ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に 作:烙印バンザイ
刀真「急だな」
作者「いや〜春奈を強化するし一時的に同行者が増えるからまあ、別に動物が増えても問題ないでしょ」
「・・・・・・・」
「お嬢様…お嬢様」ユサユサ
春奈が寝ている場所から琥珀の声が聞こえてきた。
「琥珀どうしたんだ?」
「それがお嬢様が起きません」
「はぁ!」
どうやら春奈がどんなに起こそうとしてもおきないようだ。
「・・・・・・・」
呼吸はしていた。なのに目が覚めない。
「…疲労の可能性は?」
「…あると思います」
疲労かもしれないが…なんだろう春奈の魔力が上がっているような気がする。
「とりあえず大丈夫な気がする」
「それは…」
「うん、勘」
「……勘ですか…」
琥珀にジト目で見られるが
「とりあえず私はユエとティオと一緒に買い物に行きます」
「?春奈はいいのか」
「よくはないですが…刀真がいれば大丈夫だと思います」
「つまり、春奈を見といてくれてことか?」
「ずっとではありません。とりあえず宿から半径100m圏内にいてください」
「わかったよ」
琥珀はティオとユエと一緒に出掛けてしまった。
「・・・・・・・素振りでもしようと」
俺は言われた通り何かあればすぐいける距離で素振りをすることにした。
「・・・・・・・」ビュッ!ビュッ!
素振りをしていると無言になってしまう。
「・・・・・・・」ビュッ!ビュッ!
フォウフォウ
「……ん」
何かの鳴き声が聞こえたと思ったら犬なのが猫なのかリスなのか分からない生き物がそこにはいた。
「…なんだお前は?」
「フォウ、フォウ」
言っている事は、よく分からなかった。しかし
「これが食いたいのか?」
俺は休憩に食べようとしていた、焼きベーコンをその生き物に渡した。
「フォーウ!!」
どうやら喜んでいるようだった。とは言え…
「この生き物は…なんなんだろう?」
謎の生き物は、俺の頭に乗った。どうやら懐かれたみたいだった。
「・・・・・・・なあ」
「フォウ?」
「もしよかったらなんだが…あ、その前に春奈の様子でも見に行くか」
「フォーウ!!」
俺は、春奈が寝ている場所に向かおとした。
ドォガァアアアン!!!!
「はあ?」
「フォウ?」
なにやら町の方で爆発が起こった。
「…なんか町であったのか?とりあえず春奈の所に行くか…町の方には南雲や琥珀達がいるからな……まさかまた南雲とかが巻き込まれているとかないよな…とりあえず春奈のところに行くか」
なんだか南雲達が巻き込まれているような気がしてならなかったがそれなら別に大丈夫かと思った。
「・・・・・・・」
戻ってみると春奈が立っていた。
「……春奈にしては遅い起床だな」
「あはははっ、なんかごめん…ところで肩の上の動物は何?なんだろう何処かで見たような…」
「素振りしてたら近寄ってきてベーコンあげたら懐かれた…うおっと」
さっきまで肩に乗っていた動物が春奈の頭に乗った。
「フォウ」
「懐かれたみたい」
「そうだな」
「この子の名前ってなに?」
「分からない」
「それじゃあ…フォウくんてのは」
「それて鳴き声からか…まあいいんじゃないか」
ドォガァアアアアアン!!!
「え、何?」
「またか」
また爆発が起こった。そして四体の〝雷龍〟も出て来た。確かアレはユエの魔法だったはず。
「これって南雲君達だよね」
「多分な…何してんだあいつら、とりあえず南雲達のところに行くか」
「そうだね」
・・・・・・・
「ミュウ、彼女の名前はユエ。俺の恋人だ」
「ふぇ? 恋人? ……シアお姉ちゃんは?」
「仲間だな」
「恋人じゃないの?」
「違うな」
「……といいつつも?」
「どんな返しだよ……恋人はこのユエだ」
「むぅ~」
「私は琥珀です」
「お姉ちゃんは、「仲間ですよ」」
「琥珀さんは、ハジメさんより、春奈さんか刀…」カチッ
「すみません」
「何してんのお前ら」
「うわぁ」
「ふぇえええ!?」
「刀真…お嬢様は?」
「春奈ならここにいるぞ」
「ごめんね琥珀…もう大丈夫」
「よかったです」
「「ところで」」
「その子はなんだ」
「この子はミュウだ刀真こそその動物は」
「ああ、フォウくんだ」
「フォウ」
「この人達誰なの?」
「ああ、コイツは刀真、こっちが遠野だ」
「よろしく」
「よろしくねミュウちゃん、私の事は春奈でいいよ」
ミュウに自己紹介をして南雲達にことの経緯を聞くとまず気配察知で下水道からミュウを発見し、そして一度保安所に行ったそうだ。その時、保安所で爆発が起こったらしい。そこから買い物中の琥珀達と合流してオークションをしていた裏組織を殲滅したそうだ。
「本当、お前らトラブル体質だよな」
「「「「「「刀真(君)(さん)がいうな」」」」」」
「…なんで」
全員にツッコまれてしまった。
「倒壊した建物二十二棟、半壊した建物四十四棟、消滅した建物五棟、死亡が確認されたフリートホーフの構成員九十八名、再起不能四十四名、重傷二十八名、行方不明者百十九名……で? 何か言い訳はあるかい?」
「カッとなったので計画的にやった。反省も後悔もない」
「はぁ~~~~~~~~~」
「ちょっと待て…俺と春奈は今回は関係ないぞ」
