ふと目が覚めると、そこは自分の部屋ではなく妙に明るい洞窟の中だった。
昨日は久しぶりに昔好きだったゲームでもやるかとわざわざPSPを押し入れから引っ張り出してFFタクティクスをプレイしてたはずなのだけど、いつの間にか寝落ちしてたようだ。
だが、自室から一歩も出ていないはずなのに
つまり、これは目が覚めたのではなく、まだ夢の中にいるということだ。いやー焦った焦った。
そのうち目が覚めるだろうが、折角なのでこの洞窟の中を探検してみることにするかとあたりを見渡すと、どうやら自分は洞窟の通路の途中で座り込んでいたようで、後ろには扉の空いた鉄格子があった。
鉄格子とその奥から威圧感を感じたので振り返ることなく前に続く道を進むと、光る霧がだんだんと薄くなり、それなりに明るかった洞窟はどんどん暗くなっていった。
暗くなるだけならまだしも、鉄格子の前では感じなかった寒気も感じるようになり、これは進む方向を間違ったかなと思ったところで
嫌な予感がして音がした方向に目を向けると・・・
そこにはたくさんの目玉をつけたスライム状の何かが居た
その後のことはよく覚えていない。ただ、元来た道へと全速力で撤退したことだけは記憶している・・・
目玉だらけのスライムから全力で逃げ、鉄格子の前まで戻ってきて座り込んだところで、今いる場所がどこなのか大体の見当がついてしまった。
ここは、ヘネ魔石鉱であると。
ヘネ魔石鉱とは、私が寝落ちする前にプレイしていたFFタクティクスと同じ世界の過去を描いたとされる
ストーリー上でも一度攻略のために訪れるのだが、その時は【ゾディアーク】までの道が閉ざされており、様々な条件をクリアすることでようやくたどり着けるようになるという、所謂やりこみ要素の一つとなっている。
そのため、【ゾディアーク】への挑戦権を得てから入る奥のエリアでは高レベルのモンスターがうじゃうじゃしており、先ほど遭遇した目玉がいっぱいなスライム【ヘクトアイズ*1】は、奥のエリアで登場するモンスターの内の一匹である。
これだけでも十分に絶望的な状況なのだが、この光る霧が立ち込めているエリアというのはあろうことか【ゾディアーク】が居る最奥の直前なのである。
うん、そうだね、これは詰みだねっ!
私は平和な現代日本の一般人なのだから、終盤のダンジョンどころか序盤の雑魚にすら負けるであろうに、こんな場所に放り出されて生きていけるわけがないだろう!
今から私に出来ることといえば、死に方を選ぶくらいだろう。終盤エリアの雑魚に囲まれてフルボッコにされるか、最強の召喚獣にワンパンで処されるかだ。
どうせ死ぬような目に合えば目が覚めるだろうから、ここは【ゾディアーク】に会いに行くの一択だろう。【ゾディアーク】よ、恐れるがいい。ただの貧弱な一般人が今会いに行きます・・・!