ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に 作:烙印バンザイ
刀真「どうしたんだ作者ついに壊れたか?」
作者「いや元から壊れてるから問題ない。ただ気分リセマラをしててあまりにもフラグ回収をひていたから笑ってた。」
刀真「そうか……ところで琥珀の強化案は思いついたのか?」
作者「思いついてはいるんだがいつ追加しようか困ってる。むしろ春奈のタイミングも困ってる」
一般的に人間が得る情報のなかで視覚は約八割だと言われている。それならば…もし急に視覚が使えなくなればどうなるのか。
「なんだ!? なにが起こった!?」
「いやぁ! なに、なんなのぉ!?」
帝国貴族達は混乱と動揺で声を震わせていた。
「狼狽えるな! 魔法で光をつくっがぁ!?」
「どうしたっギャァ!?」
「何が起こっていっあぐっ!?」
冷静だった者は指示を出しながら魔法で光球を作り出し灯りを確保しようとする。しかし、直後に倒れ込む音が響きわたり。同時に貴族達の悲鳴が響く。
「予想以上に混乱しているな……特に令嬢とかが」
「おそらくこういったことに慣れていないのでしょう」
((お嬢様って襲われる物じゃないんだ…))
「お嬢様、刀真…お二人が考えているようにいくら家柄が良くても一カ月に一回襲われる訳ではありません。ただ他と比べて特殊なだけです。」
どうやら春奈も同じ事を考えていたようだが琥珀に考えていることを読まれて指摘されてしまった。相変わらずだが琥珀はたまにエスパーかと思う時がある。……魔眼持ちではあった。
ちなみに現在、俺達はハウリアの邪魔にならないように端にいるのだが南雲達はどうやら反対側の端にいるようだ。
「落ち着けぇ! 貴様等それでも帝国の軍人かぁ!」
暗闇の中、ガハルドの声がパーティー会場に響き渡る。ガハルドの喝は恐怖と陥りかけていた帝国貴族達を立て直させた。しかしパーティー会場はアイツらの有利な状態になっている。
ヒュ! ヒュ! ヒュ!
「っ!? ちっ! こそこそと鬱陶しい!」
暗闇の中で矢の位置を特定して剣で捌いているのは流石と言えるだろう。しかし四方から正確に矢を撃たれているので防戦一方だった。
ガハルドの喝で冷静を取り戻した者達も灯りとして火球を作り出すことに成功したのだが黒い影のような物が風を切りながら横切る。
「ッ!? 何者っげぶっ!?」
貴族はその影に火球を放とうとしたが一瞬で身体から首が落ちていった。
「暴れてるな今夜の主役達は」
「そうですね」
「そうだね……今は暗闇だから分からないけど。たぶんすごいことになってるよね。」
「ひっ、ば、化け物ぉ~!」
「し、死にたくないぃ~、誰かぁ!」
腰を抜かした者の多くは令嬢や文官達は何もできないまま手足の腱を切られていた。
「文官や令嬢はさておき、実力主義とは聞いていたけどアレは流石だな」
ガハルドなどの猛者達は仲間の気配を頼りに集まり陣形をとっていた。背中合わせになり人の中央の術者が詠唱を任されていた。ガハルドも注意するべき範囲が半分になったので矢を叩き落としながら詠唱をしていた。
十に近い火球ができ明かりが広がっていった。
「ついに明かりがついたね」
「そうですね…あれはお嬢様、これとこれを」
「うん、ありがとう」
カッ!
キィイイイイイン!!
