星を愛した人形の追憶   作:ばぐひら/Baguhira

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今回、足早急ぎ足で超特急で終わらせます。まぁ繋の話みたいなものです、そういうものって思って見て下さい


11話 体育祭

 

「さぁ今年もやって参りました新生アビドス体育祭!実況解説は私郭雲エルが行います、よろしくお願いします」

 

「いや、は?」

 

 

流石のアビドス、砂漠に照りつける熱線の日差しが差し込める快晴。そんな絶好の運動日和に、俺は自作テントにマイクを手に取る。場所は我らがアビドス高校の校庭(グラウンド)、清々しいほどに何も無いが、流石元マンモス校。無駄にクソ広い

 

 

「待って下さいね、少しツッコミどころが沢山あるので取り敢えず1つだけ………実況解説一人って、最低二人欲しくありません?」

 

「あ、そこなのね」

 

 

少しズレた指摘を受けつつ、俺はホシノを見る

 

体操着。そう、体操着だ。ホシノが今着ているのは何時もの制服ではなく、より運動に適した体操着である。更に頭には赤の鉢巻きが巻かれている

 

 

「それでエル、なんですかこれ?」

 

「ふふふん、それは追々…」

 

「またなにか企んでるんですか……」

 

 

そんな事を言われても言えないものは言えない。俺だってユメ先輩から「実況と解説の人やって!」って言われただけなんだし、何を企んでるか詳しくは先輩に聞きなさい。どうせそろそろ来るだろうし

 

話を聞くとどうやら、ホシノは先輩から来て!と言われて来ただけらしく、今何故か着ている体育着もユメ先輩の持参品で無理やり着せられたんだとか

 

 

「お待たせ〜!」

 

 

何をするのか欠片も知らない一人(ホシノ)実況解説()がグラウンドにて残されていると、主催(ユメ先輩)が遅れて到着する。ホシノと同じく体操着を身に着け、額には白の鉢巻きを巻いている

 

 

そして、俺は目撃する

 

小走りで此方へ向かってくるユメ先輩の胸部装甲を、その弾力を、弾みを、質量感を

 

と。そこで視線をユメ先輩の胸部装甲から一転、隣のホシノの胸部装甲へ移行する

 

 

「………」

 

「…ん?なんですエル」

 

 

そのあんまりな差に俺は目を伏せ、再度慈愛の籠った眼差しを向けて背中をポンポンと叩く

 

 

「……………フンッ!

 

グフォォォォォッ………!?

 

「………」

 

 

それなりの力((ホシノ基準))で肘付きが俺の鳩尾に炸裂し、迫りくる激痛に体を丸め込み蹲る。ホシノはそんな俺を気を止めることもなく、迫りくる先輩に声を掛ける

 

 

「先輩、どうかしました?」

 

「え、えぇ?いやエルくんが…」

 

「どうでもいいんですよあんな奴」

 

「あんな奴!?」

 

 

これを人は自業自得と言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「さぁ気を取り直してやって参りましょう!」

 

「エル?」

 

「気を!取り!直して!やって参りましょう!」

 

「勢いでかき消した…!」

 

 

あ、マイク使うの忘れてた

 

 

『今体育祭の企画提案者は我らがユメ先輩ッ!…と私!』

 

「ふゅーふゅー!」

 

「参加人数3人なんですけど?」

 

『そこは俺が途中参加するとか…まぁ、色々することで何とかします、はい』

 

「貴方実況解説ですよね???」

 

 

さてさて、そんなこんなで始まりました新生アビドス体育祭。まぁ体育祭とは名ばかりだけど

 

今回、皆が体操着に着替えてグラウンドに集まったのは、俺とユメ先輩が体育祭を企画したためである。その時の俺とユメ先輩との会話を一部抜粋しよう

 

“「ねぇねぇエルくん」”

 

“「なんだいユメ先輩や」”

 

“「学生っぽいこと、したいよね」”

 

“「そうですなぁ」”

 

“「ならさ、体育祭やろ?」”

 

“「いいねぇ」”

 

そんな感じの軽い話し合いの末決定した、ホシノはその時不在でした。余談だが、体育祭が却下されたら水泳大会にしたかったとは先輩談。馬鹿なのか。そんな豊満な水がアビドスにあるわけないし、あったとしても女子二人の水着姿に俺が割って入れるわけないだろっていい加減にしろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『さて記念すべき第一種目は……障害物競走だァァァ!』

 

「障害物競走?」

 

 

ホシノが首を傾げる。その障害物はいったい何処にあるんだと首を傾げているようだ。フフフ、確かにこのグラウンドにはぱっと見それらしいものは設置されていない。だが、この時のために用意したものがある!

