星を愛した人形の追憶   作:ばぐひら/Baguhira

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戦闘描写難しい


3話 ヘルメット団とクルセイダーちゃんと小鳥遊と

「オラオラオラァ!!!」

 

「うぇ〜!敵が多いよ〜!!」

 

 

アビドス校舎前、大量のヘルメット団を相手に立ち向かう二人の少女がいた。一人はユメ。大きな盾で敵からの攻撃を防ぐので精一杯な様子で、この現状に不満を垂れていた。元々ユメ自身の戦闘能力はさほど高くなく、更に言えば今手元には盾一つしかないため、満足に動けないでいた

 

 

「あーもう!しつこいんですよいい加減!!!」

 

「ガハッ!」「カフッ!!」「ドボゲェ!!!」

 

 

もう一人は小鳥遊 ホシノ。鋭い目つきをしたオッドアイ、ピンク髪のショートカットで、制服の上から防弾チョッキを身に着けて頭上には特徴的なアホ毛を生やしている。彼女はショットガンを片手にヘルメット団に接近、飛び交う弾丸を過半数以上回避しヘルメット団の腹部に一撃、更に近くにいたヘルメット団の脳天を見ずに正確な射撃を行う。そうして更にやけを起こし突撃してきたヘルメット団数名に対し、持っていた銃を撃つ前に反射で蹴り飛ばし無力化、そこを追い打ちでショットガンを撃ち込むことで撃破する

 

しかし奥からぞろぞろと新手が湧いてくる光景に、ホシノは目眩を覚えた

 

 

「ホシノちゃん大丈夫!?」

 

「私は全然問題ないんですけど………数が多すぎます」

 

 

実力的に言えば何ら問題はない、しかしいくらなんでも二人では限界がある。ヘルメット団はどこから資金を得ているのかは不明だが、見るからに豊富な物資に人材、こう言っては何だが弱小高校相手にかける戦力ではない。そもそもの物量さの違い、物量でのゴリ押しを相手は仕掛けてくる。持久戦に持ち込まれたら二人では打つ手がない。ホシノの返しを聞き、ユメは自身の戦闘能力の低さに項垂れる

 

 

「ッ………!あれは…」

 

「コイツで終わりだぜぇ!!あっはははははは!!!」

 

 

更に不幸なことに、ヘルメット団の後方からクルセイダーまでもが姿を表す。それも3台も

 

 

「壊れろ!」

 

 

ホシノがクルセイダー1台へと付近のヘルメット団を蹴散らしながら接近、愛銃の狙いを定め引き金を2回引く

 

 

「あっはははははは!無駄だよぉ!!!」

 

「ッ!硬い!!」

 

 

砂埃が収まりホシノの目に写ったのは、装甲が少し凹んだ程度のダメージしか負っていないクルセイダー。その砲身がホシノに狙いをつけ、周囲のヘルメット団も銃口を向ける。

 

 

「(しくじったッ!!)」

 

「ホシノちゃん!!」

 

 

ユメが盾を片手にホシノへ駆け出す。しかし距離があるため間に合わない

 

 

「撃てェェェ!!!」

 

「ッ!!!」

 

 

ホシノは来るであろう痛みにグッと目を閉じる。「この距離でこの数は流石に痛いだろうな」と思いつつ、痛みが来るのを体を強張らせて待つ

 

 

「……………っ?」

 

 

しかしいくら待てど衝撃はやってこない。不審に思いつつも薄っすらと目を開く

砂埃でよく見えないが、誰かの背中が私の前にあることは分かる。ユメ先輩かとも思ったが、私とユメ先輩との距離は結構離れていたはずで…失礼ながらユメ先輩の身体能力じゃとても間に合わない。では誰が?

