ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に   作:烙印バンザイ

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 春奈「むぅ〜」

 刀真「なんでこうなってるの」

琥珀「刀真、察してください」

刀真「いや、頭と首以外が埋まっている状態でどう察しろと」

 春奈「むぅ〜」




九話

 昔の夢を見た。

 

 「ぎゃあああ」

 

青いビームや蹴りなどが飛びかう中俺は吹き飛んだ。先生に組手をしてもらたった時の事だった。この組手のおかげで目の扱いが上手くなった。

 しかし

 

  「ごめん、やり過ぎた焼き肉行く」

 

 いつもボコボコにあい最後は焼き肉に誘われるのがお決まりだった。目を覚まして俺は最後の準備をして部屋から出た。

 

現在、俺達はオルクス大迷宮の正面入口がある広場に集まっていた。

 

 まるで博物館の入場ゲートのようなしっかりした入口があり、受付窓口まであった。制服を着たお姉さんが笑顔で迷宮への出入りをチェックしている。俺は刀(最初は南雲に頼もうとしたら遠野がめちゃくちゃ睨んできて結局遠野に作って貰った)を実戦用に持ってきていた。

 

 迷宮の中は隊列を組みながら進んでいた。俺は遠野と琥珀と南雲でグループをになった。現在

 

 

「「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――螺炎」」」

 

 オーバーキルだな俺はそんな事を考えていたがクラスメイトは調子にのっていた。

 

 「ああ~、うん、よくやったぞ! 次はお前等にもやってもらうからな、気を緩めるなよ!」

 

「それとな……今回は訓練だからいいが、魔石の回収も念頭に置いておけよ。明らかにオーバーキルだからな?」

 

 メルド団長の言葉に魔法支援組は、やりすぎを自覚して思わず頬を赤らめるのだった。ちょうど俺たちのグループになり南雲と遠野が錬成で隙を作り俺と琥珀で一撃で倒した。俺たちは二十階層まで来ていた。

 

「よし、お前達。ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だったからと言ってくれぐれも油断するなよ! 今日はこの二十階層で訓練して終了だ! 気合入れろ!」

 

 メルド団長のかけ声がよく響く。

 

 小休止に入ったが全く疲れてなく水分補給をしていた。その時、南雲と白崎の目が合っていて白崎が雫にからかわれているのを見ていたが南雲に向かって負の感情の視線を感じた。嫌な予感がしたが流石に考えている最も最悪な事は起こす側もできないだろうと思ってしまった。

 

「擬態しているぞ! 周りをよ~く注意しておけ!」

 

 メルドの忠告が飛ぶ。俺や琥珀は気配でどこにいるかは大体は把握していた。その直後、前方でせり出していた壁が突如変色しながら起き上がった。壁と同化していた体は、今は褐色となり、二本足で立ち上がる。そして胸を叩きドラミングを始めた。どうやらカメレオンのような擬態能力を持ったゴリラの魔物のようだ。

 

「ロックマウントだ! 二本の腕に注意しろ! 豪腕だぞ!」

 

  メルド団長の声が響く。天之河達が相手をするようだ。飛びかかってきたロックマウントの豪腕を龍太郎が拳で弾き返す。天之河と雫が取り囲もうとするが、鍾乳洞的な地形のせいで足場が悪く思うように囲むことができない。坂上の人壁を抜けられないと感じたのか、ロックマウントは後ろに下がり仰け反りながら大きく息を吸った。

 

 「グゥガガガァァァァアアアアーーーー!!」

 

 部屋全体を震動させるような強烈な咆哮が発せられた。

 

 「ぐっ!?」

 「うわっ!?」

 「きゃあ!?」

 

 体をビリビリと衝撃が走り、ダメージ自体はないものの硬直してしまう。ロックマウントの固有魔法、威圧の咆哮だ。魔力を乗せた咆哮で一時的に相手を麻痺させる。俺と琥珀は全く麻痺するほどの威圧はなかったが

天之河達前衛組が一瞬硬直してしまった。ロックマウントはその隙に突撃するかと思えばサイドステップし、傍らにあった岩を持ち上げ後衛組に向かって投げつけたよく見ると投げられた岩もロックマウントだったのだ。空中で見事な一回転を決めると両腕をいっぱいに広げて後衛へと迫る。その姿は、さながら某アニメのダイブだ。メルドが動く前に

 

 「カチッ」ズドーン

 

 俺はダイブ中のロックマウントに剣圧を撃ち吹き飛ばした

 

 後衛組は顔を青くしていた。そりゃあ、あんな目が血走った感じでダイブされたら気持ち悪いよなと思ったが天之河は

 

