ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に   作:烙印バンザイ

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春奈「ねえ、作者」
作者「どうした?珍しいな」
春奈「私も刀真君みたいなの使えないの?」
作者「ああ、八岐怒濤みたいな」
春奈「そう、何かないの」
作者「あるにはあるけど…まだかな」


六十八話

 天井に穴が空いていてフリードは、そこから白竜と一緒に飛び立っていたが残っていた灰竜達が一斉に小極光を放ち始めた。どうやら確実に殺す気らしい。

「南雲…ここはティオに頼むしかないみたいだな」

「ティオ、よく聞け。これを持って、お前は一人であの天井から地上へ脱出しろ」

 〝ご主人様それに南雲殿よ、妾は、妾だけは最後を共に過ごすに値しないというのか? 妾に切り捨てろと、そういうのか? 妾は……〟

「そうじゃない、期限内でアンカジに静因石を届けられるのはティオしかいない。それにこの程度で俺達は死なない。神水も一応、もっているしな。だから気にせず行け」

〝任せよ!〟

 ティオは、南雲から宝物庫を受け取り飛び立った。空中でなにか叫んでいたが南雲がクロスビットをつけているので大丈夫だとおもったがしばらくすると

 ズゥドォオオオオオン!!!

「がぁああ!!」

「ルァアアアアン!!」

 何やら爆発音と叫び声が聞こえたが大丈夫だろう。

「……自爆はロマンだ」

「? ……ハジメ?」

「ハジメさん?」

「あ、やっぱり、お前か」

「ロマンでつけたの?」

 灰竜が俺達を殺そうとしていたがマグマの柱を回避するのに攻撃をする暇がなくなったのを尻目に俺達は中央の漆黒の建物へ近づいた。

 建物の壁の一部には七大迷宮を示す文様が刻まれている場所がありその前に立つと壁がスライドしてなかにはいることができた。

「一先ず、安心だな……それにしても、この部屋は振動も遮断するのか……」

「流石に流れ込んでくるのはなかったな」

「ん……ハジメ、あれ」

「魔法陣ですね」

 神代魔法の魔法陣だ。俺達は互いに頷き合い、その中へ踏み込んだ。記憶が勝手に溢れ出し迷宮攻略の軌跡が脳内に駆け巡っていた。攻略が認められたのだろうか脳内に直接、神代魔法が刻み込まれていった。

「……これは、空間操作の魔法か」

「……瞬間移動のタネ」

「ああ、あのいきなり背後に現れたやつですね」

「これは、便利だな」

「暗殺に向いていますね」

 空間操作は汎用性がよさそうだ。俺は使い方を考えていた。魔法陣の輝きが収まっていくと同時に、カコンと音を立てて壁の一部が開き、更に正面の壁に輝く文字が浮き出始めた。

〝人の未来が 自由な意思のもとにあらんことを 切に願う〟

                    〝ナイズ・グリューエン〟

「……シンプルだな」 

「……身辺整理でもしたみたい」

「ナイズさんは、魔法以外、何も残さなかったみたいですね」

「そういえば、オスカーの手記に、ナイズってやつも出てたな。すごく寡黙なやつだったみたいだ」

「まあ、ミレディよりは、こっちのほうがいいんじゃないか」

「あれは、ウザかったですからね…昔のアレを思い出すほどに」

「あ、ああ」

流石の琥珀もあのからくり屋敷の件はムカついていたらしい。

「琥珀さん、何があったんですか」

「聞かない方がいいよ」

「そうだな」

 アレを言って記憶から消している部分を思い出してもストレスが溜まるだけだからな

「……さて、魔法も証も手に入れた。次は、脱出なわけだが」

「……どうするの?」

「何か、考えがあるんですよね? たぶん、外は完全にマグマで満たされてしまってますよ?」

「流石に溶岩を固めるのはしんどい」

「もう考えついているんじゃないんですか?」

「もちろん、マグマの中を泳いで進む」

「……ん?」

「……はい?」

「へぇー」

「いや、ちゃんと説明するからそんな目で見ないでくれ。えっとな、実は、この建物のすぐ外に潜水艇を用意してある。次のメルジーネ海底遺跡で必要になるだろうと思って作っておいたものだ。果たして、マグマの中でも耐えられるか少々不安ではあったんだが、金剛で覆った小舟が大丈夫だったから、いけると踏んだんだ。やはり大丈夫だったみたいだな」

 さっきの小舟がマグマに耐えられていたのでマグマをすすむのは予想していたがメルジーナ海底遺跡で必要とはいえ準備がいいなとも思った。

「一体、いつの間にそんなこと……」

 シアが呆れたような声でいい、ユエも呆れたような目で見ていた。

「脱出ルートは、当然、天井のショートカットだ。ユエ、潜水艇の搭乗口まで結界を頼む。出来るよな?」

「んっ……任せて」

マグマの中からマグマを見ていてると変な体験だと思った。

「すぐ外だ。行くぞ!」

「んっ」

「は、はいです!」

「ああ」

「ええ」

「うん」

 潜水艦に乗り込むことができ力が抜けていたが俺はある予感をしていた。

「・・・・・・・」

「どうしたの刀真君」

「いや、これ噴火しないよな」

「あまり、フラグを立てないでください」

「いや、流石にフラグが早く回収…」

 ドォゴォオオオ!!!

