ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に 作:烙印バンザイ
刀真「あれ?作者が死んでる」
作者「いや、現実で少しな…」
刀真「そうなんだ、ところでお前確かゲーム画面を…」
金回転
作者「よっしゃクラスは…バー・サー・カー…?」
ドカーーン!!!
刀真「あ……」
扉の先はミラーハウスのように俺たちの姿を映していた。
「……何だか吸い込まれてしまいそう」
「俺が行かせないから大丈夫だ」
「……んっ」
「貴方達、いちいちイチャつかないと気が済まないの?」
「まあ、南雲君とユエだから…」
南雲とユエは気にしていなかった。好感度と言えばいいのか…あの二人はお互いにカンストしているのでなにも思わないのだろう。
その後も俺達は進み続けたがトラップも魔物の気配もしなかった。
「光輝? どうしたの?」
「あ、いや、今、何か聞こえなかったか? 人の声みたいな。こう囁く感じで……」
「ちょ、ちょっと、光輝くん、止めてよ。そういうのはメルジーネで十分だよ」
どうやら天之河はなにか囁き声が聞こえたようだが俺には聞こえなかった。
「他に何か聞こえた奴はいるか? シアはどうだ?」
「いいえ、私には何も聞こえませんでした。人の気配も、ここにいる皆さん以外には感じません」
どうやら天之河以外の他のメンバーは聞こえなかったみたいだ。
「……確かに、聞こえたと思ったんだけどな……」
「ちょっと気を張り詰めすぎなんじゃねぇか?」
「……そうかもな」
「……シア。頼むぞ」
「はいです」
南雲は警戒を強めシアに念を押していた。……それにしても
「……囁き声か」
「刀真?なにか分かったんですか?」
「いや、考えすぎだと思うが……」
俺はある考えがよぎるも本当にそうなのか分からないので考えないようにした。
その後、幾度かの分岐点を迷わず進んだ頃
「っ、まただ! やっぱり気のせいじゃない! また聞こえた!」
「こ、光輝?」
天之河混乱したように声を荒げ始めた。
「嘘じゃない! 今度ははっきり聞こえたじゃないか! 〝このままでいいのか?〟って!」
「いや、光輝。俺には何も聞こえなかったぜ?」
「くそっ! 誰だっ! どこにいる! コソコソしてないで姿を見せたらどうだっ!!」
「光輝、落ち着いて」
「シア」
「いえ、私にも全く……」
「……ハジメ。魔力反応は?」
「ない。ゾンビの時もそうだったが、この迷宮の氷壁はどうも魔力反応を隠蔽する能力でもあるみたいだ。あまり魔眼石はあてにならないな」
「ふむ。大迷宮のプレッシャーにでも負けて精神を病んでいる可能性もあるが……それにしては唐突すぎるのぅ。何らかの干渉を受けていると考えるのが妥当じゃろう」
「でも、シアの耳でも聞こえない上に、ハジメくんも感知できないなら防ぎようがないね」
南雲達が話している間も天之河は声を荒げていた。
「天之河、取り敢えず落ち着け」
「っ、南雲。本当なんだ。確かに、俺は……」
「わかっている。お前の気のせいで片付けるつもりはない」
「えっ?」
「何らかの干渉を受けている、そう考えておくべきだろう。それが、この迷路の試練の一つだと言うなら、天之河だけでなく、ここにいる全員が干渉を受ける可能性が高い。今のところ、防ぐ手立てが思いつかないからな。全員、十分に注意しろ」
どうやら迷宮が干渉しているようだ。おそらく試練に関係があると思うが…
「囁き声……」
「刀真君?」
「あ、すまん…少し考えていた。」
そうして再び進むことにしたが谷口や坂上、雫も囁き声が聞こえたようで、……本当は気がついていたよね?や何を躊躇う必要がある?などの抽象的な言葉だったが聞こえた全員が聞き覚えのある声だったと言っていた。
そして出口から三キロのところで俺達にも聞こえてきた。
——知ってしまったのにそのままでいいの?
