ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に   作:烙印バンザイ

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 作者「あゔああぁ」
刀真「どうした」
作者「いや〜奏章四章も二日前に終わったけど…」
刀真「けど?」
作者「なんか終わりそうで怖い」
刀真「知らないよ」


四十五話

 「あれ…南雲達は?」

 「南雲さん達は、まだ下ですよ」

山に登りしばらく進んでいたら南雲達が見えないくらい先に進んでいたらしい。

 「どうするの」

「とりあえず待ちましょう」

「…そうするか」

 しばらく待っていると、ようやく南雲達が到着した。

 「それで、どうしたんだアレ」

 「はぁはぁ、きゅ、休憩ですか……けほっ、はぁはぁ」

 「ぜぇー、ぜぇー、大丈夫ですか……愛ちゃん先生、ぜぇーぜぇー」

 「うぇっぷ、もう休んでいいのか? はぁはぁ、いいよな? 休むぞ?」

 「……ひゅぅーひゅぅー」

 「ゲホゲホ、南雲達は化け物か……」

 愛子先生や他の生徒は、疲れ果ていた。

 「まあ、ステータスが違うからじゃないか」

 「それは、そうと両儀と佐々目の移動速度は、どうなってるんだよ」

 休憩中に急に俺達に話題が振られた。春奈は琥珀が背負って移動していたので聞かれなかった。

 「普通だよな」

「そうですね」

「「「普通は木々に飛び移って移動しないだろ」」」

 そんな事を話していると無人偵察機で捜索していた南雲が何かを見つけたらしい。

 「川の上流に……これは盾か? それに、鞄も……まだ新しいみたいだ。当たりかもしれない。ユエ、シア、刀真、遠野、佐々目、行くぞ」

 「ん……」

 「はいです!」

 「分かりました」

「うん」

「分かった」

 俺達は、立ち上がり準備をして。上流に向かって登った。先へ進むと、次々と争いの形跡が発見できた。半ばで立ち折れた木や枝。踏みしめられた草木、更には、折れた剣や血が飛び散った痕もあった。それらを発見する度に、特に愛子達の表情が強ばっていく。しばらく、争いの形跡を追っていくと、シアが前方に何か光るものを発見した。

 「ハジメさん、これ、ペンダントでしょうか?」

 「ん? ああ……遺留品かもな。確かめよう」

 「・・・・・・・」

「…どうしたの?刀真君」

「…いや、なんで弱い魔物が出ないんだろうと思っていただけだ」

そう、魔物に襲われた跡があるのに魔物が出てこないことに違和感を感じていた。考えている途中、南雲に促されて移動した。

 「ここで本格的な戦闘があったようだな……この足跡、大型で二足歩行する魔物……確か、山二つ向こうにはブルタールって魔物がいたな。だが、この抉れた地面は……」

(なんかいるな…)

ブルタールは、町側に来ないと聞いたが足跡がある。それに、川に支流を作るような攻撃手段をもっていると聞いた事は無かった。ブルタールの足跡は、上流と下流のどちらに向かうか逡巡した。

(まあ、上流にも足跡があるが誰かが生きている場合は、下流だろう)

 そう思う理由は、ブルタールの足跡が川縁にあるということは、川の中にウィル達が逃げ込んだ可能性が高いということだ。きっと体力的に厳しい状況にあった彼等は流された可能性が高いと考えたのだ。

 南雲も同じ事を考えているようだった。俺達は下流へ向かって川辺を下っていった。すると、今度は、先ほどのものとは比べ物にならないくらい立派な滝に出くわした。俺達は、軽快に滝横の崖をひょいひょいと降りていき滝壺付近に着地する。すると

 「! これは……」

 「……ハジメ?」

 「おいおい、マジかよ。気配感知に掛かった。感じから言って人間だと思う。場所は……あの滝壺の奥だ」

 「生きてる人がいるってことですか!」

 「ああ、一人いるな」

 ウィル達が行方不明から五日間、生存者一人は、奇跡といってもいいと思う。

 「ユエ、頼む」

 「……ん」

 南雲は、ユエに声をかけるとユエは、魔法のトリガーと共に右手を振り払った。

 「〝波城〟 〝風壁〟」

 俺達は、滝壺から奥へ続く洞窟らしき場所へ踏み込んだ。洞窟は入って直ぐに上方へ曲がっており、そこを抜けるとそれなりの広さがある空洞が出来ていた。天井からは水と光が降り注いでおり、落ちた水は下方の水溜りに流れ込んでいる。溢れないことから、きっと奥へと続いているのだろう。その空間の一番奥に横倒しになっている男を発見した。

 「…いたな」

 死人のような表情をしているが眠っていた。

 「南雲?」

南雲が男の近くに近づいた。

 「もしかしてだけど…」

 バチコンッ!!