 

 

『ということで……こちら!』

 

“ガガガガガガ……”

 

「は?」

 

 

俺が手元のスイッチを入れると、ホシノの目の前のグラウンドの土が音を立て隆起していく。それを呆然と立ち尽くしているホシノ、隆起により土埃が舞い周囲の視界を埋め尽くす

 

 

「うわっ!?目に砂がぁ!」

 

 

………情けない我らが先輩は目にゴミが入ったらしく悲痛な叫びが聞こえるが、一旦無視だ

 

…そして暫くして土埃が鎮まる。視界が晴れ、その全容が姿を現す

 

 

『ステージはこれ!』

 

「は???」

 

 

そこには、先程までは無かった様々な障害物が設置されたまさしく障害物競走のステージが整えられていた

 

『第一の障害は高さ5mに座する100vの帯電鉄輪を潜り跳び!第二の障害は左右から秒速720mで飛び交う火の矢飛び交うコースを駆け抜け!第三の障害で3段トランプタワーを構築し!最後の障害で設置されたサンドバックを殴り壊す!』

 

「アホですか!?」

 

『作、エンジニア部の障害物競走専用特殊ステージでございます!この日の為にユメ先輩がミレニアムのエンジニア部に依頼して作ってもらいました』

 

「ばんざーい!」

 

 

そこで「私が依頼しました」とでも言わんばかりに胸を張るユメ先輩は放っておいて………いやなんであんたが胸張るんだよ

 

ホシノは目の前で起きてる事がデカすぎて頭が追いついていないようだ

 

 

『さてそれでは――』

 

「馬鹿ですか!却下ですよ却下!死人でも出すつもりですか!?」

 

『えー?』

 

「えー?じゃないですが???」

 

 

ホシノから勢いよく鬼気迫る勢いで却下される。それでもゴネようと先輩と結託して説得したはいいものの、それでもホシノの信念は揺らがないのか、俺たちは渋々諦める

 

折角作ってもらったのに…

 

 

『………えー、はい、うん。ホシノ選手必死の却下にて、第一種目として予定されていました障害物競走は中止とさせていただきます。楽しみにしてくださっていた皆様、誠に申し訳ございません』

 

「ぶーぶー…」

 

「死人出す気かアホ二人!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『さぁてそれでは気を取り直し直しまして!第二種目……まぁ実質第一種目……は玉入れだァァァ!』

 

「……玉入れ?玉入れってあの玉入れですか?」

 

『そうだぞ?』

 

「いやあの………玉入れの籠は?」

 

 

ホシノの問いかけに、俺は籠を指さす

 

 

「……玉は?」

 

 

ホシノの問いかけに、俺は玉を指さす

 

 

『なんですかホシノ選手、さっきから質問が多いですね、見れば分かるでしょう』

 

「いやあのなんなんですかあの籠は!ボロボロのゴミ箱を枝を伐採した木に括り付けてるだけじゃないですか!?玉だってこれ御手玉の玉ですよね!?」

 

「ホシノちゃん…うちにある予算だとこういうのまでが限界なんだよ……!」

 

 

ものすっごく貧素で簡素な作り込みにホシノが吠える。因みにその御手玉はユメ先輩の私物、籠は俺お手製です。あんまりそんなこと言わないでくれ、作った自分が一番知ってるんだから

 

 

「これ身近なもので作ったコストゼロですよね!?まさしくDIYですよね!?」

 

「いえーい!自然にやっさしー!」

 

『えー、この体育祭で使える予算は先程の障害物競走ステージ製作にてほぼ全額使い込んでしまったので、ここからは予算0を心がけております』

 

「バカなんですか!?」

 

 

そんなご尤もなツッコミがホシノから飛んでくる。そこを突かれると痛い

 

まぁそんなこんなあり、体育祭が幕を開けた

 

 

『さてさてそれでは早速!参加選手の紹介です!赤組、アビドス高校1年!小鳥遊ホシノォォォォォォ!!!』

 

「紹介が喧しいですね…」

 

 

鋭いホシノのツッコミを華麗にスルーして次へ進む

 

 

『対して白組、我らが先輩、梔子ユメェェェェェ!!!』

 

