ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に   作:烙印バンザイ

77 / 93
刀真「・・・・・・・」
琥珀「刀真…なんでご飯を食べている時に空間魔法を特訓しているんですか?というかさっきからずっとやってますよね」
刀真「まあまあ、いつか役立つ時が来るから」
 この後、3時間程度、琥珀に説教をされた


七十三話

 メイル・メルジーネの住処に刀真、雫、煉獄以外の全員が集まっていた。

「雫ちゃん達遅いね…もしかしてなにかあったのかな?」

「いえ、刀真がいるので全滅は無いと思いますが」

「もしかして両儀君も雫ちゃんと何かあったの…」

香織の言葉に春奈は、目のハイライトを無くし香織に圧をかけた。

「・・・・・・・」

「怖いよ春奈ちゃん」

「春奈さん…怖いです」

「……春奈こわい」

「ないですね、それは」

「え?どうして?」

「どうしてですか?」

「刀真ですよ」

「「「「「「え」」」」」」

「刀真ですよ」

「「「「「あ」」」」」

「え、みんなどうしたの?」

「刀真は殺気や悪意に対しては鋭いですが…自分への好意などは鈍感なんです」

「えぇ」

「しかし、いくらなんでも遅い気が……何してるんですか刀真」

「ご主人様がどうしたのじゃ琥珀」

「…みなさん全力で上に跳んで避けてください…巻き込まれます」

琥珀は春奈を抱え、南雲が白崎を抱えて跳んだ瞬間、魔法陣から大量の水が流れてきた。

ザバーーーー!

「「ああああああ!!!」」

「よし、到着」

「何してるんですか…刀真?」

————

「なるほど…面倒になり桶に乗り一気に流されたんですね」

「なんでそんな巨大な桶を持っていたんですか?」

「そんな事は置いといて早く魔法陣にいこう」

祭壇に着き、全員で魔法陣に足を踏み込んだ。いつもと同じく脳内に記憶が流れてきたが今回はそれだけでなく他の人の見た経験を共有されるらしい。南雲と白崎は俺と雫と煉獄がみた物と同じで、ユエ達春奈と琥珀がは同じものをみていたらしい。他の二組は、海底都市とも言うべき廃都にたどり着いたようだ。そこでも二国の軍隊と都内で戦争していて襲われたようだ。

 都の奥には王城らしき物がありそこの重鎮から話を聞いたらしい。どうやら魔人族が人間族の村を滅ぼした事がきっかけで、都を首都とする人間族の国が魔人族側と戦争を始めたらしい。しかし、それは人間族の陰謀だったようだ。気がついた時には収まりがつかないほど拡大していたようだ。

 陰謀を図った人間が光教教会の高位司祭のようで。しかも生贄を捧げて神の助力を得ようとしたのだ。都内から集められた数百人の女子供が、教会の大聖堂で虐殺されるという凄惨な事態となった。

 ユエ達は魔法陣の光景を思い出し顔を青くしていた。シアは今にも吐きそうになっていた。

 記憶の確認が終わり全員全員攻略者と認められたようで俺達の脳内に新たな神代魔法が刻み込まれた。

「ここでこの魔法か……大陸の端と端じゃねぇか。解放者め」

「……見つけた、再生の力」

 祭壇が光だすと人型になった。オルクスと同じようにメッセージを残したらしい。

「……どうか、神に縋らないで。頼らないで。与えられる事に慣れないで。掴み取る為に足掻いて。己の意志で決めて、己の足で前へ進んで。どんな難題でも、答えは常に貴方の中にある。貴方の中にしかない。神が魅せる甘い答えに惑わされないで。自由な意志のもとにこそ、幸福はある。貴方に、幸福の雨が降り注ぐことを祈っています」

 メッセージが終わるとメイル・メルジーネは光となって霧散した。光が収まるとメルジーネの紋章が掘られたコインが置かれていた。

「証の数も四つですね、ハジメさん。これで、きっと樹海の迷宮にも挑戦できます。父様達どうしてるでしょう~」

 ふと頭の中で「ヒャッハー!」しているハウリア族を思い出したが今は何をしているんだろう…そういえばあのクリオネが襲ってこないのは…

 そんなことを考えていると気づけば周囲の海水が水位を上げ始めた。

「うおっ!? チッ、強制排出ってかっ。全員、掴み合え!」

「……んっ」

「わわっ、乱暴すぎるよ!」

「ライセン大迷宮みたいなのは、もういやですよぉ~」

「水責めとは……やりおるのぉ」

 潜水艦に乗り込む前にあっという間に水没した。また全員が離れないようにお互いの服を掴み宝物庫から酸素ボンベを取り出した。

 海中に放り込まれた俺達は潜水艇に乗り込もうとしたが

 ズバァアアアアアアッ!!!