 「貴様……よくも香織達を……許さない!」

 

 どうやら気持ち悪く顔を青くしているのを死を感じて顔を青くしていると勘違いした。

 

 「万翔羽ばたき、天へと至れ――〝天翔閃〟!」

 

 「あっ、こら、馬鹿者!」

 

 「あの、馬鹿」

 

メルドの声を無視して、天之河は大上段に振りかぶった聖剣を一気に振り下ろした。

 

 その瞬間、詠唱により強烈な光を纏っていた聖剣から、その光自体が斬撃となって放たれた。逃げ場などない。曲線を描く極太の輝く斬撃が僅かな抵抗も許さずロックマウントを縦に両断し、更に奥の壁を破壊し尽くしてようやく止まった。

 

 パラパラと部屋の壁から破片が落ちる。「ふぅ~」と息を吐きイケメンスマイルで白崎達へ振り返った天之河。白崎達を怯えさせた魔物は自分が倒した。もう大丈夫だ! と声を掛けようとして、笑顔で迫っていたメルドと琥珀の拳骨を食らった。

 

「へぶぅ!?」

 

 「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうすんだ!」

 

 「何を考えているのですか、貴方はここに居る人間を巻き込みたいのですか」

 

俺も刀の鍔に指を置き剣圧を飛ばしそうになったメルドと琥珀のお叱りに「うっ」と声を詰まらせ、バツが悪そうに謝罪する天之河。

 

 その時、白崎が崩れた壁の方に視線を向けた。

 

 「……あれ、何かな? キラキラしてる……」

 

 その言葉に、全員が白崎の指差す方へ目を向けた。

 

 「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」

 

 グランツ鉱石とは、言わば宝石の原石みたいなものだ。特に何か効能があるわけではないが、その涼やかで煌びやかな輝きが貴族のご婦人ご令嬢方に大人気であり、加工して指輪・イヤリング・ペンダントなどにして贈ると大変喜ばれるらしい。求婚の際に選ばれる宝石としてもトップ三に入るらしい。

 

 白崎はそれを聞くと南雲を見ていた。だいたいは予想はつくが何故か俺にも視線を感じるのは何故だろうか。

 

「素敵……」

 

 白崎はそう呟いていたそれを聞いた檜山は

 

 「だったら俺らで回収しようぜ!」

 

 そう言って唐突に動き出したのは檜山だった。グランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと崩れた壁を登っていく。それに慌てたのはメルドだ。俺も剣圧を飛ばし止めようとしたが

 

 (チッ、剣圧は駄目だやったら落下する可能性がある)

 

俺は、判断を間違えてしまった更に反応が遅れた。そうこうしていると檜山は鉱石がある場所に到達してしまった。

 

 メルドは、止めようと檜山を追いかける。同時に騎士団員の一人がフェアスコープで鉱石の辺りを確認する。そして、一気に青褪めた。

 

「団長! トラップです!」

「ッ!?」

 

 しかし、俺やメルドも、騎士団員の警告も一歩遅かった。

 

 檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が広がる。

 

 「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」

 

 メルドの言葉に生徒達が急いで部屋の外に向かうが……間に合わなかった。 

 

 部屋の中に光が満ち、俺達の視界を白一色に染めると同時に一瞬の浮遊感に包まれる。

 

 俺達は空気が変わったのを感じた。次いで、ドスンという音と共に地面に叩きつけられた。

 

  転移した場所は、巨大な石造りの橋の上だった。ざっと百メートルはありそうだ。天井も高く二十メートルはあるだろう。橋の下は川などなく、全く何も見えない深淵の如き闇が広がっていた。まさに落ちれば奈落の底といった様子だ。

 

 橋の横幅は十メートルくらいありそうだが、手すりどころか縁石すらなかった。俺達はその巨大な橋の中間にいた。橋の両サイドにはそれぞれ、奥へと続く通路と上階への階段が見える。

 

 それを確認したメルドが、険しい表情をしながら指示を飛ばした。

  

 

「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」

 

  迷宮のトラップがこの程度で済むわけもなく、撤退は叶わなかった。階段側の橋の入口に現れた魔法陣から大量の魔物が出現したからだ。更に、通路側にも魔法陣は出現し、そちらからは2体の巨大な魔物が……

 

 その時、現れた巨大な魔物を呆然と見つめるメルドの呻く様な呟きがやけに明瞭に響いた。

 

――まさか……ベヒモス……なのか……

 

 




 刀真「普通やばい敵て一体じゃないの」

作者「いや、お前なら余裕でいけるし目があるからいけるでしょ」

刀真「まあ、いけるか。琥珀もいるし」
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