星を愛した人形の追憶   作:ばぐひら/Baguhira

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めっちゃ遅れてすみません!受験がやばくて長い間期間を開けてしまい…更に言えば少し筆が止まっていたのもあって実に一ヶ月ぶりの投稿です!

コレからは投稿頻度を早めたいのでよろしくお願いします




5話 男女平等パンチ

「オラァ退け!ここは今からピカピカヘルメット団の領地だァ!!!」

 

「痛い目見たくなければ大人しく従うんだなぁ!」

 

「あっはははは!!!」

 

「………あ?」

 

 

歓迎パーティーの翌日。登校途中、通学路を通っていると最近では見かけなくなっていたヘルメット団による暴動のようなものに出くわしてしまった

 

大将から聞いた話だと、少し前…ほんの半年前まではよくある事だったらしいが、ある時期から次々に減少していったという。更に悪徳商法を行う黒い大人たちも徐々に姿を減らし、アビドスの治安が良くなっているとか

 

だが、何故そのようなことになったのか…俺はある程度の予想がついていた。まぁ十中八九ホシノだろう、時期的にも辻褄が合うだろうし…ホシノがアビドスに進学したころからかな?どうせ出会ってすぐのユメ先輩に絆されちゃって、ユメ先輩がアビドスのために頑張ってるならせめて今自分ができることをしたい!とか思ったんだと思う

 

だってホシノ、見るからにユメ先輩の事大事にしてるし…他人が見てもすぐ分かるように、そこには強い信頼と尊敬、親愛なんかの感情が見え隠れしている

 

 

「あぁ…辞めてくれぇ!」

 

「………」

 

 

犬の姿をしたアビドスの住民がヘルメット団に壊されてしまったのであろう建物を見て嘆いている。よく見てみると、その人は一昨日もうち(柴関ラーメン)に来てくれていた常連さんで――

 

俺はモモトークで連絡をしてから、暴れているヘルメット団の元へと歩いていく

 

 

「ん?なんだお前、いいか私等は――」

 

「うるせぇ邪魔!!!」

 

「アベシッ!?」

 

 

向かってくる俺に対し、それに気づいた一人が銃を突きつけながら声をかけてくる。どうやら俺が丸腰(実際丸腰)に見えたらしくあからさまに舐めてかかってきている――が、俺がそんな相手の話しが終わるのをわざわざ待つ訳もなく、不用意に近づいてきたヘルメット団の一人の頭部を殴りつける。ヘルメットはその衝撃で頭から外れ宙を舞い、そいつは情けない声を出しながら軽く吹き飛び、白目を剥いて気絶した

 

殴ったらヘルメット外れるって…ちゃんとヘルメットを着けてないからそうなるんだぞ、ヘルメットはしっかり着けとかないと

 

だが、申し訳ないという気持ちは欠片もない。あぁしょうがないだろう、俺はなにも聖人様じゃない。良くも悪くも、見知った人が傷ついたらキレてしまうだけの人間なんだから

 

 

「………坊主、お前坊主か!?」

 

「そーですよ、いいから早く避難して下さい」

 

「…ッ!……………わりぃ」

 

 

そう言うと、常連さんはそそくさとその場を離れていく。正直ありがたい、あの人がいても…言い方は悪いが足手まといにすぎる。まぁかくいう俺も勝算は無いんですけど

 

  

「な、何だ貴様!?」

 

 

俺の敵対行動に気がついたヘルメット団達が俺に銃口を突きつけてくる

 

――丸腰の俺、対して相手は銃持ち複数人――

 

正直なところ、俺はコイツらに勝てない。理由としては肉体強度の違いと、攻撃射程の違いからだ。俺も十分に頑丈な部類なのだが…俺はアイツらやコイツらみたいに銃弾を食らって無傷な訳じゃない、撃たれたらしっかりと痛むし銃弾は肉にめり込むし、だからといって柴大将達なんかよりはよっぽど頑丈だけど

 

ただ俺はどうも力だけはあるらしい。この前の事もそうだが、普通はクルセイダーを殴ってスクラップは頭おかしいと言われた

 

耐久値と引き換えにゴリラパワーを得た…いやそれなら余分な力を耐久に振って欲しかったんだが?神様俺のステ振りミスってない?

