ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に   作:烙印バンザイ

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刀真「そういえば俺はどのくらい弱体化されるんだ?」
作者「うん?あ、まず蛇行剣…の能力が使えない。身体能力が通常より低下」
琥珀「ちなみにどのくらいの強さなんですか?」
作者「え?えっと南雲とユエとシアと戦って6.3.1くらい」
琥珀「弱体化してるんですか?というか1はなんですか?」
作者「してるよ一応、1は相打ち」


八十五話

南雲達がカムを救出し、ゲートでハウリアやティオ達が待機している岩石地帯に空間転移してきて南雲達はハウリア達の熱狂的な歓迎をうけた。

「……何のつもりだ、八重樫?」

 雫が黒刀で南雲を殴りかかっていた。

「……ストレス発散のために南雲君に甘えてみただけよ。大丈夫、私は、南雲君を信じているわ。そのマリアナ海溝より深い度量で受け止めてくれるって……だから大人しく! 私に! タコ殴りに! されなさい!」

「……あ~、うん、ピンクはそんなに嫌だったのか? ……良かれと思って用意したのに」

「嘘おっしゃい! あなたの意図はわかっているのよ! 絶対、悪ふざけでしょ! 何となく雰囲気に流されたけど! ある意味、自業自得ではあるけれど! 一発、殴らずにはいられない、この気持ち! 男なら受け止めなさい!」

「んな、理不尽な……というか、そういうことなら刀真にすればいいだろが…」

「な、なんで刀真に……というかその刀真は?」

 陽動中に琥珀と春奈と戦っているところを見かけていたがその後は見ていなかった。

「ここだ…」

「え?刀真それにしては声が…なんなのその格好は」

 そこには女服を着た声が高くなった刀真が立っていた。

「聞くな…」

「あれ両儀君?」

「なんで女の子の服を着てるの?」

「……聞くな」

 元々顔立ちが女ぽっく声を男性にしてはやや高めだったが更に声が高くなり女性ぽっくなっていた。

「ご、ご主人……その姿は…」

「刀真、まさか」

「ああ…また飲まされた…」

琥珀と春奈によりまた性別転換の薬を飲まされた。

「刀真…次はこれを…」

「刀真くん元から髪が少し長めだから少し結ばせて」

「はあああぁぁぁ…」

 こういう時にテンションが高くなる琥珀と何故かノリノリになっている春奈をみてため息が止まらなかった。

その頃、南雲とカムは話し合っていた。

「で? 捕虜になった言い訳がしたいわけじゃねぇんだろ? さっさと本題を言え」

「失礼しました、ボス。では、本題ですが、我々ハウリア族と新たに家族として向かえ入れた者を合わせた新生ハウリア族は……帝国に戦争を仕掛けます」

 「何を、何を言っているんですか、父様? 私の聞き間違いでしょうか? 今、私の家族が帝国と戦争をすると言ったように聞こえたんですが……」

「シア、聞き間違いではない。我等ハウリア族は、帝国に戦争を仕掛ける。確かにそう言った」

「ばっ、ばっ、馬鹿な事を言わないで下さいっ! 何を考えているのですかっ! 確かに、父様達は強くなりましたけど、たった百人とちょっとなんですよ? それで帝国と戦争? 血迷いましたか! 同族を奪われた恨みで、まともな判断も出来なくなったんですね!?」

「シア、そうではない。我等は正気だ。話を……」

「聞くウサミミを持ちません! 復讐でないなら、調子に乗ってるんですね? だったら、今すぐ武器を手に取って下さい! 帝国の前に私が相手になります。その伸びきった鼻っ柱を叩き折ってくれます!」

 シアは全身から淡青色の魔力を噴き出し物理的圧力をもって威圧する。その迫力は一部を除く異世界チート組を遥かに凌ぐものだった。

 二人が睨み合う中、南雲がシアの尻尾を鷲掴みにしてモフモフしていた。

「ひゃぁん!? だめぇ、しょこはだめですぅ~! ハジメしゃん、やめれぇ~」

「どうだ、少しは落ち着いたか? カムの話はまだ終わっていないんだ。ぶっ飛ばすのは全部聞いてからでも遅くはないだろ?」

「うっ……そうですね……すいません。ちょっと頭に血が上りました。もう大丈夫です。父様もごめんなさい」

「家族を心配することの何が悪い? 謝る必要などない。こっちこそ、もう少し言葉に配慮すべきだったな。……最近どうも、そういう気遣いを忘れがちでなぁ。……それにしても、くっくっくっ」

「な、なんですか、父様、その笑いは……」

「いや、お前が幸せそうで何よりだと思っただけだ。……ボスには随分と可愛がられているようだな? うん? 孫の顔はいつ見られるんだ?」

「なっ、みゃ、みゃごって……何を言ってるんですか、父様! そ、そんなまだ、私は……」

「そんなことはさておきなんでそんな話をした?」

「副教官!?その格好はそれにその声は…?」

「聞くな……それで何故、その話をした?俺たちに協力を促すつもりか?」

「ははっ、それこそまさかですよ。ただ、こんな決断が出来たのも、全てはボスや教官、副教官に鍛えられたおかげです。なので、せめて決意表明だけでもと、そう思っただけですよ」

