ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に 作:烙印バンザイ
作者「いや、本当すみません。ブルアカの二次創作も書きたかった…あ」
ドン!ドン!ドン!
刀真「おい、…さく、これも何回目だ」
ヘルシャー帝国は先の大戦で活躍した傭兵団が設立した新興の国で、実力至上主義を掲げる軍事国家らしい。
町の様子は淀んでいたり荒んでいるわけでもなかったが自由だが自己責任のようだった。
都内には大陸最大規模の闘技場などもあって、年に何度も種類の違う催しがなされており大いに盛り上がっているようだ。
「おい、おまえ『ドガッ!!』ぐぺっ!?」
まあ、帝都内に入った俺達だが南雲が目立たないわけもなくちょっかいをかけられては相手を沈めることを何度かやっていた。
ケンカがおきてもなにもないのはケンカは日常茶飯事なのだろう。
「うぅ、話には聞いていましたが……帝国はやっぱり嫌なところですぅ」
「うん、私もあんまり肌に合わないかな。……ある意味、召喚された場所が王都でよかったよ」
「まぁ、軍事国家じゃからなぁ。軍備が充実しているどころか、住民でさえ、その多くが戦闘者なんじゃ。この程度の粗野な雰囲気は当たり前と言えば当たり前じゃろ。妾も住みたいとは全く思わんがの」
「そうですね…私もこの空気は嫌いですね」ドガァ!!ゴギッ!!
女性陣からは帝都は不評だった。特にシアにとっては心が抉られるようなものだった。
「シア、余り見るな。……見ても仕方ないだろう?」
「……はい、そうですね」
シアの目には亜人族の奴隷達がはいっていた。帝国では奴隷売買が非常に盛んで今も、シアの目には値札のつきの檻に入った亜人族の子供が映っていた。
シアの手をユエが握っていた。南雲も南雲なりにシアを気遣っていた。
「……許せないな。同じ人なのに……奴隷なんて」
ハイリヒ王国では聖教教会の威光が高く差別意識がは見られなかったから奴隷の亜人族に慣れていないのだろう。天之河は突撃しそうだったが雫が話しかけていたり坂上は脳筋らしく煽っていたが、谷口が押さえ込んでいた。・・・・・・・今、思うが雫が抜けた後は谷口があいつらをおさえていたのだと思うと谷口まで抜けたらパーティーとして成り立たなくなるなと思った…まあ、雫が抜けた時点でガタガタのようだったらしいが。
「そう言えば、雫ちゃんって皇帝陛下に求婚されたよね?」
「……そう言えば、そんな事もあったわね」
「そうなんだ…」
女性陣はどこかニヤついた表情で雫を見る。雫は、その視線に更に顔をしかめた。ただ春奈がこちらに視線を送っていたのが気になった。
「雫はモテるから大変だな…「君かわ…」失せろ…俺は女じゃない」ドガァ!!!
「ところで刀真…」
「うん?どうした?」
「さっきから気になっていたけど後ろで倒れている人達は」
後ろには大量の男がたおれていた。
「ああ…帝都に入って俺を女と勘違いする奴が話しかけられてそれで、いつもの癖で…なんで俺は女と思われるんだろうな…」
「・・・・・・・」
全員が黙ってしまった。全員思ったは同じだから言いづらかったのだ。しかしその静寂を変えたのは
「それは、見た目が女みたいで声も男にしては高いからじゃないのか?」
「れ、煉獄!!」
煉獄だった。煉獄は全員が思っていたことを代弁していた。
「まあ、そうだろうな…でも何故か身長は伸びなくなってきたし、そういえばなんだか最近、成長が止まったような気がするんだよな…はぁああああ」
「う、うん、大丈夫だよ…たぶん」
「そ、そうよ。希望を捨てるのはまだ、早いわ…たぶん」
春奈と雫から慰めの言葉を言われたが最後にたぶんを言われる時点でむしろなにか刺さった。
「そんな事より、南雲君。具体的に何処に向かっているの?」
雫が話題を切り替えるように南雲に尋ねた。
「ん~? 取り敢えず冒険者ギルドだな。〝金〟を利用すれば大抵の情報は聞き出せる」
「……南雲君は彼等が捕まっていると考えているの?」
「それはわからない。捕まって奴隷に堕とされている可能性もあるし、何処かに潜伏している可能性もある。帝都の警備は厳戒態勢とまではいかないが異常なレベルだろ? 入ったのはいいが出られなくなったってこともあるだろうしな……」
「・・・・・・・「ねえ、そこの…ぐはぁ」…」
分からないと言っているがおそらく南雲もカム達は捕まっていると思っている。
ハウリア族達は気配操作に関しては亜人族の中でも抜けている。しかし連絡がないとなると身動きができない状態にあるとしか思えなかった。
「捕まっているなら取り返せばいいだけだ。安心しろよ、シア。いざとなれば、俺達が帝都を灰燼にしてでも取り戻してやる」
「ん……任せて、シア」
「ハジメさん、ユエさん……」
「いやいやいや、灰燼にしちゃダメでしょう? 目が笑っていないのだけど、冗談よね? そうなのよね?」
「雫ちゃん、帝都はもう……」
「諦めてる!? 既に諦めてるの、香織!?」
「俺も手伝うか?」
「刀真も参加したら誰も止められなくなるからやめて」
メインストリートを歩いていると街の様子も変わってきた。建物は崩壊していて瓦礫が散乱していた。
どうやら巨大な魔物に帝都は蹂躙され、魔人族もその機に乗じて皇帝に迫ったらしいが皇帝の自らの出陣で何とか魔物も魔人族も退けたらしい。
ただその分被害も多く亜人族の奴隷が駆り出されていた。帝国兵の監視と罵倒のの中暗く沈みきった表情で瓦礫を運んでいた。亜人族は体のポテンシャルがあってもあそこまで酷使されてしまったら倒れる者も現れる。
あの族長の孫は復興のために売りに出されたのだと思った。
俺達から少し離れたところで犬耳犬尻尾の少年が瓦礫に躓いて派手に転び、手押し車に乗せていた瓦礫を盛大にぶちまけてしまった。
帝国兵の監視は棍棒を構えながら少年に近づいていた。
「おい! やめっ……」
「ちっ…」
ペシッ!!