強烈な光と莫大な音がガハルド達を襲った。あれは南雲が作った強力なスタングレネードだ。
ハウリアとの訓練で俺や琥珀も使われたのだが…
「あれは少し驚いたな」
「そうですね」
「いやいや、二人は視覚と聴覚が使えなくなっても普通に戦ってたでしょ…むしろカムさん達の方が逆に驚いてたよ…本当にどうやったら二つも感覚が使えない状態であんな動きができるの?」
「私も似たような物を使った事があるので」
「俺は刀の修業で二つの感覚を使わないで立ち合いとかしてたから」
あの時は目隠しと耳栓で二つの感覚を使えなくして爺ちゃんの門下生達と立ち合いをした事があった。
「まあ、門下生の後に父さんに叩きのめされたけどな」
門下生までは勝てたががその後の父さんに負けた。しかも父さんは何十キロか分からなかったが重りをつけていた。
「本当に何だったんだろうな俺の父親は」
「そうですね……私も一度手合わせをしてもらいましたが結果は惨敗ですね。本当に同じ生き物なのかと疑わしいくらいに思いましたよ。」
「そうだったの?」
「そうですね」
「ああ」
おそらく今の南雲達と比べても父さんが勝つと思っている。これに関しては身内贔屓でも冗談でもない。
「まあ、向こうはそろそろか」
当時の話をしていて少しだけ目を離していたがどうやらガハルドとの戦い大詰めをむかえていた。
「っ! なんだっ? 体が……」
ガハルドがふらつき始めそれを待っていたと言わんばかりに四方からハウリア達が飛びかかった。
何とかそれを弾き返していたが絶妙なタイミングで矢が放たれふくらはぎを貫いた。
「ぐぁ!」
ガハルドは膝をおりその間に腕と足の腱を切断された。悲鳴はあげなかったがガハルドはうつ伏せに倒れた。
パーティー会場は静寂に包まれた。暗闇で視覚が閉ざされていても理解していたのだ…ヘルシャー帝国皇帝の敗北を。
ハウリアの一人がガハルドに近づき薬を飲ませていた。
「ふん、魔物用の麻痺毒を散布してここまで保つとはな」
「くそがっ、最初からそれが狙いだったか……」
カムから体の不調の原因を聞き悪態をついていた。そんなガハルドに突如、スポットライトように頭上から光が差し込んだ。
反対側では南雲に羽交い締めにされて口元を塞がれていたがそれは見なかった事にした。
「さて、ガハルド・D・ヘルシャーよ。今生かされている理由は分かるな?」
「ふん、要求があるんだろ? 言ってみろ、聞いてやる」
「……減点だ。ガハルド。立場を弁えろ」
カムは機械のような声音で忠告を発した。
突如、ガハルドから少し離れた場所にスポットライトが当たった。そこにはガハルドと同じように手足の腱が切られた男がいた。ガハルドと違うところをあげるなら詠唱封じのために口元も裂かれている所だろう。スポットライトの外から腕だけが伸びてきた。髪を掴み男を膝立ちさせると男の首は斬り飛ばされた。
「てめぇ!」
「減点」
「ベスタぁ! このっ、調子にのっ――」
「減点」
「……」
「そうだ、自分が地を舐めている意味を理解しろ。判断は素早く、言葉は慎重に選べ。今、この会場で生き残っている者達の命は、お前の言動一つにかかっている」
言葉と同時にガハルドの首にはネックレスがつけられた。
「それは〝誓約の首輪〟。ガハルド、貴様が口にした誓約を、命を持って遵守させるアーティファクトだ。一度発動すれば貴様だけでなく、貴様に連なる魂を持つ者は生涯身に着けていなければ死ぬ。誓いを違えても、当然、死ぬ」
「誓約……だと?」
「誓約の内容は四つだ。一つ、現奴隷の解放、二つ、樹海への不可侵・不干渉の確約、三つ、亜人族の奴隷化・迫害の禁止、四つ、その法定化と法の遵守。わかったか? わかったのなら、〝ヘルシャーを代表してここに誓う〟と言え。それで発動する」
「呑まなければ?」
「今日を以て帝室は終わり、帝国が体制を整えるまで将校の首が飛び続け、その後においても泥沼の暗殺劇が延々と繰り返される。我等ハウリア族が全滅するまで、帝国の夜に安全の二文字はなくなる。帝国の将校達は、帰宅したとき妻子の首に出迎えられることになるだろう」
「帝国を舐めるなよ。俺達が死んでも、そう簡単に瓦解などするものか。確実に万軍を率いて樹海へ侵攻し、今度こそフェアベルゲンを滅ぼすだろう。わかっているはずだ。奴隷を使えば樹海の霧を抜けることは難しくない。戦闘は難しいが、それも数で押すか、樹海そのものを端から潰して行けば問題ない。今まで、フェアベルゲンを落とさなかったのは……」
「畑を潰しては収穫が出来なくなるから……か?」
「わかってるじゃねぇか。今なら、まだ間に合う。たとえ、奴の力を借りたのだとしても、この短時間で帝城を落とした手際、そしてさっきの戦闘……やはり貴様等を失うのは惜しい。奴隷が不満なら俺直属の一部隊として優遇してやるぞ?」
ハウリアが優勢のはずがまだガハルドは強気だった。
「論外。貴様等が今まで亜人にしてきた所業を思えば信じるに値しない。それこそ〝誓約〟してもらわねばな」
「だったら、戦争だな。俺は絶対、誓約など口にしない」
「そうか。……減点だ、ガハルド」
「離せェ! 俺を誰だと思ってやがる! この薄汚い獣風情がァ! 皆殺しだァ! お前ら全員殺してやる! 一人一人、家族の目の前で拷問して殺し尽くしてやるぞ! 女は全員、ぶっ壊れるまでぇぐぇ――」
皇太子は喚き声を撒き散らしていたが今夜の主役(帝国側)の皇太子の首は呆気なく斬り飛ばされた。
作者「貴方達の親は(育て親)はなにをしてなにをしてた?」
春奈「え?魔術師」
琥珀「魔術師殺し…」
刀真「剣術家と不明…」
3人「「「……え?」」」
刀真「いや母親がなにやってたのか知らないんだよな」