 巨大クリオネが潜水艦を勢いよく弾き飛ばした。

〝ユエ〟

〝凍柩!〟

 南雲の合図でユエが周囲の海水を球体状に凍らせ氷の障壁を張った。

 クリオネの攻撃により氷の障壁ごと吹き飛ばされた。

〝どうするんじゃ! ご主人様よ!南雲殿!〟

〝全員海上を目指せ。水中じゃあ嬲り殺しだ。時間は俺が稼ぐ!〟

 そう言いながら南雲は遠隔で潜水艇を操り魚雷を撃ち込んでいた。

(水中戦は、不利か…)

〝…魔法を使うから水中からでたらティオは竜化をしてくれ〟

〝な、刀真が魔法?できるのか〟

〝まあ、いけるはず〟

〝…界穿は40秒はかかる〟

〝俺も一応…潜水艇にいる時に練習してた〟

〝それ、大丈夫なの?〟

〝いえ、刀真なら大丈夫だと思います…〟

〝琥珀それはどういう事?〟

〝この場では説明は無理ですが一言で言うなら…刀真は天才で異常者ということです〟

 ————

 両儀刀真は、戦いにおいて天才だ。一度、琥珀と戦い戦闘経験は琥珀の方が多かったが最初から互角に戦っていたが時間が経つにつれ技術が上達していた。そんなことはさておき。刀真は剣士として強いがユエや春奈と同じくらい魔法の才能も高かった。空間魔法を習得してから刀真は、朝から夜まで一日中、空間魔法の特訓をやっていた。なにかを食べる時もずっとやっていたため琥珀に少し注意をされたがその結果、集中をしなくてもある程度の速度で空間を繋げられるようになり界穿などの空間魔法においてはユエよりも精度が高く使えるようになった。

 クリオネが攻撃をしようとしたタイミングで瞬時にゲートを作り全員でそのゲートを潜った。

 上空に設定していたのでティオが竜化をしてその背に俺達を乗せた。

「危なかったな」

「なあ、空間魔法て難しかったよな」

「……ん、そのはず」

「まあ、そのくらい練習したと思ってくれ」

 俺がそう言い一息をつこうとした時。

 ドォゴオオオオオオオ!!!

 ザバァアアアアアア!!!

 俺達に巨大な津波が襲いかかってきた。

「ティオ、避けろ!」

〝承知っ!〟

「――〝縛印〟〝聖絶〟!」

「〝聖絶〟」

 白崎がもし呑み込まれた時に備えて全員を繋げる光のロープを作り出し、ユエと一緒に上級防御魔法を展開する。

「ティオさん、気をつけて! 津波の中にアレがいます! 触手、来ます!」

 シアが仮定未来で見た光景を伝えたのだろう。ティオは、シアの言葉を確認することもなく、咄嗟に身をひねった。直後、津波から無数の触手が伸び、今の今までティオの居た空間を貫いていく。避けることができたが津波との差が詰まってしまった。

