「断る」
こいつはいきなり何をいってるんだ?奴隷になれって言われて、ハイ!なります!っていうやつはいないだろう。
「どうしてもかい?」
「断る」
「……そうかい。ちょっと聞きたいんだけど、君は腕と足どっちが強いんだい?」
「は?どっちが強いって言われても……どっちも同じくらいなんじゃないかと思う」
「ならどっちがなくなっても平気だね。ゴルタス、やれ」
ブンッ
「ッ!」
ゴルタスと呼ばれた男が振った斧がロープを斬った瞬間に体をずらし、なんとか足の切断は免れた。これが足じゃなくて腕だったらどうなってたか分からない。
「凄いな!キミの得意なのは足のほうみたいだね!」
男は笑顔で握手を求めてくる。ロープがはずれ、体の自由が戻った俺は握手に応えようと手を伸ばしたその時。
「痛っ!」
「足が使えるなら腕は切り落としても平気だよね?」
男は笑顔のまま俺の腕に剣を刺してきた。俺は男の剣を振り払い、距離をとる。
「そんなに身構えないでくれ。僕もこんなことするのは辛いんだ。僕のいうことを聞いてくれたら治療もしてあげるよ」
「いうことって何だ?」
俺は刺された左腕を押さえながら男に聞いた。痛みで足もふらついて来てる。
「奴隷は嫌みたいだからね。言い方を変えるよ、僕と『迷宮』に行かないかい」
『迷宮』俺の目的も同じだが、こんなやつと一緒に行ったら後悔する。頭ではそう思っていたが、傷が深すぎる。傷を治してもらったら『迷宮』の中で裏切ればいいだけのことだ。
「いいぜ。その代わりこの傷を早く治してくれ」
『迷宮』の聖門
ここが『迷宮』の入り口か。マジマジ見るのは初めてだな。
「では行くとするか」
男、名前はジャミルって言うらしい。一々覚えたくはなかったがこんな出会い方なら一生忘れないだろう。
「連れてきた奴隷も全員入ったみたいだね。じゃあ僕たちも行くとしようか!」
少女のモルジアナ、屈強なゴルタス、領主のジャミルが順に入っていく、俺もそれに続いて『迷宮』の中に入っていく。
二度目の『迷宮』がこんな形になるなんてな。最悪だ。
短いのも仕様です