 

 

「弱いものいじめは良くないんじゃねーの?」

 

「………だ…れ?」

 

 

思わず声が出た

 

だってそうだろう。私の前に立っていたのは見知らぬ生徒、顔はよく見えないがその手にはユメ先輩の盾が握られていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろかな」

 

 

柴関ラーメンを出発して数十分程経った。大将に貰った地図によるともう少しで着くと思うんだけど…

 

 

「お、あれか?」

 

 

ふと見てみると、校舎のようなものが見え始めた。砂を被ってはいるが存在感のある、昔はマンモス校だったというのも納得の外見をしている。おそらくあれがアビドス高等学校なのだろう、その証拠にセーラー服の少女たちがたくさん校門前に集まって――

 

 

「は?」

 

 

少女たちがたくさん校門前に集まって(・・・・・・・・・・・・・・・・・)?おかしいだろ、大将とユメ先輩から在校生はユメ先輩含め二名だった筈だ、数の桁が合わない

 

そう思い俺はその集まっている集団をよく観察してみる

 

 

「…おいおいおい、あれヘルメット団じゃねぇか?」

 

 

特徴的なヘルメットを被ったセーラー服の少女たち、何処をどう見てもヘルメット団の奴ら。何故アビドスにこれほどまでのヘルメット団が集まっている?

 

そんな俺の疑問に解を渡すように、アビドス校舎の方から爆発音が聞こえてくる。耳をすませば、銃撃の音が鳴り響いているので俺は不味い状況なのだと瞬時に理解する

 

 

「(そーいやこの前ユメ先輩が言ってたな)」

 

〝「借金だけならまだマシなんだよ、でもヘルメット団の連中も何故か襲ってくるし…散々だよ〜!もうヤダ〜!なんで襲ってくるの!?私なにかしちゃったかなぁ!………でもねでもね!今なんとかなってるのって私の後輩ちゃんのおかげなんだぁ〜!ホシノちゃんってばn――――

 

「じゃあ今やべぇってことだなこれ」

 

――――ひぃん!回想くらい最後まで喋らせてよ!」〟

 

 

長く騒がしく鬱陶しい回想を無理やり中断し思考する、なにか抗議してきた奴がいた気がするが気のせいである。聞いた話と現状を照らし合わせると、つまるところ今アビドスはヘルメット団の連中に襲われている真っ最中だという事になる。不味い、そう思い俺は駆け出した

 

 

「………ん?なんだおmバギャッ!?」

 

「おい!どうしtブベラッ!!!」

 

「誰だ貴sアウドゥ!?!?」

 

「邪魔!!!」

 

 

目の前に束になっているヘルメット団を拳で鎮圧。殴り飛ばしながら走る。ヘルメット団はアビドス校舎の方向に目がいっていたようで、がら空きの背後を容赦なく攻撃することができている。非常に楽だ

 

え?お前この前買った銃があるだろって?まだ買って数日だし試し撃ちもしてないし、俺がどれだけ扱えるか分からないから不確定要素ありすぎて使いたくない。そしてそれが拳で解決できるのなら尚の事

 

 

「ユメ先輩!!!」

 

「え?あ、エルくん!?」

 

 

ヘルメット団を薙ぎ払いつつ校舎まで走っていると、ユメ先輩を見つけ、声を掛ける。俺が声を掛けると先輩は驚いた様子だったが、なんとかして落ち着いてもらった。ユメ先輩から現状を聞いておきたかったからな

 

 

「――なの、それであそこで戦ってるのが私の後輩のホシノちゃん………って!危ない!!!」

 

ユメ先輩が視線を向けた先には、ピンク髪でショートカットの少女がヘルメット団と戦車から銃口を向けられているところであった。ユメ先輩が悲鳴に近い声を漏らす。俺は咄嗟にホシノと呼ばれた少女に向かって駆け出す

 

 

「先輩!これ借りますよ!!」

 

「うん!………え!?」

 

 

俺はユメ先輩の持っている盾を半ば強引にひったくるとそのままホシノの方へと全力で走り出す

 

 

「(間に合えッ!!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「撃てェェェ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弱いものいじめは良くないんじゃねーの?」

 

「……だ…れ?」

 

 

ホシノに放たれた砲撃と銃撃をホシノの前に強引に割り込み盾で防ぐ。手に大きな衝撃がやってくるが、なんとか防ぎ切ることができたようだ

 

