ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に   作:烙印バンザイ

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 作者「琥珀はだれの要素をつけよう」
春奈「私は、決まったの」
  作者「うん、むしろ、ウル編が終わるあたりで幕間的な話を二話書くつもり」
春奈「その内の一話って・・・・・・・」
作者「アンケートのおかげで決まったよ」


四十七話

 「……ふざけるな」 

 事情説明を終えた黒竜を怒りを宿した瞳でウィルは、睨んでいた。

 「……操られていたから…ゲイルさんを、ナバルさんを、レントさんを、ワスリーさんをクルトさんを! 殺したのは仕方ないとでも言うつもりかっ!」

 「・・・・・・・」

(いや、結果、死んだからどうしようもないだろ)

 「大体、今の話だって、本当かどうかなんてわからないだろう! 大方、死にたくなくて適当にでっち上げたに決まってる!」

 (そんな事よりメイスを抜きたい)

〝……今話したのは真実じゃ。竜人族の誇りにかけて嘘偽りではない〟

 ウィルが何か言おうとしたがユエが口を挟んだ。

 「……きっと、嘘じゃない」

 「っ、一体何の根拠があってそんな事を……」

 「……竜人族は高潔で清廉。私は皆よりずっと昔を生きた。竜人族の伝説も、より身近なもの。彼女は〝己の誇りにかけて〟と言った。なら、きっと嘘じゃない。それに……嘘つきの目がどういうものか私はよく知っている」

 ユエの言葉に春奈も話し始めた。

 「私もユエに同感かな。私もある程度、目を見れば嘘をついているかいないか分かるよ」

〝ふむ、この時代にも竜人族のあり方を知るものが未だいたとは……いや、お主、今、昔と言ったかの?〟

 黒竜がユエに向かい尋ねると、

 「……ん。私は、吸血鬼族の生き残り。三百年前は、よく王族のあり方の見本に竜人族の話を聞かされた」

 〝何と、吸血鬼族の……しかも三百年とは……なるほど死んだと聞いていたが、主がかつての吸血姫か。確か名は……〟

 周囲の、ウィルや愛子達は驚愕の目でユエを見ている。

 「ユエ……それが私の名前。大切な人に貰った大切な名前。そう呼んで欲しい」

 ユエの周囲に、何となく幸せオーラがほわほわと漂っている気がする。皆、突然の惚気に当てられて、女性陣は何か物凄く甘いものを食べたような表情をし、男子達は、頬を染め得も言われぬ魅力を放つユエに見蕩れている。

 「……それでも、殺した事に変わりないじゃないですか……どうしようもなかったってわかってはいますけど……それでもっ! ゲイルさんは、この仕事が終わったらプロポーズするんだって……彼らの無念はどうすれば……」

 ウィルがまた黒竜を責めた。

 (典型的な死亡フラグだな…そういえば)

 「南雲あのロケットペンダントってもしかして…」

 「ああ、ウィル、ゲイルってやつの持ち物か?」

 「これ、僕のロケットじゃないですか! 失くしたと思ってたのに、拾ってくれてたんですね。ありがとうございます!」

 「あれ? お前の?」

 まさかのウィルの持ち物だった。

 「はい、ママの写真が入っているので間違いありません!」

 「マ、ママ?」

 あまりにも予想の斜め上の答えだった。「せっかくのママの写真なのですから若い頃の一番写りのいいものがいいじゃないですか」と、まるで自然の摂理を説くが如く素で答えられた。その場の全員が「ああ、マザコンか」と物凄く微妙な表情をした。

 〝操られていたとはいえ、妾が罪なき人々の尊き命を摘み取ってしまったのは事実。償えというなら、大人しく裁きを受けよう。だが、それには今しばらく猶予をくれまいか。せめて、あの危険な男を止めるまで。あの男は、魔物の大群を作ろうとしておる。竜人族は大陸の運命に干渉せぬと掟を立てたが、今回は妾の責任もある。放置はできんのじゃ……勝手は重々承知しておる。だが、どうかこの場は見逃してくれんか〟

 「いや、お前の都合なんざ知ったことじゃないし。散々面倒かけてくれたんだ。詫びとして死ね」

 南雲がメイスを叩きつけようとした。

 〝待つのじゃー! お、お主、今の話の流れで問答無用に止めを刺すとかないじゃろ! 頼む! 詫びなら必ずする! 事が終われば好きにしてくれて構わん! だから、今しばらくの猶予を! 後生じゃ!〟

