ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に   作:烙印バンザイ

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琥珀「作者、すこし歯を食いしばりなさい」
作者「待て待て待てなんで?」
琥珀「それは」
作者「それは?」
琥珀「何でお嬢様が出てないんですか!!」
作者「理不尽すぎ…ぐふっ」


九十話

この空間にいるのは何度目だろうか…偶に夢の中で俺が殺した相手に会う。

「何回も話していたけど…今回はいつもと違うね。」

 何回も夢として会ったことはあったが今回は少しいつもと違った。

「ああ、よく分からないけど少し違うな。」

「ねえ、刀真君…少し話そう。」

「話すことか…なにを話すんだ?」

「それは……刀真君は……」

「……」

春乃と話した事は最近、俺が考えている事だった。

ドカーーン!!

急に爆発音が鳴り響いた。

「そろそろだね。じゃあまたね」

春乃がそういうと俺の意識は引っ張られた。

———— 

 ドカーーーン!!!

「何の音だ?」

 あれから飛行艇でフェアベルゲンに向かっていた。本当ならゲートホールで一瞬で樹海まで行くことができるが奴隷解放の演出のため下に巨大な籠をつけて空を飛んでいた。

 下に亜人族を数千人もの人を乗せた状態で飛行させているので魔力消費が激しいらしいが魔力運用の訓練も兼ねて南雲が運転している。

 俺はまあ、南雲に運転を丸投げして寝ていたのだが甲板からなにか爆発音が聞こえてきた。

 とりあえず俺は南雲達がいるブリッジに向かった。

「あれ?他…というか女性陣は?」

そこにいたのは南雲と坂上と天之河がいたが女性陣がいなかった。

「ああ、実は」

 どうやら甲板で戦闘が行われているようだ。ユエが白崎を煽ったのが原因でそこから何人か巻き込まれていったようだ。

「そういえば…あの皇帝は?」

「あ〜?甲板に出ていっ……あ」

「「あ…」」

 爆発音は樹海が見えてくるまで鳴り響いていた。どうやら皇帝も甲板にいたようだったがどうなったのかは見てみたのだが…一応無事だった。

————

 中年くらいのの垂れた犬耳を付けた女性がフラフラした足取りで名前を呼んでいた。

「……ザック。ザックかい?」

 再会した二人は涙を流しながら抱き合った。

「母さん!」

「ザック!」

 親子の再会を期に帰ってきた亜人族とフェアベルゲンの住民は歓声を上げながら走り出し互いに無事を喜び合っていた。

 そんな喧騒の中、アルフレリックを始めとした長老達が南雲に駆け寄ってきた。

「少年……全く、とんでもない登場をしてくれたな」

「ん? ああ、アルフレリックか。まぁ、色々面倒だったんで、大目に見てくれ」

 アルフレリックは頭上の折れた樹々をみながら苦笑いを浮かべていた。流石の南雲もバツの悪そうな表情になっていた。

「悪い、ユエ。頼めるか?」

「ん……任せて」

 南雲に頼まれたユエが再生魔法で折れた樹々を復元していた。その様子を見て疲れたように眉間の皺を揉みほぐしていた。

「お祖父様、お気持ちは察しますが、そろそろ……」

「む、そうだな。少年……いや、南雲殿。大体の事情はカムから聞いている。にわかには信じられない事ではあるが、どうやら本当に同胞達は解放されたようだ。おそらく、今、私達は歴史的な瞬間に立ち会っているのだろう。まずは、フェアベルゲンを代表して礼を言わせてもらう」

「言っておくが、事を成したのはハウリア族だぞ。そこは間違えないでくれよ?」

「ああ、もちろんだ。ハウリア族がいなければ、そもそも先の襲撃だけでフェアベルゲンは壊滅していたかもしれん。それも合わせて考えれば、信じざるを得んだろう。ふふっ、まさか、追放した最弱のはずのハウリア族が帝国を落とすとは……長生きはしてみるものだ」

 アルフレリックの隣にいたカムはなにかを思いついたのかハンドサインをした。

 すると、ハウリア達が急に現れて統率のとれた動きで整列した。

「同族達よ。長きに渡り、屈辱と諦観の海で喘いでいた者達よ。聞け。此度は、帝国に打ち勝つことが出来たが、永遠の平和など有り得ない。お前達の未来は、そう遠くない内に再び脅かされるだろう」