「それで、何故そんな無謀な事をしようと思った。」

カムは理由を話し始めた。

「先程も言った通り、我等兎人族は皇帝の興味を引いてしまいました。それも極めて強い興味を。帝国は実力至上主義を掲げる強欲な者達が集う国で、皇帝も例には漏れません。そして、弱い者は強い者に従うのが当然であるという価値観が性根に染み付いている」

「つまり、皇帝が兎人族狩りでも始めるって言いたいのか? 殺すんじゃなくて、自分のものにするために?」

「肯定です。尋問を受けているとき、皇帝自らやって来て、〝飼ってやる〟と言われました。もちろん、その場でツバを吐きかけてやりましたが……」

 皇帝に唾を吐いたという発言に天之河達は驚いていた。本当にハウリア族はたくましくなったみたいだった。

「しかし、逆に気に入られてしまいまして。全ての兎人族を捕らえて調教してみるのも面白そうだなどと、それは強欲そうな顔で笑っていました。断言しますが、あの顔は本気です。再び樹海に進撃して、今度はより多くの兎人族を襲うでしょう。また、未だ立て直しきれていないフェアベルゲンでは、次の襲撃には耐え切れない。そこで、もし帝国から見逃す代わりに兎人族の引渡しでも要求されれば……」

「なるほどな。受身に回れば手が回らず、文字通り同族の全てを奪われる……か」

「肯定です。ハウリア族が生き残るだけなら、それほど難しくはない。しかし、我等のせいで、他の兎人族の未来が奪われるのは……耐え難い」

 どうやらカム達は思っていた以上に追い込まれていた。ハウリア族の態度が気に入られたため。強い兎人族に興味を持ったようだ。ハウリア族なら生き残れるが…他の兎人族…弱い兎人族は殺されるかもしくはおもちゃになるというところだろう。

「だが、まさか本気で百人ちょいなんて数で帝国軍と殺り合えるとは思っていないだろう?」

「もちろんです。平原で相対して雄叫び上げながら正面衝突など有り得ません。我等は兎人族、気配の扱いだけはどんな種族にも負けやしません」

 カムはニヤリと笑い南雲はカムの意図を汲み取った。

「つまり、暗殺か?」

「肯定です。我等に牙を剥けば、気を抜いた瞬間、闇から刃が翻り首が飛ぶ……それを実践し奴らに恐怖と危機感を植え付けます。いつ、どこから襲われるかわからない、兎人族はそれが出来る種族なのだと力を示します。弱者でも格下でもなく、敵に回すには死を覚悟する必要がある脅威だと認識させさます」

「皇帝の一族が、暗殺者に対する対策をしていないと思うか?」

「もちろんしているでしょうな。しかし、我等が狙うのは皇帝一族ではなく、彼等の周囲の人間です。流石に、周囲の人間全てにまで厳重な守りなどないでしょう。昨日、今日、親しくしていた人間が、一人、また一人と消えていく。我等に出来るのは、今のところこれくらいですが、十分効果的かと思います。最終的に、我等に対する不干渉の方針を取らせることが出来れば十全ですな」

 確かに皇帝の暗殺よりかは現実的だった。だがそれでは恐怖を植え付けるのに時間がかかってしまうさらに報復されさる可能性があり極めて分の悪い賭けだった。

 ハウリア族の顔を見てみると全員、覚悟が決まっていた。

「……父様……みんな……」

「シア、そんな顔をするな。以前のようにただ怯えて逃げて蔑まれて、結局蹂躙されて、それを仕方ないと甘受することの何と無様なことか……今、こうして戦える、その意志を持てることが、我等はこの上なく嬉しいのだ」

「でも!」

「シア、我等は生存の権利を勝ち取るために戦う。ただ、生きるためではない。ハウリアとしての矜持をもって生きるためだ。どんなに力を持とうとも、ここで引けば、結局、我等は以前と同じ敗者となる。それだけは断じて許容できない」

「父様……」

「前を見るのだ、シア。これ以上、我等を振り返るな。お前は決意したはずだ。ボスと共に外へ出て前へ進むのだと。その決意のまま、真っ直ぐ進め」

 天之河が騒ごうとしていたが機嫌が悪い雫によって黙らされた。

「シア」

「ハジメさん……」

 シアは僅かながら期待の目で南雲を見た。

「今回の件で俺が戦うことはない」

「っ……そう、ですよね」

「おい、こら、早とちりするな。戦わないが、手伝わないとは言ってないだろう?」

「そうだな…」

「そうですね」

「ふぇ?」

「今回の件は、ハウリア族が強さを示さなきゃならない。容易ならざる相手はハウリア族なのだと思わせなきゃならない。この世界において亜人差別が常識である以上、俺が戦って守ったんじゃあ、俺がいなくなった後に同じことが起きるだけだからな。何より、カム達の意志がある。だから、俺は一切、戦うつもりはない」