「まさかと思うけど……メアシュタットの水槽やら壁やらを破壊してリーマンが空を飛んで逃げたという話……関係ないよね?」
「……ミュウ、これも美味いぞ? 食ってみろ」
「あ~ん」
南雲は、ミュウにお菓子を食べさせているが、隣に座るシアの目が一瞬泳いだのをイルワは見逃さなかった。再び、深い、それはもうとても深い溜息を吐く。
(おいおいそんなこともしてたのかよ…あ、秘書長がイルワに胃薬を渡してる)
「まぁ、やりすぎ感は否めないけど、私達も裏組織に関しては手を焼いていたからね……今回の件は正直助かったといえば助かったとも言える。彼等は明確な証拠を残さず、表向きはまっとうな商売をしているし、仮に違法な現場を検挙してもトカゲの尻尾切りでね……はっきりいって彼等の根絶なんて夢物語というのが現状だった……ただ、これで裏世界の均衡が大きく崩れたからね……はぁ、保安局と連携して冒険者も色々大変になりそうだよ」
「まぁ、元々、其の辺はフューレンの行政が何とかするところだろ。今回は、たまたま身内にまで手を出されそうだったから、反撃したまでだし……」
「唯の反撃で、フューレンにおける裏世界三大組織の一つを半日で殲滅かい? ホント、洒落にならないね」
「刀真が加わって無い分マシでしたね」
「そうだね、刀真君が加わったらもっと被害があったかもしれなかったから」
俺は、否定したかったが否定は出来なくって黙っていた。
「一応、そういう犯罪者集団が二度と俺達に手を出さないように、見せしめを兼ねて盛大にやったんだ。支部長も、俺らの名前使ってくれていいんだぞ? 何なら、支部長お抱えの〝金〟だってことにすれば……相当抑止力になるんじゃないか?」
「おや、いいのかい? それは凄く助かるのだけど……そういう利用されるようなのは嫌うタイプだろう?」
俺も南雲の言ったことにびっくりした。どうやら南雲も少し変わったようだ。
「まぁ、持ちつ持たれつってな。世話になるんだし、それくらいは構わねぇよ。支部長なら、そのへんの匙加減もわかるだろうし。俺らのせいで、フューレンで裏組織の戦争が起きました、一般人が巻き込まれましたってのは気分悪いしな」
「……ふむ。ハジメ君、少し変わったかい? 初めて会ったときの君は、仲間の事以外どうでもいいと考えているように見えたのだけど……ウルでいい事でもあったのかな?」
「……まぁ、俺的には悪いことばかりじゃなかったよ」
ちなみに残りの組織は南雲の名前で混乱にならなかった。
「それで、そのミュウ君についてだけど……こちらで預かって、正規の手続きでエリセンに送還するか、君達に預けて依頼という形で送還してもらうか……二つの方法がある。君達はどっちがいいかな?」
「ハジメさん……私、絶対、この子を守ってみせます。だから、一緒に……お願いします」
シアが、南雲に頭を下げる。どうしても、ミュウが家に帰るまで一緒にいたいようだ。俺たち、南雲の判断に任せるようで沈黙したまま南雲を見つめた。
「お兄ちゃん……一緒……め?」
「まぁ、最初からそうするつもりで助けたからな……ここまで情を抱かせておいて、はいさよならなんて真似は流石にしねぇよ」
「ハジメさん!」
「お兄ちゃん!」
「ただな、ミュウ。そのお兄ちゃんってのは止めてくれないか? 普通にハジメでいい。何というかむず痒いんだよ、その呼び方」
南雲の要求に、ミュウはしばらく首をかしげると、やがて何かに納得したように頷き
「……パパ」
「………………な、何だって? 悪い、ミュウ。よく聞こえなかったんだ。もう一度頼む」
「パパ」
「……そ、それはあれか? 海人族の言葉で〝お兄ちゃん〟とか〝ハジメ〟という意味か?」
「ううん。パパはパパなの」
「うん、ちょっと待とうか」
予想の斜め上だった。まさかお兄ちゃん呼びからパパになるとは、…俺は白崎が聞いたら発狂するんじゃないかと思った。
「ミュウね、パパいないの……ミュウが生まれる前に神様のところにいっちゃったの……キーちゃんにもルーちゃんにもミーちゃんにもいるのにミュウにはいないの……だからお兄ちゃんがパパなの」
「・・・・・・・」
「何となくわかったが、何が〝だから〟何だとツッコミたい。ミュウ。頼むからパパは勘弁してくれ。俺は、まだ十七なんだぞ?」
「やっ、パパなの!」
「わかった。もうお兄ちゃんでいい! 贅沢はいわないからパパは止めてくれ!」
「やっーー!! パパはミュウのパパなのー!」
南雲は、あの手この手で名前の撤回をさせようとしていたが
「南雲さん…パパとよばれてもいいでしょうが」
琥珀も何故か参加していた、琥珀は確か捨て子だったはずだ…琥珀なりになにか思うことがあったんだろうと思った。
結局、ミュウの南雲に対しての呼び方は、パパになりその他は、お兄ちゃん、お姉ちゃん呼びだった。ユエとシアがどちらがママかともめていたがミュウいわく〝ママ〟は本物のママしかダメらしい。
そんな事で南雲に仮だが娘が出来た…俺から言える事は一つくらいしかなかった。
「南雲、」
「なんだ、刀真」
「とりあえず頑張れ」
本当にこの言葉しか思いつかなかった。
前の話で杖から喋っていたキャラは今後出ませんがグランド糞野郎は、今後、出ます。