すると大きな扉が開き、目の前にはまさに古代都市が現れた。
「うわぁ!すっげー!」
アリババは興奮している。
辺りを見渡してみると中央に一際大きい建物があった。
「お、あれがゴールか。よし、目指すはあの建物だ!はやくいこーぜ」
「うん!」
「あー、悪いけど俺は別の道から行くわ」
「どうしてだよ、ゴールは同じなんだから一緒に行こうぜ」
俺の言葉にアリババが反応する。
「お前達も二人で話したいこととかあるだろ?俺も一人のほうが気楽だしさ」
「別に気ぃ使わなくてもいいのに。まぁそこまで言うなら行こうぜアラジン!」
「うん!お兄さんまたねー」
俺は簡単に別れを告げ別の道へと歩いた。
俺がアリババ達と別れたのには理由があった。
それはグフタフと話すためだ。グフタフは人前ではまったく喋らない。
なのでアリババ達と別れた。
「グフタフ、聞きたいことがあるんだけどいいか?」
『どうぞ』
「ここさ、俺とお前が出会ったところと似てないんだけど『迷宮』は全部違う形なのか?」
俺は過去に『迷宮』を攻略した。
それは俺が8歳の頃で今でも覚えている。
その日、俺はいつも通りに森の中を散歩していた。すると突然目の前に膜を張った建物が現れた。
俗に言う『迷宮』ってやつだ。
俺は子供ながらの好奇心でその建物に入っていった。
そして、俺は『迷宮』を攻略してしまった。
その時にグフタフと出あった。
世間では知られていない『迷宮』。それも当然だ。
俺は『迷宮』が現れてすぐさまに攻略してしまったので『迷宮』は残っていない。
『それは私も知りません』
「そっか」
『それはともかく、あのアラジンという少年……』
ガシャーン
「ん?中央の建物のほうから聞こえてきたぞ!」
グフタフと話をしていると中央の建物。アリババとアラジンが向かった建物から轟音が聞こえた。
「行ってみよう」
『……えぇ』
言葉を中断されて不満げそうにもグフタフも賛同した。
中央の建物に辿り着くとそこには傷だらけのアリババと無傷だが戦意を喪失してるジャミル。杖の模造品を手に握っているアラジンがいた。
よく見てみると上のほうには丸い球体によって体の自由を奪われてるモルジアナ、扉のほうに傷だらけのゴルタスがいた。
「大丈夫?アリババ君」
「あ、あぁ」
「お兄さんは僕達の敵?それとも味方?」
アラジンはこちらを振り返り、杖を構えた。
「いや、俺は敵じゃ『お久しぶりです、マギ』なんで出てきてんだよ!」
アラジンの言葉を否定しようとしたら首元からグフタフが『出てきた』。
人前では滅多に喋らないし、俺の前ですら姿をなかなか現さないグフタフが。
『私は純真と知性のジン『グフタフ』です』
グフタフはそういいながら綺麗にお辞儀をする。
「僕はアラジン!よろしくね」
『はい、すみません時間がありませんので私はここで失礼します』
そういうとグフタフは首元に戻っていった。
「すげぇ!俺、今日一日で2体もジンを見ちまったぜ!」
「僕も『ウーゴ君』以外じゃ初めてだよー」
ピカァ
するとアラジンが手にしている笛、俺の首元にあるネックレスが光だした。
「何だろう?これ」
「もしかすっとこの光が差す方向にゴールがあるんじゃないか?」
アリババの言葉にアラジンも同意する。
そしてアラジンは光ので包まれた壺に指を触れたその時
バカァーン
凄まじい轟音と共に巨人が姿を現した。
『王になるのは誰じゃ……』
『お主か?……いや違う、黒の器。だが他人に作られた贋作じゃ』
巨人はジャミルに目を向けながらもそう言った。
『お主か?……違う、大きな器じゃが体の血が異常じゃの』
今度は俺を見ながら言った。体の血が異常なのはたぶん俺の生まれが関係しているのだろう。
『小娘か?……違う、小さき器。縛られた命』
次にモルジアナに向かっていった。
『お主か?……』
巨人はアリババに目を向け、間を空けながら
『フッ』