「ちくしょう! 全員固まれ!」

 巨大な津波が俺達を大きく呑み込んだ。ユエや白崎の障壁を張っていたので衝撃を直接受けることはなかったが壮絶な奔流によって振り回せれ海中へと逆戻りとなった。

 障壁に守られていた俺達の目の前に巨大クリオネが目の前にいた。周囲には半透明のゼリー状の物が集まっておりクリオネがデカくなっていた。

「そ、そんな……死なない上に、何でも溶かして、海まで操れるなんて……どうすれば」

「……ハジメさん。冗談抜きにキスしてくれませんか。最後くらいハジメさんからして欲しいです」

「……ふぅ、ご主人様よ。妾も、最後はキスを所望するじゃ」

「刀真君…直死でどうにかできないの?」

「直接、触れないといけないし周囲にゼリー状があるから逆にこっちがやばい…それにしても」

 前回戦った時には逃げられたのは何故か前回は逃げ切れたのに今回は前回より苦戦している…前回の違いは

「火を余り使ってない」

「…っ」

前回はティオやユエが炎系の魔法を使っていた。しかし今回は海中だ炎をどう使えば…

「作ればいいだけだっ」

 南雲は何かを思いついたのか鉱石や魚雷を取り出し何かを作り始めた。

「……ハジメ? 何か思いついた?」

「ああ。海で火を使うにはこれしかない。上手く行けば倒せるはずだ」

「ハジメくん、ホントなの!? 」

「流石、ハジメさん! 最初から信じてましたぁ!」

「……シア、お主、真っ先に諦めてキスを強請っていたじゃろうに……」

「手のひら返しすごいですね…」

「だが、時間がかかる。お前ら、頼んだぞ」

「わかった、任せろ」

 南雲は全力でなにかを錬成していた。その間、俺達はクリオネの足止めをしていた。

〝三分、せめて後、三分あれば!〟

〝よぉ、ハー坊。ヤバそうじゃねぇか。おっちゃんが手助けしてやるぜ〟

〝ッ!? こ、この声は、まさかリーさん!?〟

〝え、誰?〟

〝おうよ。ハー坊の友、リーさんだ〟

 人面魚が出てきたと思ったら巨大な魚群になりクリオネを突進して吹き飛ばした。

〝シアの嬢ちゃんも息災か?〟

「ふぇ!? えっと、は、はい! 健康ですぅ!」

〝そりゃ、重畳。で、ハー坊は何ぼさっとしてやがる。あと三分ありゃあ、悪食をどうにか出来んだろ? やること、さっさとやりな。そう長くは持たないぜ?〟

〝あ、ああ。何かよくわかんねぇけど、とにかく助かった。ありがとう、リーさん〟

 そう言いながら南雲は作業に戻った。

(なんか見たことあるけどどこだけ…)

どこかでみたようなきがしていたが気にしたらダメだと思いクリオネの足止めに戻ろうとした。リーマンの能力だろうか足止めの間も魚群がクリオネに突っ込んでいた。

〝あ、あのリーさん? でいいですか? えっと、一体何がどうなっているんですか?〟

〝ふん、別にどうってことはねぇ。この近くを適当にぶらついていたら、でっけぇ上に覚えのある魔力を伴った念話が聞こえたもんでよ。何事かと駆けつけてみりゃあ、ハー坊が悪食に襲われてるじゃねぇか。色々疑問はあったが、友の危機だ。何もしないなんて男の恥ってもんよ〟

「えーと、あの魚群は……それに悪食?」

〝悪食ってのは、あれのことだ。遥か昔、太古から海に巣食う化け物…いや、天災ってやつよ。魔物の祖先なんて言われてたりもするな。あの魚の群れは、俺の能力で誘導したんだよ。俺達の種族が使う念話には、普通の海の生物をある程度操る能力があるんでな〟

 3分が経ち、ようやく南雲が作っていた物が完成した。障壁に魚雷群が囲んでいた。

「お前は避けたりしないだろう? さぁ、たらふく喰ってくれ」

 クリオネは魚雷群を回避せずに突っ込んできたが魚雷は爆発しなかった。魚雷にはゲートが繋がっておりそこからタールが流れていた。

 タールが流れていきクリオネの体はどんどん黒くなっていた。南雲は黒くなったクリオネに対して小さな火種をつけた。

「身の内から業火に焼かれて果てろ」

 体の内側から、抗うことなど出来ない業火が一瞬の抵抗も許さず、その身を焼き尽くしていた。

 ゴォバァアアアアア!!!

 凄まじい衝撃が広がり。障壁越しからクリオネがどうなったのかを確認していないことを確認する。

「ぐっ……何とか、終わったか……」

「……ハジメ、大丈夫?」

「ハジメくん、直ぐに治すから!」

「やりましたね! ハジメさん!」

「流石、南雲殿……えぐい殺し方をする。ゾクゾクしたのじゃ」

「お疲れ様です」

「お疲れ様」

「南雲君、お疲れ様」

「なあ、ところであのリーマンは?」

俺達に協力してくたリーマンが見えなかったので全員に聞こうとしたその時。

〝よぉ、ハー坊。爆発するなら教えてくれよ。死ぬかと思ったじゃねぇか〟

〝あっ、リーさん。すまん。殺すことしか考えてなかった〟

 どうやらあの爆発の時に吹き飛ばされたいたらしい。よく生きていたなと思った。

〝まぁ、悪食殺ろうってんなら仕方ないか。何にしろ、見事だったぜ〟

〝リーさんが来てくれなかったら、マジでやばかった。ありがとうな〟

〝どういたしましてだ。まぁ、仁義を貫いただけさ。気にするな〟

〝相変わらず漢だな。流石リーさんだ。ここに居てくれた偶然にも感謝だよ〟

〝ハー坊、積み重なった偶然は、もはや必然と呼ぶんだぜ? おっちゃんがお前さんに助力できたのも必然、こうして生き残ったのも必然さ〟

 南雲とリーマ…いやリーさんは意気投合していた。その様子を後ろでは、女性陣が話していた。

〝じゃあ、おっちゃんはもう行くぜ。ハー坊。縁があればまた会おう〟

〝ああ。リーさんも元気で〟 

〝嬢ちゃん、ライバルは多そうだが頑張れよ。子供が出来たら、いつか家の子と遊ばせよう。カミさんも紹介するぜ。じゃあな〟

 そう言いリーさんは、大海に姿を消していったが…

「「「「「「「「「「結婚してたのかよぉーー!!」」」」」」」」」」

家庭もちと考えるとただのダメ親父にしか見えなかった。というか今更思い出したがたしかミュウの時に南雲がリーマンを逃したとか言っていたような。リーさんだったのかと思い出した。




○○「ようやく出番が来るかな?」
作者「もう少し先だから待て」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。