春奈が何かを言いかけると南雲は、義手でデコピンをした。

 「ぐわっ!!」

 「お前が、ウィル・クデタか? クデタ伯爵家三男の」

 「いっっ、えっ、君達は一体、どうしてここに……」

 「質問に答えろ。答え以外の言葉を話す度に威力を二割増で上げていくからな」

 「えっ、えっ!?」

 「お前は、ウィル・クデタか?」

 「えっと、うわっ、はい! そうです! 私がウィル・クデタです! はい!」

 どうやら生き残っていた人間が捜索を頼まれていたウィル本人だった。

 「そうか。俺はハジメだ。南雲ハジメ。フューレンのギルド支部長イルワ・チャングからの依頼で捜索に来た。(俺の都合上)生きていてよかった」

 「イルワさんが!? そうですか。あの人が……また借りができてしまったようだ……あの、あなたも有難うございます。イルワさんから依頼を受けるなんてよほどの凄腕なのですね」

 というか、南雲がデコピンしたことは、気にしていなかった。もしかすると、案外大物なのかもしれない。各人の自己紹介と、何があったのかをウィルから聞いた。

 ウィル達は五日前、俺達と同じ山道に入り五合目の少し上辺りで、突然、十体のブルタールと遭遇したらしい。流石に、その数のブルタールと遭遇戦は勘弁だと、ウィル達は撤退に移ったらしいのだが、襲い来るブルタールを捌いているうちに数がどんどん増えていき、気がつけば六合目の例の川にいた。そこで、ブルタールの群れに囲まれ、包囲網を脱出するために、盾役と軽戦士の二人が犠牲になったのだという。それから、追い立てられながら大きな川に出たところで、前方から漆黒のドラゴンが現れたそうだ。その黒竜は、ウィル達が川沿いに出てくるや否や、ブレスを吐き、その攻撃でウィルは吹き飛ばされ川に転落。流されながら見た限りでは、そのブレスで一人が跡形もなく消え去り、残り二人も後門のブルタール、前門の竜に挟撃されていたという。ウィルは、流されるまま滝壺に落ち、偶然見つけた洞窟に進み空洞に身を隠していたらしい。

 (なるほど、あの抉れた後は、黒竜によるものか)

 そんな事を考えているとウィルは、泣き出した。

 「わ、わだじはさいでいだ。うぅ、みんなじんでしまったのに、何のやぐにもただない、ひっく、わたじだけ生き残っで……それを、ぐす……よろごんでる……わたじはっ!」

 「・・・・・・・」

 ウィルが自分を卑下していると南雲がウィルの胸ぐらを掴んだ。

 「生きたいと願うことの何が悪い? 生き残ったことを喜んで何が悪い? その願いも感情も当然にして自然にして必然だ。お前は人間として、極めて正しい」

 「だ、だが……私は……」

 「それでも、死んだ奴らのことが気になるなら……生き続けろ。これから先も足掻いて足掻いて死ぬ気で生き続けろ。そうすりゃ、いつかは……今日、生き残った意味があったって、そう思える日が来るだろう」

 「……生き続ける」

 「・・・・・・・」

 南雲が言ったことはたぶん半分は自分に言ったことだと思った。しかし、死んだ奴の事か…

「どうしたました刀真…」

「いや、なんでもないよ…なんでも」

 つい考えてしまった。とりあえず南雲の暴走で場は落ち着いた。そしてウィルも保護したことなので下山する事になった。他の生徒達は、町の人達も困っているから調べるべきではと微妙な正義感からの主張をしたが、黒竜やらブルタールの群れという危険性の高さから愛子先生が頑として調査を認めなかったため、結局、下山することになった。再びユエの魔法で滝壺から出ると

 「グゥルルルル」

 黒い竜が翼をはためかせながら空中より金の眼で睥睨していた。




 オリ技が思いつかず消しました。考えた技がなんか別の作品にありそうなのと名前が思いつかずやめました。申し訳ございません。
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