 南雲はシアを撫でカム達に視線を向ける。

「だが、うちの元気印がこんな顔してんだ、黙って引き下がると思ったら大間違いだぞ?」

「し、しかし、ボス……なら、一体……」

「カム、そしてハウリア族。こいつを泣かせるようなチンケな作戦なんぞ全て却下だ。お前等は直接、皇帝の首にその刃を突きつけろ。髪を掴んで引きずり倒し、親族、友人、部下の全てを奴の前で組み伏せろ。帝城を制圧し、助けなど来ないと、一夜で帝国は終わったのだと知らしめてやれ! ハウリア族にはそれが出来るのだと骨の髄に刻み込んでやれ! この世のどこにも、安全な場所などないのだと、ハウリア族を敵に回せば、首刈りの蹂躙劇が始まるのだと、帝国の歴史にその証を立ててやれ!」

 辺りは静寂になった。南雲は周囲を見渡し怒声をはなった。

「返事はどうしたぁ! この〝ピー〟共がぁ!」

「「「「「「「「「ッ!? サッ、Sir,Yes,Sir!!」」」」」」」」」

「聞こえねぇぞ! 貴様等それでよく戦争なんぞとほざけたなぁ! 所詮は〝ピー〟の集まりかぁ!?」

「「「「「「「「「「Sir,No,Sir!!!」」」」」」」」」」

「違うと言うなら、証明しろ! 雑魚ではなく、キングをやれ!!」

「「「「「「「「「「ガンホー! ガンホー! ガンホー!」」」」」」」」」」

「貴様等の研ぎ澄ました復讐と意地の刃で、邪魔する者の尽くを斬り伏せろ!」

「「「「「「「「「「ビヘッド! ビヘッド! ビヘッド!」」」」」」」」」」

「膳立てはするが、主役は貴様等だ! 半端は許さん! わかってるな!」

「「「「「「「「「「Aye,aye,Sir!!!」」」」」」」」」」

「宜しい! 気合を入れろ! 新生ハウリア族、百二十二名で……」

「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」

「帝城を落とすぞ!」

「「「「「「「「「「YAHAAAAAAAAAAAAAA!!!!」」」」」」」」」」

 岩石地帯には闘志と殺気の雄叫びが響き渡った。

「……うぅ~、シズシズ、あの人達こわいよぉ~」

「大丈夫よ、鈴。私も怖いから……ていうか南雲君の発想とノリも十分怖いけど」

「南雲の奴……へへ、まさかハー○マン先生を取り入れていたとはな、やるじゃねぇか」

「龍太郎!? なんで、ちょっと親近感持ってるんだ!? どう見ても異常な雰囲気だろ!?」

 一人リスペクトしている奴がいたがそんなことは気にせず俺も何かいう事にした。

———————

「とりあえず…帝都に攻める前まで訓練を俺と琥珀でつけるからその辺はあしからず」

 また、静寂に包まれた。その静寂をやぶるように一人が発言した。

「教官は分かりますが副教官はどうしたんですか?その格好は…」

「聞くな…」

「それにボスや教官なら分かりますが副教官は…」

「おい…」

「たしか男だったのにいまなら「…しい…」え?」

「刀真?」

「両儀どうしたんだ?」

全員が刀真の雰囲気の変化に気づいた。

「やかましいわ…少し黙れ!このピーのピーどもがあああ!!!」

「「「「「「「「「!? サッ、Sir,Yes,Sir!!」」」」」」」」」

「ご、ご主人様?」

「黙れといっただろうがこのピーーのピー共」カチッ

 ズドン!ズドン!ズドン!

 刀真は加減した剣圧を文句を言っていた兎人族に放った。

「「「ええええ!」」」

「り、理不尽…」

「刀真君?」

「あ、刀真のスイッチが入ってしまいました…」

「スイッチ?」

 琥珀いわく、刀真の機嫌があるいみ悪くなっていきなにかのスイッチを押してしまったようだった。

「確かに…今、俺は性別転換で身体能力や一定の能力が使えなくて弱体化しているが貴様らのようなピーでピーー共などに負けるつもりはない…準備しろこれから全員まとめて訓練だ!!…さてピーでピー共…早速やるぞ」

 一人、興奮を抑えようとしない変態がいたが誰もきにしなかった。

その後、スイッチが入った刀真による訓練…ハウリア族や兎人族にとっての地獄が朝になるまで続いた。

 岩石地帯では衝撃波の音と罵詈雑言の音が聞こえた。その訓練に私達も巻き込まれ琥珀以外の全員があの夜はある意味忘れられない物になった。




「単体アルタエーゴ欲しいな…そうだメルトリリスひこ」
作者…ガチャ10連
「あ、止まった…」
 ルーラー
「ルーラー?」
 アストライア
「…単体だけどさあ違うんだよな」
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