六塚家の次期当主は第一高校の生徒会長   作:主義

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新入部員勧誘週間

新入部員勧誘週間は色々と揉め事が起こる。それを風紀委員の人たちが上手く鎮圧してくれる。

 

この時期は僕よりも風紀委員の方が忙しい時期だ。だからと言って生徒会も暇というわけではないけど、この時期の風紀委員に比べれば暇な方だ。

 

 

 

 

 

なので、僕もパトロールという肩書の見学に行くことにした。自分は部活に所属していないので勧誘する側になったことがない。でも、逆に僕も新入生じゃないので色々な部活の子から勧誘された。

 

 

 

僕なんてあと1年もしないので卒業するんだから入っても意味ないのになぁ…と思っていたりする。

 

そんなことを考えているといつの間にか、人だかりが出来ていて、改めて新入部員への勧誘の意欲を見た。

 

 

「僕は勧誘してもダメだよ。どの部活にも入る気はないから」

 

そう言って入る意思がないことを示すと少しずつ解散してくれた。

 

 

 

 

改めて部活を見て回ると本当に色んな種類の部活がある。いつも書面上で部活の名前を聞いていても実際に見るのは初めてなものが多くて、見学するの面白い。

 

 

そして体育館に行くと剣道部が演舞をしていて、その姿をある女子生徒が憧れの眼差しで見ていた。

 

 

「壬生くんはここに決めたの?」

 

 

「え…せ、せいとかいちょう!?」

 

 

「うん、生徒会長だよ。驚かせてごめんね」

 

 

「い、いえ…そんなこと……ってなんで私の名前を!?」

 

 

「あ、それは覚えてるからかな。今年第一高校に入学してきた子たちの顔と名前は一致するようにしているんだよ」

 

 

「え……」

 

 

「え、なにかおかしいこと言ったかな?」

 

 

「え、あ…いや、おかしいことはありません」

 

 

「それならよかった。それで壬生さんはやっぱり剣道部に決めたの?」

 

 

「はい。私の特性を活かすなら剣術部より剣道部ですし」

 

 

「そうだね。中等部剣道大会女子部全国二位の力を活かすなら剣道部だね」

 

 

「知っているんですか!?」

 

 

「それは知ってるよ。特に壬生さんは有名人だからね。そんな将来有望な子が第一高校に入学してくれたことを嬉しく思うよ。第一高校の生徒会長として入学してくれてありがとうと伝えたい」

 

 

「そ、そんな私なんか…二科生ですよ」

 

 

「二科生だからとか一科生だからとかそんなのは関係ないと僕は思っているんだ。もちろん、教師陣の指導を受けられなかったりと二科生には色々と不利なことが多いのも事実だし、この制度が差別を助長してしまっているのも認めなければならないと思ってる」

 

 

「……………」

 

 

「でも、二科生の中にも優秀で一つのものを突き詰め達人のような技を使うものもいる。一科生の中には二科生には負けないと自負している子もいるけど、案外実践で戦ってみたら二科生の方が強かったりするもんだと僕は思っているんだ。だから、もし壬生さんが一科生の子に何か言われたら僕に言ってもらっていい。そしたら僕がその子にちょっと長いお説教をするから」

 

 

「…あ、ありがとうございます」

 

 

「ううん。お礼を言われるようなことじゃないよ。僕はただ自分の意見を話しただけだし」

 

いずれ一科生や二科生という制度は廃止されるはずだ。でも、それが少しでも早いことに越したことはない。早ければ今の1年生が3年生になる頃にはこの制度が見直されていることを願っている。

 

 

それから少し壬生さんと話してから別れて、また適当に散歩することにした

 

 

 

 

 

今度は陸上部などがいる辺りを視察に行くとこちらも一年生の男子と女子がいた。壬生さんも話し掛けられてかなり戸惑っていたし、あんまり声を掛けない方がいいのかも。

 

そんなことを考えていると後輩の男女は僕の視線に気づいたようでこちらに近付いてきた。

 

 

「六塚先輩ですよね。私たちなにかしましたか!?」

 

 

「あ、いや何もしてないよ。ただ揉め事がないかを色んな部活を見ているだけだから気にしないで。五十里くんと千代田さん」

 

 

「僕たちの名前を知っているんですか?」

 

 

「その反応は今日で2回目だ」

 

 

「?」

 

 

「二人の名前を知っているのは僕がただ新入生のことを覚えているだけだよ」

 

 

「そんな目立つようなことを私たちはしてないと思いますけど…」

 

 

「かなり目立っていた方ではあると思うよ。百家の子でもあるし、入学試験での成績も目を見張るものはあったしね。それに僕は新入生の名前を目立つ、目立たないに関わらず全員覚えているんだ」

 

元々記憶力は良い方だし、新入生のことぐらいは生徒会長としてしっかりと知っておきたい。入学の成績を含めて、それぞれの得意分野ぐらいは分かっているつもりだ。

 

 

 

前にこれを七草さんに言ったら「先輩って…本当に人間ですか?」と言われてしまった。その時は「逆に人間以外、なにに見えるんですか?」と聞いたぐらいだ。どう見ても人間だよ。

 

 

「…す、すごいですね…」

 

 

「そうかな。たぶん、ただ物覚えがいいだけだと思うよ」

 

昔から物覚えだけは良かったしね。

 

 

「それだけじゃ片付けられるようなことじゃないと思いますけど」

 

 

なぜか五十里くんと千代田くんが苦笑いをしている。僕なにか変なことを言ったかな。

 

 

 

 

そしてその後も色んな部活を見て回って、後輩や同級生たちと話してい

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