 

それに拳と銃、今もそこそこ距離が離れているというのにどうやって勝てるというのだろうか

 

………まぁ…それでも関係ない、既に手は打ってある

 

 

「…おい待て、コイツ…ヘイロー無くないか?」

 

「あ?何言って………ホントじゃねぇか!」

 

「ヘイローもねぇくせにアタシらに喧嘩売ってきたってのか?馬鹿だなぁw」

 

「へっへっへ…いいかお前、少しでも下手な真似してみろ、蜂の巣にしてやるぜ」

 

「この人数差で勝てると思うなよ?」

 

「なーに怖くねぇさ、ちょっとだけサンドバッグになってもらうのと、身ぐるみを拝借するだけだからよ」

 

 

最初は警戒していたヘルメット団であったが、俺が丸腰かつ“ヘイローを持っていない”と判断すると途端に煽り腐った態度を取り始めた

 

ヘイローとは、ヘルメット団の奴らやユメ先輩、ホシノなどの頭の上に浮かんでいる幾何学模様の光の輪の事だ。ヘイローが有ると無いとじゃ戦闘能力が大きく変わる

 

………そう、俺は俺はヘイロー持ちではない…現に耐久力が無い。当たりどころが悪ければ銃弾一つで命に関わってしまうほどに貧弱なのだ。力はその限りではないが………

 

 

「あぁ分かった、俺は何もしない。と言うかどうにもできないだろ」

 

「物わかりがいいじゃねぇか」

 

 

そう言ってジリジリとにじり寄ってくるが、俺は一歩も動かないし抵抗もしない。だって信頼しているから

 

 

「今だ、やってやれホシノ

 

「は?何言って――」

 

バァン!!

 

「ウゴォッ!?!?」

 

 

俺がそう言うと、突然ヘルメット団の一人が倒れる。倒れた奴の背後、ショットガンを構えたホシノがそこにはいた

 

 

「はぁ…会って1日ですけど、早速面倒事に巻き込まれてるんですかエル」

 

「あぁ、すまねぇなホシノ、だがベストタイミングだったぜ」

 

「誰だ!………待て、アイツ小鳥遊ホシノか!?」

 

「は!?マジかよ!!」

 

「クソッ!!」

 

 

ヘルメット団はホシノを見るや否や、あからさまに動揺し始める。あの怯えよう…何があった

 

ともかく

 

 

「人様に迷惑かけちゃ――

 

「……っ!なんだお前止ま――

 

――駄目だろォがクソがァ!!!」

 

――アバニ゙ャ!?」

 

 

隙だらけだったので助走をつけて殴った。色々な怒りを込めて放たれたその拳はしっかりとヘルメット団を捉え、殴られたソイツは気絶した

 

「…仮にも女性に対してよくあそこまで力を込めて殴れますよね貴方」

 

 

何を言うか、俺はただ男女平等パンチを繰り出しただけだというのに…何が悪いというのか。それに――

 

 

「…今はアイツらにムカついてんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、コレで終わりですかね」

 

「だな…サンキューなホシノ、お前がいなきゃ今頃きっと死んでたぜ」

 

「縁起でもないこと言わないでくれます?」

 

 

ヘルメット団を全員ノックダウンさせた俺とホシノは、そう会話をしながら肩の力を抜く。あたりには気絶したヘルメット少女達

 

…実のところ、俺はさほど活躍してなかったりする。大部分はホシノがヘイトを買ってくれ、更に返り討ちにしてくれていた。俺はそんなホシノに釘付けな少数の馬鹿を拳で制圧しただけだ

 

 

「あー…無駄な時間くっちまったな」

 

「そうですね…」

 

「あー!こんなところにいたー!!」

 

 

突然大声が聞こえ、声のした方へと振り返る。そこには少し汗をかいているユメ先輩がおり、こちらに駆け寄ってきていた

 

 

「先輩?なんでこんなところに…」

 