 ハジメは冷めた目で黒竜の言葉を無視し拳を振るおうとした。だが、ユエが南雲を止めて耳元で呟いた。

 「……殺しちゃうの?」

 「え? いや、そりゃあ殺し合いしたわけだし……」

 「……でも、敵じゃない。殺意も悪意も、一度も向けなかった。意志を奪われてた」

 「……自分に課した大切なルールに妥協すれば、人はそれだけ壊れていく。黒竜を殺すことは本当にルールに反しない?」

 なんだかいい雰囲気になっていたが黒竜が割と切羽詰った声に話しかけてきた。

 〝いい雰囲気のところ申し訳ないのじゃがな、迷いがあるなら、取り敢えずお尻の杭だけでも抜いてくれんかの? このままでは妾、どっちにしろ死んでしまうのじゃ〟

 「ん? どういうことだ?」

 〝竜化状態で受けた外的要因は、元に戻ったとき、そのまま肉体に反映されるのじゃ。想像してみるのじゃ。女の尻にその杭が刺さっている光景を……妾が生きていられると思うかの?〟

 全員が「うわ~」と表情を引き攣らせた。俺もそろそろ回収したかったので丁度いいのだが

 〝でじゃ、その竜化は魔力で維持しておるんじゃが、もう魔力が尽きる。あと一分ももたないのじゃ……新しい世界が開けたのは悪くないのじゃが、流石にそんな方法で死ぬのは許して欲しいのじゃ。後生じゃから抜いてたもぉ〟

 とりあえずおもいっきり引っ張ってみることにした。

 〝はぁあん! ゆ、ゆっくり頼むのじゃ。まだ慣れておらっあふぅうん。やっ、激しいのじゃ! こんな、ああんっ! きちゃうう、何かきちゃうのじゃ~〟

 「刀真、それ以上は、やめといたほうがいいです」

なにか不穏なセリフが聞こえたが早く武器を回収するために捻ったりして引っ張った。

 ズボッ!!

 〝あひぃいーーー!! す、すごいのじゃ……優しくってお願いしたのに、容赦のかけらもなかったのじゃ……こんなの初めて……〟

 そんな訳のわからないことを呟く黒竜は、直後、その体を黒色の魔力で繭のように包み完全に体を覆うと、その大きさをスルスルと小さくしていく。そして、ちょうど人が一人入るくらいの大きさになると、一気に魔力が霧散した。そして

 「ハァハァ、うむぅ、助かったのじゃ……まだお尻に違和感があるが……それより全身あちこち痛いのじゃ……ハァハァ……痛みというものがここまで甘美なものとは……」

 「琥珀これは、」

 「えぇお嬢様、間違いなく開いてしまったようです」

「あれ?刀真君、なにしてるの?」

「もちろん、メイスを洗ってた」

「え」

「いや、趣味で使ってみたかったけど、単純に尻に刺さった物をそのまま空間収納に放り込むのは嫌だ」

そう使うから汚れるのは仕方がないが流石に尻に刺さったのは、少し抵抗がある。

 「面倒をかけた。本当に、申し訳ない。妾の名はティオ・クラルス。最後の竜人族クラルス族の一人じゃ」

 ティオ・クラルスと名乗った黒竜は、次いで、黒ローブの男が、魔物を洗脳して大群を作り出し町を襲う気であると語った。その数は、既に三千から四千に届く程の数だという。何でも、二つ目の山脈の向こう側から、魔物の群れの主にのみ洗脳を施すことで、効率よく群れを配下に置いているのだとか。そして黒竜たるティオを配下にして浮かれていたのか、仕切りに「これで自分は勇者より上だ」等と口にし、随分と勇者に対して妬みがあるようだったという。

 「・・・・・・・」

(確定だな)

「刀真…」

「…ああ」

  琥珀も同じ事を考えていたらしい。愛子達は一様に「そんな、まさか……」と呟きながら困惑と疑惑が混ざった複雑な表情をした。

「おお、これはまた……」

 ティオの話を聞いてから、無人探査機を回して魔物の群れや黒ローブの男を探していたらしい。

 「こりゃあ、三、四千ってレベルじゃないぞ? 桁が一つ追加されるレベルだ」

 「は、早く町に知らせないと! 避難させて、王都から救援を呼んで……それから、それから……」

 愛子先生は、混乱しながらも整理していた。するとウィルが

 「あの、刀真殿なら何とか出来るのでは……」

 全員が俺の方に視線を向けたが

 「いやまずは、町に戻って避難勧告出せよ。俺達の仕事は、あくまでウィルの保護なんだが」

 「まぁ、ご主じ……コホンッ、彼の言う通りじゃな。妾も魔力が枯渇している以上、何とかしたくても何もできん。まずは町に危急を知らせるのが最優先じゃろ。妾も一日あれば、だいぶ回復するはずじゃしの」

 なんか不穏な事が聞こえた気がしたが無視した。町の戻る時、ティオは、魔力が枯渇していて動けなかったのでどうしようかと思っていたがなんだがひきずるとうれしそうに叫んでいたのでとりあえず鞘を使って衝撃波を十発ほど喰らわせたが更に大きな声を出したので南雲の車の荷台にくくりつけ口を黙らせた。走行中もなにか聞こえたが無視していた。




タグにFGOを追加しました。素材が足りなくて周回に集中しそうです。
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