春奈は刀真を見た。妖精眼から見て知ってしまったことを言われているようだった。
「ああ、そうか。これ自分の声だな」
南雲の一言に全員が南雲の方を向いた。
「みんな、囁き声に聞き覚えがあるって言ってたろ? 俺もそうだったんだが、この声、俺の声だわ。親父の手伝いでゲーム制作に関わった時に、ボイステストで何度も自分の声を聞く機会があってな。自分の声って自分で聞くと意外に違和感があるもんだから気がつきにくいけど、確かに、その時何度も聞いた俺自身の声だよ、これ」
「でも、だとすると、この声が言っていることって……」
「……あるいは、己の心の声……かもしれんの。色々と嫌な記憶が蘇って来るのじゃ」
「……ですねぇ。心の中を土足で踏み荒らされているみたいで凄く気持ち悪いです」
全員が自分の声だと聞き納得していた。ほとんどのメンバーが表情を暗くしていたが俺や琥珀に南雲とユエは平然としていた。
南雲の話を聞いてみるとどうやら南雲はすでに割り切っていたのだ。南雲の言葉に天之河は声を荒げていたが南雲の言葉に視線を落としていた。
「それで、ハジメさんが影響を受けてないのが図太さのせいだというのは分かりましたけど、ユエさんはどうして大丈夫そうなんですか? って言うか、ユエさんはどんなことを囁かれたんです?」
「……裏切りがどうのこうのって繰り返してる」
「裏切りって……確か、昔の」
「……ん。だから、ハジメやシアも裏切るぞ、みたいな?」
ユエは信頼していた家族や家来から裏切られ300年も封印されていた。心の奥底では恐れているのかもしれない。
「ぬっふっふ、油断してると裏切っちゃうかもしれませんよぉ~」
「……いけない子。嘘つきウサギにはお仕置きが必要」
「まぁ、確かに、俺がユエを手放すなんて有り得ないしな……」
「確かにのぅ。南雲殿がユエを裏切るより、明日、世界が滅ぶと言われた方が余程信憑性があるのじゃ」
「そうですね。」
「まあ、普段からあんな空気になっているからな。」
南雲とユエは二人の空間になることがある。あんな様子を見れば裏切りるとは思えない。
「……ん。有り得ない。でも、仮に裏切られても関係ない」
「それはどういう……」
首を傾げるハジメ達に、ユエは悠然と答えた。
「……ハジメの気持ちに関係なく、私が・・ハジメを逃がさないから」
「「「「……」」」」
「……ふふ、吸血姫からは逃げられない」
その後、南雲がシアに羽交締めされた。
「本当にお前ら仲良いな」
「刀真……確かに仲良いけど……今言うときじゃないと思う。……ところで南雲くんとユエは分かったけど刀真と琥珀はなんで平気なのかしら?」
南雲とユエを一旦ほっといて雫は俺と琥珀にどうして無事なのか聞いてきた。
「確かに言われた言葉には少しだけ思い当たる事があります……ですが、私はお嬢様のメイドである。そんなことを気にするよりお嬢様の安全の方が大事に決まってます。」
「そ、そう」
(相変わらず忠義者だな…)
「当然です。」
「……たまに思うんだが…お前はエスパーなのか?」
たまに琥珀は思考を読んでくることがあるのでつい言ってしまった。
「それで刀真の場合はなんで平気なの?」
「まあ、ほぼ南雲と同じだぞ?もう過去は変えられないからな……それに周りに化け物とか言われてもどうでもいいし」
「……」
「ねえ、それよりも……」
「どうした?」
「アレは止めなくていいの?」
見るとまだシアが南雲を羽交締めにしていた。
「………まあ、大丈夫だろう……たぶん」
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俺達は、現在大迷路の分岐点近くにあった小部屋で小休止中だった。ティオが魂魄魔法によって精神を安定しようとしたが約一名は上手くいってないようだ。
「ああ。ありがとう、ティオさん。楽になったよ」
天之河はどこか表情に影が差していた。
「……」
「刀真君…」
「…うん?どうした春奈?」
「えっと…」
—-本当にそのままでいいの?—
「……刀真君はなんで言われたのかなと思って…」
「囁いてくる声にか?」
「うん。」
「あ〜確か……お前は人間から離れてるとかお前は産まれた時から…だとか言ってたな……別に気にするようなことはないと思うが…」
「そ、そうなんだ………気にした方がいい気がする」
「急にどうしたんだ?」
「え、いや…その「うわぁあああっ!?」え?」
声の方を見ると天之河が騒いでいた。どうやら壁に映った自分が笑ったようだ。
「……」
その後、南雲が調べ何も無かったが全員に注意をした。南雲の号令で俺達は歩みを再開させた。