「お前生きてたのか……」
「あぁ」
俺の言葉に青年は反応する。
「お前は何でここに抜け道があるって知ってたんだ?」
「俺が翻訳したトラン語あっただろ?アレ実は嘘なんだ」
翻訳したトラン語というのは石碑に書かれてあったあれだろう。
「へぇ」
「実はあれの本当の翻訳「ちょっと待て」えっ?」
「とりあえずはここから出ないか?」
俺達がいる所は異臭がし、酸素も薄い、とりあえずは広いところに出たほうが落ち着くだろう。
「そ、そうだな」
「で、俺はディーノ。お前の名前は?」
「名前?俺はアリババだ」
お互い自己紹介をし、握手を交わす。
「なんかイメージとだいぶ違うな」
アリババは俺の顔をみながらそういった。
「イメージ?」
「あぁ、最初は領主といたから偉い奴かと思ったけど、そうじゃねーみてーだし。悪い奴かと思ったけど良い奴みたいだな」
「アリババの中では偉い奴イコール悪人って事なのか?」
「そりゃあそうさ。あそこの領主は悪徳領主って名前で有名なんだぜ」
まぁ、少しの期間一緒にいただけだがいい奴には思えなかったなぁ。
「あんたはなんで領主と一緒に居たんだ?見たところ奴隷でもなさそうだし……」
「まぁ、色々あったけどな。簡単に話すと領主の家に入ったら捕まって、牢に入れられたかと思ったら出されて、腕を刺されて怪我の手当てとの交換条件で『迷宮』について来いって言われた」
「なんか自業自得なような気もするけど……なんか災難だったな」
「気にすんな。それよりアリババのほうも大変だな」
「まったくだよ」
少し話を聞いたがアリババは眠っていた少年アラジンと『迷宮攻略』に来たという。
アラジンが少し休憩をしてる時にジャミルが現れてしまったので、アラジンが起きるまで従った振りをしようとしてたが思いのほか起きなくて作戦は失敗したみたいだ。
「けど、よくアラジンみたいな子供と『迷宮』に来ようなんて思ったな」
するとアリババは誇らしげに言った。
「聞いて驚くなよ?なんとあのアラジンは『ジンの金属器』を持ってるんだ!」
「な、なんだってーー!!」
アリババがあまりにも驚いて欲しそうな顔をしながら喋るもんだからついつい大きくリアクションをしてしまう。
あれ?そういえば俺も『ジンの金属器』持ってるじゃん……
『あなたのご友人の彼ですよ……』
「ん?下から声が」
『領主様の罠避けにされて……』
「ちょっと覗いてみよう」
アリババは下を覗き込むように顔を出す。
『あなたのご友人は死んでしまいましたよ!!』
俺も覗いてみると声の主はモルジアナらしい。話かけてるのはアラジンみたいだ。
「死んでねーーーーよ!!」
隣を見るとアリババがアラジン達のほうへ飛び降りていた。
俺もそれにつられて飛び降りる。
「アリババ君!」
「ディーノさん!」
ディーノさん?
「お姉さん!アリババ君は生きてるじゃないか!」
「は、はい……」
「アラジン、行こうぜ!ゴールはもうすぐだ!」
「うん!」
するとアラジン、アリババ、俺が立っていたところが浮き出した。
「浮いてる!?」
俺の感想にアリババはすぐさま応える。
「凄いだろ!アラジンの力なんだぜ!」
「えへへ」
アリババの目は輝いてる。そんなアリババの反応がアラジンは嬉しいようだ。
「よーし!このままゴールまで飛んでいこうぜ!」
そんなアリババの言葉に応えるように俺達を乗せた布は上昇していく。
「待てっ!」
もうモルジアナの姿も霞む程度まで上昇し道を進んでいくとデカイ扉へと辿り着いた。
「アリババ君、このお兄さんは?」
アラジンは俺のほうを見てそう言った。
「俺か?俺の名前はディーノだ。よろしくな、アラジン!」
「よし、挨拶も済んだことだし。アラジン、この扉開けられるか?」
「うん!任せてよ」
そう言うとアラジンは扉のほうへ近づく俺とアリババは自然とアラジンから距離をとる。
「確かこうやるんだったよね……」
アラジンは扉に両手をかざし、一呼吸おいてからこう言った。
「開けっ!ゴマッ!」