ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に   作:烙印バンザイ

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作者「……」
刀真「……」
琥珀「何をしているのですか?…これは…」
 強化案…思いつかねえ。
琥珀「……」


九十六話

 死んでもいても線は見えていた。

 私が死んだ後、お姉ちゃんは部屋に閉じこもってしまったみたいだった。

「……」

「お嬢様…ご飯を持ってきました。」

「琥珀…ごめん今は。」

「これ以上はお嬢様の身体が限界です。どうか…」

「うん、ありがとう。……それより刀真君は?」

 両儀刀真…私の家で居候をしている友達だ。見た目は中性的で私と同じ目を持っている。そして私は刀真君に斬られて死んだ。

 別に刀真君を恨んでいる訳ではなかった。新夜と呼ばれていた人に怪物に変えられて家族を殺しかけた……そこに刀真君が止めに入ってくれた。そして理性を一瞬だけ取り戻した私は刀真君に私を殺すことを頼んだ。

「刀真は……この家から出っていてしまいました。これ以上…迷惑はかけたくないと言って。」

「……」

「旦那様と奥様は気にしてないと刀真に話していましたが……」

「そうなんだ……琥珀、少し話そう?」

「はい。」

 お姉ちゃんと琥珀は今回の事について話していた。

 刀真君が私を斬ったこと…それに対しての想いなどを話していた。

「明日からまた学校に行こうと思う。明日…刀真君とも話そうと思う」

「分かりました。」

どうやらお姉ちゃんは明日、刀真君と話すみたいだった。……次の日お姉ちゃんは学校に行き刀真君と会おうとしたが刀真くんは学校に不登校になり刀真君と話す事はできなかった。

死の線も見ないように意識していたら線をあまり気にしなくなった。死んだ後だからあまり意味は無いと思った。

「これが生きてる時だったらな……あれは、とう……えっ?」

空を漂っていると刀真君を見つけたが酷い状態だった。服はボロボロで髪も伸びたままただ公園のベンチに座っていた。

刀真君に近づいてくる女の子がいた。

「刀真…学校にも行かずにこんなところでなにをしてるの?春奈や琥珀が探してたわよ。それに最近、人が行方不明になる事件が増えて危ないわ。」

「雫には関係ない」

「関係ないて……ッ!?」

刀真君は雫と呼んでいた女の子に対して鋭い目で見ていた。まるで自分から遠ざけるようにしているに。

「春奈と琥珀に伝えてくれないか?」

「えっ?」

「あともう少しで終わる」

「それはどういう事なの?」

刀真君はそういいどこかへ歩いて行った。私は刀真君がいったことが気になった。

 ただ、すぐに刀真君が言った意味を知る事になった。

———

 幽霊になって二ヶ月が経ったある日、お姉ちゃんが攫われた。

「お嬢様!!!」

飛び出そうとしている琥珀をお父さんとお母さんが引きとめて落ち着かせようとしていた。

 お父さんとお母さんはなにかを知っているようだった。

 それから3日後、家にある人物が訪ねてきた。

「貴方は…」

「俺は宵月…まあ、医者をしているものだ」

「貴方が…」

宵月と名乗った男は車から寝ているお姉ちゃんを運んでいた。

「お嬢様!!!」

「ありがとうございます。娘を」

「いや俺が遠野春奈を助けたわけではない…」

「もしかして…」

「…あ、あれ、ここは?」

「お嬢様!!」

 気を失っていたお姉ちゃんが起きたようだ。

「あれ、…刀真君は…?」

「刀真?お嬢様…?」

どうやら助けたのは刀真君のようだった。

「彼はどうしてるんですか?」

「……あいつは…現在、集中治療室で寝ている」

 どうやらお姉ちゃんは両儀新夜に攫われていたようだった。刀真君は単身で乗り込んで決着をつけたようだったが刀真君自身も重症で発見されたらしい。

「なあ、お前らは記憶を消す事は出来ないか?」

宵月さんいわく、刀真君の精神は限界で自分自身が終わる事を望んでいるらしい。

「このままだとアイツは……親友との約束なんだ頼む協力してくれ。」

その後、父さんと母さんは病院に向かい刀真君の両儀新夜の事や中学2年に起きた事件の記憶を改竄した。

 だけど私を殺した事実だけは変えることはできずお姉ちゃんとの関係に溝が生まれた。

————

「やっぱり……記憶を改竄されてたのか」

「うん…あのままだと刀真君は限界だったから」

「はあ、宵月さんも余計な事を…それで、その後の事も見てたんだろ?」

「うん、そうだね。ずっと近くで見てたね。」

「そうか……それじゃあ、なんで最近になって夢にでるようになったんだ?」

「それは、私にもわからないかな」

「そうか」

最近になって徐々に記憶が戻っていたがこの試練で春乃と会話して一気に戻った。

あの日、新夜に春奈を攫った…助けたいなら1人で来いという手紙を写真と一緒に送られた。

 そして決着をつけるために新夜に指定された場所に向かった。その道中で宵月さんが話しかけてきたがなにか言おうとしていたが俺の表情を見て無事に戻って来いと言われた。

 その後、新夜を斬ったが俺も致命傷を喰らったあの時はこのまま死んだ方がいいと思いながら気を失った。

「……」

 窓を見ると少しだけ空間に亀裂がはいっていた。

「そろそろだね。」

「そうだな……さてと」

 俺は魔眼殺しを外しナイフを構えて線をなぞるように切った。

「直死を使う必要なかったんじゃない。」

「こっちの方が早いからな。」

「そんなに私と別れたかったのかな?」

「いや……現実に戻っても見てるつもりだろ俺たちの事を」

「うん、私が消えるまで皆の事を見てるつもりだよ。」

 春乃と話して俺はある事を思いついた。

「……なあ、春乃は春奈や琥珀…お前の両親と話したいか?」

「そうだね……また、話したいね……まあ、死んじゃって無理だけど……」

「……なら、俺たちが元の世界に帰るまで消えるな…もしかしたらできるかもしれない」

「えっ?」

「まあ、理論上の話だけどな。」

「うん、それなら少しだけ期待してる。」

「じゃあ、できたらまた現実で。」

「うん、できたらね。」

春乃との話が丁度終わると空間は崩壊していき俺の意識は現実へと向かっていった。




 琥珀の強化が少しだけ刀真と春奈にくらべて物足りない気がするが思いつかない。
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