「いぇーい!」

 

 

ユメ先輩はピースをして此方にアピールをしてくる。此方も同じ様なスルーを決め込み次へ進む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『赤組、もっちゃもっちゃヘルメット団リーダー、田中ァァァァァァ!!!』

 

「よっしゃぁ!」

 

『白組!アビドスが誇るラーメン屋の店主、柴大将ォォォォォォ!!!』

 

「こんなかで唯一の大人だからなぁ、少し大人げないとは思うが最大限頑張らせて貰うさ!」

 

『赤組!!ペロロ様求めて三千里、モモフレンズの刺客!ペロキチィィィィィィィィ!!!』

 

「私の紹介雑じゃないですか!?」

 

『えー、以上5名でお送りいたします』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待てェェェェェ!!!」

 

 

各々の紹介が終わると同時にホシノが声を荒らげてくる

 

 

「誰ですかどなたですかなんなんですか!?ヘルメット団と大将と中学生いましたけど!?」

 

『参加募集かけたら集まってくれた方々です』

 

 

田中さんは少し前から面識のあるもっちゃもっちゃヘルメット団のリーダーで、今回の声かけで真っ先にOKしてくれた人である。無法者集団のヘルメット団に在るまじき義理堅さとノリの良さを持ってるので今回スカウトした、俺の数少ないアビドス以外の友人でもあったりする

 

柴大将は話したらその場で了承してこの場に来てくれた。流石アビドスで少数のまともな大人、惚れちまうぜ

 

最後にペロキチなんだが…まぁ、うん。ペロログッズを餌にしたらすぐに食いついてきた

 

 

『あ、因みに人数が偏ってるので私が白組に入ることで3対3の玉入れ対決となります』

 

「エルくん宜しく〜〜!」

 

「できる範囲で頑張りましょう、グッズを貰ったのでそれに報いる分を!」

 

「それでー…ペロキチちゃん?も頑張ろー!」

 

「阿慈谷ヒフミです!覚えて下さいね!?頑張りましょうユメさん!」

 

 

我らが白組。ユメ先輩が手を振り、ペロキチは闘志を燃やしている。ユメ先輩がオレが紹介した通りにペロキチと呼ぶが、ペロキチは即座に自己紹介を済ませペロキチ呼びを否定する

 

………いやこれペロキチ呼びは否定はしてないな

 

 

「えっへっへっへ…よろしくお願いしますホシノさん…」

 

「それ辞めてくれます…?」

 

「まぁまぁ、そう気を落とすなってピンク髪の嬢ちゃん。この際楽しもうぜ」

 

「…………はぁ。まぁ、ここまで来たら損ですかね」

 

 

一方の赤組では、田中さんが三下下っ端ムーブをホシノにかまし、大将は楽しもうと諭す。ホシノはそれを受け、楽しむ方面にシフトチェンジしたようだ

 

 

「私は小鳥遊ホシノです、よろしくお願いします」

 

「おう、噂はかねがね聞いてるよ小鳥遊ホシノさん。私は田中ってんだ、こんなんでもヘルメット団のリーダーやってるぜ?まぁ殆ど名ばかりではあるんだけどな!」

 

「ヘルメット団とは仲良くする気はないです」

 

「じゃあそういうの抜きにして田中として仲良くなろうぜ?いいじゃんいいじゃんそれくらい〜」

 

「俺は柴石ラーメンってとこで大将やってる、他のやつからは大将だとか柴大将だとか呼ばれてるがまぁ好きに呼びな!あ、こいつはついでだ、うちのラーメン全品半額クーポンをやるよ」

 

「え、いいんですか?」

 

「おうおう、それがきっかけで二度目三度目来てくれるってんなら安いもんだよそんくらい。一回くらいは食べに来な!」

 

 

ホシノたち赤組は互いに自己紹介をしており、仲良く談笑している。それはそれとしてそろそろ準備ができるので、マイクを使って呼びかける

 

 

『はいはい、無駄話はそこまでにしまして!そろそろ始めたいと思います!………それでは皆様位置についてー!』

 

 

俺のその言葉に続いて各々が定位置に着き、準備を始める

 

 

『よーい………ドン!

 

 

合図を皮切りに、皆が玉へと走り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、リレーや大玉転がし、ダンス等の競技を行い、僅差で赤組が優勝した




この後皆で柴石ラーメンに行った


今回は大目に見て欲しいなって
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