六塚家の次期当主は第一高校の生徒会長   作:主義

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教師側の理由

なぜ、学校説明会を教職員側が難色を示したかと言えばそれは実に簡単で…休日出勤をしてもらうことになるから。只でさえ、教師不足の現状なのに休日も労働させられるとなれば先生たちの反対は当たり前だ。

 

 

 

校長に相談した時も「教職員の賛同を得られるなら」というものだった。今回の学校説明会において一番重要なのは先生たちの存在だ。学校説明会ではただ説明するだけではなく、体験授業や在校生との交流などを目玉にしている。

 

体験授業では第一高校ではどのような授業をしているのかを見てもらい、在校生との交流では生徒たちを見てもらえればいい。一つ問題があるとすれば一科生と二科生という制度を近くで見られること。二科生として本校に通うことなる生徒もいると思うし、自分の入学しようとしている環境の悪さに絶望するかもしれない。

 

 

この一科生と二科生の問題は根深い。

 

個人的には二科生の中にもやはり特出したものを持っている生徒も多いし、例え持っていなかったとしても第一高校への入学を許可された時点でそれぞれが魔法の才を認められた者たちだ。教職員の数など色々と問題があるのは分かっているつもりだが、それでもこの一科生と二科生を分けるという行為は学内で差別を生んでいる。

 

 

 

人間社会の中で魔法師は差別される対象になることもある。それなのに身内通しでも差別をしたり、見下したりするようでは人間と魔法師の差別撤廃なんてできない。

 

 

 

 

 

 

そして話は戻すとして体験授業と在校生との交流を二枚看板にして宣伝するつもり。どれだけの未来ある子たちが来てくれるかは分からないが、これは魔法が使えない人たちに対して少しでも魔法師を理解してもらうという目的も含まれている。

 

 

 

また脱線してまったか。

 

ここら辺で話を一番最初に戻って教員側を納得させた方法としては大きく挙げて二つだ。

 

 

 

 

一つ目は特別手当。学校説明会をやるとしたら日曜日に出勤してもらわなくてはならない。

 

折角の休日を返上してもらうわけなので、特別手当として三ヶ月分の給料を払うことにした。その日一日出勤して体験授業などで講師を務めてくれた暁には一日で教師陣の三か月分の給料を払う。それぐらいの対価は必要だと個人的に考えていた。そのお金については『六塚家』が出す。あんまり十師族の人間が加担するのはよくないけど、今回に関しては仕方ないと許してもらう。

 

 

 

 

二つ目は休日を増やす。今回は給料をいくら上げたとしても日曜日に出勤してもらうことは変わらないので、それなら先生たちの休みを増やすこと。好きなことに休めるとまではさすがにいかないけど、なるべく一人一人の先生の要望に耳を傾けつつそこは進めていきたい。

 

 

 

そんなこんなで教師陣の難色を少しは取り払った。ほとんど『六塚家』の力だけど…。

 

 

 

 

そしてこうなると後は日程を決めたり、SNSでの宣伝などをする。ここからはある程度生徒主導で進めていける。早ければ九校戦前に一回目の説明会を開きたいと考えているが、それではかなり急ピッチに進めていかなければいけないよね。でも、ミスがないようにしないといけないし、もう少し手伝ってくれる人を誘うべきかな。

 

 

 

 

色々と吟味を重ねた結果として…

 

 

「僕の誘いを受けてくれてありがとう、五十里くん、千代田さん」

 

五十里啓くんと千代田花音さんの二人に手伝いをお願いすることにした。正直、入学したばかりの二人を生徒会の手伝いとして使うことに少しの後ろめたさがあるけど…。

 

 

「いえ、まさか六塚先輩から直々にお願いされるとは思っていませんでした」

 

 

「うん、ごめんね。生徒会は慢性的な人手不足でね」

 

それも僕が色んなことをするからなんだけど。そのためにそれぞれが交渉や段取りを打ち合わせで決めたりと忙しい。七草さん、市原さん、中条さん、服部くんに関しては本当に申し訳ないと思っているので、夏休暇にでも何かプレゼントしよう。そしてそこに五十里くんと千代田さんも加わるかもしれない。

 

 

「あくまで手伝いだから無理をしなくていいからね。出来る範囲で生徒会の仕事を手伝ってくれれば構わない。この手伝いに関しては僕が個人的にお願いしていることだから」

 

 

二人に無理をさせるわけにもいかない。この二人は許嫁同士なので貴重な時間を奪ってしまうのはやっぱり気が引けるが、いまは「ごめんなさい」としか言えない。

 

 

 

キミたちのような子に手伝ってもらえればこちらとしても有難いのだ。

 

 

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