六塚家の次期当主は第一高校の生徒会長   作:主義

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新入生の方も授業が始まってきたので、学校内は落ち着いてきた。なのに僕は毎日が忙しくて授業が終われば、生徒会室に集まって会議をしたり、他と打ち合わせをしたりと忙しい毎日を送っている。

 

中条さんの指導に関しては市原さんがどうにかしてくれると思うし、服部くんに関しては七草さんが面倒を見てくれると思うし。だから自分は学校説明会の方に専念できるんだ。

 

 

――――――――――

 

授業の合間に僕はある後輩に声を掛けられている。

 

 

「わ、わたなべさん…」

 

渡辺摩利さん。僕よりも一つ下の世代で風紀委員。七草さんと渡辺さんは仲が良いのでいつも一緒にいることもあって、僕も彼女とは顔見知り程度ではある。

 

そして僕は彼女がちょっと怖い。

なんか滅多なことをしたら何かされそうでいつも怯えながら生活をしている。

 

 

「六塚先輩、ちょっといいですか?」

 

 

「…いいですよ」

 

そして僕は渡辺さんの後をついて行く形で廊下に出た。

 

 

「それで渡辺さんはどうして僕とのところまで来たんですか?」

 

 

「なんで来たかも先輩なら分かっていると思いますが…」

 

 

「大方、見学の件かな?」

 

 

「そうです。私んところの風紀委員長も六塚先輩の案に賛成という形ですが、教職員の中にはやはり反対は多いと聞いています」

 

 

「そうか…。まぁ…そうだよね」

 

このことをやろうと決めた時から教職員の賛成を簡単に得られるとは思っていなかった。それでも今回のことに関しては教職員の方がいなければ話ならないというのが正直なところ。

 

 

「先生の方は僕がどうにかするよ。これでも生徒会長だからさ」

 

多少、『六塚家』の力を使っても別に問題ないだろう。それに金銭面などを含めて教職員たちと交渉する必要があるな。

 

 

 

――――――――

 

 

 

放課後の生徒会室には僕と副会長の七草真由美、会計の市原鈴音、書記の中条あずさ、服部刑部少丞範蔵が揃っていた。

 

 

「中条さんや服部くんが新しく入ってくれたことだし、いまちょうど取り掛かっていることについて説明しようかな」

 

 

それから僕はなるべくわかりやすいように話をして中条さんと服部くんに理解してもらった。たぶん、この件に関しては二人にも動いてもらわないといけないかもしれない。そうなるとしっかりと内容も理解してもらっておいた方がいい。

 

 

「そ、そんなことを……」

 

 

「すごいですね。まさかそんなことを」

 

 

「うん、ちょっと忙しい時期に生徒会に加入させてしまったのは申し訳ないね。学校説明会の方は部活連や風紀委員からの賛成も得られたことだし、こっちとしてはあと教職員への説得をするだけとなっているかな」

 

僕の言葉に市原さんは驚いているようだった。

 

 

「さすが会長ですね。もうそこまでことが進んでいるとは…」

 

 

「うん、説明会の方は来年のためにも早いうちから始めたいからね。文化祭の方は九校戦で忙しくなるよりも前に生徒たちに知らせる形で進めて行こうと思ってる。もちろん、九校戦の方も去年の優勝に続いて二連覇が掛かっている大事なんでそこら辺の案配はちょっと難しいけど」

 

僕の話したことに対して今度は七草さんが相槌を打ってくれる。

 

 

「そうですね。学校側としては九校戦に力を入れて欲しいと主張すると思うので、文化祭の方は交渉が難航しそうですね」

 

 

「それに関しては長期戦も覚悟の上。元々、文化祭なんて第一高校でやろうと思っている時点でかなり無茶なことをしているわけだし」

 

まずは学校説明会を早い段階で通したいところ。教職員への説得はある程度できそうだし、僕としてもある程度教職員には歩み寄るつもりだしね。

 

でも、一番の問題は文化祭だ。こればっかりと教職員の方とちょっと揉めそうかな。

 

 

 

 

 

それに文化祭はまず生徒に決めてもらわなければいけないか。僕の気持ちだけで全てを決めるわけにはいかないので、文化祭をやりたいか、やりたくないかの有無は全校生徒の投票とかで決めるのが一番。

 

 

「中条さんも服部くんも学校説明会の方では色々とお願いすることもあると思う。その時は出来る範囲で協力してもらえると有難いな」

 

 

「それはもちろん、この服部刑部の力になれることであれば」

 

 

「わ、わたしもがんばります!」

 

 

「それはありがたい。二人が協力してくれるなら安心だ」

 

ここで断られでもしたらどうしようかなと思っていた。正直、服部くんはともかくとして中条さんはかなり怖がられている自覚もあるし、断られても仕方ないかなと考えてたりした。

 

 

 

「じゃあ、僕は最後の障害でもある教職員の説得へと向かうことにするよ」

 

僕が席を立ったところで七草さんと市原さんが立ち上がった。

 

 

「二人は生徒会室で作業をしてもらって大丈夫だよ。交渉だけであれば僕一人で出来るし」

 

 

「副会長として会長の側に居るのは当たり前ですから」

 

 

「先輩がどんな風に説得をするのか少し興味があるので」

 

 

「え…後輩のためにも残って仕事の説明をして欲しかったんだけど…」

 

 

「それなら中条さんと服部くんも連れて行けば全て解決じゃないですか」

 

 

「い、いや…後輩たちに…」

 

そう思って二人の方に視線を向けると服部くんの方は行きたそうで、中条さんの方はどうすればいいのか分からず、おどおどしているように映った。

 

 

「服部くんも中条さんは来ても良いけど、無理に来なくて大丈夫だよ」

 

 

 

結果的に二人共付いて来ることになった。

 

 

 

 

 

その後、2時間にわたる交渉の末に学校説明会に関しては教職員の賛同を得ることに成功した。

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