「なんでって…ホシノちゃんとエルくんがモモトークに返信してくれないからじゃん!何かあったんじゃないかって心配だったんだから!!!」

 

 

そう言われてパッとバックの中に入れたあるスマホを手に取り起動させる。するとそこにはユメ先輩からのモモトークの通知が数5件、電話が2通ほど来ている

 

よく見ればスマホが非通知設定になっている。そういやそうだ、元に戻すの完全に忘れてた

 

それにヘルメット団(コイツら)のゴタゴタもあって完全に頭から抜けていた。俺はその事をキチンと伝えて謝罪をした

 

 

「は〜…まぁいいけど、次からはこんな事無いようにしてね?分かった?」

 

「はい…」

 

 

俺は家を出る直前に向かう旨をモモトークでユメ先輩に知らせていた。家から学校まではさほど距離もなく、歩きで数十分程度で着くことができる。しかし現在時間は家を出ると伝えてから軽く40分以上は経過している、それに違和感を覚えた先輩が連絡をしてきたが、それにも無反応だったので心配になって探しに来たのだろう

 

まぁアビドスの治安って普通に悪いからな、そんな中予定時間を過ぎても来ないどころか連絡もつかないとなったら焦るわな。実際襲われてたし…ていうかホシノは俺と違って襲われてても自力でなんとかできそうなものだけど

 

ちなみにホシノはスマホを家に忘れてきていたらしく、家に取りに戻っていった。家にあるならそりゃいくら連絡しても繋がらないわな

 

先輩には心配をかけたようだが、俺はホシノのうっかりが見れてまぁまぁ満足した

 

 

「エルくん本当に反省してる?」

 

「へいへーい、してますよーっと」

 

「絶対してないよコレ……大丈夫かなぁ」

 

 

心外な…「大丈夫かな」って先輩には言われたくない言葉だぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ククッ、お久しぶりですね…暁のホルス」

 

「………その名前で呼ぶな、何の用だ」

 

「そんなに警戒しないで下さい、できればその物騒なものは仕舞っていただけると大変助かるのですが…」

 

 

エルとユメ先輩と別れ、家へスマホを取りに戻っていた最中、私は嫌な相手から声をかけられてしまった

 

“黒服”。コイツがそう自ら名乗った訳では無いが、いつも黒いスーツを着用しているから私が勝手にそう呼んでいる。コイツは一言で言い表すなら“怪しい大人”

 

毎度私に契約を持ちかけてくる。しかもその契約の内容が研究であったりサンプルの採取であったり実験の手伝いであったり…兎に角怪しい契約ばかりを押し売りしてくる。正直言って面倒だし、なるべく関わりたくない。関わったら絶対碌な事にならないと直感で感じてしまうからだ

 

しかしここ最近では頻繁に来ていた契約の誘い話しをめっきりしなくなり、出会わなくなってきていたのでわたしはてっきり“ようやく諦めた”とばかり思っていたのだが…どうやら違うらしい

 

 

「今回は契約の話しをしに来たのではありません、小鳥遊ホシノ…実は折り入って頼み事が」

 

「…聞くだけだから」

 

 

珍しい事もあるものだ、あの黒服が私に頼み事?どうせ碌なものではないだろうが、一応話しだけは聞いておこう

 

 

「…最近ですが、アビドスに新しい新入生が来た………合っていますか?」

 

「何が目的だ」

 

 

新入生…エルの事だろう。コイツの事だ、エルに干渉でもしたらアイツにも嫌な影響を与えかねないし、私みたいに変な契約を持ちかけられるかもしれない。それに、エルにも関わればユメ先輩にも被害が及ぶかも…

 

そうして黒服への警戒を一段と上げる

 

 

「おや、随分と絆されてしまったようで、会って数日程度でしょうに…まぁそこは良いでしょう。私が頼みたいのは一つです………郭雲 エル、彼の監視ですよ」

 

 

目の前の大人は私にそう言い放った

 

 

 




まだ数話目なのに色々意味深なこと言わせるの楽しいィィ!
…これしっかり伏線回収できんのかな
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