鼻で笑った。
「なんで俺だけ違うんだよ!」
『他にはおらんのか?』
巨人はそういいながら当たりを見渡す。
『おぉ、これはこれは『マギ』よ』
そういうと巨人はアラジンに向かってお辞儀した。
「え?僕?」
するとアラジンの笛から巨人が現れた。
巨人同士が話してるのを横目に俺はモルジアナのところへ向かった。
「また会ったね、お嬢さん」
「はい」
俺が話しかけるもモルジアナは構えを解かない。
だがしばらく向かい合ってると構えを解いた。
「市場ではありがとうございました」
「どういたしまして。俺のほうこそ傷の手当てありがとう」
ジャミルに腕を刺された後、手当てをしてくれたのはモルジアナだった。
「私が領主様に話さなかったらあなたは巻き込まれなかったかもしれません。あなたがここに連れてこられたのは私のせいなんです」
モルジアナは言った。あの後俺に助けられた後、足早にジャミルの所へ行き笛の少年『マギ』が現れたと告げる。
その話の弾みで俺が『ジンの金属器』の力を持ってるんじゃないかと話したと。
普通人間はあんなに高く飛べないしな。
「気にしないで大丈夫だよ。俺は最初から『迷宮』に来ようと思ってたしね」
「そう言っていただけると嬉しいです」
ガシャーン
突如轟音が響き渡った。
周りを見ると建物が崩れていってる。
『いかん!何者かが外から道を閉じようとしておる!帰りたいものはこの中に入れ!』
この『迷宮』の主である巨人がそういうとアリババ、アラジンが続き俺も中に入ろうとしたがモルジアナが踏みとどまってるので一旦足を止めた。
「どうしたんだ、早く行くぞ!」
「でも……」
モルジアナの言葉を待っているその時、モルジアナの頭上に建物の巨大な破片が降り注いだ。
「危ない!」
俺はモルジアナに覆いかぶさり身を挺して庇う。
「痛っ!」
しかし破片の衝撃が予想していたよりも強く、領主につけられた傷が開いてしまった。
少ししたら衝撃が止んだ。頭上には人の気配があり、見てみるとゴルタスが俺達に覆いかぶさるようにしていた。
「行け……お前は死ななくても……いい……人間だ」
ゴルタスが口を開く。
「ゴルタス!しゃべれるの!?」
「生きろ……そしてお前の故郷へ行け……それが……おれの最後の望みだ……」
そういうとゴルタスは手にしていた剣を使い、モルジアナの足枷を砕く。
「ありがとうな、ゴルタス。お前最高に男だぜ」
俺の言葉に少し反応するもゴルタスは背を向けジャミルの元へ行った。
「行くぞ!」
俺は自由の利く右手でモルジアナを引っ張り、アリババ達の下へ向かった。
俺達も魔方陣のようなものに立ち、巨人の合図で徐々に宙へ浮かぶ。
一瞬意識が飛んだかの思ったがすぐに直った。
どうやら帰りのようだ。
目に広がるのは来る時にも見た光景。
だが血の出しすぎなのか目が霞む。
少し経ちもとの場所に戻ったかと思ったが、そこは見知らぬ土地だった。
俺は力尽き見知らぬ土地で横たわる。たぶんしばらくすれば動けるようになるだろう。
それまでちょっと寝てるか。
俺は意識を失うかのように眠りについた。
「ちょっと!人が倒れてるわよ!夏黄文~~!」
「どうしましたか、姫様?」
「この人すっごい血が出てるから治してあげて」
夏黄文と呼ばれた男は渋々ながらも治療を開始する。
姫様と呼ばれた女はそれを近くで見守っている。
「終わりました」
「終わったって言っても目ぇ開かないじゃない」
「最初は気を失ってるかと思ったのですがこれはただ寝ているだけです」
「そうなの?何でこんなところでお昼寝してるの?」
「私にも分かりません」
グフタフはおとなしく事の成り行きを見守っていた。
アモン編(?)終了です。
ここまで書き溜めのものだったので一日ペースで投稿することができました。
ここまで読んでくださったかたありがとうございます。
しばらくは書き溜め期間に入ろうと思います。