 急に演説が始まった。

「そうなれば、お前達はまた昨日までの日々に逆戻りだ。それだけではない。今度は、奴隷を免れていた仲間も同じ目に遭うかも知れない」

 兎人族に言っているようだったが他の亜人族も達も伏し目がちとなっていた。

「いいわけがないな? なら、どうすればいいか。簡単だ。今、隣にいる大切な者を守りたいと思うなら……戦え。ただ搾取され諦観と共に生きることをよしとしないなら……立ち上がれ。兎人族の境遇を変えたいと願うなら……心を怒りで充たせ! 我等ハウリア族はそうした! 兎人族は決して最弱などではないのだ! 決意さえすれば、どこまでも強くなれる種族なのだ! 我等がそれを証明しただろう!」

 カムの演説に俯いていた兎人族達の顔が上がっていた。

「帝国で受けた屈辱を思い出せ。不遇な境遇に甘んじるな。大切な者は自らの手で守り抜けっ。諦観に浸る暇があるなら武器を磨け! 戦う術なら我等が教えよう。力を求め、戦う決意をしたのなら、我等のもとに来るといい。ハウリア族は、いつでもお前達を歓迎する!!」

 演説は終わりハウリア達は散会して一瞬で姿をくらませた。

「ボス、お話の最中に失礼しました。ちょうど人材確保にタイミングが良かったもので」

「ああ、別にそれはいいけどよ。……お前も言うようになったなぁ~。その内、兎人族はハウリアで統一されるんじゃないか?」

「はっはっはっ、そうなれば恐いものなしですな!」

「……最近、父様の言動が益々ハジメさん風になってきてますぅ。そう遠くない内に、〝温厚な兎人族〟は絶滅する気がしますよ」

 シアの言う通り、俺達が来る前までの兎人族は絶滅するのは時間の問題だろう。ある意味、カム達兎人族にとっていい事なのかもしれない。

その後、俺達は広間に案内された。

——

 あの後、カムは同盟種族の地位と自分達の土地を提案して長老達を疲れさせていた。

 ちなみに帝国の皇帝は長老達と会わせてそのまま雑に帝国に帰らせていた。その時、リリアーナ王女は嬉しそうにしていた。

 まあ、その王女さんも王国に送り返したのだが送り返してほしいと言われるまで忘れられていたようだった。

 俺達は話が終わるとフェアベルゲンで滞在するための部屋に案内された。

 俺はフェアベルゲンを歩いていた。

「……ん?」

 歩いていると南雲とシアが話していた。楽しそうに話していたので俺は二人から離れ歩き続けた。

「ふぅ…ところでお前は春奈のところに居なくていいのか?」

「お嬢様は雫さんとティオと3人で話しています。……それで刀真、あなたは何でここにいるんですか?」

「……まあ、気分…そっちは?」

「……私も」

「そうか…」

 しばらくの間、お互いになにも話さなかった。次に話を切り出したのは琥珀だった。

「刀真…あの時の話の続きをしませんか?」 

「あの時の話?あれは終わったんじゃなかったか…」

あの時の話とはあの婚約パーティー時に話した事だ。

「終わってませんよ」

「そうか……」

「貴方は最悪の場合、自分が死んでも新夜を道連れにするつもりなんですよね。」

「まあ、そうだな……」

「最悪の場合が無くても道連れにするつもりですか?」

「……」

ドン!!

 琥珀は無言で銃を撃った。

「危ねえよ…」

「ふざけないでください!!…前にもいった通り貴方が死んで悲しむ人はいると言ったじゃないですか!!」

琥珀は珍しく感情的になっていた。

「珍しいな…お前が声を荒げるの」

「……それに貴方が死んで悲しむ人がいると…」

「どうだろうな……最近な色々、自分でも分からなくなってるんだ」

「……」

琥珀は俺の話を黙って聞いていた。琥珀は俺の話をどう思っているのかは分からなかったがただ黙っているだけだった。

「まあ、そんなことだから…どうしたんだ?」

ひと通り話すと琥珀は無言で俺の手を握っていた。

「約束です……生きて帰りますよ」

「約束か…破るかもしれないぞ……あの時の約束は破っちまったからな」

「今回は果たしなさい…絶対にそれに貴方が帰る場所はちゃんとあります。」

 圧をかけてはいなかった。ただ俺の顔を真っ直ぐ見て話していた。

「……そうか…分かったよ、なるべくまもるよ」

「この事はお嬢様や雫さんには言わないですよね」

「言わねえよ」

その後、俺達は部屋に戻ったが春奈とティオが2人でなにをしていたのか問われた。

 

 

 

 

 




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