ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に 作:烙印バンザイ
俺達は、整備がされていない道を二輪車と車で爆速で走っていた。二輪車に俺が乗っていて、車には南雲達が乗っていた。
「……積極的?」
「ああ、生きているに越したことはないからな。その方が、感じる恩はでかい。これから先、国やら教会やらとの面倒事は嫌ってくらい待ってそうだからな。盾は多いほうがいいだろう? いちいちまともに相手なんかしたくないし」
「そうだな」
「そうですね」
「……なるほど」
「それに聞いたんだがな、これから行く町は湖畔の町で水源が豊かなんだと。そのせいか町の近郊は大陸一の稲作地帯なんだそうだ」
「……稲作?」
「おう、つまり米だ米。俺達の故郷、日本の主食だ。こっち来てから一度も食べてないからな。同じものかどうかは分からないが、早く行って食べてみたい」
「……ん、私も食べたい……町の名前は?」
「湖畔「ウル」え」
俺は南雲が答えるまえに言った。
「・・・・・・・」
「というか刀真君、珍しくやる気になってるよね」
「……そういえば」
「仕方ないですよ、刀真にとって米は、大好物の食べ物の一つですから」
琥珀が言うように俺は、米が好きだ元の世界では1日に一回は、食べないと落ち着かないくらいだ。
「…早く行くよ」
俺は二輪車の速度を上げた。相変わらず気怠げな表情では、あったが無意識に口角が上がっていた。
「…どんだけ楽しみにしてるんだよ」
「情報を知った瞬間、今日になるまで魔物を狩ってましたよ」
南雲達は、刀真を追いかけた。
「はぁ、今日も手掛かりはなしですか……清水君、一体どこに行ってしまったんですか……」
「愛子、あまり気を落とすな。まだ、何も分かっていないんだ。無事という可能性は十分にある。お前が信じなくてどうするんだ」
「そうですよ、愛ちゃん先生。清水君の部屋だって荒らされた様子はなかったんです。自分で何処かに行った可能性だって高いんですよ? 悪い方にばかり考えないでください」
ウルの町では、愛子達が清水幸利を探していた。王国と教会には報告済みであり、捜索隊を編成して応援に来るようだ。清水も、魔法の才能に関しては召喚された者らしく極めて優秀なので、南雲達の時のように、上層部は楽観視していない。捜索隊が到着するまで、あと二、三日といったところだ。
「皆さん、心配かけてごめんなさい。そうですよね。悩んでばかりいても解決しません。清水君は優秀な魔法使いです。きっと大丈夫。今は、無事を信じて出来ることをしましょう。取り敢えずは、本日の晩御飯です! お腹いっぱい食べて、明日に備えましょう!」
「ああ、相変わらず美味しいぃ~異世界に来てカレーが食べれるとは思わなかったよ」
「まぁ、見た目はシチューなんだけどな……いや、ホワイトカレーってあったけ?」
「いや、それよりも天丼だろ? このタレとか絶品だぞ? 日本負けてんじゃない?」
「それは、玉井君がちゃんとした天丼食べたことないからでしょ? ホカ弁の天丼と比べちゃだめだよ」
「いや、チャーハンモドキ一択で。これやめられないよ」
「皆様、本日のお食事はいかがですか? 何かございましたら、どうぞ、遠慮なくお申し付けください」
「あ、オーナーさん」
「いえ、今日もとてもおいしいですよ。毎日、癒されてます」
「はい、申し訳ございません。何分、材料が切れまして……いつもならこのような事がないように在庫を確保しているのですが……ここ一ヶ月ほど北山脈が不穏ということで採取に行くものが激減しております。つい先日も、調査に来た高ランク冒険者の一行が行方不明となりまして、ますます採取に行く者がいなくなりました。当店にも次にいつ入荷するかわかりかねる状況なのです」
「あの……不穏っていうのは具体的には?」
「何でも魔物の群れを見たとか……北山脈は山を越えなければ比較的安全な場所です。山を一つ越えるごとに強力な魔物がいるようですが、わざわざ山を越えてまでこちらには来ません。ですが、何人かの者がいるはずのない山向こうの魔物の群れを見たのだとか」
「それは、心配ですね……」
「しかし、その異変ももしかするともう直ぐ収まるかもしれませんよ」
「どういうことですか?」
「実は、今日のちょうど日の入り位に新規のお客様が宿泊にいらしたのですが、何でも先の冒険者方の捜索のため北山脈へ行かれるらしいのです。フューレンのギルド支部長様の指名依頼らしく、相当な実力者のようですね。もしかしたら、異変の原因も突き止めてくれるやもしれません」
話していると二階へ通じる階段の方から声が聞こえ始めた。男の声と少女四人の声だ。少女の一人が男に文句を言っていた。さらに少女の一人が誰かに話しかけていた。
「おや、噂をすれば。彼等ですよ。騎士様、彼等は明朝にはここを出るそうなので、もしお話になるのでしたら、今のうちがよろしいかと」
「そうか、わかった。しかし、随分と若い声だ。〝金〟に、こんな若い者がいたか?」
話し声が近づいてきた。カーテン越しに若い男女の騒がしめの会話の内容が聞こえてきた。
「もうっ、何度言えばわかるんですか。私を放置してユエさんと二人の世界を作るのは止めて下さいよぉ。ホント凄く虚しいんですよ、あれ。聞いてます? 〝ハジメ〟さん」
「聞いてる、聞いてる。見るのが嫌なら別室にしたらいいじゃねぇか」
「んまっ! 聞きました? ユエさん。春奈さん。琥珀さん。〝ハジメ〟さんが冷たいこと言いますぅ」
「あ、ははは」
「そうですね」
「……〝ハジメ〟……メッ!」
「へいへい」
「…米米米米」
「刀真さんが呪いのように連呼してますぅ」
「いや、すまん、つい楽しみすぎて」
「本当、刀真君は、米が好きだよね」
「……南雲君?、両儀君?、遠野さん?、佐々目さん?」
愛子は、椅子を蹴倒しながら立ち上がり、転びそうになりながらカーテンを引きちぎる勢いで開け放った。
「南雲君!両儀君!遠野さん!佐々目さん!」
「あぁ? ……………………………………………先生?」
「南雲君……やっぱり南雲君達なんですね? 生きて……本当に生きて…」
「「「いえ、人違いです。では」」」
「へ?」
俺は面倒くさそうだと思いながら飯の事を考えていた。
四十二話でこのペースてどうなんだろう。もう少し文章を多くしてペースを早めるべきか考えています。
ギャグ回か過去回みたいなの作るときにどういうネタにするか
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幼児化
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性別転換
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王様ゲーム
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先生との過去
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刀真のトラウマ