掠れたような声が後ろから聞こえてくる。困惑と警戒が混ざったような声で聞いてきたが、声が聞こえたということは一応は無事だったということだろうか?なら良かった、と手放しで喜べる状況じゃない。まだ軽く包囲はされてるし、目の前にはいかつい戦車、後ろに更に二台ある。それにまだまだヘルメット団も多い、40人程だろうか

 

 

「安心しろ、味方だ」

 

「!!………分かりました」

 

 

ホシノに警戒されているためその警戒を解かせようと「味方だ」と伝える。するとソレを完全に信じたわけではないだろうが、一応理解して飲み込んだ様子のホシノが立ち上がり、ショットガンをヘルメット団に構え、俺は同じ様に盾を構える

 

 

「ホシノちゃ〜ん!エルく〜ん!!大丈夫〜!?」

 

 

少し遠くからユメ先輩の声が聞こえる。どうやら心配してくれているようだが、距離と雑音の問題でよく聞き取れない。ホシノは聞き取れたのかこちらに顔を向け、またすぐにヘルメット団の方へと向き直る

 

 

「今信用しました」

 

「あぁ……そうか?」

 

 

何故かそんなことを言ってくるホシノ。良くはわからないがまあ信用してくれたんだし細かいところはいいか

 

 

「精々足を引っ張らないでくださいね?」

 

「っは、そっちこそッ!!!」

 

「ッ!?」

 

 

ホシノめがけ放たれた弾丸を盾で防ぐ。相手はこっちの会話は待ってくれないようだ、ってそりゃそうだ。ホシノは少し驚いた様子だったがすぐに立て直し、銃弾を放ったヘルメット団へと接近、一撃を腹に決める

 

 

「っ!撃て!!撃てェェ!?」

 

「させねぇって言ってんだろ」

 

「なッ!?ガハッ!!!」

 

 

指揮を担っているであろうヘルメット団の一人へと接近し、盾で殴打する。そいつは数メートル吹き飛ばされた後、ピクリとも動かなくなった。流石に死んではないだろうが、気絶位には持っていけたか

 

 

「食らえェェェ!!!」

 

「ッ!」

 

 

戦車からの一撃が突き刺さる。なんとか盾での対処は間に合ったが、体制が整っていなかったのとあまりの衝撃に少し後ろに下がってしまう。ってかこの盾頑丈すぎないか?

 

………あ。良いこと思いついた

 

 

「あ?馬鹿だぜコイツ、盾しか持ってねぇくせにクルセイダーに突っ込んできやがった!」

 

 

俺は戦車へと駆け出す。戦車に乗っている奴と周りのヘルメット団は馬鹿だと笑うが構わない。そうして俺は戦車へ盾を大きく振りかぶり、思いっきり盾で“殴った”。

 

 

“ガァァン!!!”

 

 

「は?」

 

 

一度、二度、三度、まだ足りない。盾を握る力が強くなり、更に盾で強く、早く殴打し続ける。段々と戦車の装甲部分がひしゃげ、嫌な音を発する。しかしまだだ、まだ完全に壊せていない(・・・・・・・・・・・)

 

殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る

 

 

「ま、やめ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

「なんですか、これ」

 

「ん?あぁホシノ…さんか」

 

「言いづらそうなのでいいですよ、呼び捨てで」

 

 

ホシノが少し引いたように問いかける

 

 

「それで…もう一度聞きます。なんですかコレ」

 

 

ホシノが指をさした場所には、スクラップと化した戦車三台分の鉄くずが積み上がっているソレがあった。ただなんてことない、あの後盾で三台とも潰しただけだ。その事をホシノに伝えると、少し引いているような引きつった表情をしていたが気のせいということにしておこう

 

 

「あ、そうだ」

 

「なんですか?」

 

「今日転入という形でお前の同級生になる郭雲 エルだ、よろしくな」

 

「……………貴方よく天然って言われません?」

 

「いいや?」

 

「………はぁ、私は小鳥遊 ホシノです」

 

 

その後、ユメ先輩が用意していた出し物などを含めた歓迎パーティーが開かれた






ホシノ「脳筋…?」

ちなみにエルが助けなくてもホシノ1人でヘルメット団は壊滅できました。ホシノからしたら「少し楽できたなー」くらいの認識です
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