俺は拾っていた小石を指で帝国兵目掛けてとばした。南雲も何かしようとしていたが俺が飛ばした小石は帝国兵の鎧をえぐり体を吹き飛ばした。
同僚の帝国兵が慌てて駆けつけて、容態を見たあと辺りを見渡しどこかへ運んでいった。少年はすぐさま瓦礫を運搬する仕事に戻っていた。
「はあ、おい天之河…お前今回の目的分かってるよな。ただでさえ、目立つのにこれ以上目立つな迷惑だから」
「今のは両儀か…それよりも迷惑だと」
また、天之河の病気みたいなものがでてきた。倫理やら正義の価値観を訴え出してきた。
「お前は、あの亜人族の人達を見て、何とも思わないのか! 見ろ、今、こうしている時だって、彼等は苦しんでいるんだぞ!」
別になにも思わないわけではないが奴隷に関していえば俺がどういっても変わるわけではない。
「今回の目的は奴隷の解放じゃない、目的を見失うな……それに正義感を持つのは勝手だけど人に押し付けるな…いい加減そんな考えなしに行動するのはやめろ…ここは元の世界と違うし俺達が住んでいた世界というか現代日本のような価値観は通用しない…お前はこの世界に来たころこの世界の人のためとか言ってクラスメイトにも戦争に参加しようー…とかほざいていたが今でも言えるのか?」
「それは…」
「言えないのなら黙れ…さえずるな…奴隷を見たくなかったら王都に強制送還させてもいいけど…ちなみにこれは天之河だけに言ったつもりはないからな」
「……っ」
あまりにもうるさかったので黙らせた。何かを言いだけにしていたが天之河達は微妙な雰囲気で冒険者ギルドについた。
「情報をもらいたい。ここ最近、帝都内で騒動を起こした亜人がいたりしなかったか?」
「……そういう情報はあっちで聞いて」
受付嬢がバーカウンターを指差していた。受付嬢は、それだけ言うと自分の仕事はやり遂げたというように視線を明後日の方向に向けてしまった。
「ここは酒場だ。ガキが遠足に来る場所じゃない。酒も飲まない奴を相手にする気もない。さっさと出て行け」
なにやら南雲が内心でニヤニヤしているように見えた。
「もっともだな。マスター、この店で一番キツくて質の悪い酒をボトルで頼む」
「……吐いたら、叩き出すぞ」
「な、南雲君? そ、それを飲む気なの? 絶対、やめた方がいいと思うわよ?」
「そ、そうだよ。絶対、吐いちゃうって。鈴なんか既に吐きそうだよ」
「っていうかハジメくん、どうせ飲むならもっといいお酒にしようよ」
「香織さんの言う通りですよ、ハジメさん。どうしてわざわざ質の悪いのを……」
「いや、味わう気もないのに、いい酒をがぶ飲みなんて……酒に対する冒涜だろう?」
南雲の発言に酒場のマスターは楽しそうに笑みを浮かべていた。どうやら南雲の今の発言は好印象だったようだ。
南雲はボトルをもの数秒で飲み切った。南雲の様子を見てあまり酔っていないのは毒耐性のおかげなのだと考えていた。
「……わかった、わかった。お前は客だ」
「……で? さっきの質問に対する情報はあるのか? もちろん、相応の対価は払うぞ」
「いや、対価ならさっきの酒代で構わん。……お前が聞きたいのは兎人族のことか?」
「! ……情報があるようだな。詳しく頼む」
どうやら数日前に兎人族が帝国兵を蹴散らし逃亡を図ったとんでもない集団がいたが、帝国兵に包囲され全員、城に捕まったらしい。
「へぇ、城にね……」
「マスター、言い値を払うといったら、帝城の情報、どこまで出せる?」
「! ……冗談でしていい質問じゃないが……その様子を見る限り冗談というわけじゃなさそうだな……」
マスターの表情が強張っていたがしばらくして答えた。
「……警邏隊の第四隊にネディルという男がいる。元牢番だ」
「ネディルね。わかった、訪ねてみよう。世話になったな、マスター」
「あの、ハジメさん。さっき元牢番の人を紹介してもらったのは、もしかして……」
「ああ。詳しい場所を聞いて、今晩にでも侵入するつもりだ。今から、俺とユエで情報を仕入れてくるから、お前等は適当な場所で飯でも食っててくれ。二、三時間で戻るからよ」
シアや白崎が文句を言っていたがなぜユエと二人なのか理由を聞くと再生魔法がいて無理矢理聞くからということで納得した。
ちなみに数時間後、俺たちの前でツヤツヤになった二人が現れたのだが…触れてはいけない気がしたのでなにがあったのかは二人しか知らない。
他のやつと両立させるのが難しいから書く頻度が下がっていました。もとから不定期なのでさらに遅くなるかもしれませんが読み続けてもらえると嬉しいです。