マギ ~もう一人の攻略者~   作:青い巨星

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第4夜

「なぁ、アンタってあの騒ぎにその子を助けた奴だよな」

 

歩いていると青年が話しかけてきた。青年は先頭を歩いているので自然と俺も先頭を歩く。

 

「騒ぎって、あれか?小太りな奴が騒いでたやつ?」

 

「それだよ。俺もあん時居たっつうか、元を辿れば俺たちのせいなんだけど……」

 

青年は歯切れが悪くも話を続ける。

 

「ありがとな。本当なら俺が止めるべきだったんだろうけど、足が竦んじまって」

 

「困った時はお互い様って言うだろ?気にすんな」

 

「けど、あんたが領主様と関係あるなんて思わなかったよ」

 

青年は少し減滅したように言った。

 

「関係があるっていうかなぁ。今日までは領主の名前すら知らなかったのにな……」

 

「君たち、知り合いだったのかい?」

 

「いやぁ~、ちょっと顔知ってるぐらいっスよ」

 

ジャミルの言葉に少年は焦りながらも応える。

 

「ん?『迷宮』の形が変わってきてる?」

 

そして少し歩いたところに、竜の顔をイメージしてある入り口が見えた。

 

「これが宝物庫への入り口かぁ。どれどれ………これはトラン語かな?」

 

ジャミルは石碑を見ながらそう呟いた。

 

「トラン語……今でも南部で少数部族が使ってるってアレかな?」

 

ただジャミルの言葉に反応した奴がいた。そう、さっきの青年だ。

 

「おや?トラン語が分かるのかい?珍しいね……」

 

ジャミルは素直に関心した表情を見せた。

 

「何々、『竜の……真実点……』……あれ、違うな」

 

「『竜の牙を超え』『真実へ辿り着け』『すべては竜の尾にあり』……じゃないすかね」

 

「へぇ、知ってるだけじゃなくて読めるのか。凄いじゃないか!」

 

又もジャミルは青年に驚く。

 

「ハハハ……」

 

 

 

 

 

 

 

「こんな時こそキミ達、脇役の出番だよ」

 

ジャミルはそうサラっと言ってのける。君『達』って言葉に俺も入ってるんだろうな。

 

目の前には明らかな罠が張り巡らされていた。何個ものトゲが今にも落ちそうに天井に配置されている。

 

「き、君達って?」

 

ジャミルの言葉にまたしても青年が反応する。

 

「平民の君とディーノ。君だよ」

 

いつか罠避けに使われるなぁって思ってたけど、このタイミングでかぁ。

 

「わかった」

 

「なら俺から行く」

 

青年は一歩前へ出て、そう告げる。

 

「どっちが先でもいいよ~」

 

ジャミルがそういうと青年は軽い準備運動をし、罠の中に飛び込んでいった。

 

青年はトゲが落ちてくるもそれをステップで避け、何とかトゲのないエリアへと到達した。

 

「おぉ!ゴールだ」

 

「ふぅ……」

 

青年が安堵のため息をした瞬間

 

ガコンッ

 

青年が居たはずだったエリアの床が開き、青年は落ちていってしまった。

 

「あらら、死んじゃったかな?次は君の番だよ」

 

「あぁ」

 

さっきの青年のおかげでトゲが落ちる速度は分かった。俺も軽い準備運動をし、罠へと走った。

 

バッバッバッバッ

 

俺がトゲのあるエリアへと侵入すると次々とトゲは落ちてきた。

 

だが、俺はトゲが体を貫く直前の体に感じるトゲの風圧を利用し、トゲを回避する。

 

トゲが落ちてくる速度は速かった。だが、速いだけにこっちにもメリットがある。

 

トゲは物体だ。物体が空気中をすばやく動くと微かだが音や風を感じる。

 

それを利用し、体に当たるギリギリのタイミングで回避をしながらも、さっき青年が辿り着いたエリアへと到達する。

 

俺が辿り着くと床は開き、さっきの青年と同様、俺も落とされた。

 

青年の犠牲のおかげで俺も冷静な対処ができた。

 

壁を交互にジャンプし、落下速度を下げて、下を見下ろす。

 

下に行くにつれて異臭も漂ってきた。おそらく死人の臭いだろう。

 

少ししたら、トゲと骸骨が見えてきた。ここで死んで何年か経ってるのだろう。さっきの青年のものではないのがすぐに分かった。

 

俺は壁を一蹴りし、出口に飛び込む。

 

「あだっ!」

 

「痛っ!」

 

うまく転がり込もうとしたが予想外の出来事に驚いてしまう。

 

「お前さっきの!」

 

そう、さっき死んだと思われた青年は生きていたのだ。

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