教職員との日程調整や、風紀委員や部活連との役割決めや当日の流れなどの打ち合わせも佳境に入って来た。中条さんが第一高校のホームページに『学校説明会』の実施の日時や詳細などをしっかりとのせてくれたので、準備はほぼ整いつつあった。
そして応募の段階でこちらの予定していた人数の3倍近くの申し込みがあった。この人数となると説明会を二回に分けたりしてもかなり限界の近い。先生の人数にも、警備の人数にも限りはある。
なので今回は抽選という形を取らせてもらい、落ちてしまった人には次の説明会での確約を渡すという形にした。本当なら申し込んでくれた人全員に参加して欲しいが、もし無理な人数を受け入れて万が一問題が起きた時のことを考えれば、こうするのが今の段階ではベストだと思ってる。
当日行われるイベントは学校説明会はもちろんのこと、体験授業、在校生との交流、クラブの見学と体験など色々なものを用意している。一日で第一高校の全てと言わないまでもある程度のことは分かるように。
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そして今は生徒会室でこれからのことについて話し合っているところ。
「在校生との交流に関しては僕や七草さんが適任だろう」
僕の言葉に服部くんはすごく驚いているようだ。
「え、会長自らお出になるんですか?」
「まあ…今回のことを企画したのは自分だし、少しは手伝わないと。それに当日の警備に関しては風紀委員長に全権を委ねてる。風紀委員であれば上手くやってくれると思うからね」
でも一つ気がかりなのが僕が見知らぬ子と話せるかなんだよね。僕は大勢とかじゃない限りはそこまで緊張しないけど、相手の子が僕に対して恐怖とかを覚えて一言も話せないなんてことがないようにしないと。
その点、七草さんのことを心配ない。第一高校の生徒会で人当たりが一番いいのは七草真由美さんだと断言できる。相手が男女どちらであったとしても問題ない。
「市原さんはそういうことをあまりしたくないだろうし、中条さんや服部くんは第一高校に入学してまだ1カ月経たないしね。そういう意味では僕と七草さんが一番の適任者だと今の段階で思ってる」
そしてこのことについては反論が出ることもなく、次の話へと移っていった。
「当日の僕と七草さんは在校生との交流の方に出払っていると思う。そして市原さん、服部くんと中条さんには応募してくれた人の名簿と来場した人の照らし合わせだったり、他にもスタッフとして困っている方がいたら助けてあげて欲しい」
「わかりました、会長がそうおっしゃるのなら」
「わかりました!」
「は、はい。精一杯頑張ります」
三人の返事が聞こえてたので話を続けることにした。
「市原さんには想定外のことが起こった時のことも考えて、僕が出払っている時の生徒会長権限は市原さんに委ねるね。何かあったら市原さんの判断で指示を出してくれ」
風紀委員長にはあくまで警備の全権を与えただけ。生徒会長の権限はそれすらも上回るので市原さんの方が立場が上になるのだ。
「わかりました、生徒会長が留守の間はしっかりと努めさせてもらいます」
たぶん、副会長の七草さんは僕と一緒に行動していることもあって彼女に権限を渡しても意味がないしね。
「今回の説明会の成功は次に繋がり、最終的には第一高校の魅力を知ってくれる人々が増えるということ。そしてそれは優秀な魔法師が入学する一つの要因になるかもしれないし、人間と魔法師がお互いを理解する一つのきっかけになってくれたら嬉しいと思っている。なのでこの説明会は何としてでも成功させたい」
ここで成功させれば次に繋がる。
「七草さん、市原さん、中条さん、服部くんの四人にはすごく迷惑を掛けることになると思う。本当に申し訳ないとは思っているけど、しっかりとお礼はするつもりだから」
僕だけの力ではここまで来れなかった。生徒会のメンバーを筆頭に風紀委員会に部活連、教職員の方々など様々な人の協力があってここまで来れたのだ。本当に感謝してもしきれない。
「私は副会長として会長を支えるのは当たり前ですから」
「会長の留守はしっかりとお守りするので安心していてください」
「わ、わたしも生徒会の一員として精一杯頑張ります」
「生徒会長から頂いたこの仕事をしっかりと全うして見せます」
そしてついに説明会が始まるのだった。