこれからのことを考える。

 

 

でも、部活連からの協力をしっかりと得られていたのはこっちとしても有難い。僕としてはあと風紀委員も賛成してくれると教職員への説得もしやすいんだけど。

 

 

そればっかりは風紀委員の面々が決めることか…。




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