「ぐわっ!?」

「んにゃ!?」

「はぅ!? 痛いですぅ!」

「うわぁ」

 ユエが、咄嗟に〝絶禍〟の応用版を発動させて自分達を引き寄せることでなんとか助かったが

「・・・・・・・」

「…刀真」

「いや、これ俺のせいか!!」

 火山の中だから嫌な予感がして噴火は起きないよなとはいったがフラグ回収が早いなと思った。…噴火は自然なものかさっきの戦闘の衝撃だから俺が悪いわけじゃないよな…そんなことをかんがえていたが南雲が操縦席までいっていたが、どうやら操縦ができないらしい。

「ちっ、これが噴火だってなら、外に放り出されて、むしろラッキーなんだが」

「……違うの?」

「ああ。マグマの中でも方向を見失わないよう、クロスビットに特定石を仕込んでおいたんだ。自爆する前に、脱出口付近に射出して置いたから、少なくとも天井のショートカットの場所はわかるんだが……この流れ、出口から遠ざかってやがる」

「えっ? それって地下に潜ってるってことですか?」

「ああ、真下ってわけじゃなくて、斜め下って感じだが……さて、どこに繋がっているのやら……ユエ、シア、刀真、遠野、佐々目。やっぱり直ぐには戻れそうにない。このまま行くとこまで行くしかないようだ」

 アンカジまで遠くなり雫やティオ、白崎にミュウとは離れるようだったが仕方がないと思った。

「……最後まで傍にいる。それが叶うなら何も問題ない」

「ふふ……文字通り、例え火の中水の中ですね。私も、お二人と一緒にいられるなら〝どこまででも〟ですよ!」

「……そうか。そうだな」

「お熱いですね」

「そうだね」

 南雲とユエ、シアは身を寄り添っていた。

「…っ、とりあえず俺は寝るよ」

「分かりました、…意外にダメージが大きかったですか?」

 そんな事を琥珀に呟かれた、琥珀は庇った時のダメージが大きかったことを気づいていたようだ

「…気づいてたのか」

「はい」

「春奈は…」

「お嬢様もおそらくは気づいてますよ」

「なんだ…なら何も言わなくても…」

「・・・・・・・」

——————

 一方、一人で脱出したティオは

「ティオ! 大丈夫!?」

「むっ、香織か……うむ、割かし平気じゃ。ちと疲れたがの」

「そんな……浄化できないなんて……」

 極光の毒素は、神水ですら解毒に時間がかかるものだ。普通の回復魔法だけではすぐに浄化はできない。

「ティオ……あの、ハジメくん達は? 一人なの? どうして……あの噴火は……」

「落ち着くのじゃ、香織。全部説明する。まずは、後ろの兵達を落ち着かせて、話せる場所に案内しておくれ」

「あっ、うん、そうだね」

「…ところで」

「え、なに」

「雫の隣にいるのは誰かのう」

「えっと、後で話すわ」

「・・・・・・・」

——————

「……ここは…なんだ?子供の部屋」

気づけば子供の部屋に居た。しかし、俺はこの部屋を知っている気がした。

「まさか…俺の部屋?」

俺はここに住んでたような気がしていた。しかし

「…俺が高校で住んでる部屋が違う」

 そう一人暮らしで住んでいる部屋にこんな部屋はなかった。それと同時に俺はある疑問を感じた

「そういえばなんで俺は中学の時、春奈の家に居候になったんだけ…それと」

そしてもう一つ疑問に思ったことがあった。それは今までは特に何も思わなかった…

「俺はなんで一人暮らししてるんだけ…そもそも…俺の家族は…っ」

何かを思い出そうとするとモヤがかかった。親の事をよく思い出そうとするとモヤがかかるのかはわからない。ただ…中学のある時期の記憶だけ空白だった。

「なんでだろう、何か…忘れているのか…大切な事のはずなのに」

親との記憶は覚えている。事故の時に病院で心配していたこと。本を読んでくれたこと。木刀で打ち合いをしたこと。それなのに…何故、自分は一人暮らしをしているのか…中学の一時期、春奈のところに居候になったのか…その理由が思い出せなかった。




 全エクストラクラスピックアップの後に水着はしんどいし石が無くなって泣きました。
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